2015年2月7日土曜日

山田線とは対照的な気仙沼線 復旧のあり方を考える




山田線の一部を三陸鉄道に移管することが決まり復旧へ道筋がついた一方で、気仙沼線の復旧は相変わらず道筋がついていません。今回はそのことについて紹介したいと思います。

気仙沼線の今

気仙沼線は前谷地駅から気仙沼駅を結ぶ72.8kmの宮城県北部を走る路線です。震災で被災してからは前谷地~柳津の17.5kmが復旧されまたしたが、残りの区間はBRTでの復旧で完全な運行再開には至っていません。

BRTによる運行再開後は鉄道輸送より輸送力が劣ることもあり、鉄道時代より増発することで利便性の向上を図ったりしています。それでも鉄道時代と同水準の利用者に戻っていないのが原状です。

BRT・・・専用道路を使ったバス路線のこと。この路線では気仙沼線の跡地などを使い運行している。

なぜ復旧できていないのか

津波被害により沿線も大きな被害を受け、他の自治体同様に内陸部の移転が計画され始めました。鉄道を元の経路で復旧し先行して運行再開しても、市街地が内陸へ移動してしまえば採算は非常に悪化します。その調整を待つために最初の遅れが発生しました。

その後JR東日本はルート変更などを含めた復旧にかかる費用は700億円かかると概算しました。JRは震災前の状態に戻すための300億円は負担するが、ルート変更などで発生する400億円は自治体や国で負担して欲しいと求めました。これにより議論は1年近く完全にストップしてしまい、現在に至ります。

復旧するなら自治体は負担するべき

率直に言って鉄道を維持したいなら自治体は可能な限りギリギリまで負担するべきだと思います。

鉄道は性質上街づくりとも大きなかかわりを持ちます。ルート変更などを伴う今回のようなケースでは、自治体とJRの協力をなくしては持続的な運行は無理だと思います。自治体も建設費か運営費を支払うことで運営に対する責任を負うことになるので、必要なことだと思います。また、条件をつけてクリアできれば将来自治体側にお金が返ってくる仕組みにすれば真剣みも増すと思います。

そして、可能であれば住民からも運営費を徴収するべきだと思います。もっともこれは、建設費のためというよりは鉄道を維持するのには協力が必要だという意識を持ってもらうためのもので、生活の負担にならない最低の額で十分だと思います。なので、金額よりもお金を払っていると分かるような徴収の仕方を考えたほうが良いと思います。

そして、僅かな金額も払うのが惜しいという声が強まったなら、鉄道が不要になったということで廃止することを検討して良いと思います。住民の方たちが悪いという意味ではなく、ライフスタイルや状況によっては鉄道が不要というも一つの答えです。

腹を割って話すしかない

上の文で自治体が負担すればよいぐらい文を書きましたが、鉄道以外の復旧にもお金がかかり自治体としては苦しい事情も想像できます。結局お金を出せるのは国とJRぐらいなのも認めるしかないと思います。

なので自治体側から議論の場を設けて出せるギリギリ金額を公表し、足りない分をどうするか率直に話あうべきです。お金が出せないなら自治体として資金面以外でどう協力するかを話しあう必要があるでしょうし、そういったことが出来ない・やる気が無いならどうしようもありません。

間抜けな答えのような気はしますが、そういったことでしか解決は難しいのではないでしょうか。

0 件のコメント:

ブログ内を検索

スポンサーリンク

オススメの投稿

東武ファンフェスタ2023をレポート

 2023年12月03日に東武鉄道の南栗橋管理区で実施された2023東武ファンフェスタを紹介します。 東武鉄道唯一の車両基地公開イベント 東武ファンフェスタは1年に1回行われてる東武鉄道の車両基地イベントです。以前は東上線の森林公園でも車両基地イベントがあったので...