2016年8月29日月曜日

地下鉄と郊外を結ぶ荷物電車の実証実験実施へ




2016年8月29日に東京メトロ、東武鉄道、佐川急便、日本郵便、ヤマト運輸の5社は東武東上線~東京メトロ有楽町線間で、鉄道を使った物流実証実験を行うと発表しました。

実験概要

東武東上線ふじみ野駅駅に到着する東京メトロ10000系
今回の実験で使用される
東京メトロ10000系電車

・拠点間輸送

車両: 東京メトロ10000系1両
区間: 新木場車両基地→森林公園検修区・和光市車両基地

・拠点~駅間輸送

車両: 東京メトロ10000系1両
区間: 新木場車両基地→有楽町線新富町・銀座一丁目・有楽町駅

実験は東京メトロ10000系1編成のうち1両に荷物を載せ、お客さんを乗せない実験専用ダイヤで本物の荷物に見立てた模擬荷物で行います。

実験は拠点間輸送と拠点~駅間輸送の二種類が行われます。拠点間輸送ではトラックで車両基地へ荷物を運び電車で輸送、到着した車両基地で再度トラックへ積み込み各会社の物流拠点へ運ぶ莫れです。拠点~駅間輸送では、各配送会社の新木場車両基地で荷積みし有楽町線各駅から地上へ配送する流れとなります。

日程は9月9,10,16,17,30、10月1,7,8,14,15で、金曜か日曜の実施となります。

今回の実験を通し実際にかかる所要時間、人員や一般のお客さんへの影響などから、安全や作業効率に必要な設備を把握し、トラックから鉄道輸送に切り替え可能か検証します。

鉄道輸送が可能な路線は限られるか?

今回実験に使用される車両基地は、貨物輸送に利便性の高い車両基地が選ばれています。

森林公園検修区は関越道東松山インターチェンジに近く、ヤマト運輸の物流拠点も近くにあります。和光市車両基地も外環和光入口に近く、新木場車両基地は倉庫・工場街にあり首都高湾岸線新木場入口が近くにあります。更に、三つの車両基地ともに比較的大きな車両基地で、トラックの搬入もある程度しやすいと思われます。

このように選ばれた車両基地の道路事情や規模などを考えると、どの路線でも簡単に導入というわけにはいかなさそうです。

駅での荷下ろしについては、有楽町線はホームドア設置にともないホームと列車との間が最小に抑えられているので、比較的問題はないのではないかと思います。荷物の構内移動については、荷物が台車一台程度であること、駅内のコンビニなどである程度に荷物の移動が日常的に行われていることを考えると、お客さんとの接触にさえ注意を払えば問題はあまりないと思います。

駅構内への宅配ボックス設置など、小さな荷物の鉄道との結びつきが強まりつつあります。今回の実験が成功すれば、その勢いがますます増します。一旦は消えた電車による荷物輸送が復活するかは興味深いものです。

2016年8月21日日曜日

復活583系快速あいづ号




2016年8月12~16日にかけて磐越西線で久々に運行された583系を使った臨時快速あいづの簡単なレポートをお送りします。

会津若松駅停車中の583系

仙台から郡山へ583系到着

郡山駅停車中の583系と701系
郡山駅停車中の583系と701系
臨時運行で使用される583系は秋田車両センター所属の車両です。国鉄時代は全国を駆けた583系ですが、今では1編成のみとなっています。今回は4日の臨時運行でしたが、車両は郡山に留置されるのではなく、仙台車両センター留置となっていました。そのため仙台から2時間ほどの時間をかけて毎日回送されました。

私は臨時運行最終日の8月16日に乗車しました。駅員さんに何時ごろ列車が入るか聞いたところ、10:02頃の到着と教えていただきました。隣のホームに黒磯からの電車が9:58頃入るので、電車が遅れないかドキドキ待っていましたが、黒磯からの列車も583系も定時での運行で無事入線シーンを見ることができました。

今では珍しいボックスシート

583系の車内
583系車内
車内は今時珍しいボックスシートとなっています。また、天井が高いのも写真からわかると思います。この構造は夜は3段寝台で寝台特急とし、昼はボックスシートで特急列車として運行するための工夫です。後に昼夜問わず効率的な運行するための工夫が、時代に急激に合わなくなり活躍の幅を狭めていきました。そして、今の時代珍しがられて人気なっているのは、少し皮肉です。

車両の状態ですが、車両の年齢を考えると非常にきれいでした。廃止を前提として運行されていたので単純に比較するわけにはいかないと思いますが、去年乗車した急行「はまなす」や寝台特急「北斗星」と比べても、こちらのほうが内外で状態がよく感じるぐらいです。古い車両を比較的きれいなまま頻繁に運行しているのは、素晴らしいの一言に尽きると思います。

車内の様子は鉄道ファンだらけといった感じです。車内をカメラ持ってうろうろしている人が多数いたり、車窓の様子を撮影する人がいたり半分以上は鉄道ファンといった具合です。小さな子供を連れた家族連れもいたましたが、鉄道好きの父親だったりお子さんだったりという雰囲気がなんとなく伝わってきました。お盆期間というのもあって、今回の指定席はどの日もすぐ完売になったようです。そんな様子じゃ、鉄道ファン以外で乗る人はやはり少ないですよね…そういった事情を知ってだと思いますが、会津若松駅停車時は降車時間を長めにとってくれたりしました。そういう心遣いは本当にありがたいものです。

会津若松ではちょっとしたお楽しみ

留置のため降車する583系運転手さん
駅留置の様子
せっかく珍しい列車に乗車したからには長く楽しみたいものですが、快速あいづは1時間10分程度で終点についてしまいます。しかし、会津若松駅でちょっとしたお楽しみがあります。

会津若松に到着後は上り快速あいづの運行に備えて留置線にしばらく停車するのですが、会津若松駅構内の配線上留置線に入るために駅構内を行ったりきたりします。そのため駅の中を鉄道ファンが右往左往という感じです。


郡山駅で583系と再会

郡山駅で回送時刻を待つ583系
郡山駅で回送時刻を待つ583系
この日私は会津若松周辺で上り快速あいづ583系を撮影して、その次の列車郡山駅へ戻ったのですが、まだ郡山駅に583系が停車していました。その日はお盆の運行の最終日ということで、夜間の回送だったようです。そのため郡山駅で583系に再会することが出来ました。ちょっと得した気分です。


動画でも撮影してきたので、お時間のある方は是非見ていただけると嬉しいです。4K映像となっているので、最大画面でもクリアな映像を楽しめます。

※関連記事
万能特急583系・485系 国鉄交直流特急の終焉

2016年8月9日火曜日

夕張市夕張支線の廃止を提案へ




夕張市はJR北海道へ石勝線夕張支線の廃止を提案したと報道がありました。今回はどういった形で廃止の提案があったかや、夕張支線の現状について紹介していきます。

3つの条件を提示

夕張支線の利用が少ない状況であることや、およそ15か所の橋やトンネルが建設からすでに100年以上経過していることなどを踏まえると、近い将来、廃止などの議論が避けられないと予想し、JR北海道に交渉を持ちかけたといいます。
 2016.08.09 乗りものニュース 石勝線夕張支線、2019年3月に廃止か 夕張市がJR北海道と「交渉」へ より引用
《1》拠点複合施設周辺と市内各地をバス路線などで結ぶ交通体系の見直しに協力する
《2》清水沢地区のJR所有施設などは市への無償譲渡など有効活用も検討する
《3》JR社員を夕張市に派遣する
 2016.08.09 北海道新聞 夕張市が異例の鉄道廃止を逆提案「攻めの廃線」より引用

まずは新聞記事からの引用ですが、JR北海道が赤字路線の急速な廃止を進めるなか、状況の悪い夕張支線「夕張~新夕張」間の廃止を条件付きで先手を打って提案したというのが大まかな流れです。時期としては市が進める都市計画にあわせて、2019年頃の廃止を提案しています。

夕張支線だと長いので、以下では夕張線という古い呼称で読んでいきたいと思います。

街と同じく石炭と歩んだ夕張線

まずは夕張線の状況を見ていきましょう。

夕張線は石炭輸送を目的として1892年に作られました。そのため廃止になった北海道の多くの路線と同じように、石炭産業の衰退は夕張線の衰退につながっています。今では夕張市が財政破綻した影響もあり、状況はますます悪い方向に向かっていると言えると思います。廃止予定区間は一日5往復の列車が運行されています。

元々石炭輸送で開業した経緯から夕張駅からは接続する路線もなく、非常時の代替路線などの機能もありません。路線は川沿いの谷に沿って建設されており、集落も線路と同じように谷沿いに続いています。

北海道最大都市札幌との所要時間は鉄道で2時間弱なのに対し、高速バスが1時間半弱で結んでいて、都市間輸送としても分が悪い状況です。

8月17日にJR北海道受け入れ発表

8月17日に今回の夕張市の提案をJR北海道が受け入れると発表しました。今後協議を行い話を詰めていくようですが、報道によると早ければ2019年春にも廃止になりそうです。

JR北海道はどこまで条件を飲むか?

まず1つ目の条件ですが、JR北海道は江差線を廃止にするあたり代替バスの確保は行っています。そのことから「夕張~新夕張」についての代替路線については積極的に協力すると思われます。市内については夕張鉄道のバスが運行しているので、そちらに協力する形になるとは思いますが、正直なところあまり極端な条件であれば関係のない会社について協力する義理はありません。なので、要求する内容次第といったところでしょうか。

2つ目についてはすんなり受け入れるのではないでしょうか。清水沢地区は夕張線の中間のあたりにある地区です。そこにある清水沢駅はかつて様々な炭鉱からの貨車を捌くために使っていた比較的大きな土地があります。そういった土地を含む譲渡だと思うのですが、売るとしても売れるような場所でもありませんし、そのまま承諾すると思われます。

3つめの社員派遣は微妙なところに思えます。夕張市の財政破綻以後は、専門技術職などを中心に東京都など道外を含むさまざまな都市へ臨時職員の派遣の協力を求め、実際に派遣された職員が働いています。

そいった一環での協力申し出なのでしょうが、人件費と言えば企業が削減したいものの筆頭です。JR北海道も同じように苦しい中で、今後のモデルケースとなる可能性のある提案であまりに不利な条件に思えます。加えて専門性の高い人材を要求しているのであればJRとしても痛手でしょうし、比較的誰でも出来る仕事をJR北海道社員にやらせるのであれば金銭の援助で地元の方を雇ったほうが雇用上も良いでしょう。そこのあたりは夕張市も分かっているので、ダメもとの提案ということなのかもしれません。

ひとまずここまでとします。状況が動き次第、加筆などを行いたいと思います。正直なところ、夕張線や夕張市については私は詳しくありません。何かありましたらお気軽にコメントください。

2016年8月5日金曜日

日比谷線で新型行先案内表示器使用開始




2016年8月5日より東京メトロ日比谷線に液晶タイプの新型行先案内表示器の使用を開始しました。日比谷線、半蔵門線、千代田線と今後順次設置路線を広げる予定で、2019年度には東京メトロ全駅の行先案内表示器がこのタイプとなります。

LEDから液晶へ

日比谷線霞ヶ関駅に設置された新型行先案内表示器
今回日比谷線霞ヶ関駅に先行で設置された
新型行先案内表示器
今回導入された新型行先案内表示器は、液晶タイプのものとなっています。近年では路線数の多い駅に16:9サイズの通常タイプ大型液晶モニタを行先案内用に導入していることがありましたが、このような従来型の行先案内表示器と同じ形のものを導入している会社多くありません。

日比谷線霞が関駅に設置されている行先案内表示器
従来型の行先案内表示器
日比谷線に設置されている行先案内表示器は、少々時代遅れの3色タイプのLED表示器です。それと比較して非常に見やすくなっているのはもちろんのこと、多くの路線で導入が進んでいるフルカラーLEDタイプと比較しても精細なのが分かります。

日比谷線霞ヶ関駅に設置された新型行先案内表示器
韓国語・中国語にも対応する
さらにLEDタイプが英語・日本語の二か国語のみの対応だったのに対し、中国語・韓国語にも対応しました。

実際の稼働時の動画
日本語と外国語が交互に表示される

日本語と外国語は交互に表示されます。LEDタイプより細かく表示が可能なので、外国語表示時でも日本語ふりがなが表示できるため、外国語の表示時時間が増えても日本語ユーザーの不利益も少なそうです。

趣味的な部分で見ると、LEDのようにシャッター速度次第では消えることはなさそうなので、その点でも助かります。

一つ気になる点としては、太陽光のあたらない地下鉄なので非常に見やすく便利ですが、液晶の特性上屋外では見にくくなってしまうと思います。なので、地上駅に関してはどのように見えるか・普及するか注目したいところです。

今後の予定としては2016年度中に日比谷線、千代田線、半蔵門線への設置が完了し、それ以外の路線は2019年度までに設置が完了される予定です。

ブログ内を検索

オススメの投稿

117系改造車 格安長距離列車へ投入

2017年6月20日にJR西日本は117系をベースとしたリーズブナルな値段から乗車できる夜行列車を、2020年夏ごろまでに「京阪神~山陰・山陽」間での運行を目指すと発表しました。 まさかの国鉄型長距離列車の復活へ ベースとなる117系 JR西日本は117系を改造...

オススメの動画

ttmjrmが撮影した映像の中で今オススメのものです。



・解説
4月21日のダイヤ改正より特急リバティが運行を開始しました。走行映像から分割シーンまで、様々な場面を撮影してきました。