2017年1月28日土曜日

第二青函トンネルのメリットから建設まで考える




青函トンネルは北海道新幹線の開業で貨物列車・新幹線双方のボトルネットとなっています。そこでもう一本掘ってしまえば良いというのが第二青函トンネルです。そこで、デメリット・メリットや、建設するならどういう形が良いかを考えて行きたいと思います。

新函館北斗駅に停車中のJR東日本E5系
青函トンネルを越え東京を目指す
北海道新幹線E5系はやぶさ

デメリットは何といってもコスト

メリットについてはいくつかあるので、最初にデメリットの話をはじめます。それはずばりコストです。問題となるコストについては下の主に二つです。

・建設コスト
・維持コスト

まず一つ目の建設コストですが、青函トンネルは1961年から1988年の20年以上に渡りつくれた海底トンネルです。そのため多額の費用がかかりました。

青函トンネル完成から更に20年以上の月日が流れ、土木技術も大きくは進歩しました。それでも多額のコストがかかる見込みです。詳しくは後述しますが、第二青函トンネルのために青函トンネルの設備を流用することで、一定のコストを抑えることが可能です。それでも国の試算(2012年頃試算)では単線トンネルで5000億円・複線トンネルでは5800億円、北海道新聞に掲載されていたゼネコンの試算(2016年頃試算)では単線トンネルで3900億かかるとしています。

次に維持コストです。厳密にいくらかかっているかは調べることができなかったのですが、JR北海道が2億円以上を青函トンネルを保有する鉄道・運輸機構に払っていることや、鉄道運・輸機構が修繕費用に13億の支出を記載してる年もあったので、毎年相当額がかかっていることだけは分かります。それが単純に二倍にならないにせよ大幅に増えることは間違いありません。

様々なメリット

・輸送上のボトルネック解消
・安全性の向上
・修繕時に余裕が生まれる

まず何と言っても輸送上のボトルネックが解消されることです。北海道新幹線の開業した今でも、新幹線は在来線特急「スーパー白鳥」が走っていたころと同じ、140km/hが最高速度なっています。これは高速で走行すると貨物列車とのすれ違い時に貨物列車のコンテナが吹き飛んでしまう危険性や、追い越し設備がトンネル内にないので先行する貨物列車に追いついてしまうなどの理由などのです。そのためトンネルがもう一本になれば、二倍近い速度を出すことが可能になると思われます。

次に安全性の向上です。先ほども触れましたが、青函トンネルには貨物列車も発しています。そのため貨物列車から荷物が落下したりという可能性もあります。そういった環境で高速に走る危険性も存在します。更に青函トンネルには作業用に使われた坑道が残っており、それらが緊急時の避難設備にもなっています。しかし、それら坑道は全区間にわたりあるわけではない上に、一部にケーブルカーが設置されるのみで、鉄道車両やバスなどが走行することが出来るわけでもありません。そのため避難時には人力に頼る部分が大きくなります。トンネルがもう一本あり、もう一つつなぐことが出来れば、緊急時はそちらから迅速に脱出することが可能になります。ちなみに同じ海底トンネルであるユーロトンネルは単線トンネル二本で複線分とすることで、最初から安全性を高める設計となっています。

最後に修繕の問題です。日本は列車を運行しながらの修繕を得意としているので、運行したままでの修繕も不可能ではないと思われます。しかし、運行中の修繕となれば列車の運行する時間を制限したり、列車の合間を縫っての効率の悪い修繕となってしまいます。また、青函トンネルは世界で初めての長大海底トンネルとして設計されたため、修繕の技術が完璧に確立されているとは言いにくい部分があります。なので予想外の事態が発生し、修繕が必ずしも簡単に行えるとは限りません。それらの点からトンネルがもう一本あれば大きく負担が減ります。

掘るなら第一青函トンネルの隣一択

・地形的問題
・地質調査の問題
・掘削時の設備流用
・地上線路設備の流用

コスト増を許容して様々なルートを検討出来るのあれば別ですが、コストを考えると地形・掘削時・線路設備の以下のような様々な観点から青函トンネルの隣一択となっています。ボスポラス海峡の沈埋トンネルのような工法もありますが、ここでは現行の青函トンネルと同じ掘削する形を想定したいと思います。

津軽海峡線は蟹田から木古内を通り、函館湾を沿って遠回りしています。これには理由があって、青函トンネルは津軽海峡の中でも本州と北海道の距離が短く、水深が比較的浅い場所を通っているためです。青函トンネルが通っているとこは津軽海峡の他の場所と違い、地形的に盛り上がっているところになっています。そのため青函トンネルが通っている場所のそば以外にトンネルを敷設すると、どこでもコストと技術的難易度が上がってしまうのです。

トンネルを掘るには地質の調査が必要です。青函トンネルのルートを選定する時には、漁船からダイナマイトを爆発させるなどして反響から地質を推定するなどの調査が時間をかけて行われました。時代が進んだと言ってもルートを変える場合には、調査レベルから大きな手間がかかると思われます。

海底は水分を含んだ軟弱な地質の場所も多くあります。そういった時は凝固剤をひたすら流し込むなどして、固い地質に改質上で掘削が行われます。過去の掘削では実際掘ってみないと軟弱な場所が完全に把握できないこともあり、地質の変化と凝固剤の注入に追われての作業でした。そういった点で、スケジュール管理や凝固剤注入の作業検討などで過去のデータが非常に役に立つはずです。

海底トンネルを掘削する場合、メインのトンネル以外にも作業や試掘用のトンネルが必要になります。青函トンネルの隣に掘る場合では、青函トンネル掘削時に作られた既にある設備を流用することが出来るのです。

地上の線路設備につていも、大きくルートが変わる場合には新たな線路の敷設が必要となります。この点を最小にするためにも、出来るだけ現行ルートに近い場所を選ぶ必要があります。

総合的な判断が必要

鉄道の方を持ちがちな鉄道ファンの視点から見ても、青函トンネルをもう一本掘るほうが必ずしも良いとは思えません。しかし、現状の交通網設計はバラバラに行われているように思えます。単純な採算性でなく、モーダルシフトや鉄道以外も含めてどう交通体系を発展せさせるかを考えて決断して欲しいものです。

※関連記事
北海道新幹線青函トンネル問題を整理する その1
北海道新幹線青函トンネル問題を整理する その2

2017年1月25日水曜日

松原団地から独協大学前へ改名 変るマンモス団地




東武鉄道は2017年春に伊勢崎線「松原団地駅」を「独協大学前<草加松原>駅」に改名すると発表しました。
記事作成日: 2016.06.22/記事更新日: 2017.01.25
東武伊勢崎線(スカイツリーライン)松原団地駅入り口
松原団地駅入り口

名前の由来は大学と名勝

新駅名の由来は駅近くにある獨協大学と、駅近くの綾瀬川に沿ってある名勝「草加松原」を福駅名としました。

改名は2017年のダイヤ改正より一足早い、2017年4月1日に変更します。自動包装などでの呼称は、獨協大学前のみとなりそうです。

マンモス団地と共に歩んだ駅

松原団地駅は1962年より入居が始まった草加松原団地に合わせて、1962年に開業した駅です。最初の写真のように今では駅は改装されたおり、外観・内装ともに近代的な様子になっています。

建て替え準備中の松原団地の棟
建て替え準備が進む地域
草加松原団地の入居か開始された当時は先進的で、高級住宅の側面を持っていました。見た目はよくあるオーソドックスな団地といった具合です。そして、月日には勝てず他の団地や新興住宅同様に魅力を失ってきました。

コンフォール松原内にあるマンション
コンフォール松原内にあるマンション
そこで2003年から民間とUR都市機構による立替工事が行われており、立て替えた地域はコンフォール松原と改名しています。駅近くには高層マンションや民間のマンションが建ち、少し奥に入った区画はUR都市機構が整備しています。

松原団地内でも建て替えられていない区画
建て替えられていない区画
工事の進捗状況は駅周辺の区画については整備が完了していますが、駅から離れた地区に松葉原3・4丁目については計画が未定となっています。

本来であれば建て替えられているはずの区画なので仕方ないのですが、外観を見ただけでも痛んでいるのが分かります。詳しい状態などは分かりませんが、地震を考えると改修や立替が必須のように見えます。

イメージアップの改名運動

工事から遅れて2006年には改名に向ける動きが、獨協大学を中心にあったようです。その後草加商工会などが中心とした協議会解説され変更を前提として議論が行われ、獨協大学や東武鉄道と調整の上今回のように決まりました。駅名を変更すれば大きな費用がかかるわけですが、これについては獨協大学が全額にあたる3億円を支払います。

これについてまったく反対が無かったわけではなく、草加松原団地自治会が市長宛に改名反対の要望書を送るなどがありました。

名前と共に消えるものは?

分かりやすいものとしては、車内の路線図や駅の駅名標などが挙げられると思います。目に見えないものですと、列車が停車すると「松原団地です」といった具合に流れる、駅の自動構内放送があります。

写真・録音ともに今まで以上にマナーを求められる時代です。一年を切った松原団地駅の様子を、何事もなく残していきたいものです。

2017年1月22日日曜日

久々の寄居直通! 東上線団体臨時ブルーバード号50090系




2017年1月21日に東武東上線で運行された団体臨時用列車「Blue bird(ブルーバード号)」の運行の様子を写真・動画でお届けします。

久々の寄居直通

東武鉄道50090系51092F Blue bird号ヘッドマーク
ブルーバード号ヘッドマーク
今回運行されたのは団体臨時用としての運行で、東武トップツアーズ企画による「ブルーバード号で行く!ママ鉄 豊岡真澄さんと東上線全線の旅 in 寄居」のお客さん向けの運行です。

アイドルの豊岡真澄さんや南田マネージャーが添乗し列車のマイクパフォーマンスを行ったり、終点寄居ではステージショーが行われるような内容となっていました。各種限定のお土産の配布もあったようです。

50090系51092F(10両編成)フライング東上カラーの車両に「ブルーバード号」の装飾を付けて、池袋駅から寄居駅まで直通で運行されました。以前は池袋駅から寄居駅までの直通の6両編成の特急が運行されたいましたが、特急が10両化されて以降は定期運転での寄居行きは無くってしまいました。

また、以前は臨時・定期共に6両での直通運転だったので、今回の10編成での直通はとても珍しいものです。

50090系「ブル-バード号」バージョンへ

池袋駅停車中の東武鉄道50090系51092Fブルーバード号
池袋駅停車中
今回使用された車両は50090系51092Fで、この50090系では一編成だけが東上線で昔走っていた「フライング東上号」をイメージしたカラーリングにラッピングされています。その車両にブルーバード号の装飾がされました。

東武鉄道50090系51092F ブルーバード号側面表示器
側面表示器
前後の先頭車両には写真にあるように、ヘッドマークのシールは貼られています。側面表示器の下にもブルーバード号のエンブレムが貼り付けられています。

変わった線路で寄居まで

高坂駅の待避線に入る東武鉄道50090系51092F ブルーバード号
高坂駅の待避線に入る
「ブルーバード号」は普通列車の合間を縫って走るため、ゆっくりとしたダイヤでした。池袋駅を出ると志木駅で5分停車し営業列車に追い越され、森林公園では休憩を兼ねた40分停車もありました。

道中では普段営業列車が入らない線路を使っての運行でした。下板橋駅では下板橋駅付近にある電留線を走行し、高坂駅では試運転列車など以外使わない待避線に一旦停車し、森林公園では森林公園検修区内の線路を走行して寄居駅を目指しました。

写真を撮影して高坂駅では待避線ゆっくり侵入し30秒ほど停車したのちに、警笛を鳴らして出発していきました。

森林公園ではFライナー運用に入っていた渋谷Hikarie号とのツーショットもあり、ツアーのお客さんや我々鉄道ファンも喜んでいました。

荒川橋梁を渡る東武鉄道50090系51092F ブルーバード号
荒川橋梁を渡る
「鉢形~玉淀」間にかかる荒川橋梁では、減速しての走行でした。ツアーのお客さんと、私や周りで撮影していた人たちで手を振りあっていました。そして、添乗していた南田マネージャーがこちらに「お疲れ様~!」と言いながら手を振っていたので、周囲から笑いが漏れていました。

寄居駅停車中の東武鉄道50090系51092F ブルーバード号
秩父鉄道とのツーショット
ツアーのお客さんは寄居駅到着後に、近くホールへトークショーのために移動していきました。ブルーバード号はすぐには発車せず、一時間程度寄居駅で停車したのちに回送列車として出発していきました。寄居駅停車中の間、普段見ることの出来ない車両たちとのツーショットを見ることが出来ました。

8000系もブルーバード号に

東武鉄道8000系8198F ブルーバード号
東武鉄道8000系8198F
ブルーバード号
8000系ワンマン車にも一編成だけフライング東上号カラーの車両がありますが、この日はこの編成もブルーバード号のヘッドマークが付けて一般営業運転に入っていました。



ブルーバード号の動画です。0:34頃が高坂駅発着、2:46頃が荒川橋梁通過、4:38頃が寄居駅での様子、6:45頃が8000系ブルーバード号の映像です。

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東上線90周年でリバイバル塗装2編成運行開始へ

2017年1月17日火曜日

E721系初の4連登場 719系0番台は廃車へ




2016年5月26日にJR東日本仙台支社は、719系置き換え用としてE721系1000番線を導入すると発表しました。
記事作成日: 2016.05.27/記事更新日: 2017.01.17

初の4両固定編成登場へ

郡山駅停車中のE721系1000番台
E721系1000番台
第一編成P4-1
新造車両数: 4両×19編成=76両
導入時期: 2016月11頃~2017年3月
運用区間: 東北本線(黒磯~一ノ関)、常磐線、仙山線

E721系は2007年より営業を開始した車両で、東北地方交流線区向けとして製造された車両です。500番台、仙台空港鉄道向けSAT721系、青い森鉄道向け703系とバリエーションを増やしてきましたがいずれも2両編成で、4両編成は今回の1000番台が初めてとなります。

駅に停車中のJR東日本E721系
ベースとなったE721系0番台
赤い帯を使っている
プレスによると2両編成を2編成連結した場合より定員が増えるため、混雑緩和が図れるとています。車両の仕様は基本的に0番台と同じですが、小規模な改良が行われています。客室は座席の改良による乗り心地の改善、室内灯のLED化による省電力、帯の細い赤帯がピンクへ変更などが変更点です。その他に保守・清掃時に誤って発進しなようにする、移動禁止システムが搭載されました。パンタグラフや電動車の配置などは、701系4両固定の編成の配置を踏襲します。

今回全ての車両が総合車両製作所製(新津・横浜)となり、0番台などのような川崎重工製はありません。投入期間は5ヶ月間で、比較的短期間での投入となります。719系の乗車・記録を考えるのであれば、早めが良いと思います。

福島駅を発車する
E721系1000番台

719系0番台は全廃が濃厚

郡山駅停車中のJR東日本719系
E721系1000番台と並ぶ719系

719系0番台は1989年より製造された車両で、車齢自体は寿命というほど古い車両ではありません。しかし、台車は急行型より流用したたものを使っています。全ての編成が2両固定で、今回の置き換えで同じ車両数の場合は純粋に編成あたりの輸送力向上が見込めます。

719系は2両×41編成=82両が在籍しています。運行区間は東北本線、常磐線、磐越西線となっています。今回のE721系1000番台の導入数では、719系の車両数と合いません。しかし、2017年度ごろに、黒磯駅構内にある交直流切り替え設備を廃止し、盛岡側にデッドセクションが設置されるという話があります。そして、移設と合わせて交直車の運用が設定される見られています。その交直車の数を入れば、719系の穴埋めが出来ます。ちょっと仮定の話が多くなってしまいましたが、予想通りで行けば2017年度いっぱいで719系0番台は運行を終了します。

719系0番台が全廃となると、狭軌車は「フルーティア」に使われている700番台のみとなります。奥羽本線向けの標準軌車である5000番台については、しばらく安泰そうです。

東北地区についてはあまり詳しくないので、間違いなどありましたらお手柔らかにコメント欄などへお願いします。コメントがあれば順次修正します。

2017年1月13日金曜日

東武鉄道 ホームドアを31駅に設置へ




2017年1月13日に東武鉄道はホームドア設置を推進するとして、2020年度までに8駅・2021年度以降に23駅の整備を目指すと発表しました。

区間レベルでの設置を目指す

東上線中板橋駅を通過する東武10030系
ホームドア設置予定区間を走る
東武10030系

設置予定駅

野田線: 大宮駅
東上線: 川越駅、「 志木~池袋」間
伊勢崎線: とうきょうスカイツリー、押上、「北千住~北越谷」間

東武鉄道では東武東上線和光市駅、野田線(アーバンパークライン)柏駅・船橋駅にホームドアを設置していますが、新たに31駅の設置を目指すとしました。

2020年度までが東武東上線川越駅・志木駅・朝霞駅・池袋駅、伊勢崎線北越谷駅・新越谷駅・北千住駅・押上駅に設置する予定です。その他の駅につていは、2020年度以降となります。

今まで主要駅に設置するのみでしたが、今回初めて区間レベルの設置が発表されました。伊勢崎線の設置区間ですが、同区間は日比谷線直通車両がメインで運用される区間で、日比谷線直通車両が新型になるに伴い18mから20mになったため実現できたようです。

東上線の「志木~池袋」間は通過列車の多い区間です。東上線は通過線のようにホームから離れた線路を通過する設備はないので、通過列車の多い同区間の安全性は大幅に向上すると思います。「成増~池袋」間は都心特有の狭いホームのため、特に安全になると思います。

気になる優先順位や所要時間

いくつか気になった点の一つ目として、2020年度までの設置に朝霞台駅が含まれていないことです。

朝霞台駅は武蔵野線との乗換駅で、東上線でも混雑駅の一つです。ホームは狭いわけではありませんが、利用者数が多いために手狭になっています。さらに快速急行とTJライナー運行開始以降は、通過列車も多くなっています。その点で志木駅はTJライナーを除く全列車が停車の上、比較的ホームも広く朝霞台駅よりは安全に思えます。優先順位的には朝霞台のほうが上だと思うので、設置が2021年度以降になったのは不思議です。

次に気になったのは所要時間です。東上線はデジタルATCに切り替わる際にダイヤ改正を行いましたが、なんと遅くなりました。同時期に8000系が撤退したので早くなるかと期待していただけに、面をくらいました。それに加えホームドアが付くようになれば、更に遅くなってしまうのではと思います。

東上線には非インバーター車も多く、ダイヤ改正までにキビキビ走るような車両へ置き換えて所要時間の増加を抑えるのは難しい状況です。伊勢崎線についても今回発表された区間は既に加減速が良い地下鉄車中心の区間で、今以上の速度向上は見込めないと思います。

安全になること自体は良いことだと思います。しかし、近年どの鉄道会社も基本的な所要時間が伸びる方向でがっかりします。速度向上より安全性が優先度的に上なのも理解できますが、これに関しても何とかならないものかと思う次第です。

最後に気になるのはワンマン運転をどう考えているかです。ホームドアは補助金が出ますが、それでも大きな負担です。どこかでコストを減らするとなると、車掌を減らすワンマン運転が考えれます。

区間レベルでの設置が済んだ場合、設置区間については車外監視用カメラを設ければ、10両編成などでもワンマン運転が視野に入ってきます。そうすると伊勢崎線の「日比谷線~北千住~北越谷」や、東上線の「池袋~成増」・「有楽町線~和光市~志木」の列車などは、全区間車掌が居なくても運行可能になります。

2021年度以降の話なのでまだだいぶ先の話ですが、車掌さんが見られない列車が東武鉄道でも増えてくるかもしれませんね。

2017年1月11日水曜日

JR開発「スマートホームドア」を写真と動画のレポートでお届け




JR東日本は従来型のホームドアより軽量・低コスト・大開口を目指し開発したホームドア「スマートホームドア」が、町田駅にて2016年12月17日より稼働開始しました。今回は写真と動画で稼働の様子をお伝えします。


軽量・安価・大開口がコンセプト

JR横浜線町田駅のスマートホームドア
実際に稼働中の様子
JRでも山手線などでホームドアが稼働を開始していますが、現在稼働しているタイプドアの開く幅も限られているため、様々な編成に対応するのが難しい状況です。更に重量も重いためホームの補強などで、工事コストが大きくなってしまいます。その状況を打破するため、JRに限らず様々な会社が改良を行っています。

拝島駅に設置されているもの

JR東日本では他社製の軽量・安価・大開口をコンセプトとしてホームドアを、2015年に拝島駅に導入しています。そして、今回導入されたのはJR東日本の関連会社であるJRメカトロニクスが開発したものとなっています。

横浜線町田駅スマートホームドア支柱
スマートホームドア支柱
最初の写真と上の写真をみて頂くと分かると思いますが、基本的な構造は従来型のホームドアと同じです。その上でドア部が鉄製の棒になり、支柱部も簡素なものとすることで軽量化を図っています。

ドア部にあたる棒が左右で互い違いになっているため、開口部が大きくするため長くなっている棒を収納することができます。

地上駅では良さそうだが地下駅では問題あり?

実際の稼働の様子

基本的な動作は従来型のホームドアと同じため、利用する側としても特に混乱などは起きなさそうです。

ホームドアの開閉時間がかからないよう、列車のドアとホームドアのドアを同時に動かす場合もありますが、現状ではドア部と別々に動かしています。そのため開閉時間は延びてしまっているようです。

無骨ではありますが、ホームドアが無いよりはやはり安心感は感じます。事故防止にも一定の効果はあるのではないでしょうか。ただ、隙間が各部に大きくあいているデザインのため、地下鉄での列車風対策には適さないと思います。やはり、適材適所という感じです。


今後順次設置幅を拡大

現在は最後尾1両分が設置されていますが、2017年3月には先頭車両2扉を除いて全て、夏には編成全体に扉が設置される予定です。

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意欲的な新型車両 西武40000系2017年春運行




2015年8月24日に西武鉄道は30000系通勤電車の後継として、40000系を2017年春から運行開始予定だと発表しました。
記事作成日: 2015.08.24/記事更新日: 2017.01.11

池袋駅停車中の西武300000系
現在最新形式の30000系

意欲的な車両設計

車両概要

車体: アルミダブルスキン
設計最高速度: 120km/h
導入車両数: 10両×8編成=80両
車両制作会社: 川崎重工業

「進化したスマイルトレイン」をキーワードとした40000系を2016年~2019年にかけて8編成80両導入し、2017年春から運行を開始すると発表しました。

イメージ画像から読み取ると、先頭車両は東京メトロ10000系のように前後に丸みをおびたデザインで、地下鉄乗り入れのための貫通扉が付いています。ヘッドライトも運転台下部の低い位置ではなく、運転台上のLED行き先表示機横の高い位置に変更されています。先代の30000系と比べると、デザインが一新されています。

側面はアルミ構体らしいすっきりとしたものです。カラーリングとしては30000系を引き継いだようなトーンですが、窓下ではなくドアが塗装されています。また、裾絞り構造ではなく、箱型のフラットな側面となっています。

西武鉄道は20000系、30000系と日立製作所製の車両を導入していましたが、今回は川崎重工業からの導入となります。1927年以来久々の導入です。

車内はかなり意欲的な設計となっています。先頭車両の1つ目と2つ目のドアの間の窓は大型のものとなっていて、小さなお子さんが楽しめる設計になっています。さらに、このスペースは車椅子やベビーカーや大型荷物を置ける「パートナーゾーン」となっていて、多目的な利用が出来ます。

東武東上線TJライナー車内の様子
TJライナーの座席

一部編成は座席をクロスシートとロングシートに変更出来るデュアルシートが採用されます。イメージとしては東武東上線のTJライナーと似た感じです。大型の背もたれや肘掛で座席の快適性が向上する反面、ロング時の扉間の着席定員は7人から6人に減ります。各ドア上には液晶モニタが搭載されるほか、シャープ製空気清浄機も搭載されます。

足回りは従来どおりVVVF制御ですが、近年多くの鉄道会社で採用の相次ぐPMSM(永久磁同期電動機)を採用していて、30000系より消費電力が低減されます。

8月25日に東芝が発表したプレスによると、24ユニットのVVVF装置とPMSMが西武鉄道へ納入されます。このVVVF装置は一つで8個のモーターを制御できるとあるので、1編成あたりのMT比は6M4Tか5M5Tになりそうです。
『西武鉄道によると「40000系」の運行路線は西武池袋線、新宿線、拝島線を予定。なお一部の編成は地下鉄直通対応車両となります。』
『』は鉄道情報サイト鉄道新聞からの引用ですが、一部編成は地下鉄にも乗り入れます。従来通りのロングシート車は地下鉄へ、デュアルシート車は地上用といった感じになりそうです。

また、現在副都心線や有楽町線に乗り入れいている6000系はリニューアル工事などを行っていて、車両の寿命・車内サービスを考えてもまだまだ使えます。しかし、都心や他社線へ乗り入れる地下鉄直通車は目立つ存在です。西武鉄道のイメージ的な意味で、一部車両を置き換えるのかもしれません。

西武秩父・横浜方面への座席指定列車として運行

西武鉄道は2016年6月16日に地下鉄・横浜方面の座席指定列車として40000系を使用すると発表し、2017年1月10日に運賃などの詳細を発表しました。

運行開始は3月25日からの予定で、指定席列車の愛称は「S-TRAIN」になりました。

ちょっとお高いかも? 指定席料金

S-Train 運賃・停車駅表
運賃・停車駅表
PC・スマホで拡大できます

平日は「有楽町線豊洲駅~西武池袋線所沢駅」間を、休日は「みなとみらい線元町・中華街~西武秩父線西武秩父駅」間での運行となります。乗降が出来る駅の他、乗車や降車のみの駅が設定されています。

指定席料金は平日であれば510円の定額です。休日の場合は乗車する駅によって異なり、310~1060円の幅となっています。子供料金も設定されており、大人の半額となります。

他の列車との運賃を比較すると、西武秩父からの最大指定席料金1060円はちょっと高いのかなという印象を受けます。他の列車との比較ですが、同じような趣旨の東武鉄道TJライナーの最大料金が「森林公園~池袋」で410円、西武鉄道の特急レッドアローが「池袋~西武秩父」で710円、JR東日本の普通グリーン車の休日料金の最大が1040円(事前割引780円)となっています。

詳細を発表していないので推測になってしまいますが、基本的に他社線への乗り入れがある関係上指定席料金も分け合う必要があると思われます。そのためある程度高くなってしまうのは仕方ないと思います。しかし、リクライニングもしない椅子などの貧弱な設備で1000円超えてしまうのはちょっと高いような気もします。


所要時間は若干早く

平日に走る列車の所要時間については、若干早くなります。有楽町線内は追い越し不能なので変わりませんが、西武線内はラッシュ時乗り入れてる最速列車の準急より早くなるために短縮されます。

休日の列車については「元町・中華街~飯能」はFライナーと概ね同じ所要時間です。「飯能~西武秩父」については特急より一駅停車駅が少ないぐらいなので、特急並みの所要時間を実現しています。

東武と西武対象的な戦略へ

同じような座席指定列車を走らせながらも、東武と西武は違う選択をすることになりました。約12kmと有楽町線との並走距離の長い東武は、副都心線開業に合わせて東上線の魅力と収益を引き上げるためにTJライナーを運行開始しました。それに対し並走距離が6km程度と短い西武は、以前より地下鉄方面への利便性を拡充し今回の列車運行に至りました。

同じ地下鉄相互乗り入れをする会社でも、並走距離の違いだけで反対の戦略をとる両社です。東武も地下鉄直通の急行を走らせたり、利便性重視の姿勢に変ってきました。土休日の東上線~地下鉄直通列車であれば、単純に需要を食い合ったりはしないと思います。東武ファンの私としては、東武が追随するかも注目です。

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