2017年4月24日月曜日

万能特急東武500系リバティ 縦横を駆ける




2017年の4月21日より運行を開始した東武鉄道500系特急リバティの運用や料金面を中心に解説します。車両については別記事の「東武鉄道新型特急500系リバティ 半蔵門線には直通しない?」のほうをご覧ください。

下今市駅で停車中の500系特急リバティ

4月21日ダイヤ改正より運行開始

運行開始は東武野田線(アーバンパークライン)・伊勢崎線(スカイツリーライン)・日光線のダイヤ改正に合わせて、2017年4月21日からの運行開始となりました。

このダイヤ改正は久々の大きな変更を伴うものとなりました。500系リバティを利用した分割・併合のある特急列車の運行開始、快速・区間快速を廃止し「南栗橋~東武日光」間の急行・区間急行への以降、更に特急の土日ダイヤ採用などです。

車両愛称は「Revaty(リバティ)」

東武500系リバティのロゴ
車両側面のロゴ
東武鉄道では特急車両100系には「SPACIA(スペーシア)」、200系・250系には「Ryomo(りょうもう)」と愛称を付けてきましたが、500系には「Revaty(リバティ)」という愛称が付けられました。

由来は様々な線区を走ることから連想される「Variety」と、東武線を縦横無尽に走り回ることらら連想される「Liberty」の二つを組み合わせて、「Revaty(リバティ)」としました。

特急運行区間の新列車・新線区設定へ

下今市駅で停車中の東武500系リバティ
分割を待つ500系
貫通扉を設けたことからも分かるように、殆どの種別で分割併合前提の運用となります。既存の特急と同じ区間を走る列車については、既存の列車名にリバティが付きます。さらに、実質ライナー運用の近距離特急も設定されました。

分割併合あり

・リバティけごん+リバティきぬorリバティ会津
・リバティけごん+リバティりょうもう
・アーバンパークライナー

リバティけごん+リバティきぬorリバティあいづ

「リバティけごん+リバティきぬorリバティ会津」は「浅草~下今市」間を6両、「下今市~東武日光・会津田島」間を3両で運行します。「リバティけごん」に、「リバティきぬ」か「リバティ会津」のどちらかが連結されます。ただし、一部列車については分割併合無しの3両編成で運行されます。

「リバティ会津」は野岩鉄道沿線の温泉街や会津鉄道沿線の観光地へのアクセス向上を理由に、2016年4月21日に発表された野岩鉄道・会津鉄道へ乗り入れて会津田島駅まで運行する、今回新しく設定された列車です。

原則として併合時は「リバティ会津o r きぬ」が先に下今市駅へ入線し、その後「リバティけごん」が入線し連結します。分割時はその逆の順番となります。

リバティけごん+リバティりょうもう

「リバティけごん+リバティりょうもう」は「浅草~東武動物公園」間を6両、「東武動物公園~東武日光・館林」間を3両で運行します。今のところ1日片道一本のみの運行となっています。伊勢崎線と日光線の分岐駅である東武動物公園駅で、分割作業を行います。

アーバンパークライナー

「アーバンパークライナー」は新しく設定された近距離特急で、4タイプの運行が設定されています。夜の運行しかありません。

「浅草~大宮」間を6両で運行する列車、「浅草~春日部」間を6両で運行し「春日部~大宮・野田市」を3両で運行する列車、野田線内のみの運行で「大宮~運河」間を3両で運行する列車の4タイプが運行されます。

上で紹介したもののうち、「春日部~大宮・野田市」は春日部駅で分割を行います。このうち野田市行きの列車は、春日部駅で進行方向が逆になります。また、大宮に向かった3両が、折り返し野田線内のみを走る「大宮~運河」間の列車となります。「浅草~大宮」間を6両で走る列車は、大宮駅到着後にすぐ回送列車として車庫へ戻ります。

「浅草~運河」間に以前設定された臨時特急は、やはり今回の布石だったようです。野田線沿線は東武本線系統より、大宮からJRを使うお客さんも多く、2016年のダイヤ改正でお客さんの利便性重視の「大宮~春日部」間急行の列車が設定されまし。なので今回の野田線内のみの特急は、その姿勢をより鮮明にしたのだと思いますが、それでも驚きです。

分割併合なし

スカイツリーライナー

「スカイツリーライナー」も、今回初めて設定された近距離特急です。運行区間は「浅草~春日部」間です。一部列車については100系スペーシアでの運行です。

朝方は浅草行きのみの運行で、1号は5:36発・3号は6:08発と非常に朝早い時間帯の運行です。この後から「けごん」や「りょうもう」など北部からの特急列車が来るので、朝方の「春日部~浅草」間の特急が無い時間帯を補完するために運行開始されました。

夜は春日部行きのみの3本が運行されます。17:30から1時間ごとの運行で、スカイツリーライナーの運行終了後に、アーバンパークライナーが運行される形となります。

車内サービスはビジネス向け

東武500系リバティの座席
座席

東武500系リバティのサービス用コンセント
サービス用コンセント
座席の形状はスペーシア100系に似たものが採用されています。ただ、こちらのほうが若干硬い印象を受けました。東武500系にしかない物として、PC用のAC100V/2AのコンセントとFree Wi-Fiがあります。逆に100系にしかない物として、座席のフットレストや車内の売店に車内販売があります。

3両編成で運行することを考えると売店が置くのが難しいことや、貫通部を車内販売のワゴンが通るのが難しいといった事情もあるのだと思います。また、車両コンセプトとしても500系のほうがビジネス向けなのではないでしょうか。その他にトイレが大型化されいて、障害がある方は500系のほうが利用しやすいかもしれません。

貫通扉上のLED

案内用に貫通扉上にフルカラーLEDが表示されています。日本語だけでなく、英語・中国語・韓国語などにも対応しています。

料金は一部値上げ

りょうもう・けごん・きぬ・会津

東武リバティ特急運賃
特急運賃より
「けごん・きぬ」に関しては、スペーシアもリバティも同じ計算です。「リバティ会津」についても新藤原まではスペーシアと同じ計算方法ですが、野岩鉄道・会津鉄道線内はそれぞれ一律で特急料金が加算されます。浅草から乗り通す場合を例にすると、野岩鉄道線内は東武線内の特急料金に一律370円追加で1810円、会津鉄道線内は東武・野岩鉄道線内の特急料金に一律300円追加で2110円となります。

また、スペーシアで設定されている夜割りと午後割りの設定がありません。なので、500系にしか搭載されていないコンセントやWi-Fiが使いたいなどがなければ、それらが設定されている時間帯はスペーシアのほうがお得となります。

「りょうもう」との比較では特急料金の計算がスペーシアと同じ割合になるため、値上げとなります。浅草から乗り通す場合は初乗りで同額、「リバティりょうもう」の終点である館林で200円値上げの1230円です。もっとも、今のところ下り一本のみの設定予定なので、「りょうもう」を頻繁に利用する方でもほとんど影響は無いと思われます。

スカイツリライナー・アーバンパークライナー

東武鉄道リバティ ライナー運賃より
ライナー運賃より
浅草発のスカイツリーライナー・アーバンパークライナーは、浅草~北千住間から乗車する場合は一律410円で、せんげん台以降は運賃のみで乗車出来ます。

大宮発のアーバンアパークライナーは大宮駅から乗車するときのみ310円の追加料金が必要で、春日部以降は運賃のみで乗車できます。

春日部発のスカイツリーライナーは、段階性のライナー運賃となります。春日部から乗る場合ですと、次の北千住までが420円、とうきょうスカイツリー~浅草間で510円となります。

走行から分割シーンまで撮影しました

今までの特急車両と違い分割併合を可能とすることで、運用面での柔軟性を持たせるようになっています。まだ走り始めたばかりの列車なので、柔軟性を生かした新しいサービスが今後も出ることを期待したいものです。

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東武鉄道新型特急500系リバティ 半蔵門線には直通しない?




2015年4月22日に東武鉄道が発表した新型特急500系「リバティ」について、車両の仕様などを中心に解説します。そして半蔵門線に直通出来るにも触れていきます。運用に就いては「万能特急東武500系リバティ 縦横を駆ける」をご覧ください。
記事作成日: 2015.04.22/記事更新日: 2017.04.24


500系特急電車スペック

東武日光線を走る500系特急リバティ
東武日光線を走る500系特急リバティ

編成概要

東武500系編成表
500系編成イメージ

車両形式: 500系
導入車両数: 3両×8編成=計24両
導入路線: 東武本線
運行開始日: 2017年4月21日
製作会社: 川崎重工
デザイナー: 奥山 清行

今回導入されたのは3両×8編成=24車両の特急車両です。2016年度に導入され、2017年4月21日から運行を開始しました。基本的には2編成を連結した6両で運行します。500系の導入により1800系の改造車である300系が2編成廃車となりましたが、350系については今後も特急「しもつけ」・臨時特急「きりふり」で運行を続けます。

運行路線は東武スカイツリーライン(伊勢崎線)・日光線・鬼怒川線・アーバンパークライン(野田線)・野岩鉄道線・会津鉄道線と、本線系統であればどこでも走れるようになっています。

6両の編成のスペーシアは東武と野岩鉄道の境界駅である新藤原駅まで乗り入れていますが、そこから先は変電所容量の関係で乗り入れが難しいという話を聞いたことがあります。3両編成の小回りのよさが早速生かされることになりそうです。


車両外観

製造は川崎重工です。東武鉄道での採用は1946年に戦後の輸送力不足改善のため国鉄から割り当てられた63系以来となります。(川崎重工に吸収合併された汽車製造が8000系を作っているので、これを含めると変ります。)

春日部駅に入線する東武100系
特急スペーシアとして活躍する
東武100系特急電車

下今市駅で停車中の東武500系リバティ
下今市駅での分割作業

デザイナーは北陸新幹線E7系や山手線E235系、中央線特急E353系などを手がけた奥山 清行氏です。前面は貫通型で分割・併結が可能な形状で、今までの東武特急が非貫通型であるのと対照的です。旧成田エクスプレスの253系に似た形状ですが、253系が車掌しか通行できないのに対し、旅客も通行可能なタイプとなっています。

連結作業中の東武鉄道500系リバティ
連結作業中

分割作業の動画

分割や併結時には貫通幌のロックは駅員が行い、貫通幌の収納や外側の扉の開閉は自動的に行う、半自動方式となっています。そして、車内の運転台側の扉のロックなども手作業で行います。連結時には連結部がオレンジに点灯し、注意喚起の音が流れます。一部自動化されていると言っても作業量は特段減ったわけではないので、6050系と比べて作業時間が短縮されているなどの印象はありませんでした。

東武鉄道500系リバティ 上部前照灯
上部前照灯

東武500系ヘッドライト・テールライト
下部ヘッドライト・テールライト
ヘッドライ専用のライトが貫通扉上、ヘッドライト・テールライトを兼ねたものが前面下部についています。LEDタイプのもので非常に指向性が高く、写真の通り横からだと点灯しているのが殆ど分かりません。また、下部の前照灯は日中では3分の1程点灯し、夜間は全て点灯するようになっています。

東武鉄道500系側面LED行先表示器
側面LED行先表示器

東武鉄道500系リバティのロゴ
側面ロゴ

側面の行先表示器はスタンダードなフルカラーLED表示器を採用しています。側面にはリバティのロゴが貼られています。

電装部品など

SS182M(TRS-16M)

東武鉄道500系リバティ搭載東芝製VVVFインバータ
東芝製VVVFインバータ
足回りはには東武30000系で試験を行っていた永久磁石同期モーター(PMSM)が採用されるほか、東武鉄道では初めてアクティブサスペンションダンパーが採用されます。モーターはPMSMです。2017年4月21日に東芝がモーターを納入したと発表しました。

実際に乗ってきましたが、発車時のモーターやインバーター音などはスペーシア100系と比べると、非常に静かに感じました。揺れについてもアクティブサスペンションダンパーがある分、少なく感じました。

東武鉄道500系リバティのパンタグラフとクーラー
パンタグラフとクーラー
パンタグラフは先頭車と最後尾に一つづつ搭載されています。クーラーは屋根上に集中式の物が、一両につき一つづつ搭載されています。最近は屋根まで塗装されている車両もありますが、そういった特徴はありません。

車内サービスとしてWi-Fiや2Aまで対応のPC用電源も用意されます。車内サービスについては「万能特急東武500系リバティ 縦横を駆ける」に記載しているので、そちらもご覧ください。

走行から分割シーンまで撮影しました

気になる地下鉄直通

今のところ地下鉄直通の発表のない500形ですが、実際可能なのか考えてみます。地下鉄の乗り入れの障害になるものとして、前面貫通扉と車体幅の制約があります。500系は前面貫通扉は問題なさそうですが、車体幅やカーブの制約で怪しいところがあります。

地下鉄はトンネルの大きさの関係で車体幅が大きい車両は入れない場合があります。今回発表された500系の車体幅は2870mmです。これに対し半蔵門線直通対応車50050系が2770mm、日比谷線直通対応車20000系列が2874mmとなっています。

なので、半蔵門線に関しては車体幅的に難しそうです。日比谷線は車体幅だけで見れば問題ありませんが、まもなく登場予定の新型東京メトロ13000系や70000系が舵操舵台車を装備して20m車の乗り入れに対応したのを見ると、カーブの問題で難しそうです。やはり500系の地下鉄乗り入れは、無いのではないでしょうか。

スペーシアの後継ではない

発表時のプレスリリースで「特急スペーシア、特急りょうもう等に加えて、特急列車のさらなる利便性を向上を目的に」とあるように、新しい選択肢としての導入で既存特急車両の後継ではありません。

車両数で考えてみても全24両では足りませんし、スペーシアが6両を基本としていることからも後継ではないとすると納得できます。東武300系が6両×2編成=計12両・350系が4両×3編成=計12両であることを考えると、こちらのほうが全て置き換えられることも予想されましたが、300系の置き換えのみとなりました。

また、半蔵門線などの地下鉄直通にはスペーシア後継で対応を考えているため、今回の車両では対応しない考えなのかもしれません。車体の構造的にはATS-Pさえ搭載すればJRへの乗り入れることも可能だと思いますが、同様の理由で今後も行われないことが考えられます。

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東武鉄道 野田線運河行き臨時特急運行

2017年4月20日木曜日

「平凡」と「早すぎた」2つの東武快速




今回は東武鉄道が東上線で運行している快速と、「浅草~日光・鬼怒川」間で運行していた本線系統の快速という、対照的な2つの快速について紹介したいと思います。
記事作成日: 2015.05.12/記事更新日: 2017.04.20

2つの快速

東武鉄道で運行している快速は現在東上線だけですが、以前は二つの快速が運行されていました。一つ目は「池袋~小川町」間を結ぶ東上線系統の快速と、「浅草~日光・鬼怒川」間を結ぶ本線系統の快速がありました。

この二つの快速は違ったコンセプトのもと同一種別を名乗っています。その特徴や違いが対照的かつ面白いので、今回紹介してみようと思います。

平凡な東上快速

東武東上線を走る東武9000系
快速運用に就く9000系9101F

東上線は10両編成の列車が運行する「池袋~小川町」間と、4両ワンマン列車の運行する「小川町~寄居」間に分かれています。その中で快速が運行するのは「池袋~小川町」間で日中に1時間あたり2本運行されています。車両は10両編成の通勤電車が使われており、特定の形式での運行は行われていません。

東上線では停車駅の少ない順に「TJライナー(有料)・快速急行・快速・急行・準急・普通」の7種類の種別が運行されていますが、真ん中ぐらいの数でちょっと中間的なポジションです。

平日ダイヤでの比較ですが、ラッシュ時に運行される「TJライナー・快速急行」が「池袋~小川町」間を約65分で結ぶのに対し、日中の空いているダイヤを生かした「快速」は約70分で結び、中々の走りです。しかし、「急行」も日中は70分弱で結ぶので、「快速」を走らせるなら「急行」のほうが通過駅の利便性を考えると、トータルでは便利なのではと思ったりもします・・・駄目ではないけど特別凄くもない、そんな平凡さを持つのが東上線快速だと思います。

ちょっとだけ快速らしくなった?

2016年の東上線大改正で、快速列車にも大きな変化がおきました。池袋行きの急行を減らし地下鉄副都心線直通のFライナーが運行開始したほか、川越市以北でも日中に準急が運行を開始しました。今まで池袋行きの急行は4本だったのですが、この2本を副都心線直通のFライナーとし、池袋行きが減った分を2本の準急と2本快速で補うことになったのです。

以前のダイヤではで快速列車は、緩急接続を使った速達列車としての役割は小さいものでした。それが川越市以北へ向かう・から来る準急列車と川越市駅で接続することで、池袋行き急行を補う列車として重要性が高まりました。今までぱっとしなかった快速ですが、少しだけらしくなってきたのではないでしょうか。

早すぎた本線の快速

東武伊勢崎線を走る東武6050系
快速専用車両の東武6050系
浅草を基点とする本線系統を走る快速は「浅草~東武日光・会津田島」間の運行で、途中下今市駅で列車の分割・併合を行う長距離列車です。車両は快速専用の6050系が使用されています。快速専用というだけあって、2扉・ボックスシート・トイレ付きと、他の通勤電車とは別の装備になっています。

停車駅数も少なく「浅草~鬼怒川」間を約2時間20分、「浅草~東武日光」間を約2時間10分ほどで結びます。これは特急が「浅草~鬼怒川」間を約2時間、「浅草~東武日光」間を約1時間45弱で結ぶのを考えるとなかなかの早さです。しかし、この早さが仇となりました。

元々もは1日を通してのダイヤが設定されていましたが、新大平以北が各停の区間快速の登場で朝方の下りだけの運行になってしまいました。これは誰が見ても特急への誘導です。速くて設備も凝っている快速ですが、この速さのせいで大幅に本数を減らされてしまった列車なのです。

さよなら快速電車

廃止間際の映像

縮小傾向の続く快速列車でしたが、2017年4月21日のダイヤ改正で廃止が発表されました。快速廃止後は「南栗橋~東武日光」間で運行を開始する急行と区間急行、さらに特急「リバティけごん・会津」が代わりを果たします。ただ、急行は午前中の下りのみの運行、区間急行は下りが夕方で上りが朝方と夕方頃の運行のみとなり、快速・区間快速時代よりさらに運行本数が少なくなります。

観光が好調な反面で沿線人口自体が縮小し、特急列車の比重を高めたいという意図は分かります。ただ利用者としては、お手軽かつ快適な専用車両を使った快速がなくなるというのは、やはり不便なものです。特に日中は代替となる急行・区間急行がまったく運行されないのは、特に不便です。時代ということなのでしょうが、いろいろな意味で残念という他ありません。

あとがき

同じ鉄道会社が運行する同一種別でも、違った顔を持った列車が走っているがお分かりいただけたでしょうか?今後も東武鉄道に関するこういった記事を、不定期に書けたらなどと思っています。

※関連記事
東武鉄道の対照的だった2つの急行・地下鉄戦略

2017年4月18日火曜日

さよなら東武634系特急スカイツイリートレイン




2017年4月16日をもって引退した観光特急スカイツイリートレインを紹介します。

6050系の改造車

東武634系野田線回送回列車
野田線を回送で走る634系
スカイツリートレインは名前の通りスカイツイリーをテーマとした車両です。2012年より東武鉄道が運行していた臨時特急列車です。2017年4月21日のダイヤ改正に先駆けて、4月16日に運行を終了しました。

日光線を走る東武6050系快速
東武6050系
車両は634系という専用車両で、4両1編成が製造されました。この車両は新造車両ではなく、快速・区間快速を中心に使用されている東武6050系を2両2編成を改造したものです。東武鉄道は大手私鉄ということもあり、簡単な車内更新や電装部品の更新であれば自社の工場で行うことも可能です。もう少し手の込んだものは館林にあり、実質東武鉄道の車両改造工場として機能している津覇車両で行っています。後で詳しく車内を解説しますが、かなり大掛かりな改造を行ったために、横浜の総合車両製作所で改造を行いました。

東武鉄道では634型と呼んでいますが、世間では634系という呼び方のほうがポピュラーなようなので、634系で表記は統一したいと思います。

特急として縦横無尽に

運行経路としては「浅草~東武日光・鬼怒川温泉・太田・大宮」の4系統で運行していました。いずれの経路での列車名は「スカイツリートレイン」で統一されていました。

観光列車というと所要時間を長めにする列車も多いですが、特急「りょうも・けごん・きぬ」などと比べてもほぼ同じか、少し長い程度の時間での運行でした。これは観光といっても、沿線各地からスカイツリーへのアクセスを目的としていることや、車両が1編成しかないため回転率を上げる目的もあったと思われます。回転率を上げる工夫として場合によっては客扱いをせず、浅草→東武日光のような回送列車が設定されることもありました。

2編成を連結して運行されていましたが、分割併合を行う運用に入ることはありませんでした。

東武日光から浅草へ

東武日光から浅草まで乗車したので、その時のレポートとあわせて車内を紹介します。

東武634系座席

東武634系座席
座席は主に二種類あります。スタンダードな進行方向と同じ向きの3列シートに、片側2列のシートが窓側に向くものがあります。編成のうちそれぞれ2両づつがそうなっていて、リクライニングも可能です。外が見やすいように、座席部の床は少し底上げされています。

東武634系のラウンジ席
運転席後ろはフリースペースがあり、ミニラウンジ風の座席や前面展望の出来る座席などもあります。

東武634系天窓
スカイツリートレインの特徴はなんと言っても大型窓です。天窓と言ったら大げさかもしれませんが、天井部付近近くまで窓が取り付けられています。自社や津覇車両で改造工事が出来なかったのは、この窓があったからだと思われます。

この他の設備として小さなグッズ販売所や、記念スタンプなども設置されています。また日光・鬼怒川で長期宿泊する方や外国から観光客へ配慮してだと思いますが、大型の荷物置き場もあります。

なかなか快適ではあるけども

列車が引退してしまうということで、引退一週間前に東武日光駅から浅草駅まで乗り通しました。乗車したのは東武日光17:36発のスカイツリートレイン8号だったのですが、展望も期待できない時間というのもあってか、乗車率は半分いかないぐらいという感じです。

元々高速走行を前提とした6050系をベースとしているので、揺れなどは特別多いと感じませんでした。5年前から運行しただけあって、座席も未だ清潔感を感じます。ただ、車両端などはなかなかの爆音でした。直流モーターが唸りを上げてるのを良く聞くことが出来て我々鉄道ファンには嬉しいですが、普通の人はあまり喜ばないでしょう。また、座席の形状も特急スペーシアのほうが座り心地は良い感じです。

元々眺望を重視した車両なので仕方ない面はありますが、やっぱり本職の特急列車に比べると乗り心地などは劣ります。ただ、ダイヤによっては特急と所要時間が変わらないものもあったので、6050系の本気の走りが見れるという点で鉄道ファンには面白い列車だったのではないでしょうか。

さよなら特急スカイツリートレイン


ダイヤ改正は2017年4月21日ですが、元々スカイツリートレインは土日などを中心に運行していた列車なので、最終運行列車は4月16日の浅草発新栃木行きの「スカイツリートレイン3号」となりました。東武300系特急電車は同じ日に引退イベントを行ったことを考えると、特別なイベントもなくかなり地味な引退となりました。

引退一週間前から引退日までを撮影

「スカイツリートレイン」運行終了後の車両については特に発表はありませんが、廃車になる可能性が高いかもしれません。ベースになった車両は6050系でも新しい1988年製の車両ですが、大型窓化という改造には無理がある気がします。今後は車両の動向にも注目したいものです。

2017年4月16日日曜日

影の功労者 東武鉄道300系・350系特急電車




東武鉄道で活躍をつづけ2017年4月21日のダイヤ改正で引退が決まった特急型車両「300系」と、今後も活躍を続ける「350系」について解説します。
記事作成日: 2017.04.14/記事更新日: 2017.04.16

スペーシア・りょうもうの影で活躍

特急しもつけの運用につく東武350系
350系・特急しもつけ
東武鉄道の特急車両と言うと浅草~両毛地方を結ぶ特急「りょうもう」に使われる200系、新宿・浅草~日光・鬼怒川を結ぶ特急「スペーシア日光・きぬ・けごん」などで使われる100系スペーシアが有名だと思います。これら特急はビジネス・観光特急として毎時一本以上の高頻度で運行する、東武鉄道の顔と言える列車です。

それに対し今回紹介する300系・350系は、一日一往復浅草~東武宇都宮を結ぶ特急「しもつけ」、夜ラッシュに実質ライナーとしてや土日や繁忙期に臨時列車として運行する特急「きりふり」、今では珍しい私鉄の夜行列車「尾瀬夜行」や「スノーパル」に使われています。これら列車は運行本数も少なく、りょうもうなどを補助する役目で運行されています。

元はりょうもうとして活躍

300系・350系新造車両ではなく、特急「りょうもう」用として使用されていた1800系を改造したものです。1800系は1969年に6編成・1973年に2編成・1987年に1編成が製造されました。このうち1987年に製造された1編成が現在も臨時用として使用され、残りの編成のうち新しい車両を中心に300・350系へ改造されました。改造の内容としては発電ブレーキと抑速ブレーキと、勾配の多い日光・鬼怒川線向けの装備の追加です。6両編成の300系が2編成、4両編成の350系が3編成が製造されました。

元の車両がかなり古いので、率直に言って車内設備は現代に合わないものとなっています。そのため特急料金も浅草~東武日光の場合特急「けごん」が1340円に対し、特急「きりふり」は1030円と安く設定されています。

ダイヤ改正後は活躍の幅をさらに縮める

2017年4月21日のダイヤ改正で300系・350系は活躍の幅を大きく縮めます。

300系についてはこのダイヤ改正で引退となります。350系については今後も活躍を続けます。ただし、特急列車向けの土日ダイヤが導入されること、平日夜の特急「きりふり」が500系リバティを使った「スカイツリーライナー」になるため、定期運用は浅草~東武宇都宮間を1日1往復運行する特急「しもつけ」のみとなります。

350系で日光へ

2017年のダイヤ改正前に浅草から東武日光まで350系の臨時列車に乗車してきました。

浅草駅に進入する東武350系回送
折り返し「きりふり」となる回送
この日乗車したのは浅草駅8:30発「きりふり273号」です。この列車では春日部の車庫から出庫してたものが運用に就きます。春日部から直接回送されるのではなく、一旦とうきょうスカイツリー駅の近くにある留置線で時間調整をします。臨時列車であるため浅草駅の入線はギリギリで、5分前程度となります。

東武鉄道350系の座席
座席
座席は2列ずつの、4四列のスタンダードな構成です。座り心地は良いもののリクライニングが出来ないもので、アームレストも真ん中にはついていません。リクライニング出来ないために、大型のテーブルが展開出来るよう窓下に据え付けられています。

東武鉄道350系のクーラー
クーラー
300系・350系は沢山の分散型クーラーを搭載しています。分散型クーラーを搭載している車両は今でも多いですが、吹き出し口が個別なのは少なくなってきていると思います。この日はあいにくの雨だったため、窓は固定式の一枚窓なので曇っていました。

車内は決して五月蠅くはありませんが、JRの185系などを彷彿させる感じです。東武日光線は栃木も過ぎると上り勾配が続きます。デッキに出ると走行音が響き渡り、趣味的にはたまりません。また、最近の特急列車では省略されることの多い自動販売機がデッキにあります。稼働率が決して高い列車ではないのに搭載されているのは、ちょっと「おお!」っと思いました。

臨時列車なので停車駅は同じ経路を走る特急「けごん」と同じものの、ダイヤには余裕がかなりあります。特急「けごん」が1時間50分に対し2時間10分と、20分ほど多く設定されています。東武100系はかなりスペックに余裕を持たせた設計であることや臨時列車であるとことを考えると、これくらい差がついてしまうのは仕方ないのかもしれません。

浅草駅出発時はかなり低い乗車率でした。北千住駅でそれなりに人は乗ってきましたが、それでも半分も埋まらないぐらいでした。天気が悪い上に桜のシーズンには早かったので、こんなものなのでしょうか。

下今市駅停車中の東武350系
下今市駅停車中
「きりふり273号」に使われた車両は、お昼過ぎに上りの特急「きりふり292号」として使用されるのですが、一旦新栃木駅まで回送されます。鉄道ファン的には見れる回数が増えるので、ありがたい限りです。一方「きりふり275号」で使われた車両はそのまま東武日光駅に留置され、上りの「きりふり294号」として使用されます。

さよなら300系

東武日光駅で展示中の300系
東武日光駅で展示中の300系
ダイヤ改正を控えた2017年4月16日に300系のさよならイベントが行われました。300系が「きりふり275号」と「きりふり294号」の一往復の運用に就きました。「きりふり275号」では車内で乗車証明書の配布が行われ、東武日光駅では300系の展示が行われました。展示中は時間ごとに様々な種別が表示され、賑わせていました。

ダイヤ改正までは平日の夜の「きりふり」の運用に入ると思われますが、東武日光までの長距離運用はこれが最後となりそうです。

今後は新型車両の500系リバティが300系・350系が行っていたような運用に入ります。これにより300系は撤退となります。古い車両が消える時は寂しいものですが、500系導入で大幅サービスアップが期待できます。そちらにも期待していきたいものです。

2017年4月13日木曜日

JR北海道 新型軌道検測車マヤ35形導入




JR北海道は2017年4月12日に新型在来線用軌道検測車のマヤ35形の導入すると発表しました。

積雪時も検測可能に

車両形式: マヤ35形
最高時速: 110km/h

今回導入されるのはマヤ35形1両です。車両の完成は2017年度の五月を予定し、そこから2018年3月まで各種試験を行います。そして2018年4月に正式に運行を開始する予定です。

軌道検測は機関車・キハ40が牽引して行います。キハ40牽引時は二両のキハ40がマヤ35形を挟み込む形で、最高時速は95km/hに制限されます。マヤ34形は紺に黄帯の塗装ですが、マヤ35形は北海道新幹線のH5系同色のグリーンで塗装されます。

車両の機能の一番の特徴としては、今まで出来たかった積雪時の軌道検測が可能になることがあります。他には画像処理装置による線路状況による撮影、光波による構造物との距離の測定が可能になります。

唯一のマヤ34形の後継車

鉄道は読んで字のごとく二本の線路の上を走りますが、その上しか走れないが故に線路の幅や左右の高さが狂っていたりすると脱線してしまいます。そのため軌道の状態を定期的に検測し、修正しています。その軌道の状態を調べるのが軌道検測車です。

JRも各社ともに当初は国鉄時代につくられたマヤ34形という客車タイプの車両を使用していました。しかし、JR東日本・JR東海・JR西日本の三社は、軌道検測も含む様々な検査が行える新型の在来線用検測車両をそれぞれ製造しました。新型の軌道検測車を持っていないJR北海道とJR九州はマヤ34形を使用しつつも、JR北海道はJR東日本・JR九州はJR西日本からも検測車をレンタルしながら各種検査を行っている状態でした。

JR3社は気道車タイプを一編成、JR東日本は電車タイプもさらに1編成製造しています。そのためJR発足後の客車タイプの検測車は、今回が初めてとなります。

二台車方式を採用

キサヤ94形軌道検測車
3台車方式の軌道検測車
キサヤ94形
東海道・山陽新幹線を測定するドクターイエローやJR東日本の新幹線各線を測定する「East-i」は二台車方式を採用しています。それに対しJR各社が製造した在来線用新型軌道検測車のうち、JR西日本のキクヤ141形とJR東海のキサヤ94形は3台車方式で、マヤ34形と同じ従来通りの方式で軌道の歪みを測定しています。JR東日本のキクヤE193形とクヤE190形はレーザーを使用する二台車方式となっています。今回JR北海道が採用するのはJR東日本と同じ二台車方式となります。

JR東日本の新幹線軌道検測車「East-i」ではレーザーの軌道検測を基本としますが、積雪時には雪の反射で測定が難しくなるため磁気方式の検測装置も搭載しています。台車の仕様の詳細は不明ですが、これと同じ仕組みで積雪時の観測を可能にしていると思われます。

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