乗務員訓練で 新栃木停車中の20400系 |
日比谷線より引退する20000系
日比谷線内を走る20050系 |
東武鉄道20000系列は1992年より運行を開始したグループです。日比谷線直通車両として20000系置き換え用に製造された車両です。東武鉄道では唯一の車体長が18mのグループで、全ての系列が6M2Tの8両編成です。
20000系はチョッパ制御の3扉車、20050系がVVVF制御で先頭車が5扉車、20070系がVVVVF制御にシングルアームパンタグラフの3扉車というのが主な違いです。
日比谷線をホームドア化するのにあたり70000系が導入開始されたため、日比谷線より引退することが決定しました。そして、その後が注目されていました。
4両化でローカル線へ
乗務員訓練の様子
東武鉄道が2017年6月23日に発表した有価証券報告書に、20000系4両・ワンマン化工事の記載がありました。その後2018年度の事業計画書で、正式に発表がありました。
20000系列の先代にあたる2000系は野田線に投入されましたが、現在の野田線はホームドアが設置されています。そのため18m車は投入できない上に6両編成でなので、今回は導入が難しかったはずです。そのために東武鉄道のローカル線区間である、東武日光線・宇都宮線への投入となったのではないでしょうか。
東武のローカル線では、通常の乗務員が乗車する場合と8000系をワンマン化改造した車両が運用についていてます。編成は2・3・4両編成の3パターンです。一先ず置き換え対象となるのは4両編成のようです。8000系ワンマン車の3両編成の場合は定員が460名・4両編成が630名です。20000系をワンマン化した場合は約520名となります。定員差を考慮すると4両の区間には向かないように思いますが、ローカル区間は基本的に乗客が減っているので、4両編成の区間が置き換え対象になったのかもしれません。
どのような改造が行われたか
大きく外観が変更されている |
外観は大きく改造されています。前面だけでもヘッドライトのLED化、スカートの取り付け、ステップ部分へのホーム検知装置の取り付け、行先表示器フルカラーLED化に、帯が茶色から黄色と紺に変更されています。
先頭車両側面 |
前面と同様に側面も変更されています。行先表示器のフルLED化や車外スピーカーの取り付けに、帯は前面とは違い紺を基調にドア横のみ50000・60000系列のように黄色があしらわれています。そしてドア横には東武鉄道初のドア開閉ボタンが追加されています。
パンタグラフが増設されている |
東武20000系列は中間車全てM車で先頭車両がT車という構成です。なので中間車2両と先頭車2両を組み込むと、2M2Tの4両編成とバランスの良い形となります。ただし、SIVやコンプレッサーなどの配置は均等ではないため、調整が必要となります。なので電装系の一部移設をしているはずです。パンタグラフについては、一基増設し、1両に2基搭載となっています。
内装は最近のリニューアル車に準じたものとなっています。座席のモケットの変更や、仕切りの増設、ドアへの表示機の設置、フリースペースの設置となります。
運転台はL型のワンハンドルマスコンへの変更など、ワンマン運転に対応するために大幅に変更が加えられています。
20050系の先頭車は5扉車となっているため、そのままローカル線には投入するのが難しい状況です。しかし、中間車に対し先頭車が少ないのは言うまでもありません。そこで今後は中間車の電装解除を行いT車とした上で、運転台機器の移設を行うなどの可能性も考えられます。
20000系列の登場時期を考えると、ここで主制御機器の更新を行っても良い頃合いですが、近年の東武鉄道の他の車両同様に更新は行っていません。そのため車両をフルに使って8000系などを置き換えるのではなく、一部中間車を廃車にして予備部品として活用し更新を先延ばしにする可能性が高そうです。