JR東日本は2016年4月6日に寝台特急カシオペアの臨時運転について正式に発表しました。6月4日からは運行を開始しました。
記事作成日: 2016.04.06/記事更新日: 2016.09.13
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寝台特急カシオペア |
ルートは旧カシオペアルートから様々に
寝台特急カシオペアは北海道新幹線開業により定期運行が難しくなったため、2016年3月21日の上野行きを最後に定期運行を終了しました。しかし、事前に団体列車としての運行がアナウンスされていました。6月からJRの旅行代理店などから申し込むツアー列車として運行を開始しました。臨時カシオペアは全て団体臨時列車として運行をします。
6月以降の週末はほぼ毎週運転されています。昔のようにとは行かなくとも頻繁にカシオペア号を見ることが出来そうなのが嬉しい点です。ルートは旧カシオペアルートから信州方面など、時期に合わせて様々なものとなっています。
定期運行ラストランの様子
また、定期運行から団体臨時になった経緯などは関連記事も参照ください。
※関連記事
寝台特急カシオペア 団体臨時で運行継続へ
「カシオペア紀行」コース(旧カシオペアと同ルート)
運行初日のカシオペア紀行
上野駅→東北本線→IGRいわて銀河鉄道→青い森鉄道→津軽海峡線→道南いさりび鉄道→函館本線→室蘭本線→千歳線→札幌駅
上野発16:20頃→札幌着11:15頃
札幌発16:38頃→上野着11:52頃
上野発: 6月11、18、25・7月9、16、23、30
札幌発: 6月12、19、26・7月10、27、24、31
「カシオペア紀行」コースは定期運行時代と同じコースで、上野発と札幌発がそれぞれ設定されます。札幌行きに関しては定期運行時と同じダイヤでの運行のようですが、上野行きに関しては青函トンネル通過の関係だと思いますが、新しいダイヤとなっています。
トワイライトエクスプレスのクルーズ運行と同じように、運行日によって違うツアー会社が貸し切る形での運行となります。
料金はびゅうトラベルが設定するものの場合、札幌・上野発どちらの場合でもツイン利用で一人あたり69800円です。完全に気軽に乗れる列車ではなくなってしまいましたね…
「カシオペアクルーズ」コース(周遊ルート)
運行初日の様子
上野駅→高崎線→上越線→信越本線→羽越本線→奥羽本線→津軽海峡線→道南いさりび鉄道→函館本線→室蘭本線→千歳線→札幌駅→上野行き旧カシオペアと同ルート→上野駅
上野発: 6月4日・7月2日・8月6日
「カシオペアクルーズ」コースは3泊4日の周遊コースです。こちらのコースも以前団体列車として運行されたことのある実績のあるコースです。クルーズトレインということで各地に停車しながら運行するため、列車で宿泊するのは1日目と3日目の夜となっています。
料金は一人当たり46万円から展望室利用の60万円の間で設定されています。
「カシオペア・はやぶさ号 函館の旅」コース
上野駅→東北本線→IGRいわて銀河鉄道→盛岡→(北海道新幹線乗り継ぎ)→新函館北斗駅→(普通列車)→函館駅
上野発: 8月20日、27日、9月3日
片道のみのコースです。上野駅を16:18に出発し、翌日7:28に盛岡に到着します。ツアーのお客さんは北海道新幹線へ乗り継ぎ新函館北斗へ行き、カシオペアの車両は当日のうちに尾久車両センターへ向けて回送されます。
「信州カシオペアクルーズ」コース
上野駅→常磐線→武蔵野線→中央線→武蔵野線→常磐線→上野駅
上野発: 9月7日
信州プレディスティネーションキャンペーンに合わせて、1回のみの設定です。3泊4日の日程ですが、周遊コースではなく往復コースでの運転となっています。プレスではカシオペア初の信州行路の運転となっています。
「信州カシオペア紀行」コース
上野駅→常磐線→武蔵野線→中央線→篠ノ井線→長野駅
上野発: 9月17日、29日
こちらは2回の運行です。上野駅を16:20頃出発し、翌日11:43頃に長野駅に到着します。列車に宿泊するのは一日ですが、ツアー自体は2泊3日の日程となっています。このコースも片道のみの設定となっています。
「秋の周遊2泊3日の旅」コース
上野駅→東北本線→IGRいわて銀河鉄道→青い森鉄道→奥羽本線→羽越本線→信越本線→上越線→高崎線→上野駅
上野発: 10月10日
カシオペアクルーズとは逆に東北本線から北上し青森まで到達、その後日本海側から南下し上野駅に至るコースです。いまのところ一回だけの設定です。
「カシオペア紀行(青森まで)」コース
上野駅→東北本線→IGRいわて銀河鉄道→青い森鉄道→青森駅
上野発: 10月19日、22日、29日
「カシオペア・はやぶさ号の旅」と同じく、上野から青森までの片道のみの設定となります。青森以降のツアー内容については、各旅行会社が設定するツアーによって異なるものとなります。
EH800形とDF200形の超ハイパワー機関車も
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昔ながらのEF81形牽引 |
客車は寝台特急カシオペアで使われていた銀色のE26系が使われます。客車を引っ張る機関車は定期運行時代のJR東日本所属のEF510形がJR貨物へ譲渡されたので、基本的に本州内は運行当初に使われていたEF81形へ戻りました。上越方面を経由するカシオペアクルーズについては、上越線内の勾配に対応するために、EF64形が上野~長岡間を牽引します。
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津軽海峡線の牽引を担当する予定の
JR貨物EH800形 |
津軽海峡線は新幹線が走るようになった青函トンネルを含む一部区間の電圧が変更されたため、ED79形からマンモス電気機関車EH800形へ変更となりました。H級の超大型電気機関車が客車を牽引するのは、国鉄時代にEH10形が限定的に運行した時以来となります。
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千歳線を快走するDF200形
1両でも大きな力を発揮できる |
函館以北は運行経路のうち「五稜郭~東室蘭」間が電化されていないため、函館駅でディーゼル機関車へ付け替えが行われていました。従来通りJR北海道所属のDD51形が牽引すると思われていましたが、5月5日に思わぬ情報が北海道新聞の記事から飛び込んできました。JR北海道がDD51形機関車を老朽化のため全廃する予定で、道内はJR貨物のDF200形が牽引するというものです。
まずDD51形の廃止ですが、苗穂工場から手稲近くの札幌運転所まで車両の回送などに使用していたので、限定的な運用で当面は安泰かと思っていたので意外です。DF200形についてですが、貨物用タイプのDF200が旅客列車を牽引するのは初めてです。DF200は貨物用に開発されたため、原則JR貨物が貨物を牽引するためだけに製造されていました。JR九州のクルーズトレイン「ななつ星」用に旅客用DF200形7000番台が製造されましたが、旅客用であるため貨物を牽引したことはりません。JR北海道の体力がなくなっているため機関車維持が難しいことや、北海道内の石油輸送の廃止でDF200の運用にだいぶ余裕があるようなので、今回のようなケースが発生したのだと思います。