2015年1月30日金曜日

最近流行りの回生電力貯蔵装置って?




各地の路線で導入の進む回生電力貯蔵装置とは何か紹介したいと思います。

東武東上線ふじみ野駅に到着する50000系
東上線ふじみ野駅にも設置されている
2014年ふじみ野駅で撮影

回生電力貯蔵装置とは?

単純に言えば名前の通りリチウムイオン電池などの充電電池に電気を貯めたり、そこから放電したりする装置です。

もう少し言うならば、最近の鉄道車両はブレーキをかける際にモーターを発電機にしてブレーキをかけます。そのとき発電した電力を他の電車に消費してもう必要があるのですが、常に消費する電車が走っているわけではありません。その場合、急にブレーキの効きが悪くなってしまいます。

そうならないために空気ブレーキに切り替える・変電所や列車に搭載する抵抗器で熱にして使う・特殊な装置をつけた変電所から電気を送電線へ送るなどの対策が採られています。

そこへ新しく加わったのが回生電力貯蔵装置です。名前の通り回生ブレーキ時に電気を貯め、列車が加速する時に放電することが出来ます。それにより安定して回生ブレーキが使用できます。

他にもある回生電力貯蔵装置のメリット

・回生ブレーキの安定性向上
・電力ピーク時の送電設備の負荷軽減
・電圧降下の抑制
・省エネ効果が期待できる
・非常時の電源

一つ目は上で挙げた回生ブレーキを安定して使用することが出来ます。

二つ目は列車が複数走っている場合に、同時に加速すると変電所に大きな負荷がかかります。
なので、単純に発車時に放電するのではなく、負荷が大きくなった時に放電することで送電設備の負荷を減らすことが出来ます。

三つ目ですが、変電所から遠くなるにつれて電圧が低下する現象が発生してしまいます。通常時なら問題ないのですが、ラッシュ時など複数の列車が走行しているときは電圧の降下幅が大きくなり問題となります。そこで回生電力貯蔵装置を設置することで、電圧の降下を抑制することができます。このメリットは大きいもので、回生ブレーキの貯蔵よりも電圧降下の抑制のほうをメインに設置する場合もあります。

四つ目は今までのメリットからも分かるように、この装置は電力を効率的に使うための装置でもあります。省エネという観点からも大きな効果が期待できます。

最後の非常時の電源ということですが、これはまだ試験的な取り組みが中心です。貯蔵装置からの電力を供給することで、非常時に電源供給が止まっても必要最低限移動を可能にします。これにより危険なポイントか移動したり、駅以外に停車した場合でも近ければ駅まで走ることが可能になります。


2015年1月29日木曜日

東上線で増えるマナーポスター




最近東上線では以前はあまり見かけなかった鉄道撮影に関するマナーポスターが増えています。

駅に貼られていポスター
以前から注意書きのある駅もありましたが、最近急激にポスターのある駅が増えています。

・黄色い線の内側で撮影する
・フラッシュ撮影の禁止
・三脚、脚立の使用禁止

以上の3つの内容となっています。

黄色線の内側からの撮影は一番の基本的なことですが、身を乗り出すような形での撮影を行う人が時々いて本当に危険だと思います。

フラッシュは鉄道撮影を始めたばかりの年少の方が多く使っているように感じます。私も含めてマナーを知っている人間が伝えなければいけないのですが、上手く出来ていない結果だと思います。

三脚については私はビデオで撮影することもあり、駅員さんに小型のものをホーム端で使用することが可能か聞いたことがあります。その時は使ってはいけないと言われなかったので、推奨すべきではなくとも一律に禁止していたものではないと思います。それがこういった張り紙を貼られるまでになってしまいました。

このポスターはホーム端によく貼ってあるのですが、東上線に乗りながらいろいろな駅を見ていると、全ての駅に掲示されているようではありません。今のところ各駅の判断で貼っているようです。

鉄道撮影は鉄道会社的にメリットはほとんどない行為だと思います。一律に禁止するほうが楽であるのに、多くの会社はマナー啓発ポスターで留めている状態です。これ以上ポスターが増えるようだと、鉄道撮影自体が難しくなってしまいます。自分自身ももう一度マナーの確認が必要だと痛感しました。

2015年1月28日水曜日

東武東上線で外国人旅行者向け「KAWAGOE DISCOUNT PASS」発売




2015年1月28日に東武鉄道は東上線初の外国人旅行者向けの「KAWAGOE DISCOUNT PASS」を発売すると発表しまし。

池袋駅停車中の10030系更新車11032F

切符について

この切符は池袋~川越・川越市駅間の割引切符と指定6店舗で割引などのサービスが受けられる切符です。通常の往復運賃の場合は大人940円・子供480円のところ、大人700円・360円で乗ることが出来ます。

外国人旅行者向けということもあり切符の形を提灯方にしたもので、券面の表記も五カ国語での表記となります。発売は2015年2月1日からで、東武池袋駅・東武トラベル池袋駅支店での販売となります。

どの程度売れるかは疑問も

「池袋~川越」間を東上線とJRを比較すると、東上線のほうが運行本数もはるかに多く、所要時間も東上線が約30分でJRが約50分と利便性は比較になりません。

しかし鉄道を旅行に組み込んでいる外国人観光客の方の場合、約3万円で新幹線含めてJR線を乗り放題の「japan rail pass(ジャパンレールパス)」を前提にしていると思うので、東上線を使う発想にはならないのではないかと思います。

もう一つの疑問として、川越がどの程度魅了的かというものです。川越祭りの時にはJR川越駅の改札で「japan rail pass」の利用を見かけるのですが、それ以外の時期では利用してる方がいるのはあまり見たことがありません。なので川越の認知度自体がどうなんだろうという気がします。

以上をを考えると川越の魅力を伝えつつ東上線の利便性を伝えないと、この切符の購入に繋がらないのではと思います。

特急サンダーバード大幅リニューアルへ




2015年1月28日にJR西日本は車両のリフレッシュや停車駅設備の充実、輸送品質向上のため、特急「サンダバード」で使われる681系・683系の大幅リニューアル、停車駅設備の改修を発表しました。

リニューアルが決まった特急「サンダーバード」

681系・683系大幅リニューアル

改修は2015年秋から2018年度末までに完了を目指す予定す。

・車体の塗装やロゴの見直し
・コンセントの拡充
・グリーン車・普通車の座席を改良や内装の変更
・トイレの改修
・女性用座席でのブランケット配置へ

車体のカラーリングを現在グレーの部分を黒へ、ブルーのラインの位置を少し上へ変更します。
ロゴも英語で「Thunderbird」と表記してあるものを鳥をモチーフとしたものへ変更します。

コンセントを普通車は出入り口付近の8箇所、グリーン車は全ての座席へ増設します。座席はグリーン車では今より座り心地の良いものへ変更し、普通車では現在683系4000番台で使用されている青を基調としたデザインに変更します。内装も壁紙の色を落ち着いたものへ変更します。

トイレはグリーン車、障害者用トイレをJR西日本在来線初のウォシュレット付き暖房便座に変更し、普通車は暖房便座に変更します。女性専用席で使えるブランケットを2015年までに配備します。

JR681系・683系は北陸方面への特急を中心に使用されてきた車両です。681系も683系も登場して10年以上経っていて、車内のリニューアルなどが必要なころあいでした。北陸新幹線の開業で余剰車両が出るということで、今のタイミングでのリニューアルになったのだと思います。

停車駅設備の充実概要

車両のリニューアルにあわせて、停車駅の設備も改修されます。

・武生駅、鯖江駅のトイレを洋式化
・鯖江駅、松任駅の改札口・ホーム、敦賀駅、武生駅、芦原温泉駅、加賀温泉駅のホームに発車標を増設
・北陸線の各駅に運行情報表示用の液晶ディスプレイ設置
・鯖江駅、芦原温泉駅にエレベーターを設置


リニューアルに先立ち行われる編成の方向転換

3月のダイヤ改正で「しらさぎ」と車内設備の位置を合わせるために編成の方向を反転させることになっていますが、宮原総合運転所付近にあるデルタ線を利用して一夜で方向転換が行われる予定です。

※関連記事
JR西日本 289系投入と381系の順次廃車を発表
JR西日本 15年以降の新車導入計画まとめ


2015年1月27日火曜日

JR九州2016年度に株式上場を目指す




2015年1月27日に国土交通省はJR九州の株式上場上を目指すと発表しました。

新大阪駅に停車中のN700系


JR本州三社(JR東日本・JR東海・JR西日本)は経営状態が安定していることから、現在の鉄道建設・運輸施設整備支援機構(事実上の国)が保有していた株式を平成5年から売却をはじめ、平成18年に売却が終了し完全に民営化されました。

JR九州は現在も鉄道建設・運輸施設整備支援機構が株式の100%を保有しています。鉄道事業で赤字が発生していますが、経営を多角化することで黒字になっています。具体的にはJR他社も行っている駅ビル経営や、ドラッグストアなどの流通に不動産などを行っています。この黒字は一般企業と比較しても問題のないレベルで安定しているとして2016年の株式上場を目指すことになりました。

JR九州の場合は国鉄分割時に鉄道運営で赤字などが見込まれるため、国が赤字を補填する目的で経営安定化基金3877億円を設け、基金を運用することで発生する収益を赤字補填に当ててきました。九州地域は今後も過疎化などで採算性悪化することが見込まれるため、国には返納せずに以下のような方法で使い切ることになりました。

・九州新幹線貸付量への前払い2205億円
・鉄道資産取得のために鉄道建設・運輸施設整備支援機構から借り入れてた借入金への振り替え800億円
・鉄道路線網の維持に必要な鉄道資産への振り替え872億円

また、JR本州三社は安定した収益が見込めるため国鉄の債務の引き受けなどを行いましたが、JR九州では行わない予定です。


2015年1月26日月曜日

埼京線十条駅立体化素案説明会実施




2015年1月20日に東京都・北区・JR東日本は埼京線十条駅付近立体化に関する都市計画素案説明会を2015年2月2・3日に実施すると発表しました。

大宮駅停車中の埼京線E233系7000番台


今回素案が発表される区間は十条駅を中心とした1.5Kmの区間です。この区間は以前から東京都の定める「踏切基本方針」における「鉄道立体化の検討対象区間」に含まれており、「重点踏切」6箇所がある区間です。渋滞や地域分断解消を求め地元も対策を求めていました。

説明会は2月2日が王子第五小学校で19:00~20:30・2月3日は荒川小学校で19:00~20:30に開催され、誰でも参加することができます。

詳しくは北区ホームページの「都市計画素案説明会のお知らせ(十条駅付近連続立体交差化計画および道路計画)」をご覧ください。

埼京線や東上線が走る板橋付近は、住宅密集地でありながら立体化の進んでいない地域です。埼京線も東上線運行本数が多いので、長時間遮断機が下がりっぱなしで、何かと不便な状況だとは思います。同じ埼玉方面に向かう鉄道も、西武線は立体化が着実に進んでいます。

今回は埼京線の話ですが、東上線でも立体化についての話が出ているので、やっとこの地域での立体化工事が進んでいきそうです。

※補足
「踏切基本方針」・・・東京都が国際都市としての魅力向上・都市再生の推進を目的とて、交通渋滞など踏切に起因する様々な問題を解決するためのに定めた方針

「重点踏切」・・・2025年度までに重点的に対策・検討を実施すべき踏切




2015年1月25日日曜日

三脚から鉄道撮影マナーを考える




近年鉄道ファンのマナーの悪さが目立つ報道がありますが、三脚という点から考えて行きたいと思います。

なぜ鉄道撮影で三脚を使うメリット

鉄道に限らず手振れというのは撮影では天敵で、そこで役に立つのが三脚です。三脚でカメラを固定すれば手振れは起きませんし、夜間でもシャッター速度を遅くできるので撮影することが出来ます。

また、ビデオと写真両方取りたい場合なども三脚があれば一人で行うことが可能です。なので撮影ではとても便利な道具です。

三脚を鉄道施設で使ってよいのか

「今は」周りに配慮して使う分には問題はないと言えます。

私は動画と写真両方を取るので小型三脚を良く使います。その際に駅員さんにこの場所なら三脚を使っても邪魔にならないかなどを聞いたりしますが、ホーム端など通行のない場所で安全に使うなら平気だといわれます。

しかし、最近では三脚を使うことを禁止する鉄道会社や路線が増えてきました。

三脚が禁止になった理由

単純に鉄道ファンのマナーが悪いからです。

大型三脚を人通りの多い場所で使する人、倒れたら線路に落ちてしまうような形で三脚を使う人、沢山の撮影者がいるにも関わらず大きなスペースを確保して使う人など例を挙げたらきりが挙げません。

その場に合った判断をして迷惑や危険がありそうな場所では使わない、それ以外では三脚を小さく使ったり、通行の妨げにならない場所で使えば問題は起きなかったはずです。これは道具自体の問題ではなく使い方の問題です。

今まで鉄道会社が一律に使用に制限を加えていなかった三脚がマナーの悪い人間のせいで使えなくなって来ているのが現状です。

このままでは鉄道撮影が出来なくなるかも

最近印象に残ったのは某駅での出来事です。

「柵によりかかってはいけません」というの注意書きが書いてあったのですが、身を乗り出すような形で列車到着少し前に撮影をはじめた方がいました。

案の定駅員さんに注意放送をされたのですが、それでも柵から離れません。最後は係りの方が引き剥がす形になりました。しかも、60過ぎたと思われる年配の方で本当に情けなくなりました。

こういった状況が続けば三脚の使用禁止程度では済まないのは容易に想像がつきます。マナーさえ守れば問題なければ禁止にならなかったはずの三脚が禁止されたように、カメラだってマナーを悪ければ禁止になるはずです。

繰り返しますが、これは道具の問題ではなくマナーが根本の問題です。

鉄道ファン同士でもっと行動起こす必要がある

鉄道ファン同士での自浄作用が弱いと言われることがありますが、自分の行動などを考えると否定出来ません。

上の例では私が注意すれば良かったわけですから非難されても仕方ないと思いますし、夢中になりすぎて他の方に迷惑をかけてしまったことが一度も無かったわけでもありません。そういう思いから自らの反省の意図もこめて記事にしました。

自分も鉄道撮影をするので良いものを撮りたい気持ちは分かります。ですが、このままだと撮影すら出来なくなってしまいそうです。

鉄道ファン同士で本当にマナー守っていかなければならないと改めて思い、皆さんが知っているようなことをあえて記事にしてみました。今後も良い作品を撮るためにも頑張っていきましょう。


酒田市の考える陸羽西線ミニ新幹線化




酒田市などが2015年2月4日に「鉄道講演会~陸羽西線を活用した山形新幹線の庄内延伸」という講演を実施するというので、どういった路線にすることを考えているのか簡単に紹介したいと思います。

東京駅に停車中のE3系つばさ
山形新幹線「つばさ」号で使われているE3系
東京駅にて

陸羽西線とは

陸羽西線は山形県新庄駅から余目駅を結ぶ全長43kmの路線です。車両はキハ110が使用されていて全線非電化です。

余目から酒田までは羽越線で12kmほどの距離になります。

陸羽西線をミニ新幹線化

山形新幹線の終点である新庄駅から酒田までフル規格でなく、ミニ新幹線で延伸することを検討しています。延伸するにあたり新規に線路を建設するのではなく、以下の理由から陸羽西線を利用することとしています。

・平坦でカーブが少ない
・観光地が多い
・すれ違い設備が多い
・電化を前提に建設されたので、橋梁・トンネルの改修が最低限で済む

失礼な言い方ですが前提に間違いがないのであれば、設備に関してはこの手の延伸計画のなかではまともな案ではあるようには感じます。ただ、採算などを考えると疑問は残りますが、JR東日本が公表する2013年度の1日平均の乗降客数データによると新庄駅「1605人」で酒田駅「1313人」で思ったより差がありません。それだけを見るなら無理では無いような気もしきますがどうなんでしょうか。

また、新潟方面からの延伸計画などもあったと思ったので、そちらとの絡みも気になります。

整備新幹線の前倒しで山形県全体で新幹線延伸しようという動きが高まっています。私は山形県の動向や状況については詳しくないので、少しずつ動向を追っていこうと思います。


2015年1月24日土曜日

東武東上線・越生線 2015.1.24にダイヤ改正実施




東武東上線・越生線では2015年1月31日の「小川町~川越市間」のATC切り替えに先立ち2015年1月24日の始発電車からダイヤ改正を実施しました。

ダイヤ改正概要

東武東上線を走る10050系
東武東上線を走る10050系

今回のダイヤ改正は2015年1月31日の「小川町~川越市間」のATC切り替えに先立ち「安定輸送および朝ラッシュ時間帯の一部列車の遅延解消を図る」ために行われました。

内容としては調整をメインとしたもので、行き先や運行本数などに変更はありません。しかし、土休日も含むほとんどの時間帯で調整が行われました。ダイヤ変更の傾向として将来のホームドアを見据えてか、駅での停車時間を多めにとって以前のダイヤより数分遅くなっていまう。

新しいダイヤは東武鉄道のホームページから確認することが出来ます。駅の売店では紙の時刻表も販売しています。

改正初日の様子

東上線池袋駅の電光掲示板
池袋駅の電光掲示板
新しいダイヤが表示されている
朝夕と東武東上線を利用してきましがた、大きな変更などはなかったので特に混乱は無かったようです。変ったことは電光掲示板でダイヤ変更のお知らせが表示されたり、各駅で時刻表を配っているぐらいのものでした。

東武鉄道は「東武グループ中期経営計画 2014 ~ 2016」で「TJライナーの上り新設」「地下鉄直通の急行」などを発表しています。今回の様子を見ると「小川町~池袋」のATC化が完了したあとで、大規模なダイヤ改正を実施するのかもしれませんね。

ホームドアの設置といい、ダイヤ関係は暫く話題に事欠かくことなさそうです。

※関連記事
2016年度から通勤時間帯のTJライナー運転と、地下鉄直通急行運転を行うと発表がありました。来年度に大規模だダイヤ改正が実施されそうです。


2015年1月23日金曜日

つくばエクスプレス2015.3.14のダイヤ改正の内容を発表




2015年1月23日につくぱエクスプレスは2015年3月14日に行うダイヤ改正の具体的内容や時刻を発表しました。

・平日・土曜・休日ダイヤともに、運転時刻の変更および列車種別の変更
・列車の運転順序・運転間隔・運転時刻・待ち合わせを見直し
・秋葉原発つくば行きの始発電車を22分繰り上げ
・八潮発秋葉原行きの始発電車を17分繰上げ
・列車の増発
・一部列車の運転区間延長


かなり多くの変更点があるので、大雑把に箇条書きにする程度にしました。3月14日に変更で、JRのダイヤ改正と同じ日に行われます。今回のダイヤ改正は平日・休日問わず多くの時間帯で変更のある比較的大規模な改正です。朝あわてないように早めに確認しておきたいものです。

ダイヤの変更点の概要についてはつくぱエクスプレスのホームページにある1月23日のニュースリリース「3月14日(土)ダイヤ改正します」で見ることできます。ただし、各駅の新しい時刻表などはまだ掲載されていないようです。

※追記
つくばエクスプレスホームページお知らせで2015年2月20日に掲載された「3月14日ダイヤ改正時刻表の掲載について」から各駅の時刻を確認できるようになりました。

3月14日以降のダイヤ検索にも対応しました。使い方はダイヤ改正以前と同じで、日付を14日以降を選ぶだけです。

列車種別ごとの時刻表も掲載されました。2015年3月11日掲載の「3月14日ダイヤ改正時刻表の掲載について」から見ることができます。

2015年1月20日火曜日

野田線まもなくホームドア使用開始 今度は東上線?




2015年1月20日に東武鉄道は野田線(東武アーバンパークライン)の柏駅で2月7日よりホームドアの使用を開始すると発表しました。

東武東上線を走る50070系
ホームドア区間対応の有楽町線・副都心線乗り入れ車の
東武鉄道50070系

柏駅について

野田線東武柏駅では2014年の11月から2015年の1月にかけて全てのホームに、ホームドアの設置工事を進めていまいした。現在は設置が完了し各種試験を行っています。

2月7日より1・2番線の使用を開始し、3月14日からは3・4番線のホームドアの使用開始を予定しています。

今度は東上線?

東上線では副都心線開業に合わせて和光市駅の有楽町線・副都心線ホームにホームドアを設置した以外は、ホームドアの設置駅はありません。

東武鉄道では国土交通省が示した「ホームドア整備促進等に関する検討会」に基づき、2014年度の鉄道事業設備計画で2015年春の柏駅ホームドア使用開始、東上線の川越市・和光市駅への設置へ向けた車両工事と詳細設計をすると発表していました。

そのため現在行われているATCへの切り替えがひと段落したところでホームドアの設置へ着手すると思われます。8000系引退・ATC化に続きホームドアの設置が近いうちに行われると思うと、随分変ったもんだなあなんて思ってしまいます。

一つ気になるのは東上線で運行されている9000系9101Fの動向です。この車両9000系の試作車でドア位置が微妙に違うために、有楽町線・副都心線への運用は撤退しました。東上線でのホームドア使用開始で、9000系初の廃車になるかは注目です。

また、伊勢崎線などの本線系統はホームドア設置の計画がありません。日比谷線用20000系列や2扉の特急・快速列車などが走っているためです。

日比谷線の全編成置き換えが今後進む予定なので、本線でもホーム柵設置の話が近いうちにでるかもしれませんね。


JR西日本外国人向けフリーパス新設




2015年1月20日にJR西日本は外国人向けフリーパス「JR-WEST RAIL PASS」の「山陰・岡山エリアパス」と「北陸エリアパス」のエリア変更と、「関西・北陸エリアパス」の新設を発表しました。

JR西日本大阪環状線を走る201系

山陰・岡山エリアパス

2015年3月31日分までの現在の切符は、連続した3日間を大人4410円・子供2050円で山陰・岡山のフリーエリアの特急・快速・普通列車の自由席を利用できます。

2015年4月1日からは今までの路線の他に智頭急線の追加やJR線のエリアを拡大し、国外購入4500円・国内購入5000円で連続した4日間を特急・快速・普通列車の自由席を利用できるようになります。

北陸エリアパス

こちらは北陸新幹線がらみの変更です。
2015年2月28日分までの現在の切符は、大人4500円・子供2250円で連続した4日間を北陸フリーエリアの特急・快速・普通列車の自由席と一部私鉄とバスを利用できます。

2015年3月14日からは現北陸本線の一部区間とバス・一部私鉄の利用が出来なくなりますが、今までの路線のほかに北陸新幹線と三セクの一部区間を連続した4日間利用できるようになります。
値段は国外購入5000円・国内購入4500円で特急・快速・普通列車の自由席を利用できるようになります。

関西・北陸エリアパス

新たに新設される切符で、西は倉敷・東は上越妙高と関西・北陸フリーエリアのJRと一部三セク線の新幹線・特急・快速・普通列車の自由席を連続した7日間利用できる切符です。
2015年3月14日からの発売で国外購入は15000円・国内購入は16000円となります。

これらの切符は短期滞在の外国人向けで、引き換えの際にパスポートの提示が必要です。
購入は日本国外の旅行会社・インターネットの専用サイト・パスエリア内の駅や旅行会社で購入することが出来ます。
また、一度の滞在の際に一度までの利用となっています。


2015年1月19日月曜日

鉄道好きなら地理のテストは本当に有利なのか?




センター試験の地理の問題で鉄道の車窓の問題が出たので鉄道ファンには朝飯前か?などというニュースを見たので私も考えてみました。結論から言うと車窓の問題に限らず地理のテストは有利だと考えます。

東上線を走る9000系9101F

なぜ有利なのか?

私が有利だと思う理由としては主に以下の三つです。
一つずつ解説していきましょう。

・乗り鉄なら景色を知っている
・撮り鉄は地形を考慮しないと写真は取れない
・鉄道を知りたければ地理も知るしかない

乗り鉄なら景色を知っている

当たり前の結論ですが、実際に乗って車窓を眺めていれば地図に載っている地形を大まかに把握できます。それが随分前に乗ったものでも一度乗っていれば、どんな景色だったか忘れないものです。他にも、名所になっていることろはテストに使われる変った地形が多い傾向も感じます。

それに対し、他の受験生は地図を見て0からイメージしなければいけないので、間違いなく有利になります。

撮り鉄は地形を考慮しないと写真は取れない

写真を撮るときに綺麗に撮るには場所選びは必須ですが、見知らぬ土地へ行って1から撮影できそうなポイントを探すのは骨の折れる作業です。そんなときに役立つのが地図とグーグルアースです。

まず、撮りたい列車が走る路線の地図を見ながら列車が綺麗に撮れそうな場所を探します。次にグーグルアースで高精細画像が見れる場合は、それを見てもう一度吟味します。この作業を何度も繰り返します。そして最後には自分の足を使って写真を撮りに行きます。

もうお分かりだと思いますが、地図を読み込むことは良い写真を撮るための必須条件です。良い写真を撮ろうと励んでいる人ほど地図にも強いのではないでしょうか。

鉄道を知りたければ地理も知るしかない

鉄道というのは自然との勝負です。理想としては最短距離で街と街を結ぶことですが、山や川などの自然環境に住宅街による土地取得難しさなどでそれは出来ません。それによって急な坂が出来たりしたら車両も特別な設計にする必要が出てきます。

つまり、鉄道がどうして今の形になったかを知れば地形などのことも自然と覚えるしかないのです。


と色々例を挙げてみましたが、これは鉄道に限ったことではないと思います。趣味でも突き詰めていけば様々なことを学ばねばなりません。そしてどんどん暗い暗い泥沼へ沈んでいくのです・・・

ですが、他人には地獄の泥沼が楽しいんですから仕方ないですよね!


ますます注目を集める発車メロディ




西武鉄道は1月31日の正午から池袋線練馬高野台で駅発車メロディーを子供達と向谷実氏が作った発車メロディーにすると発表しました。
そこで、最近ますます注目を集める発車メロディーについても紹介したいと思います。

山手線を走るE231系500番台

西武鉄道子供達が作った曲を導入

2014年の夏に「西武グループ こども応援プロジェクト」の中で、子供達の夢を募集しました。
その中で2人の子供達が「自分で作った発車メロディーを駅で流した」と応募し、実現に至りました。

この夢を応募した子供達が自分でメロディーを作り、向谷実氏が全面的に協力・編曲して発車メロディーが完成しました。

このメロディーがはじめて使われる1月31日には記念セレモニーも行われるそうです。

どんどん広まる発車メロディー

発車メロディーは発車ベルの変わりに採用されたもので、初期の頃は書き下ろしの曲やクラシックの編曲などが多かったようです。

その後、高田の馬場の「鉄腕アトム」のように、誰も知っている地域にちなんだご当地ソングが広まっていきました。

最近になると有名アーティストに発注して専用曲を作ってもらうことも多くなっています。

そして、この発車メロディーは鉄道ファンの間で非常に人気が高く、駅で録音するファンや発車メロディーを集めたCDなども発売されたりするほか、メディアでも頻繁に取り上げられるようになっています。

人気に目をつけた金沢市

北陸新幹線の金沢駅では金沢市出身の中田ヤスタカ氏に発車メロディーの作曲を依頼しました。
この曲は市ホームページでダウンロードを出来るようになっています。

今までも有名アーティストに頼むことはありましたが、無料でダウンロードできるようにしたのは初めてだと思います。

これは発車メロディーがとても注目されていることを利用した、新しいPR方法だと思います。
今後もこういった新しい発車メロディーの活用方法が増えていくのではないでしょうか。


2015年1月18日日曜日

新幹線を海外へ売り込め オールジャパンIHRAとCrash Avoidanceとは




新幹線を海外へ売り込むため2014年4月1日に設立された一般社団法人国際高速鉄道協会(略称IHRA)と、IHRAが提唱するCrash Avoidanceの原則について解説したいと思います。

新大阪駅停車中のN700系8000番台

一般社団法人国際高速鉄道協会 - IHRAとは?

IHRAのホームページの組織や挨拶を要約しますと、「新幹線のような日本型高速鉄道システムを国際標準とするため、高速鉄道建設を検討する国にCrash Avoidanceの原則に基づく日本型高速鉄道システムが欧州の高速鉄道システムと異なるシステムで、様々なメリットがあることを理解してもらう活動を行う」とあります。

大雑把に言い換えれば、新幹線型の高速鉄道の良さや外国との違いを知ってもらって国際標準にしようと言ったところです。

この組織の会員はJR東日本・西日本・東海・九州のほかに車両製造メーカー、信号機器メーカー、電装関係メーカー、大手商社など日本の鉄道売り込みに関わる様々な企業が名を連ねています。

組織の理事にはJR各社の人間のほかに台湾高鉄の方や、理事長代理に米国の方がいたりと日本以外のパイプ作りをしているのも分かります。

IHRAが薦めるCrash Avoidanceの原則とは?


今までにも何回か出てきた「Crash Avoidance」という言葉の意味ですが、日本語で言うと「衝突回避」の意味です。
高速鉄道専用線とATCの組み合わせで衝突回避を行うことを原則とするシステムというのが、IHRAの提唱する日本型高速鉄道システムというわけです。

IHRAが挙げる「Crash Avoidance」のメリット

・専用線/専用車両による高密度運行
・専用設計による車両設計の柔軟性向上
・耐衝突性能を組み込まないことによる軽量化や軌道保守の低減

専用線と高速鉄道専用車両とすることで速度の統一がしやすく、貨物列車などを一緒に走らせる場合より多くの運転本数が可能になります。

また、専用設計により旧来の車両より広い幅の車体にしたりもすることが出来ます。

そして耐衝突性能を排除することで強度がある程度低くても問題がなくなります。
それにより線路への負担や加速に必要なエネルギーを抑えることが出来ます。

日本の鉄道の多様性をもっと売りにしても良いのではないか?

IHRAは新幹線ベースのシステムを売り込むことを主眼にしているので、それ以外の形態についてはあまりアピールをしていません。

鉄道の世界でも規格化の流れがあり、着実に規格化は進んでいます。
その一方でコストや各地域の事情などで特殊化する流れは今でも続いています。

新幹線は確かに優れていますが、コストや地域の特性の関係で日本国内でも新幹線を気軽に建設できない状況であり、それは外国でも同じはずです。

日本ではコストを抑えるためにミニ新幹線や「はくたか」「スカイライナー」のようなスーパー特急方式など違った方法で効果を上げている路線もあります。

なので新幹線を第一案として提案しつつ、それが無理でも豊富な選択肢を用意できる団体であることをアピールしたほうが良いと思います。

IHRAに鉄道事業者として加盟しているのはJR4社のみとなっています。より多くの鉄道事業者に加盟してもらえれば、より柔軟な提案を可能に出来るのではないでしょうか。


2015年1月17日土曜日

キハ183と785系の置き換え発表 どうなる789系とキハ283系




2015年1月15日の記者会見でJR北海道がキハ183系と758系の置き換えると発表したと報じられました。

千歳線を走る785系スーパーカムイ
置き換えられることの決まった785系

発表概要

JR北海道は定例記者会見にて故障の頻発で様々なトラブルの原因となっているキハ183系の一部30両と785系37両の置き換えを発表しました。785系の置き換えの具体案については触れられませんでしたが、キハ183系については中でも特に古い車両30両をキハ261系で置き換え、残りも順次更新する予定です。また、JR北海道はこの置き換えで車両の種類を減らし保守をしやすくすることも考えています。

785系の置き換えについて

・785系
3M2T基本編成×7=35両 「スーパーカムイ・すずらん・エアポート」
1M1T増結編成×1=2両 「スーパー白鳥」

・789系0番台
3M3T基本編成×6=36両 「スーパー白鳥」
1M1T増結編成×2=4両 「スーパー白鳥」

・789系1000番台(参考)
2M3T基本編成×6=36編成 「スーパーカムイ・すずらん・エアポート」

北海道新幹線開通で「スーパー白鳥」が廃止になり運用に空きが出る、789系0番台40両で「スーパーカムイ・すずらん・エアポート」で使われる785系37両を置き換えることは可能です。ですが、785系と基本編成数の数が違うことや「スーパーカムイ・すずらん・エアポート」で使われている789系1000番台とMT比が違うなどがあるので、その部分をどう対応するかが注目です。

785系は比較的若い車両でありながら置き換えられるのは、789系で置き換えることで「スーパーカムイ・すずらん・エアポート」などの運用を一車種に統一することが可能になり運用や保守を楽にすることを目的としているのだと思われます。

キハ183の置き換えについて

現在最新のキハ261系は空気式車体傾斜で前世代の振り子式キハ283系よりカーブ時の通過速度が劣るものの保守コストが低いメリットがあります。後継車として検討されていたキハ285系は振り子式と空気式両方を利用したハイブリッド車体傾斜を採用し、キハ283系より早い速度でカーブを曲がることができます。

痛みの激しいキハ183系初期車はキハ261系などで置き換えることを最初から視野に入れていたかもしれませんが、残りの60両については開発中止のキハ285系の開発の様子を見てから置き換えることを考えていたと思います。

相次ぐトラブルで資金的にも厳しくなりキハ285系開発中止になった際にキハ261系で置き換えるといった文章もあったので、キハ261系での置き換えが基本となると思います。しかし、キハ261系とキハ285系ではあまりに性能差がありキハ283系の復活をまったく考えていないのかは気になる点です。

※関連記事
JR北海道車両更新ロードマップ発表 721系・キハ281・283も更新へ

東武東上線10両の8000系が営業運転を終了 ありがとう8000系




2015年1月17日に東武東上線8000系による団体臨時列車「ありがとう8000系8175F8506F編成Finalツアー」号が運転されました。これにより東上線での10両の8000系の営業運転は終了となりました。

一般営業運転は16日に終了

東武東上線の10両の8000系が2015年1月16日一般営業運転を終了しました。一般営業最終日は、特性のヘッドマークをつけての運転が行われました。

東武東上線最後の10両編成の8000系8175F+8506F
8000系(8175F8 両+8506F 2両)
最後の一般営業運転となった急行森林公園行き
日中は森林公園に入庫したままだったため、夜の運用に入るかは分からない状況でした。しかし、「列車番号1240 森林公園14:24発の急行池袋行き」から営業運転に入り夜ラッシュでの運行を行い「列車番号1257 池袋20:39発の急行森林公園行き」を最後に森林公園へ入庫していきました。

その際8000系が運用につくはずだった「列車番号1266 森林公園22:09発の急行池袋行き」は50090系51092Fへ変更となりました。

東武東上線最後の10両編成8000系8175F+8506Fと信号機
信号機と8000系も見納めに

本来運用に入れなくても問題なかったと思われることや、本来あと一往復運転してから車庫へ戻る運用を変更して早めに切り上げるなど変則的にしていたことを考えると東武鉄道なりのファンサービスだったようです。

17日に最後の運転


東武東上線臨時列車の「ありがとう8000系8175F8506F編成Finalツアー」号
最後の営業運転となった
「ありがとう8000系8175F8506F編成Finalツアー」号

一般の営業運転は1月16日の夜の運行で終了となりましたが、団体臨時列車「ありがとう8000系8175F8506F編成Finalツアー」号として最後の臨時営業運転が設定されました。

この列車は有料のツアー列車で池袋→小川町→森林公園と運行されたあと、森林公園検修区内で記念撮影会などが行われました。

私が撮影した時は3分ほどの遅れだったようなので、概ね問題なく運転を行うことが出来たようです。

東武東上線臨時列車の「ありがとう8000系8175F8506F編成Finalツアー」
「ありがとう8000系8175F8506F編成Finalツアー」号の池袋側

営業運転を終了した8175F+8506Fですが、8175Fは1977年製・8506Fは1965年製と非常に古い車両です。ワンマン化対応車などは大方行き渡っていて館林にて廃車になるのが一般的な予想ですが、今後どうなるかも注目です。

なお、ワンマン化対応の4両の8000系は引き続き越生線・東上線小川町~寄居間で運用を続けます。

2015年1月15日木曜日

北海道新幹線雪対策発表 新幹線初の技術を3つ導入




2015年1月15日JR北海道は北海道新幹線の冬季対策設備について発表しました。今回はその資料を要約してみたいと思います。

北海道新幹線でも使われる予定のE5系

散水式は最小限に

・散水式消雪
・開床式高架橋
・貯雪式高架橋

北海道新幹線では3種類の高架構造で雪に備えます。

東海道新幹線や上越新幹線で有名なスプリンクラーで線路の雪を溶かす散水式消雪ですが、気温が低いと水が凍るため青森駅付近の最小限にとどめられました。

騒音が発生しやすがいが雪をそのまま下に落せる開床式高架橋は、人口の少ないで「青森駅付近~木古内駅」間で採用され、もっとも多く導入されます。

貯雪式高架橋は「木古内駅~新函館北斗駅」間での採用となります。

ポイントの雪害対策で新幹線では初の技術を3つ採用

雪や氷でポイントが動く無くなるのを防ぐため、在来線で実績があり新幹線では初となる以下の3つの技術を採用しました。

建設途中の北海道新幹線用スノーシェルター
建設途中のスノーシェルター
完成時には屋根も出来る予定

北海道新幹線三線軌条用ポイント
北海道新幹線三線軌条用ポイント
・ピット式ポイント除雪装置
・エアジェット式除雪装置
・スノーシェルター

新幹線で従来から使われる電気式の融雪器の他、ピット式ポイント除雪装置とエアジェット式除雪装置でさらに対策を強化します。

共用走行区間の三線式ポイントは通常のポイントより構造が複雑になるため、上で挙げたような装置のほかにスノーシェルターを設置し、屋根で雪が線路に積もるのを防ぎます。純粋な新幹線ではない山形新幹線では採用区間があります。

※上記画像はttmjrmが2014年8月に特急「白鳥」より撮影した動画から切り出したものです。ちょっと見づらくて申し訳ありません。

除雪用モーターカーは9台導入

今まで他の新幹線で導入されたものと同じような除雪車両を導入しますが、三線軌道用に除雪用の雪を避ける鉄板が変更されています。

北海道新幹線は他にも様々な雪害対策を施し今年と来年の二回の試験を行い、来春の営業運転へ備えます。今回の詳しい内容はJR北海道の「北海道新幹線 冬季対策設備の概要について」で読むことが出来ます。


2015年1月14日水曜日

EH500形の入線可能線区が拡大?




2014年10月に発生した土砂崩れにより東海道線不通になることがありましたが、それを教訓としたJR貨物の対策の検討の一つに興味深いものがありました。それは「汎用性のあるEH500形式電気機関車の主要線区入線確認検証」というものです。

大宮駅停車中のEH500形牽引の貨物列車
JR貨物EH500形

なぜEH500形?


EH500形は50/60Hz対応の交直両用電気機関車で、現在も北は北海道・南は九州と非常に幅広く活躍している車両です。特徴的なのは4軸の電気機関車2両を1セットとして運用していることにより、軸重の分散や青函トンネルや山岳線などの急勾配線区の対応を可能にしています。車体も青函トンネルや関門トンネルなどの高温多湿、雪風の多い海辺の線区に対応する強固なものです。

以上のような設計から理論上は貨物列車が走行している大部分の区間に乗り入れることが出来ます。ですが、理論は理論なのでそれを実際に確かめるための試験を行い、災害時などの迂回輸送に使用しようというのが今回の検討ということです。

以前に実績として東日本大震災の時は上越線などを経由した、日本海周りの迂回輸送を行ったことがあります。

現在の運用区間としては関東~函館の青函輸送や、門司~下関を中心とした運用が行われています。北海道新幹線開業に合わせてEH800が新製されたため、今の運用では北海道方面では若干の余剰が生まれるはずです。そのあたりもあってのEH500の抜擢なのかもしれません。

トラブルに備えるためにEH500形が思わぬ線区で試験を行う姿が今後見られるかもしれませんね。

また、JR貨物はその他にも様々対策を検討しています。詳細はJR貨物にある「東海道線列車運行不能時における対策等検討状況について 」で読むことができます。

北陸新幹線延伸で消える車両・消えない車両




北陸新幹線延伸まで約2ヶ月となりましたが、各三セク会社やJR各社からの資料もだいぶ公開されました。それを元に三セク化される信越本線「長野~直江津」間・北陸本線「直江津~金沢」間から消える車両・消えない車両の予想をしたいと思います。

北陸本線直江津駅停車中の681系と475系
ダイヤ改正で見られなくなると思われる
681系と475系の並び

消える車両

・JR西日本475系
・JR東日本183系
・JR東日本189系

475系は各三セク会社の資料に引き続き運用する記述は見られなかった三セクへの譲渡はないようです。JR西日本としても引退を予定していて、引退後臨時用で残すかなどは未定のようです。

189系・183系は現在使用されている「妙高」号が廃止になり、三セク会社の資料にも譲渡される予定は無かったので直江津~長野間からは撤退と予想されます。

部分的に消える車両

・JR西日本681系 津幡~直江津
・JR西日本683系 津幡~直江津
・JR西日本413系 泊~直江津
・JR東日本485系 金沢~糸魚川
・JR東日本115系 妙高高原~新井

681系と683系は特急「はくたか」の廃止と「サンダーバード」「しらさぎ」の運用縮小で、津幡~直江津間から撤退となります。

413系はデッドセクションや利用者数の関係で泊~直江津間が気道車での運転となるので、同区間から撤退となります。

485系は特急「北越」・快速「くびき野」が廃止されるため金沢~糸魚川間・直江津~新井間からは撤退となります。

115系はえちごトキめき鉄道の信越線区間の主力がE127系となるため、妙高高原~新井間から撤退します。

消えない車両


富山駅停車中の413系
朝夕のラッシュ時を中心に活躍を続ける予定の413系

・あいの風とやま鉄道/IRいしかわ鉄道 521系
・あいの風とやま鉄道413系
・JR西日本681系
・JR西日本683系
・JR東日本/しなの鉄道115系
・JR東日本485系

521系はJR西日本からの譲渡と新製車両により北陸線三セク区間の主力となります。
運用としては泊~金沢間で運用されます。

413系はあいの風とやま鉄道へ一部譲渡されます。古い車両のため朝夕のラッシュ時を中心とした限定的な運用になりますが、泊~金沢間で運用されると予想されます。

681・683系は一往復残る和倉温泉直通の「サンダバード」と新設される特急「能登かがり火」で使用されるため、七尾線乗り入れ列車として金沢~津幡間では運転されます。

115系はしなの鉄道の主力であるため長野~妙高高原間では引き続き運転されます。
また、JRからえちごトキめき鉄道に乗り入れる快速に115系が使用されるため、直江津~新井間でも限定的に使用されます。

485系は「北越」・「くびき野」廃止で大きく運用区間が縮小されるものの、新たに1往復新設される新潟~糸井川間の快速列車に使用されるため限定的に運用されます。臨時列車として新潟方面から妙高高原駅までは485系ジョイフルトレインの「NO.DO.KA」の乗り入れも予定しています。

新たに走り出す車両

常磐線上野駅に停車中E653系
常磐線で使われていたE653系が特急「しらゆき」で使われる

・えちごトキめき鉄道ET127系
・えちごトキめき鉄道ET122系
・JR東日本E653系

えちごトキめき鉄道の妙高高原~直江津間は115系が主力として運用されていましたが、三セク移管に際しJR東日本からの譲渡車であるE127系改めET127系が主力となります。

直江津~泊間はデッドセクションと乗客数の関係で気道車化することになり、JR西日本キハ122系ベースのET122系が導入さることになりました。

E653系は新潟方面からのアクセス特急として新設される特急「しらゆき」で新潟~新井間で運行されます。


2015年1月13日火曜日

四日市あすなろう鉄道ってどんな会社?




2015年4月1日近畿鉄道から分離される内部・八王子線の運営担う予定の四日市あすなろう鉄道について解説したいと思います。

路線概要

内部線: 四日市~内部 5.7km
八王子線: 日永~西日野 1.3km
レール幅: 762mm
電圧: 直流750V

近鉄が運営している四日市を走る路線です。特徴は線路の幅の狭さで、日本の通常の線路幅1062mmより狭い762mmを採用しています。そのため車体の幅も狭く独特な形をしています。

なぜ新会社設立へ?

内部・八王子線は経営悪化による赤字化により赤字に陥っています。年間利用者はピーク時の722万人(昭和45年度)から363万人(平成23年度)と半減しており、近鉄もワンマン化や無人駅化などを行いました。しかし、年間3億円程度の赤字となっており運営形態の見直しを迫られました。

そして近鉄は鉄道路線を廃止後にバス専用道路に転換し、BRTによる赤字を圧縮と四日市市へ公的補助の依頼を提案しましたが、四日市市との協議のにより鉄道軌道での存続が決まり、新会社設立となりました。

※BRT・・・専用道路を利用したバス路線のこと。名古屋ガイドウェイバスや気仙沼線の不通区間など日本でもいくつかのバス路線で採用されている。

新会社概要

社名: 四日市あすなろう鉄道
株主 近鉄75%・四日市市25%
資本金5000万円

近鉄を主体とした新会社として設立されました。この会社は列車の運行や維持をするだけで、車両・施設・鉄道用地は四日市市が保有する会社から無償で借り受けて運行を行います。

国や三重県からの補助金は四日市あすなろう鉄道へは直接行われず、施設の保有を行う四日市市の会社から間接的に補助を受ける複雑な形となっています。

運賃

初乗り3kmまで 170円→200円
4~6km 230円→260円
通勤定期3km 6120円→8350円
通学定期3km 2710円→3980円
※定期については目安

通常運賃は一律30円・通勤定期は2000円前後・通学定期は1000円前後の値上げ幅となっています。

近年近畿鉄道では大手私鉄でありながら採算の悪い路線の分離を行っています。関東では大手私鉄による分離はまだ行われていませんが、今後は関東でも分離や経営の見直しを迫られる事例がでてくるかもしれません。そういった意味でこういった動きは注目に値すると思います。

参考
近畿鉄道や四日市市が公開している資料より記事を作成しました。

※関連記事京都丹後鉄道と四日市あすなろう鉄道11日に認定へ


URLとブログ名を変更しました




今までは「http://ttmjrm.blogspot.jp/」だったURLを「http://www.railnote.com/」に変更しました。
更にブログ名も「ttmjrm blog」から「レールノート」に変更しました。

東武東上線10030系更新車

URL変更

気まぐれなのでいつまで続くかは分かりませんが、ブログ運営をしっかりやってみたいと思ったので独自のドメインの取得を行いました。今までのURLやリンクからは自動的に転送されるようになっているので、見てくださっている方には不便は無いと思います。

しかし、もしブックマークなどしてくださってる方がいましたら再度していただけると幸いです。

ブログ名変更

ブログ名も深く考えずに「ttmjrm blog」という名前にしていましたが、内容が分かりづらいことや親しみをもってもらいたいと思い「レールノート」に変更しました。もしかしたら英語表記の「rail note」にするかもしれませんが、その時はまた変ったんだなと思ってください。

もう少し設定などでご不便かけるかもしれませんが、今後も当ブログをよろしくお願いします。

2015年1月11日日曜日

東武東上線 8000系歴代カラーリング特別編成の臨時列車運行




2015年1月11日に東武東上線「8000系の歴代カラーリングの特別編成列車」が臨時列車が運行されました。

81107F+81111F+8506Fを使った8000系の歴代カラーリングの特別編成列車
今回運行された特別編成列車の上り

概要

上り: 急行 森林公園8:10発→池袋9:08着 (定期ダイヤ)
下り: 快速急行 池袋9:15発→森林公園10:09着 (臨時ダイヤ)
編成: ←池袋 81107F+81111F+8506F 森林公園→

81107F(ツートンカラー)4両 ワンマン化対応車
81111F(セイジクリーム)4両 ワンマン化対応車
8506F(現行塗装)2両

詳細

今日の列車は東武東上線100周年の記念イベントの一貫として行われたもので、誰でも乗れる100周年記念のイベント列車としては2014年度で3回目の運行となり、この組み合わせは最初で最後の見込みです。

上り列車は通常ダイヤの急行池袋行き、下りは臨時の快速急行として運行されました。乗車は通常の切符のみで可能で、下りの森林公園到着後には乗車証明書なども配られたようです。

今回の特別編成に使用された81107Fと81111Fは東上線100周年を記念して、現在使われていない8000系の古い塗装を再現したものです。普段は越生線と東上線小川町~寄居間を4両編成で運行しており、東上線森林公園~池袋間営業列車として走るのはイベントの時だけとなっています。

現行塗装の8506Fは8両の8175Fと連結して小川町~池袋間で営業されており、東上線ATC化には対応していない車両のため東上線のATC化に合わせて引退する予定です。

※関連 東上線ファミリーイベントの際の臨時列車の記事です
8111Fを追いかけろ! 東上線 森林公園ファミリーイベント2014

撮影日誌


今日は天気もよく絶好の撮影日和となりました。列車もほぼ定刻で通過したので、大きなトラブルなどは無かったようです。

私の撮影のほうは上りはそれなりに満足の出来でしたが、下りは設定を詰められずあれこれしてるうちに列車が来ていまいちでした・・・

8000系は来週の臨時ツアー列車が最後となりますが、来週も今日のような気持ちの良い晴天であることを願います。

最後にちょっと悪い話ですが、撮影する際に通行のある道路で路上駐車する方や三脚を鉄道敷地内に入れてる方がいました。今回私も公道で撮影しましたし、鉄道写真の性質上他人にまったく迷惑をかけないのは難しいと思います。しかし、最低限の配慮は必要なのではないでしょうか。


2015年1月10日土曜日

どこまで歩み寄れるか あいの風とやま鉄道




あいの風とやま鉄道が沿線住民に向けた「あいの風とやま鉄道利用者説明会」を続けていますが、一部報道ではダイヤや運賃に関することで参加者から不満の声が出たとありました。そのことについて解説をしながら考えて行きたいと思います。

どんな点が不満に挙がったか?

報道で挙げられたのは以下の2点です

・運賃の上げ幅が大きい
・サンダーバードとの接続の関係で富山からの大阪到着時刻が遅くなる

1つ目の運賃についてはJR管轄時より定期外・定期利用が1.19倍、通学定期が1.09倍程度の値上げが予定されています。この値上げ幅は過去に三セク化された路線と比べ低い水準での値上げ幅となっています。

このご時勢なので不満が出るのは仕方ないと思いますが、値上げ無しというのは現実的でないので妥当だと思います。

2つ目のサンダーバードとの接続ですが、現在は富山4:56発の特急「サンダーバード2号」に乗ると大阪駅へ8:22に着くことが出来ます。しかし、三セク化後は新幹線を含めても富山5:35発「普通金沢行き」が始発になるので、大阪到着は9:25で1時間程度遅くなり不便になります。

また、北陸新幹線を使った場合は2時間10分程度で富山から東京へ行けることを考えますと、富山駅6:19発「かがやき」に乗れば東京駅に8:32に到着でき大阪へ到着するほうが遅くなります。

これは地域間の結びつきにも影響がある問題だと思いますし、鉄道会社間だけの問題でなく検討したほうが良い課題だと思います。

あいの風とやま鉄道も何もしなかったわけじゃない

そもそも三セク化とは何のためにするのでしょうか?主な理由としては、「経営の責任をより明確にする」「JRから独立することで地域に密着した経営が出来る」などがあります。

他の三セクやJRが維持する平行在来線と比べても「運転本数の維持」「特急を補うためのライナー新設」「比較小幅な値上げ」など十分積極的に地域へ歩みよる姿勢を見せています。

なので、決していい加減な姿勢だったので上記のような問題が発生したわけではないと思います。

住民説明会は今後も続きます。開業時への反映は今からでは難しいと思いますが、沿線住民と意見を多く交わし経営へ反映されることが期待されます。


2015年1月9日金曜日

IRいしかわ鉄道ってどんな感じになるの? 北陸新幹線並行在来線について




前回のあいの風とやま鉄道に引き続き、北陸新幹線延伸により生まれる第三セクター運営会社IRいしかわ鉄道について紹介していきたいと思います。

北陸線芦原温泉駅に停車する683系特急サンダーバード
一部運転の継続が決まった特急「サンダーバード」

会社概要

IRいしかわ鉄道は北陸新幹線延伸により第三セクター化される北陸本線「倶利伽羅駅(くりからえき)~金沢駅」間を運営する、石川県を主体とした自治体が出資する鉄道会社です。

路線概要

路線: 倶利伽羅駅~金沢駅 17.8km (北陸本線)
管理駅: 金沢駅を除く4駅
全線交流電化20000V
全線複線

今回新たに設立される三セク会社では18kmと短い路線の会社です。
新幹線延伸後は福井県境までの45km程度がさらに管轄になると思われます。

保有車両

北陸線富山駅停車中の521系
IRいしかわ鉄道の主力となる521系

521系(2両で1編成) × 5編成

3編成がJR西日本の譲渡車、2編成が新造車となります。
譲渡車については、製造時の3分の1の価格で買い受ける形となります。

列車運行

・他社路線との乗り入れが前提のダイヤ
・JRからの特急乗り入れ継続
・あいの風とやま鉄道からの「あいの風ライナー」も乗り入れ

路線が短いため自社線で完結する列車はなく、はあいの風とやま鉄道やJR七尾線と直通する列車で運行されます。

七尾線乗り入れの特急存続についてはJRも積極的だったこともあり、「能登かかがり火」号5往復と「サンダーバード」1往復が存続します。「しらさぎ」に関しては定期列車の運行は終了します。

七尾線乗り入れ以外の特急廃止による利便性低下を補うため設定される有料ライナーの「あいの風ライナー」も乗り入れが決定しました。運行区間としては「金沢~泊」間が基本となり、ほとんど列車が相互直通で運行されます。

ワンマン化に関しては、日中の乗車率が低い時間に実施される予定です。

運賃

開業後5年間の運賃
・定期外、通勤定期が1.14倍
・通学定期は値上げ無し

開業後5年間の運賃は他の三セクと比較しても最小限の値上げとなっています。相互乗り入れが前提となる同社では、JR・IRいしかわ鉄道にまたがって利用する場合には乗り継ぎ割引を適用し、利用者の負担を減らします。

検討中の企画券
・フリー切符
・バスと鉄道がセットになった定期
・定期利用者への戦線施設優待サービス
・中学生往復半額切符

利用者を増やすために上記のような企画切符を検討しています。

運営

・乙丸車両基地の一部をJRから取得
・車両検修などはJR西日本やあいの風とやま鉄道などに委託を検討
・指令システムは現行のJR西日本のシステム2年使用した後新設へ
・金沢駅はJRと共同で保有

車両の保守などはJR西日本から取得した乙丸車両基地で行い、規模の大きい保守については委託を見当しています。

列車運行のための指令システムは現在JR西日本が使っているものをあいの風とやま鉄道が開業後2年間使用し、えちごトキめき鉄道の一部、あいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道の3社を一括管理します。2年後には各社が独自に指令設備を構築することになっており、IRいしかわ鉄道ではJR西日本と連携出来る新たなシステムの構築を検討しています。

金沢駅については土地の保有はJR西日本が行い、駅舎の保有を行います。管理・運営についてはJR西日本が行います。

資金など

・資本金は20億
・運行支援金として30億
・開業後10年で11億の赤字見込み

県を中心とした自治体や民間企業により資本金は20億なっています。

乗り継ぎ割り引き・災害復旧・運賃値上げ抑制のため、県や沿線自治他・乗り継ぎ割り引きに関わる自治体と11年で30億円の運行支援金の積み立てを行います。

開業後10年で11億の赤字が見込まれるため、運行支援基金から3億円をあてます。
さらに足りない分に関しては運賃の値上げなどで対応します。


台湾向け車体傾斜式車両を続々追加受注




2014年12月25日に日本車輌は台湾国鉄向けTEMU2000形を追加受注したと発表しましたが、2015年1月9日に日立製作所もTEMU1000形の追加受注を発表しました。この記事では追加受注が決定した二つの特急車両について紹介したいと思います

JR九州885系
TMEU1000形のベースになったJR九州885系

日本車輌製TEMU2000形

・交流用特急形交流電車
・最高時速140km/h(設計最高速度は150km/h)
・8両で1編成
・空気バネ式の車体傾斜装置を採用
・嘉義~台北~花蓮間で運行
・アルミニウム製車体
・欧州規格に対応

この車両は台湾の交通部台湾鉄路管理局(略称TRA、台湾の国鉄にあたる)向けの特急列車で、都市間輸送向けの車両です。日本車輌と住友商事で受注をし、2012年から2014年に300億円で17編成136両の導入が決定されました。2013年2月6日より「普悠瑪號(プユマ号)」として営業運転を開始しました。

追加受注として2編成16両を33億円で受注しました。

日立製作所製TEMU1000形

・交流用特急形交流電車
・最高時速130km/h(設計最高速度は150km/h)
・8両で1編成
・振り子式の車体傾斜装置を採用(最大傾斜角5度で本速+25km/h)
・斗六~台北~寿豊間で運行
・アルミニウム製車体
・JR九州の885系をベースに設計

この車輌もTRA向けの都市間輸送向け特急列車です。日立製作所と丸紅で受注をし、2006年から2007年に3編成ずつ、計6編成48両が納入されました。2007年より台湾初の振り子式特急電車「太魯閣號(タロコ号)」として営業運転を開始しました。

追加受注として2編成16両を受注し、2015年度中に納車する予定です。

※日本車輌・日立製作所のプレスリリースより記事製作

現在TRAで運行されている車体傾斜式車両は日本製の2形式のみとなっています。通勤車両でも東急車輛・川崎重工など様々な日本製車両が外国製の車両と共に採用されています。

そして2014年12月22日にはTRAと山陽電鉄が姉妹鉄道協定を結ぶなど、車両面以外でも日本鉄道業界と友好な関係が築けています。今後も両国の鉄道が共に発展していく未来が描けそうです。


和光市駅前のトイレがネーミングライツで綺麗に




2015年1月8日の東武東上線・東京メトロ有楽町線和光市駅前の公衆トイレがネーミングライツにより改修されたことを記念して、セレモニーが行われました。

このトイレは1998年に和光市が駅南口に設置した公衆トイレで、改修やトイレを快適にすることを条件に2014年にネーミングライツの募集が行われました。その結果トイレの衛生管理などを行う越谷市の「CSレリーションズ」が優先交渉者に決定され、「和光市駅前トレイ トイレの診断士の厠堂」という名前になりました。

これにより和光市は資金を出資せず、便器の洋式化や自動洗浄機・自動乾燥機など500万円の費用で改修され、2017年まで同社が管理を行います。

「CSレリーションズ」社のブログによると、駅前の一等地にあるトイレへ看板を出し快適に利用者に使ってもうらうことで、宣伝効果と技術力を体験してもらえるショールームとして活用できる旨のメリットを期待しているそうです。

富山ライトレールでも少し似たような取り組みがあります。駅の広告を企業に依頼するまでは普通のなのですが、広告エリアにデザイン性の高い写真やイラストを貼り企業名自体は小さく書かれるのみといったものです。これは、広告効果を狙ったというよりは企業貢献をアピールするものです。

ローカル線ではあらゆる費用の削減が課題です。そんな中利用者と企業双方に利益が出るこのような取り組みは、さらに推進していく必要があると思います。

2015年1月8日木曜日

あいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道ダイヤ発表 有料ライナーも運行決定




2015年1月8日にあいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道が開業時のダイヤを発表しました。

北陸本線福井駅に到着する683系特急しらさぎ
和倉温泉乗り入れが廃止される見込みの特急「しらさぎ」

あいの風とやま鉄道

・「直江津・糸魚川~泊」「泊~富山~金沢」間で分断
・IRいかしわ鉄道・えちごトキめき鉄道へ相互乗り入れ
・有料ライナー「あいの風ライナー」を「泊~富山~金沢」間で運行 (土・休日運休)

運行形態として「直江津・糸魚川~泊」はデッドセクションの関係で、えちごトキめき鉄道のディーゼルカーET122形で運行となります。
「泊~富山~金沢」はIRいしかわ鉄道にも積極的に乗り入れ、時間帯によって様々な区間の列車が運行されます。
最長距離の列車としては「泊~富山~金沢」を1本で結ぶ列車も運行されます。

以前からアナウンスのあった有料ライナー「あいの風ライナー」の詳細も発表されました。
全車両指定で「ライナー券」300円が必要で、距離性ではなく一律300円となっています。
ライナー券の発売場所は泊・入善・黒部・魚津・滑川・富山・小杉・高岡・石動の各駅とライナー車内で発売となります。
管轄が違うためか金沢駅での発売がないので注意が必要です。
運行区間としてはほとんどの列車が「泊~金沢」間の運行で、土・休日を除く通勤時間帯の朝・夕で運行されます。

※あいの風とやま鉄道の詳しい説明は以下の記事タイトルのリンクからどうぞ
あいの風とやま鉄道ってどんな感じになるの? 北陸新幹線並行在来線について

福井駅停車中の521系
あいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道で活躍予定の521系
あいの風ライナーも521系で運転される予定

IRいしかわ鉄道

・あいの風とやま鉄道・JR七尾線へ乗り入れ
・特急 「能登かがり火」 金沢~和倉温泉 5往復
・特急 「サンダーバード」 大阪~金沢~和倉温泉 1往復
・「あいの風ライナー」 上り3本 下り2本 (土・休日運休)が乗り入れ

普通列車はあいの風とやま鉄道からの相互乗り入れ列車とJR七尾線からの乗り入れ列車で運行され、営業区間が短いこともあり自社管内のみの列車はありません。

あいの風とやま鉄道から乗り入れる「あいの風ライナー」が土休日を除く朝・夕で運行されます。

特急列車は新設される「能登かがり火」が5往復、和倉温泉直通の「サンダーバード」が1往復で、特急「しらさぎ」の定期乗り入れは廃止となる見込みです。

※IRいしかわ鉄道の詳しい説明は以下の記事タイトルのリンクからどうぞ
IRいしかわ鉄道ってどんな感じになるの? 北陸新幹線並行在来線について


2015年1月7日水曜日

日立 英国向けハイブリッド高速車両を出荷開始




日立製作所は2015年1月7日に英国都市間高速鉄道向け車両の先行生産車両の出荷を開始したと発表しました。

7日に出荷された車両は今月の20日ごろ神戸港より大型船にて輸送され、3月中の英国到着を予定しています。英国到着後は、各種測定機器を搭載し4月より乗務員試験も兼ねた走行試験を開始する予定で、営業運転は2017年からを予定しています。

今回出荷された車両は去年11月に公開されたClass 800シリーズで、2009年より営業を開始したClass 365をベースに設計された最高速度201km/hまで出せる高速鉄道用車両です。この車両の特徴はディーゼル発電機と架線の二つの電源を使用して非電化区間と電化区間の両方を走行可能にしたということです。

ただし、電化区間専用の車両も生産される予定で電化・非電化区間対応型がClass 800、電化区間専用がClass 801 となる予定です。

車両の量産は現在建設中のイギリスのダーグラム州の日立レールヨーロッパで2016年から開始する予定ですが、先行量産車3編成と一部量産車9編成を3山口県笠戸事業所での生産を予定しています。

※追記
1月22日ごろに予定通り神戸港から積み込みが行われ英国へ向けて発送されました。台湾新幹線の700Tなども神戸港から旅立ったように、海外向けの発送が度々おこなわれています。

3月12日英国のサウサンプトン港へ到着しました。同行では記念セレモニーも実施されました。

※関連記事
日立がイギリスで走らせるAT-200とは
日立 英国向けハイブリッド高速車AT-300受注

2015年1月6日火曜日

東京メトロが「キッザニア」へ出展 大人向けもあったら面白い?




東京メトロは2015年1月5日に「キッザニア東京」へ「地下鉄パビリオン」として出展し2015年4月下旬のオープンを目指すと発表しました。

東上線川越市駅入線する東京メトロ1000系

キッザニア東京は豊洲にある子供達が様々な職業体験をすることの出来るテーマパークです。特徴的なのは企業と提携して、企業の特色を含めた職業体験を提供していることです。

この中で「地下鉄パビリオン」ではこども達が「運転士」、「車両整備員」、「軌道作業員」となり以下のような作業を体験することができます。

・運転士-有楽町線のシュミレーターでの運転体験
・車両整備員-床下危機の点検・交換・安全確認
・軌道作業員-レール交換

この体験を通し、運輸部門・技術部門の強力で地下鉄が運行されていることを理解し、仕事のやりがいに気づいてもらうことを狙いとしているそうです。


子供たちが鉄道に触れることで好きになれば鉄道業界にプラスに働くでしょうし、この出展は良いアイディアだと思います。運転士さんは目にする機会も多くどんな仕事か分かりやすいと思います。それに対し車両整備や軌道保守などの、裏方で目に付きにくい仕事も紹介されるのは良いことだと思います。

また、近年大人向けの鉄道運転の運転体験なども広がり、鉄道員でない方が鉄道の仕事を体験する機会が増えてきました。

それとは別に各地の鉄道遺産などを保存する活動として、有志が展示されている車両のメンテナンスや保存鉄道の運行を行うなどがあります。

そういったお客さんとして鉄道体験をするのと、自分が主体となって鉄道体験をすることの架け橋となるような施設として、鉄道運営・整備の技術をちゃんと教えてくれる施設があると面白いと思います。

NEX外国人旅行者向け新切符発売 往復料金「スカイライナー」より安く




2015.年1月6日にJR東日本は外国人旅行者向けに「N'EX TOKYO Round Tripe Ticket」の発売を2015年3月14日から始め、「N'EX Tokyo Direct Ticket」の販売を終了すると発表しました。また、同日に「JR East Pass」の一部変更も発表されました。

池袋駅停車中のE259系特急成田エクスプレス
E259系 特急成田エクスプレス

「N'EX TOKYO Round Tripe Ticket」発売

現在発売さている「N'EX Tokyo Direct Ticket」は2014年1月10から発売されたもので、「成田空港・空港第二ビル」から東京電車特定区間の好きな駅まで「成田エクスプレス」普通指定席を利用し、大人1500円・子供750円で乗れる一方方向の片道切符で2015年3月13日で廃止となります。

そして、今度発売される切符「N'EX TOKYO Round Tripe Ticket」は、「成田空港・空港第二ビル」から東京電車特定区間の好きな駅まで「成田エクスプレス」普通指定席を利用し、大人3000円・子供1500円で往復できる切符です。

※両きっぷとも購入には外国人パスポートが必要

片道あたりの運賃は500円の値上げですが従来は帰りの切符の販売は無かったので、往復運賃では実質値下げとなります。

また、京成電鉄の「スカイライナー」が片道料金が2470円なので、「成田エクスプレス」のほうが割安になります。京成電鉄も外国人向け割引切符を販売していますが、「N'EX TOKYO Round Tripe Ticket」の往復4000円よりは高いようです。

オリンピックに向けて競争が激化すると思われますが、京成がどう対向していくか注目です。

「JR East Pass」の変更

「JR East Pass」はJR東日本管内の特急・新幹線が乗り放題の切符です。こちらは北陸新幹線開業に合わせた変更です。

・使用不能になる区間
信越線「長野~新井」間

・使用可能になる区間
北陸新幹線「長野~新井」間
えちごトキめき鉄道「直江津~新井」間

三セク化で使用不能区間が増えますが、「直江津~新井」間については特急「しらゆき」の関係で残すのだと思われます。


2015年1月5日月曜日

前年比越えのJRと対照的な大手私鉄 2014年度の年末年始利用状況




JR各社が12/26~1/4の年末年始の新幹線・特急列車の利用状況を発表し、各社前年を上回る結果で好調でした。一方民鉄協会も大手私鉄16社の利用状況を発表しましたが、対照的な結果になりました。

東北新幹線小山駅を通過するE2系

JR北海道-計101%

※本州方面・函館方面・旭川方面・釧路方面の主要4線区で集計

トータルでは101%でした。

北海道新幹線の試験を行うため、年末年始は青函トンネルを通過する寝台特急「北斗星」などの夜行列車の運休を実施したため、本州方面は11%の減少となってしまいました。

札幌圏の大雪による運休などもありましたが、本州方面以外の3線区で前年比を越える伸びを記録しました。そのためトータルでは前年比を越える101%という結果になりました。

JR東日本-計101%(新幹線101%・在来線99%)

※新幹線各線、羽越・常磐・外房・内房・総武・成田・ほくほく・東海道・中央線など17区間で集計

トータルは102%でした。

新幹線が秋田新幹線を除く多くの路線で好調で、トータルでは102%の伸びでした。

日本海側の大雪のため、羽越本線や秋田新幹線で前年比を下回りました。繁忙期以外でも高速バスとの競争で苦戦してる房総・千葉方面や原因はよく分かりませんが東海道線も不調でした。

結果在来線だけの集計では去年を若干下回る99%となりました。

JR東海-計104%(新幹線104%・在来線103%)

※新幹線、東海道・中央・高山・紀勢・飯田・御殿場・身延線で集計

トータルは104%でした。

新幹線は「のぞみ・こだま・ひかり」と全ての種別で前年比を超え、新幹線だけでは104%の伸びでした。

在来線は前年比を超えた路線と減った路線が半々で紀勢線と静岡方面の飯田・御殿場・身延線が前年比を下回りましたが、在来線全体では103%の伸びでした。

JR西日本-計101%(新幹線101%・在来線100%)

※新幹線、北陸・湖西・山陰・福地山・智頭・伯備・瀬戸大橋・関西空港・きのくに線で集計

トータルでは101%でした。

新幹線は「のぞみ・みぞほ」など速達型と各駅型の「こだま」が伸び、中速型の「ひかり・みずほ」が苦戦しましたが、新幹線全体では101%の伸びでした。

大きく苦戦した福知山線の「こうのとり」、伯備線の「やくも」、きのくに線の「くろしお」など、集計を取る在来線の半数以上が去年を下回りましたが、好調だった路線が大きく牽引し、在来線全体では100%の横ばいとなりました。

JR四国-計101%

※瀬戸大橋・予讃・土讃・高徳線で集計

土讃線・高徳線では前年比を下回る結果となりましたが、瀬戸大橋線・予讃線が伸びて全体では101%の伸びとなりました。

JR九州-計104%(新幹線104%・在来線104%)

※新幹線、長崎・日豊線で集計

トータルでは104%でした。

JR九州は全体的に好調で新幹線、在来線と集計をとっている全ての路線が好調で、前年比を上回りました。

対照的な大手私鉄

東武東上線を走る10030系更新車の11641F+11445F


この統計は東武・西武・京成・京王・小田急・東急・京急・東京メトロ・相鉄・名鉄・近鉄・南海・京阪・阪急・阪神・西鉄の16社で調べたもので、「東急電鉄」を除いた全ての会社で前年比より減少する形となりました。

統計の仕方や日数に違いがあるので一概に比較は出来ませんが、JR各社の特急・新幹線利用状況では全ての会社が前年比を越えたことと比べると、対照的な結果になりました。2014年始は天気もよく好調だったので、その反動と言えるかもしれません。


2015年1月2日金曜日

あいの風とやま鉄道ってどんな感じになるの? 北陸新幹線並行在来線について




前回のしなの鉄道 北しなの線に引き続き、北陸新幹線延伸により生まれる第三セクター運営会社あいの風とやま鉄道について紹介していきたいと思います。資料が今年3月の若干古いのものを中心にしたので、情報が古くなっていたら申しわけありません。

富山駅停車中の413系電車
三セク移管後も運用続ける予定の413系
後ろに見えるのが富山駅北陸新幹線ホーム

会社概要

あいの風とやま鉄道は北陸新幹線延伸により第三セクター化される北陸本線「市振駅(いちぶりえき)~倶利伽羅駅(くりからえき)」間を運営する、富山県を主体とした自治体が出資する鉄道会社です。

路線概要

路線: 市振駅~倶利伽羅駅 100.1km (北陸本線)
管理駅: 市振駅と倶利伽羅駅を除く19駅
全線交流電化20000V
全線複線

富山駅停車中の521系
三セク移管後の主力となる予定の521系

保有車両

521系(2両で1編成) × 16編成
413系(3両で1編成) × 5編成
MCロータリーラッセル車必要数とラッセル車2両

JR西日本より譲渡される上記21編成と除雪用車両が譲渡されます。予備車を入れると22編成の車両が必要なので、1編成の新規増備を検討しています。

列車運行

早朝は521系を2編成連結した4両の列車と413系で運転されます。日中は521系2両1編成でワンマン運転を行います。

乗り入れについてですが、えちごトキめき鉄道方面は泊から糸魚川・直江津までえちごトキめき鉄道のディーゼルカーで乗り入れを行い、IRいしかわ鉄道方面はIRいしかわ鉄道と一体になるような運用で金沢まで乗り入れます。

この直通運転金沢~泊間の直通列車を増やし、富山駅での乗り換えを減らします。そして、糸魚川駅での乗換えでは列車の縦列停車により同一ホーム乗り換えを実施します。

特急は無くなりますが、普通列車の増発と有料の快速列車の新設が行われます。さらに、特急がなくなったことで普通列車も所要時間の短縮されます。

運営

運行管理システムは開業後2年間は現在使われているJR西日本のシステムを使い同社が、自社線・えちごトキめき鉄道線の一部・IRいしかわ鉄道を一括で運行指令を行います。2年後は単独で現在より簡素な機能・仕様の指令システム導入することを検討しています。

車両保守などはJR西日本の富山運転センターから必要な設備を譲渡してもらい行いますが、要部検査・全般検査・大規模修繕に関してはJR西日本への委託を検討しています。

車両清掃も富山運転センターから設備を譲渡してもらいますが、JR西日本のDC車両の清掃などの効率的な運用を目指すため、JR西日本と調整を行います。

ラッセル車など除雪車両の運行については同社以外にまたがっての運行を検討しているようですが、こちらも他の三セク会社と調整中のようです。

運賃

開業後10年間は通学定期は1.05倍、通勤定期・定期外は1.19倍の値上げで対応します。
乗り継ぎに関しては割引を予定しています。

資金等

開業前の投資として185億円とし、110億円がJRからの設備譲渡費、75億が開業準備などです。
さらに開業あと10年間で指令設備の整備費、信号設備の更新、車両の更新で53億円を見込んでいます。

また、設備投資・乗り継ぎ割り引き・運賃値上げ抑制など開業後の経営安定のための基金を設立します。県が30億・周辺市町村が30億・民間からの寄付金5億を見込んでいます。

収支は翌年度こそ3億の赤字ですが、その後10年目までは基金などの支援で1億円の黒字を見込んでいます。


2015年1月1日木曜日

東武東上線2015年度初電「みなと横浜 初日の出号」運転




去年に引き続き2015年の元旦も東武東上線で「みなと横浜 初日の出号」が運転されました。

駅に停車中の東急5050系Shibuya Hikarie号を使ったみなと横浜初日の出号
東急5050系SHibuya Hikarie号を使った
みなと横浜 初日の出号

概要

東急5050系4000番台4110FShibuya Hikarie号で運転
東上線森林公園3:50発→みなとみらい線元町・中華街5:54着
東横線武蔵小杉より既存ダイヤの急行で運転

詳細

この列車は東武東上線・西武池袋線・東京メトロ副都心線・東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線の5社直通開始により去年から設定された臨時列車で、初日の出スポットである横浜ベイエリアへ日の出前のちょうど良い時間に付くよう設定された列車です。

去年は通常カラーの東急5050系4000番台で運転されましたが、今年はShibuya Hikarie号での運転となりました。Shibuya Hikarie号の東上線森林公園~川越市間の営業運転は今年が始めてとなります。

東上線発の列車の他に西武線発の列車も設定されており、こちらは東京メトロ10000系での運転となりました。

運行の様子

駅の様子ですが、通常の始発列車と同じく時間になったら改札が稼動するだけで特段変った様子はありませんでした。

ホームで列車を待っていると、体感ですが去年より利用者は多い感じがしました。二年目ということもあって認知されはじめたのでしょうか?撮影する人間に関してはShibuya Hikarie号が使用されたこともあり、間違いなく去年より多くの方が撮影されていました。

みなと横浜 初日の出号2014年運行時の電光掲示板
去年の様子
臨時列車から始発まで表示されている

みなと横浜 初日の出号2015年運行時の電光掲示板
今年は何も表示されていない状態だった

また、去年は駅の電光掲示板に臨時列車から定期の始発まで表示されており、新年の挨拶なども流れていたのですが、今年は何も表示されていない状態で寂しい感じでした。

車内には運転手さんと車掌さん以外にも乗務員の方がいて、2両に一人ぐらいの割合でのっていました。

今年も当ブログをよろしくお願いいたします。

※関連記事
3年目突入 「みなと横浜初日の出号」「天覧山 初日の出号」運行


中国に世界最大の鉄道メーカー誕生




2014年12月30日に鉄道会社規模世界2位の中国南車グループと1位の中国北車グループが合併し、世界最大の鉄道車両メーカー中国中車股フン(-にんべんに分)有限公司(略称は中国中車)が誕生すると発表がありました。

大宮駅に到着する北陸新幹線E2系
中国に輸出されたCRH2のベースになったE2系

両者は中国鉄路機車車両工業が分割され誕生した二つの企業でしたが、今回の合併で中国南車が中国北車を合併する形で再統合されます。

今回の合併は一度は分割されたものの国内外での争いによる損失が大きくなったことや、一社に統合することでより強い国際競争力を持てるとの考えから実現したようです。

また、中国では様々な国の高速鉄道用車両が技術供与により走っていることは良く知られていますが、中国南車グループはCRH2(日本のE2系ベース)・CEH3(ドイツソーメンスのICE3ベース)を製造し、中国北車グループはCRR1やCRH380D(カナダボンバルディア)といった具合に二社は別々の国から供与を受け車両を製造しています。それが今回の統合で世界中の高速車両を一社で製造することが可能になりました。

中国中車は海外進出にも積極的姿勢なことや、技術・資金様々な面で競争力を増した形となり日本の鉄道輸出戦略にも大きな影響を与えると予想されます。具体的には世界各国の高速車両の技術を保有するために幅広い提案が出来ることや、中国政府の積極的なバックアップなどです。

エアバスが中国で本格的な生産を始めていること考えると、欧州は中国との提携は積極的なのが分かります。なので、アジア地域への高速鉄道売込みでは、欧州+中国みたいな形もありえると思います。

東南アジア地域では各国が高速鉄道の売込みを図っていますが、今回の合併はその点でも大きな影響があると思います。日本としてもいろいろ考えていかなければないのではないでしょうか。

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