東上線ふじみ野駅にも設置されている 2014年ふじみ野駅で撮影 |
回生電力貯蔵装置とは?
単純に言えば名前の通りリチウムイオン電池などの充電電池に電気を貯めたり、そこから放電したりする装置です。
もう少し言うならば、最近の鉄道車両はブレーキをかける際にモーターを発電機にしてブレーキをかけます。そのとき発電した電力を他の電車に消費してもう必要があるのですが、常に消費する電車が走っているわけではありません。その場合、急にブレーキの効きが悪くなってしまいます。
そうならないために空気ブレーキに切り替える・変電所や列車に搭載する抵抗器で熱にして使う・特殊な装置をつけた変電所から電気を送電線へ送るなどの対策が採られています。
そこへ新しく加わったのが回生電力貯蔵装置です。名前の通り回生ブレーキ時に電気を貯め、列車が加速する時に放電することが出来ます。それにより安定して回生ブレーキが使用できます。
他にもある回生電力貯蔵装置のメリット
・回生ブレーキの安定性向上
・電力ピーク時の送電設備の負荷軽減
・電圧降下の抑制
・省エネ効果が期待できる
・非常時の電源
・省エネ効果が期待できる
・非常時の電源
一つ目は上で挙げた回生ブレーキを安定して使用することが出来ます。
二つ目は列車が複数走っている場合に、同時に加速すると変電所に大きな負荷がかかります。
なので、単純に発車時に放電するのではなく、負荷が大きくなった時に放電することで送電設備の負荷を減らすことが出来ます。
三つ目ですが、変電所から遠くなるにつれて電圧が低下する現象が発生してしまいます。通常時なら問題ないのですが、ラッシュ時など複数の列車が走行しているときは電圧の降下幅が大きくなり問題となります。そこで回生電力貯蔵装置を設置することで、電圧の降下を抑制することができます。このメリットは大きいもので、回生ブレーキの貯蔵よりも電圧降下の抑制のほうをメインに設置する場合もあります。
四つ目は今までのメリットからも分かるように、この装置は電力を効率的に使うための装置でもあります。省エネという観点からも大きな効果が期待できます。
最後の非常時の電源ということですが、これはまだ試験的な取り組みが中心です。貯蔵装置からの電力を供給することで、非常時に電源供給が止まっても必要最低限移動を可能にします。これにより危険なポイントか移動したり、駅以外に停車した場合でも近ければ駅まで走ることが可能になります。