記事作成日: 2016.02.27/記事更新日: 2016.05.25
415系1500番台とは?
小山駅に到着する様子 |
水戸線・常磐線で運用されている415系1500番台は1986年から運行を開始しました。軽量化・省エネ化・保守低減の考えから、車体や台車は211系に準じたものとなっています。性能や制御方式については415系との併結するために、同一となっています。
車窓・車内なども含め
動画にまとめました
常磐線の主力車両として運行されていて上野駅でも見ることが出来ましたが、置き換え用のE531系が投入されたため運用区間を狭めています。今では水戸線・常磐線友部以北のみで運用を行っています。そしてE531系が更に追加投入されたことで、今度のダイヤ改正に合わせて現在運行している区間からも撤退します。2016年6月25日の団体臨時列車の運行をもって、JR東日本からは姿を消すと思われます。
日本全国へ目を向けるとJR九州やJR西日本所属の車両があります。JR西日本所属車については数も少ないのでどれくらい見れるかは分かりませんが、九州地方では交直車以外代替の利かない関門トンネルのデッドセクションもあるので、しばらく活躍する姿を見ることが出来ると思います。
415系の見所
415系1500番台は関東で最後まで見ることの出来、唯一の国鉄型交直流車両です。そのため415系ならではの特徴もあります。それらを踏まえて紹介したいと思います。
211系に準じた外観
両毛線や中央線で活躍する JR東日本211系 |
最初に述べたように外観は直流近郊型電車の211系とほぼ同じとなっています。ステンレス性の車体で、帯の色を変えると分からないと思います。台車もボルスタレス台車で、211系とほぼ同じものを使用しています。しかし分かりやすい違いもあります。
違いの一つのL時アンテナ |
まず一つとしては、L時方の検電(静電)アンテナです。最近の車両はこのタイプのものを採用しているものが少ないので、415系1500番台の特徴の一つともいえると思います。
パンタグラフを含む屋根上機器 |
次に特徴的な外観はパンタグラフを含む屋根上機器です。交流・交直流電車特有の複雑屋根上構造も、211系との分かりやすい違いです。
近郊型構造と消える電灯
車内は3扉でロングシートの構造 |
扉は3扉で座席はロングシートとなっています。水戸線・常磐線関東地区では415系1500番台、E501系、E531系の3形式が運行しています。それぞれ車両構造が違い3扉ロングシートを採用しているのは415系だけで、唯一の近郊型構造でした。
デッドセクション走行中の様子 蛍光灯が消えている |
最近の交直流電車はバッテリーを搭載することで、交流と直流の切り替え区間であるデッドセクションでも室内灯が消えませんが、415系では消えます。常磐線の運用は交流区間のみの運用のため、この光景が見れるのは水戸線の「小山~小田林」間にあるデッドセクションを通過するときだけです。
車両の主制御機器が抵抗制御であるため、最近の電車特有のインバーター音はしません。さらにこの電車ならではの音として、デッドセクション通過時の断流器の音があります。パンタグラフ下あたりの座席に座っていると、デッドセクション通過時「シュッ」という空気が抜けるような音が聞けます。(一番目の動画3:45過ぎに音を収録)
415系1500番台の走行音
車両の主制御機器が抵抗制御であるため、最近の電車特有のインバーター音はしません。さらにこの電車ならではの音として、デッドセクション通過時の断流器の音があります。パンタグラフ下あたりの座席に座っていると、デッドセクション通過時「シュッ」という空気が抜けるような音が聞けます。(一番目の動画3:45過ぎに音を収録)
駅にも居る?415系
友部駅の乗車位置目標 |
最後にですが415系1500番台と共に消えそうなものとして、駅の乗車位置目標があります。写真は友部駅のものですが、使い古されてだいぶ痛んでいます。415系1500番台が引退すると3扉の列車が無くなり、この乗車目標は不要なものとなります。しかも、1500番台より先に引退した0番台とのツーショットのピクトグラムです。415系をこれから見に行こうという方がいましたら、是非足元にも目を向けてみてください。足元で常磐線・水戸線を支えた縁の下の力もちの最後の雄姿です。
最後の雄姿 団体臨時運行
2016年6月25日に有料ツアー向け団体臨時列車が設定されました。車両は8両で、「いわき11:50発→竜田12:38着」「竜田13:08発→いわき11:50着」のダイヤです。料金は大人5500円・子供5200円で、5月26日14:00からJR水戸支社のページなどで募集されます。
これが最後の乗車チャンスだと思うので、思い出のある方は参加を考えてみてはどうでしょうか?