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2022年2月20日日曜日

新型制御で高速化の希望になれ!新型振り子式「やくも」




 特急「やくも」用に導入される273系振り子式特急電車と、273系に採用される新しい技術「車上型の制御式自然振り子方式」について注目したいと思います。

ベースは271系?

形式: 273系特急形直流電車
車両数: 44両 (4両×11編成)
営業時期: 2024年春

JR西日本は2022年2月16日に特急「やくも」向けに、273系を44両導入すると発表しました。運行開始は2024年春で、これにより最後の国鉄型特急電車となった381系を順次置き換えます。それに合わせて2022年3月19日より381系の国鉄色リバイバル運転を行います。

デザインはシルエットのみ明かされており現在検討中としていますが、シルエットを見る限り関空特急「はるか」で活躍する271系をベースにしているようです。

現在の発表ではVVVF化による省エネルギー化・バリアフリー化・防犯カメラ設置・Wi-Fiとコンセント整備と目新しくないものも多く目につきますが、日本初の「車上型の制御式自然振り子方式」採用という大きな特徴もあります。

日本国内では電車での振り子式の新形式は20年以上採用がなく、在来線特急界では明るいニュースです。

山を貫き瀬戸内海と日本海を結ぶ

「やくも」と381系

273系が導入される特急「やくも」は、山陽本線・伯備線・山陰本線を経由して「岡山~出雲市」間を結ぶ特急列車です。新幹線により活躍の減る在来線特急ですが、瀬戸内海と日本海を結ぶ路線は無いため、今でも「やくも」は1時間に1本をベースに設定されている重要な特急です。

山を抜けてカーブの多い区間を走る関係で、1973年に中央線の特急「しなの」・1978年に阪和線と紀勢線の特急「くろしお」・最後に1982年特急「やくも」と381系特急電車を採用した路線です。

381系は自然振り子式と呼ばれる車体傾斜装置が搭載されていて、カーブに入ると遠心力で車体が傾くことで、カーブでも乗り心地を損なわず高速で通過することが出来ます。ただし、車体傾斜装置は乗り心地を維持するための装置のため、あらかじめ線路や架線を高速走行可能な用にする工事が必要です。

381系は485系や183系に似た見た目をしていますが、振り子装置以外にも車体を鋼鉄製からアルミ製にしたり、冷房を床下にするなどして低重心化する工夫があります。

カーブの多い路線に採用された381系ですが、老朽化の問題により「やくも」以外では引退しています。そして485系が引退して今では、「やくも」は最後の国鉄型特急電車が定期運行で活躍する貴重な列車ともなっています。

コストが重くても採用された振り子式

振り子式車両は台車や場合によってはパンタグラフも構造が特殊化するため、コストの関係で採用を減らしています。その代わりとしてカーブの通過速度は振り子式より多少劣るものの空気ばねの空気量を調整して車体を傾けるため、構造が他の一般列車とほぼ同じでコストがあまりかからない空気ばね式の車体傾斜装置がが採用が増えています。

最近で振り子式が採用されたのはJR四国が空気ばね式では技術的にどうしても難しかった場合と、かなり消極的な理由でした。また、「くろしお」に至っては、381系の後継車では車体傾斜装置自体を省いてコスト削減がなされることもありました。

コストがかかっても振り子式が採用されるのは、それだけ「やくも」がまだ重要だと思われているからなのだと思います。

新型制御で少しでも安くなるか?

381系自然振り子式はカーブに差し掛かるだけで勝手に車体が傾く反面、車体がカーブに入ってから車体が傾くため乗り心地が悪くなるデメリットもあります。そのため乗り物酔いが起きやすく、「ぐったりやくも」などという不名誉なジョークもあったりしました。

そのため最近の振り子式車両は制御付き自然振り子という方式を採用しています。線路上にあるATS地上子の位置を記録したマップデータと車両側の計測装置による位置情報を基に、カーブに入るタイミングに合わせて機械的にアクチュエータを制御して少し車体を傾けはじめ、その後は自然振り子式同様に勝手に車体が傾くという仕組みです。

273系ではそれに代わり「車上型の制御付自然振り子方式」が採用されます。詳しい情報はプレスにはJR西日本のプレスには載っていませんでしたが、2020年の鉄道総研の研究成果にその技術と思われるものの詳細「車体傾斜車両向け高精度自車位置検出システム」が出ていました。

それによると従来の方式はATS地上子の位置が変わるたびに車両側にデータを入れかえが必要だったり、大きな駅を走行時に本来の経路とは違う線路を走ると位置を見失う場合がありました。それを車体に搭載したジャイロセンサーによるヨーイング角(大雑把にはカーブ時の車体の傾きみたいなもの)と走行速度からカーブの角度を計算し、車両に搭載された線路のマップを照合して±2mの精度で位置を検出します。これにより車両上のデータメンテナンスを10年程度まで伸ばせるとしています。

最近の日本の特急車両は乗客の減少や高速網との勝負に負けているため、高速化技術よりコスト削減の技術ばかりに投資される傾向にあります。今回の技術は車体傾斜装置の導入コストを、大きくではないものの下げる技術の一つです。車体傾斜による高速化は線路側に改良も必要のため依然コストがかかりますが、空気ばね式にも適用できるこの技術と空気ばね式車体傾斜装置であれば、以前よりもハードルが下がっているのも事実です。こういったご時世でなかなか難しいにしても、もう少し攻めの鉄道車両が増えてくれると良いと願って少し大げさですが、ブログ記事タイトルをつけさせて頂きました。


2020年7月11日土曜日

2020年7月ついに運行開始 新型新幹線N700Sを解説




2016年16月24日に製造することが発表され、2020年7月1より運行を開始したN700Sについて紹介します。
記事作成日: 2016.06.24/記事更新日: 2020.07.11

東京駅に到着するN700A
東海道・山陽新幹線で
現在最も新しい形式のN700A


最高のN700系2020年7月1日運行開始

JR東海は2016年6月24日に東海道・山陽新幹線向けに新型新幹線車両N700Sを投入すると発表しました。そして試験車両にあたる確認試験車を2018年に、2019年より量産車の投入を開始し2020年7月1日に運行を開始しました。N700SのSは最高という意味の「Supreme」という単語に由来します。

2016年6月24日発表

・「SiC」などの採用による軽量省電力化
・柔軟な車両編成への対応
・新型先頭車形状にによる騒音低減
・フルアクティブ制振制御の採用
・リチウムイオン電池採用による非常時居住性改善
・走行機器や車内のモニタリング強化
・地震時のブレーキ短縮
・全席コンセント設置


2017年9月28日発表

・パンタグラフの構造変更
・台車の構造変更による軽量化
・6極駆動モーター採用
・歯車装置の歯車の形状を変更

N700SはN700A系をベースにフルモデルチェンジした車両で、発表当時より順次新しい技術について発表されていきました。それらについてすべてのではありませんが、解説したいと思います。

SiCなどの採用による軽量省電力化

新幹線は長年軽量化と省電力化が図られてきましたが、今回一番大きな鍵を握ると思うのが「SiC」の採用です。「SiC」は炭化ケイ素の略です。従来半導体と言えばシリコン(ケイ素)でしたが、炭化ケイ素を使うことで、より高性能で耐熱性に優れたパワー半導体を作ることが出来ます。そして高性能な分同じ性能を求めるのであれば、小型省電力化が可能になるわけです。さらに耐熱性に優れているため、冷却機器の小型化で装置全体を小型に出来ます。

N700Sでは他の機器の見直しと共にインバーター冷却システムを走行時の風で冷やす走行冷却方式に変更するインバーター装置の見直しとで、16両編成あたり11t削減しました。

消費電力ではN700Aと比べて当初7%削減可能としていましたが、運行開始時の資料では285km/h走行時6%の削減となっています。これはN700Aの275km/h走行時の消費電力よりもわずかに少ない値です。

柔軟な車両編成への対応

「SiC」の採用などで装置が小型になったことで、床下機器の配置も大幅に見直されました。従来は8種類あった床下機器のパターンを4種類に絞ることで、設計変更なく16・12・8・7・6両の柔軟な編成を可能としました。これをJR東海は標準車両と読んでいて、国内外問わずに低コスト・タイムリーに車両が供給可能になります。

6~8両まではオールM車による編成とし、12両の場合は10M2T、16両の場合はオールMか14M2Tの組み合わせを可能としています。

新型先頭車形状の採用

N700系は「エアロダブルウィング」という形状を採用していますが、新しく「デュアルスプリームウィング」という形を採用しました。ボートの船底に採用されているような形に非常に近くなっています。これにより更に走行時やトンネル進入時の騒音を低減できます。

さらに前照灯も大型化され、視認性を向上しています。この前照灯はLEDを採用していますが、消費電力はN700Aの半分になっています。

グリーン車にフルアクティブ制振制御の採用

現在採用されている制振技術の「アクティブサスペンションダンパー」は、車体と台車をつなぐ油圧ダンパーを進行方向に対し垂直に設置し、電子制御によりダンパー内の弁の堅さを変えて横揺れを軽減する技術です。

今回採用された「フルアクティブ制振制御」は基本的な構造は「アクティブサスペンションダンパー」と同じですが、弁ではなく油圧ポンプを使う点が大きな違いです。今までのようにダンパ-の堅さを変えてゆれを軽減するのではなく、油圧ポンプでダンパーの油に力を加え振動を打ち消すことを可能にします。

今回採用されるのは編成中のグリーン車のみです。これによりグリーン車の振動は、人が分かるレベルで減るとしています。

リチウムイオン電池採用による非常時居住性改善

鉄道車両には非常時などのためにバッテリーが搭載されていて、通勤電車では近年リチウムイオン電池が採用されています。N700Aで採用されたいた鉛蓄電池からリチウムイオン電池に変更されます。これにより電池の重量30%・体積50%低減されるにも関わらず、電池容量はより大きなものとなります。

通勤電車では大容量のリチウムイオン電池の採用で、停電時にその場に停車が危険と判断した時に、電池だけでゆっくり走る機能が採用されはじめています。N700Sも同様の機能を新幹線として初めて採用します。

新幹線のトイレは水や排水量を削減するため水をポンプで吸い込む方式となっているので、停電時などには使えませんでした。今回電池の容量が大きくなったことで、停電のような電気が止める状況でも一部車両でトイレが使用可能になります。

走行機器や車内のモニタリング強化

近年では新幹線・通勤電車問わずに普通の車両に搭載したセンターでリアルタイムで車両や車外の状況を記録し、車両や地上設備の故障予防やメンテナンス低減に役立てようという取り組みが盛んです。N700Sでは既に採用済みの台車振動検知システムを強化するなどし、より多くのデータを取得して役立てる予定です。

一部通勤電車や新幹線には監視カメラが搭載されていますが、現状はドライブレコーダーのように後で見るためのものです。N700Sでは運転指令所はリアルタイムで映像が見ることが出来るようになり、非常時に乗務員への指示などでサポートが出来るようになります。

地震時のブレーキ短縮

ATCやブレーキデータの改善で、地震時の停車距離がさらに短くなります。N700Aは登場以降も改修を続けることで、登場時と今年度から増備される700A三次車では地震時に5%停車距離が短くなっています。N700Sではさらに5%短くなります。

停車時のブレーキアシスト

駅間を走行する時は速度を出し過ぎるとATCによる自動ブレーキがかかるようになっていますが、駅停車時の30km/h以下の速度でも状況に応じ自動ブレーキがかかるようになりました。

通常時は自動ブレーキは作動しませんが、停止位置までに停車出来ないスピードが出ているときは、それ以下のスピードになるよう自動ブレーキがかかるようになります。

パンタグラフの構造変更

現在のN700A系では4分割のすり板を採用した、在来線に似た形状のすり板をパンタグラフで採用していました。それがJR東日本E5系などで採用しているようなすり板を多く分割したタイプに変更されます。構造的にもJR東日本の多分割すり板に近いようですが、すり板の固定構造が微妙に違い、たわみ式すり板という名称が使われています。

JR東海系の新幹線では大型のパンタグラフカバーを装着することで、パンタグラフを固定する台座は小型の支持部の4点で固定するものを採用していました。それが大型の支持部2点で固定するものに変更されます。

台車構造の変更による軽量化

台車のフレーム構造を変更することで、フレーム内にあった補強材を減らし1台車あたり75kgの軽量化と溶接部分の数を減らします。フレーム内の変更がメインなので、大きな外観上の変化はなさそうです。


6極駆動モーター採用

最近の電車には交流モーターが使われていますが、この交流モーターの出力をサイズに変えずに上げる方法として、モーター内の極数をあげるというのがあります。この方法はパワーが上がる変わりに、同じ回転数を得るにはより高速なスイッチングの出来るインバーターシステムを必要するデメリットがあります。

N700SではSiCを採用したましたが、SiCは今までのSi(シリコン)を採用したインバーターより、より高速でスイッチングできます。そのため6極駆動のモーターを新幹線で初めて採用されたようです。

歯車装置の歯車の形状を変更

モーターの回転を車輪に伝えるため、間に歯車が入ります。この歯車の歯の形状が変更となりました。従来の物はハスバ歯車というもので、騒音が軸受けのダメ―ジが大きいものでした。今回採用されたヤマバ歯車は、それらが少ないものとなります。

JR東日本の新幹線試験車であるFASTECH 360でも採用されましたが、ヤマバ歯車はE5系では採用に至りませんでした。そのため営業車としては始めての採用という表現になりました。

耐雪構造の強化

台車の露出部を減らし台車付近の車体に融雪用のヒーターを搭載することで、列車の着雪を防ぐ機能が強化されました。

東海道新幹線N700系置き換え用車両

N700Sは試験車両にあたる確認試験車を2018年に、2019年より量産車の投入を開始し2020年7月1日に営業運転を開始しました。

一方2019年度ギリギリの2020年3月1日をもってJR東海所属の700系が全てが運行を終了し、N700Aで置き換えられました。なので、N700SはJR東海所属のN700系置き換え用として投入が続けられます。

JR西日本については700系の引退時期を発表していませんが、16両編成のB編成は3月13日に定期運行を終了しており、ひかりレールスター用の8両のみの運行となっています。今のところN700Sの導入は発表していませんが、いずれ導入が開始されると思われます。16両以外の編成にも対応しているため、JR西日本所属のひかりレールスターなども対象になるのではないでしょうか。一部では北陸新幹線の名前を挙げているところもありますが、雪に対する耐雪構造の関係やJR東日本との車両運用の関係で、将来の延伸時含めて無いのではと思います。

九州新幹線の800系新幹線も時期としては2020年頃に置き換え時期を迎えるので、今後対象に追加されるか気になるところです。

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東海道新幹線からJR東海700系引退へ


2017年6月20日火曜日

117系改造車 格安長距離列車へ投入




2017年6月20日にJR西日本は117系をベースとしたリーズブナルな値段から乗車できる夜行列車を、2020年夏ごろまでに「京阪神~山陰・山陽」間での運行を目指すと発表しました。

まさかの国鉄型長距離列車の復活へ

京都駅停車中の117系
ベースとなる117系
JR西日本は117系を改造した長距離列車を、2020年夏ごろまでに「京阪神~山陰・山陽」間へ投入を目指すと発表しました。コンセプトは「多様性・カジュアル・くつろぎ」としています。

『料金については、「一つの物差し」として大阪―出雲市駅間(約7千~約2万3千円)を例に挙げた。』 
 『』: 朝日新聞デジタル 2017.06.20 「JR西、料金安めの長距離列車導入へ 20年夏までに」よりの引用

コンセプトに「カジュアル」があるように価格もいままでのような高価なものでなく、リーズナブルなものを目指すとしています。計画はかなり具体的な部分まで進んでいるようで、上の引用にあるように最安運賃が7千円程度と具体的な想定価格まで出ています。また、運行は昼だけでなく、夜行列車としての運行を検討しているのも驚きです。

117系長距離列車編成イメージ図
編成イメージ図
6両編成中に「グリーン車・普通車・フリースペース・ノビノビ座席」を組み込んだ多様なものとなります。座席も「椅子・コンパートメント・ノビノビ座席・個室」と、多種多様になっています。このような編成は、急行「はまなす」を彷彿させます。

上の図は現在の6両編成の機器配置図と、JR西日本が発表した編成イメージ図を合わせたものです。グリーン車は車両端に配置しM車を避けることで、快適性を高める配置としたようです。

料金サンライズ出雲より安く?

サンライズ出雲
ノビノビ座席: 9390円
シングルデラックス: 22800円
ソロ: 15550円

高速バス: 4600円~
普通列車乗り継ぎ: 6480円

117系長距離列車は「7000~23000円」程度を想定してるとの話ですが、寝台特急サンライズ出雲との比較である程度内訳が見えてきます。

最低料金の7000円は、普通運賃と指定席券520円を足した金額です。それに対し23000円は、サンライズ出雲の一人用最上位グレードのシングルデラックスと同じ金額なので、グリーン車の個室の値段だと思われます。

また、高速バスとは比較しても値段差は2500円程度なので、車内をぶらぶら動ける快適性を考えると、そこは大きなメリットで勝機が少し見えてきます。あとはコンセントがあるか、前後のシートピッチや座席の質がどのようなレベルかによりそうです。

117系電車って?

今回長距離列車に改造される117系電車ですが、国鉄時代に製造された車両です。今でこそ普通列車として運行されていますが、新快速として東海道・山陽本線を駆け抜けていた車両です。

そのため6両編成の場合4両がモーター車である4M2T構成の上、JR東日本の185系特急電車と同じモーターや台車を装備し、高速走行に対応したものとなっています。

国鉄のノスタルジーはあるが…

国鉄型を使用した長距離特急は臨時夜行列車ぐらいで非常に少なくなっているため、高齢の方にはノスタルジーを感じさせ、若い方には新鮮さを感じさせると思います。もともとが高速走行を前提とした設計の車両なので、乗り心地はそれほど悪くないと思います。

しかし、弱点もあります。最新の車両と比べると五月蠅いのです。この頃の車両でも防音対策はされているのですが、最新型の特急などと比べるとかなり劣ります。古い車両で安く運行するので、そこは許容するしか無いところだと思います。このデメリットを他でどれだけカバー出来るかも、鍵となりそうです。

久々に庶民の足と言った列車の登場です。正直なところ「四季島・瑞風」などよりワクワクしています。今後どうなっていくか、新しい情報が出次第追記していきたいと思います。


2016年12月23日金曜日

JR2017年ダイヤ改正 北海道大幅変更・蓄電池車続々登場




2017年3月4日に実施されるJRのダイヤ改正より気になるものをピックアップしました。やはりJR北海道が一番大きな変更が行われています。
記事作成日: 2016.12.17/更新日: 2016.12.23

JR北海道

美々駅付近を走る789系1000番台
美々駅付近を走る
789系1000番台

789系投入でライラック復活

789系投入で「スーパーカムイ」が消滅し、「ライラック」と「カムイ」という名称となります。

北海道新幹線の運行開始で「スーパー白鳥」で使われていた789系が余剰となっており、この車両が札幌圏に投入されます。「スーパーカムイ」などで使われている789系1000番台が5両に対し、789系は6両が基本となっています。そのため789系を使用した列車が「ライラック」、789系1000番台を使った車両を「カムイ」とし、車両によって名称が変わります。

運行区間については、「ライラック」と「カムイ」は「スーパーカムイ」と原則同じとなります。

「ライラック」という名前は旭川~室蘭間で2007年まで走っていた特急の名称です。廃止直前などは札幌~旭川を結ぶ特急として運行していたので、その点でも分かりやすいと思います。

運行区間縮小で大雪復活

JR北海道では老朽化した車両を置き換えるべく、新型車両の投入を続けています。しかし、資金的に一気に置き換えることが難しいだけでなく、現在の保有車両数と同じだけ投入するのも難しい状況です。そこで車両を減らしても本数を維持できるように、一部特急列車も運転区間縮小が行われます。

札幌~網走間で4往復運行している「オホーツク」を2往復に減便し、旭川~網走間に特急「大雪」2往復が設定されます。この「大雪」は旭川で「ライラック」と接続するので、乗り換えで札幌へ行くことが出来ます。

札幌~稚内間では「スーパー宗谷」2往復と「サロベツ」1往復が運行されていますが、札幌~稚内間を走る「宗谷」1往復と旭川~稚内間の「サロベツ」2往復に変更となります。「サロベツ」については「大雪」同様に、旭川で「ライラック」に接続となります。

「ライラック」と接続する「大雪」と「サロベツ」ですが、現在の「オホーツク」と「サロベツ」と比べても札幌までの所要時間は同程度になります。

「大雪」という名前も、以前急行で使われていた名前です。こちらも復活した「ライラック」と同じく、以前は札幌~網走間だったのが縮小されての復活です。こちらいについては1992年のダイヤ改正で廃止されたので、「ライラック」のような紛らわしさは無さそうです。

美々駅など10駅廃止

千歳線美々駅、根室線島ノ下駅・稲士別駅・上厚内駅、釧網線五十石駅、函館東山駅、姫川駅、北豊津駅、蕨岱駅の10駅が廃止となります。

JR北海道の経営悪化で駅の見直しも進めていますが、今回の駅廃止は仕方ないというのが正直なところです。いくつかの駅について調べてみると、あまり悲惨な状況が分かります。なんと乗車人員の平均が0人の駅があるのです。この中では一日数人の乗車がある美々駅がマシという状況なのです。人が乗らなければ駅は要りませんし、乗車人員0人の駅の廃止については当然の流れなのではないでしょうか。

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JR東日本

蓄電池車量産開始

今まで烏山線で1編成のみ活躍していた蓄電池車EV-301系ですが、烏山線へ3編成の投入でキハ40系列が全て撤退します。

さらにJR九州の車両ベースの蓄電池車EV-801系の男鹿線での運行が予告されていましたが、2日2往復の運転に決まりました。運行開始日については、今後発表されます。

EV-301系によるキハ40系列の置き換えはだいぶ前から決まっていましたが、あまり大きな発表をしないダイヤ改正発表で公表されたので少し驚きました。これで関東圏で見れるキハ40系は無くなり、少し残念です。また、烏山線は後述する若松線と同じく蓄電池車のみで運行する初の路線となるわけですが、この実績が今後の普及にもかかわってくるので、今後も注目したいところです。

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JR東日本 新型蓄電池車EV-E801系男鹿線へ投入

さよなら485系定期列車

えちごトキめき鉄道に乗り入れる形で運行する、「糸魚川~新潟」間の快速列車が廃止となります。その代替として土休日のみE129系2両を使った「直江津~長岡」間の快速列車が運行されます。

「糸魚川~新潟」間で運行されている快速列車には、全国でもこの列車だけに485系が使用されていました。この列車の運行終了で、全国を駆け巡った485系の定期列車の歴史に幕が閉じられます。更に、近い将来485系自体も全廃となると予想されます。糸魚川~梶屋敷間にデッドセクションがありますが、この区間がえちごトキめき鉄道に移管された後は、この区間を貨物を除くこの区間を通過する電車はこの快速列車だけでした。北陸本線以来の歴史としても、区切りとなりそうです。

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JR東海

東海道新幹線「のぞみ・ひかり」の定期列車が全てN700Aとなります。

昨年N700系のN700A化工事も全車両完了し、JR東海保有の新幹線車両はN700Aと700系のみとなりました。今後はN700Aと新型車両N700Sの投入で700系が置き換えられる予定で、着々と東海道新幹線での700系引退が近づているのを感じます。

JR西日本

山陽新幹線デジタルATCへ

新幹線各路線のデジタルATC化が進み最後に残っていた山陽新幹線ですが、今回のダイヤ改正でデジタルATCとなります。新大阪~博多間で「のぞみ」「みずほ」が1分の短縮、「こだま」についてはなんと15分もの短縮となります。停止位置や速度制限までのブレーキの計算方法が変わるので、乗り心地についても向上します。

京都線・神戸線新快速12両化へ

本数の半分以上が8両編成の京都線・神戸線の新快速ですが、全ての列車で12両編成となります。1編成あたりでも1.5倍の輸送力になるので、なかなか座れない上に狭苦しい思いをすることも少し減りそうです。

可部線延伸へ

2003年に可部~三段峡間が廃止されましたが、可部~あき亀山として復活します。1.6kmの短い延伸ですが、ここ最近廃止ばかりの多い鉄道業界では明るいニュースです。

JR四国

他社のような大きな変化はなく、時刻の細かい変更など小規模な変化にとどまるようです。

JR九州

若松線も蓄電池車に

JR東日本とは別に設計・開発がすすめられた蓄電池車の819系が本格運行となります。これにより若松線で使用されているキハ40系系列が撤退します。

特急「かわせみ やませみ」運行開始

特急「かわせみ やませみ」は通常の特急と異なり、JR九州がD&S列車と呼ぶ観光を強く意識した列車です。そのため車両は古いキハ40系ベースとし、大幅に車内や外装を更新したものとなります。

運行区間は熊本~人吉間で、一日3往復の運転を予定しています。

JR貨物

増発・増結・延長運転などの輸送力増強が中心のダイヤ改正です。この流れで今も一日あたり二往復運行の多い「TOYOTA LONG PASS EXPRESS」が、正式に二往復体制となります。

JR貨物は車両の新造などもダイヤ改正のプレスで発表しますが、EH800形3両・HD300形5両にコキ107形413両と発表されました。EF210形やEF510形の増備が無いことから、EF81形やEF65形などのJR貨物所属の国鉄型機関車の動きは小さなものとなりそうです。


2016年9月30日金曜日

JR西日本 三江線廃止2018年に廃止へ




2016年9月30日に廃止が発表された三江線について、廃止に至った現状なども踏まえて簡単に紹介したいと思います。
記事作成日: 2015.10.16/記事更新日: 2016.09.30

三江線とは?

三江線(さんこうせん)は芸備線三次絵駅(広島県三次市)から山陰本線江津駅(島根県江津市)108kmを結ぶ、JR西日本のローカル線です。地図を見ていただくと分かりますが山の中をひたすら走る路線で、都市間輸送というよりは地域輸送が主です。例えば三次駅~江津駅の移動の場合、自動車であれば高速を使って1時間30分・下道で2時間ですが、三江線を使うと早い列車でも4時間を切るぐらいの時間がかかってしまいます。

こうした路線の環境から輸送密度は非常に低く、2014年度は1キロあたり50人という数字でした。それを打破すべく沿線市町村は利用促進活動などを行っていますが、あまり改善していないのが現状です。

ローカル線と言えば国鉄型などの古い車両を思い浮かべる方も多いと思いますが、使用車両はJR発足後に製造されたキハ120形です。この車両はJR西日本のローカル線用16m車で、レールバスの流れを汲む車両です。JR西日本の様々な地区で運転されている車両なので、マニア向けの人気で集客が期待できる車両ではありません。

全線廃止報道へ

そんな2015年10月16日に中持ち上がった廃線の報道ですが、内容としては部分的な廃線ではなく全線の廃線です。これは意外な話だと思いました。

と言うのも2013年の台風で江津~浜原間50.1kmが被災し、2014年7月に全線復旧をしたばかりでした。このときの復旧費用は自治体も4割ほど払っていて、費用面での協力もある程度なされている状況でした。近年自然災害などで廃線することがよくありますが、その場合は輸送密度が低くJR単独での復旧は厳しいので自治体に支援を求めるものの自治体も厳しい財政で支払えず、結果廃線となるのが多いパターンです。

もちろん日ごろの営業にも費用はかかるので仕方ない面もありますし、長い目で見れば廃線を免れない路線の一つだと思います。しかし、復旧費用の援助や鉄道利用の促進などがJRローカル線としては比較的しっかり行われている上に、復旧から時間も経たずにここまで大胆な廃線の話が持ち上がるのは珍しいと思えます。

2018年4月1日廃線へ

廃線報道から約1年が経った2016年9月30日に、JR西日本より正式な廃止発表がなされました。JR西日本の主張を簡単にまとめると、「旅客流動は通院や買い物など市町内主体の距離が短いものが主体。元々輸送密度が微かになっている上に、5年間利用促進活動も行うも旅客の減少が続いている。自然災害のリスクが高まっており、復旧時のコストが見合わない。」などとしています。

繰り返すようになりますが、三江線は全国的に見ても赤字が酷い路線です。廃線自体は避けられなかったとは思います。それでも自治体も努力は続けていたので、もう少しだけ頑張れなかったのか?とは思ってしまいます。

そういった個人の感情抜きにして考えると、三江線の赤字が相当酷かったこと、経営に余裕が無いわけではないJR西日本としても、区切りを入れざるえなかったのが現状です。私たち鉄道ファンにはもう出来ることは殆どないですが、三江線の最後に向けて何か花道が作ってやれないかとぼんやり思うばかりです。


2016年2月8日月曜日

消える急行電車 ありがとう165系・475系 その2




前回の165系について書いた消える急行電車 ありがとう165系・475系 その1の続きです。
記事作成日: 2015.02.27/記事更新日: 2016.02.08

最後の交直流急行型電車「475系」


北陸本線直江津駅に停車中のJR西日本475系
北陸本線で運行を続ける475系
475系は165系の兄弟者にあたる車両で1960年代半ばから製造・運用が始まった交直流両用の急行形電車です。165系と同じように連続する勾配区間などに対応した車両です。165系同様抑速発電ブレーキやノッチ戻し制御に対応しました。

同じ頃に登場した455系との違いはモーターの付いてる電動車の対応する周波数が違いで、455系は直流と交流50Hzに対応、475系は直流と交流60Hzに対応となっています。モーターの付いていないクハなどは455系で統一されています。

直江津駅停車中のJR西日本475系国鉄色
国鉄色塗装の475系
475系が最後に運用を持っていたのが北陸地区です。運用区間は富山~直江津が中心となっています。2015年3月14日のダイヤ改正で北陸新幹線が延伸するのに伴い、同区間は第三セクターに移管され、それに合わせて撤退しました。

JR西日本が運行を続ける北陸本線のほかの区間についても、521系への置き換えが済んでいるいことや、車両自体が古いために定期運用からは離脱しました。

JR西日本475系車内
一部ロングシート化されている
475系も165系同様に急行運用から近郊・ローカル輸送へと役目を変えていきましたが、北陸地区の475系は先ほどの富士急2000形と違い比較的原型を留めた車両です。通勤用に一部座席をロングシートへ変更されたりしていますが、固定クロスシートも多く残っていてデッキも撤去されていませんでした。

この475系が引退することで、交直流両用形急行電車の幕が下ろされました。

107系と同じ経緯で生まれた413系

富山駅停車中の413系
北陸本線富山駅停車中の413系
2014年撮影
107系と似たような経緯で生まれた車両として413系があります。413系も交流型急行列車の主要部品を流用して、通勤にも耐えられる近郊型車両として製造されました。107系と違い車内はオールロングシートではなく、セミクロスシートが基本となっています。

413系はJR西日本や、あいの風とやま鉄道へ譲渡されラッシュ時に活躍しています。さらにJR西日本所属の2編成は、1両づつ455系が連結されています。

あとがき

急行電車というものが近いうちに姿を消すと思うので、今回の記事を書いてみました。種別としての急行列車は「はまなす」を残すのみとなってしまいました。その「はまなす」も北海道新幹線開通後に廃止になる予定です。この1年間が急行列車というものの転機の時となりそうです。

※関連記事
最後の夜行急行「はまなす」の魅力と今後

2016年2月6日土曜日

JR西日本 15年以降の新車導入計画まとめ




先日発表された「JR西日本グループ中期経営計画2017進捗状況と今後の重点取り組み(アップデート)」をベースに、2015年5月現在の情報に基づいたJR西日本の今後数年間の車両計画について紹介します。
記事作成日2015.05.07/最終更新日2016.03.14

大阪環状線大阪駅停車中の201系
2016年度から置き換え予定の201系

2015年度

・花嫁のれん
・氷見線コンセプト列車
・W7系1編成
・N700A4編成
・東海道・神戸線向け225系24両
・広島地区向け227系
・サンダバードリニューアル開始
・289系運行開始


去年から導入の始まった広島地域向けの227系は2018年まで継続導入され、計276両導入予定です。

10月1日より開催される北陸DCに合わせてキハ40をベースにした列車2本が運行開始されます。「花嫁のれん」が七尾線で10月3日より、「氷見線・城端線コンセプト列車」で仮称されていた列車名「ベル・モンターニュ・エ・メール」/愛称「べるもんた」が10月10日より運行開始します。

新幹線は北陸新幹線向けW7系が秋ごろの導入で1編成、東海道・山陽新幹線向けN700Aが2015年度と2016年度に4編成づつ導入されます。新車ではありませんが、N700系全16編成のN700A化改造が2016年3月8日に完了したと発表されました。これによりN700系の車両性能がN700Aに準じたものとなりました。JR東海も2015年に同様の工事を完了しています。

東海道線・神戸線向けが24両導入されます。1月に出場したタイプは、先頭車が227系タイプに変更され番台区分も変更になるようです。

サンダバード向け681系と683系は2015年秋~2018年の予定でリニューアルされます。9月26日よりリニューアル車が運行を開始しました。余剰となった683系を改造した289系は、381系の置き換え車両として10月31日より運行を開始しました。

2016年度

・ノスタルジー運行開始
・La Malle de Bois運行開始
・大阪環状線向け323系
・阪和線向け225系
・N700A4編成
・広島地区向け227系

おかやまディスティネーションキャンペーンにあわせて、岡山地区に二つの観光列車が導入される予定です。キハ47の改造車「ノスタルジー」と、213系の改造車「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」が投入されます。運行開始はどちらも4月より運行を開始しました。

阪和線向けに新型車両が2016年度から2017年度にかけて122両導入されます。置き換え対象は103系などが中心となります。導入車両は225系で、2+1の転換クロスシートで3扉となります。

大阪環状線向けに323系が8両編成×21編成で、2016年度から2018年度で計168両導入されます。これにより103系と201系全てが置き換えられます。座席はロングシート、扉数は3扉となっています。運行開始は2016年12月24日より運行開始の予定です。

2017年度

・TWILIGHT EXPRESS 瑞風運行開始
・やまぐち号新型客車運行開始
・D51の運転開始とC56引退
・阪和線向け新型車両投入完了
・バッテリー電車試験開始

24系を使って運行していた「トワイライトエクスプレス」のクルーズトレインは、2015年度で運行を終了しました。それに代わって登場するのが「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」です。運行開始は当初の春頃から遅れて、6月17日からの予定です。

「SLやまぐち号」用の新型客車は9月頃から運行予定です。現在より外見は本物の旧型客車に近いデザインのイメージがJR西日本より発表されています。

2017年度以降なので遅れる可能性もありますが、蒸気機関車のD51形200号機が運行開始します。この車両の運行開始に合わせてC56形150号機は運行を終了する予定です。


新規製造か既存車両の改造かは不明ですが、バッテリー電車の性能試験が実施されます。以前JR西日本と近畿車両が作った試験用蓄電池車両「Smart BEST」は近畿車輛で留置されたままのようなので、活用されるかが注目です。

2018年度

・大阪環状線向け323系投入完了
・広島地区向け227系投入完了
・サンダーバードリニューアル完了

今ある資料によると以上のようになっています。予定なので計画変更は十分にあると思うので、目安程度にお願いします。

※関連記事
JR西日本 289系投入と381系の順次廃車を発表
特急サンダーバード大幅リニューアルへ


2016年1月6日水曜日

在来線が弱め 2015年度の年末年始利用状況




JR各社が12/25~1/5の年末年始の新幹線・特急列車の利用状況を発表したので紹介します。

大宮駅に到着するE7系新幹線
伸びの中心は北陸方面
昨年度は全体的に増加しましたが、今年度は曜日の関係もあってか減少が多くなりました。特に在来線に関してはJR全てで減少です。今年は暖冬で大きな悪天候などはなかったのに減少で、曜日による休みの取りやすさのほうが影響は大きいようです。

JR北海道-計93%

※本州方面・函館方面・旭川方面・釧路方面の主要4線区で集計

トータルでは前年比減の93%でした。

北海道新幹線開業準備のため完全運休をした本州方面と、釧路方面の列車は5%前後の減少です。旭川方面は函館本線の運休により16%の減少です。

函館方面は唯一の増加で6%の伸びでした。また、本州方面も夜行列車が廃止された上に、完全運休を行ったことを考えると、健闘している範囲だと思います。

JR東日本-計101%(新幹線102%・在来線97%)

※新幹線各線、羽越・常磐・外房・内房・総武・成田・ほくほく・東海道・中央線など17区間で集計

トータルは101%でした。

新幹線は102%で伸びです。しかし、実質北陸新幹線のみの増加で、他の路線は数パーセントの減少と全体で見ると単純に好調とは言えないようです。

在来線は97%で減少です。中央線と常磐線が前年とほぼ同じ、東海道線が3%の微減、羽越本線が7%の減少、外房線と内房線の合計が11%の減少でした。

外房線と内房線の減少はダイヤ改正で列車の運行本数自体が減ったので、そのまま利用者数が減ったのではないでしょうか。昨年は日本海側の天候不順があったり羽越線などに影響が出ましたが、天候が悪くなかった今年も昨年に続き減少で少し気になります。常磐線を走る特急は、上野東京ライン開業で運行区間が延長されましたが、前年比を越えるには至りませんでした。

総武線と成田線(成田エクスプレス)は5%の増加で、在来線唯一の増加でした。

JR東海-計100%(新幹線101・在来線93%)

※新幹線、東海道・中央・高山・紀勢・飯田・御殿場・身延線で集計

トータルは100%でした。

新幹線は101%で微増です。こだまが前年比と同じ100%、のぞみとひかりが101%で、今年の曜日の並びを考えれば減少無しは健闘したと思います。

在来線は93%で減少です。高山線は前年と同じ、御殿場・紀勢線が3%の減少、飯田線は13%減と大きく減りました。東海道線はサンライズが99%で微減ですが、しらさぎが19%の減少です。しらさぎは東海道新幹線へ乗り継いでいたお客さんが、北陸新幹線の影響で減った可能性が高そうです。

JR西日本-計101%

※新幹線、北陸・湖西・山陰・福地山・智頭・伯備・瀬戸大橋・関西空港・きのくに線で集計

トータルで計101%でした。

山陽新幹線は計97%で微減です。ひかりが前年比と同じだった以外は、全ての種別で3~5%の減少となりました。北陸新幹線は前年比分を在来線との比較ですが、208%で大幅に上昇しました。北陸新幹線効果がちゃんと続いています。

在来線は94%で減少です。北陸線(しらさぎ)の81%は北陸新幹線の影響だと思いますが、他の路線でも10%以上の減少があったりと、少し元気が無い印象を受けました。きのくに線は去年北陸新幹線開業で余剰になった車両をリニューアルして、381系を全廃しました。それでも93%というのは、あまりイメージアップにならなかったのではないかと思います。

湖西線(サンダーバード)が101%、関西空港線が(はるか)が112%で大幅に伸びました。JR東日本と同じ北陸方面と空港特急が伸びるという傾向が見られました。

JR四国-計96%

※瀬戸大橋・予讃・土讃・高徳線で集計

トータルで96%です。

列車単位では「うずしお」が前年比を越えましたが、他の特急は減少です。そのため路線単位でも高徳線を除く路線で減少となりました。

JR九州-計99%(新幹線102%・在来線97%)

※新幹線、長崎・日豊線で集計

トータルでは99%でした。

JR九州は全体的に好調で新幹線が102%で唯一伸びました。長崎線は99%でほぼ前年比どおりですが、日豊線が95%で足を引っ張る形となりました。

JR九州は観光列車に力を入れているので、そのデータも出してくれれば面白いなと思います。


2016年1月5日火曜日

「18きっぷ」に新たな特例区間を追加




2016年3月26日の北海道新幹線に伴い、青春18きっぷに新たな特例区間が設けられます。

大宮駅停車中のJR東日本E5系新幹線

北海道新幹線で今までにない特例が設定へ

北海道新幹線が開通すると「蟹田~木古内」間が新幹線になり、「木古内~五稜郭」間が第三セクターの道南いさりび鉄道に移管され、18きっぷが使用出来なくなります。当初は特例は難しいという話もあり、2015年12月8日の運輸審議会ではまだ検討中でありましたが、「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」という追加料金を払う形で2016年1月5日に特例が発表されました。

使用出来る区間は北海道新幹線「奥津軽いまべつ~木古内」間と道南いさりび鉄道「木古内~五稜郭」間です。料金は大人・子供ともに1枚2300円で、この券1枚につき一度だけ片道で利用できます。18きっぷのオプションなので、使用時は18きっぷとこの券両方持っていることが必要です。北海道新幹線開業日から利用が出来るようになります。

この切符の特徴としては、北海道新幹線では立席特急券とほぼ同じ扱いで、「木古内~五稜郭」間に関しては途中下車の出来る普通の切符の扱いのようです。また、新幹線で「奥津軽いまべつ~木古内」間以外へ乗り継ぐ場合、指定席・グリーン車・グランクラスを利用する場合は運賃分含め利用できません。このような分かりづらい部分もあるので、利用する際は駅員さんに一度相談することをお勧めします

ちなみに奥津軽いまべつ駅の目と鼻の先に津軽線津軽二股駅がるので、本州側の乗り換えはそちらからとなります。

特例を利用する際は安く夜間も運行する青函フェリーも合わせて検討したほうが良いと思いますが、夏の「木古内~五稜郭」間は景色も良く気持ち良いので、そういう意味で特例の利用も検討してはどうでしょうか?

現在設定されている特例区間

現在設定されている特例区間も表記しておきます。

・富山~高岡間(あいの風とやま鉄道)・・・城端線と氷見線が飛び地となるので
・金沢~津幡間(IRいしかわ鉄道)・・・七尾線が飛び地となるので
・青森~八戸間(青い森鉄道)・・・大湊線、八戸線が飛び地となるため※1

東宝新幹線・北陸新幹線が延伸することで第三セクターになったため、JRの飛び地路線が生まれました。そのため、第三セクター駅で途中下車せずJR線へ乗り継ぐ場合は普通・快速列車が使用できます。

※1・・・野辺地駅は除く

・青森~新青森間(JR東日本奥羽本線)
・木古内~蟹田間(JR北海道津軽海峡線)※2
・新得~新夕張間(JR北海道石狩線)

上記3区間は普通列車の運行本数の関係上、特急・急行列車の普通自由席が使用できます。ただし、上記以外の区間にまたがって利用する場合は全区間の特急券・急行券・乗車券が必要です。

※2・・・北海道新幹線開業後は廃止されます。

・宮崎空港~宮崎間(JR九州宮崎空港線)

上記区間は普通列車の運行本数の関係上、特急・急行列車の普通自由席が使用できます。ただし、上記以外の区間にまたがって利用する場合は上記区間以外の特急券・乗車券が必要です。

※注意
この他にも特例がありますが、特例区間については以上になります。これはこの記事を書いたときのもです。

間違いがないよう書いたつもりですが万が一間違いがあった場合は、当ブログでは責任をとることは出来ませんし、せっかくの旅が台無しになることもあります。特例の変更などもありうるので、特例を使用する場合は駅窓口で駅員さんなどに聞いてから使用することを勧めます。


2015年12月20日日曜日

JR各社2016年ダイヤ改正よりピックアップ




2015年12月18日にJR各社より、2016年3月26日ダイヤ改正の内容について発表がありました。JR各社より私が気になったものをピックアップしたいと思います。

長野駅停車中の383系特急しなの
長野駅停車中の
特急「しなの」

北海道新幹線関連

・北海道新幹線開業
・「はこだてライナー」運行開始
・「白鳥、スーパー白鳥」「はまなす」「カシオペア」廃止

北海道新幹線「新青森~新函館北斗」間が3月26日に開業します。青函トンネルを抜けて新幹線が北海道へ足を踏み入れます。終点の新函館北斗駅は函館より少し離れているため、「函館本線新函館北斗~五稜郭」間を交流電化し、「新函館北斗~函館」間に「はこだてライナー」という列車運行されます。車両は733系1000番台3両編成を使用します。

これに伴い本州~北海道間の都市間列車が整理されます。事前のアナウンス通り、「白鳥、スーパー白鳥」「はまなす」「カシオペア」が廃止となります。使用されていた車両については、789系が札幌圏へ転属、485系3000番台・ED79形・はまなす用客車などは廃車になると思われます。

高崎線特急651系統一

2014年3月15日のダイヤ改正より、余剰となった651系を651系1000番台とした上で高崎線特急へ投入されました。これにより殆ど列車が185系から651系1000番台へ変更されましたが、新宿~前橋間の朝上りと夜下りの計1往復が185系のままでした。このうち朝の列車が651系1000番代化、夜の列車が廃止となり統一されます。

さらに特急「草津」万座・鹿沢口行きの列車全てが、長野原草津口止まりへ変更となります。特急が減った分長野原草津口着・発の普通列車を延長し、通過駅分のお客さんを獲得するとしています。

415系水戸線・常磐線より撤退

水戸線と常磐線一部区間で運行を続けている415系1500番台が、同区間より撤退となります。勝田車両センターには4両×12編成の計48両の415系が所属していますが、JR水戸支社のプレスによるとE531系5両×4編成の計20両を投入することで、415系を置き換えるとともに全ての列車を4扉車に統一するとしています。既に投入されているE531系3000番台の数を含めるのか含めていないのかは分かりませんが、それを含めても7編成で編成数は足りません。さらに、4扉で転属可能な車両が無いことを考えると、減便や減車が行われる可能性が高そうです。

紀勢線・参宮線キハ40系運行終了

JR東海はキハ11系、キハ40系の置き換え用としてキハ25形の投入を続けています。今回のダイヤ改正で紀勢線・参宮線の普通列車はキハ25形とキハ75形になり、JR東海所属のキハ40系の運行が終了となります。

運行を終了するキハ40の行方ですが、以前に2016年度もキハ40をミャンマーへ譲渡すると発表されています。活躍の場をミャンマーへ移し、もう少し走り続けると思われます。

特急「しなの」名古屋~大阪間運行終了

「名古屋~長野」間で数多く運行されている特急「しなの」のうち、1往復だけ運転されている「大阪~長野」間の列車が廃止となります。この列車の廃止で、JR三社を直通する昼行列車はなくなります。

新駅は5駅開業

・JR東日本大船渡線大船渡駅(移設)
・JR東日本仙石線石巻あゆみ野駅
・JR東日本南武支線小田栄駅
・JR西日本東海道本線(神戸線)麻耶駅
・JR西日本山陽本線(神戸線)東姫路駅
・JR九州鹿児島本線西熊本駅

今回のダイヤ改正で開業するJRの新駅は、仙石線石巻あゆみ野駅、南武支線小田栄駅、東海道本線「六甲道~灘」間に麻耶駅、山陽本線「御着~姫路」間に東姫路駅、JR鹿児島本線「熊本~川尻」間に西熊本駅の4駅が開業します。

大船渡線はBRT専用道が延伸するため、大船渡駅駅が移設されます。

JR貨物 機関車18両新造

・EF210形-6両
・EH800形-8両
・HD300形-4両
・コキ107形-209両

JR貨物はトラックドライバー不足の影響で、増発及び輸送力増強や速達化を中心としたダイヤ改正内容を発表しています。今年度は機関車18両、コンテナ車209両、コンテナ4000個を新造します。

EF210形やHD300形新造による置き換えは当然として、EF81形の運用縮小も続きそうです。来年度はEF510形の新造は行われませんが、JR東日本所属のEF510形転属や、EH800形投入によるEH500形余剰車が発生し運用縮小につながりそうです。


2015年11月4日水曜日

JR西日本 289系投入と381系の廃車を発表




2015年4月28日にJR西日本は289系の投入と381系の順次廃車について発表しました。今回は683系が289系に改造される経緯などを解説します。
記事作成日: 2015.04.28/更新日: 2015.11.04

福井駅に到着する683系特急しらさぎ
2014年に撮影
683系特急しらさぎ

元683系の289系

くろしお用編成

6両×5編成
3両×3編成
計39両

こうのとり・きのさき・はしだて用編成

4両×7編成
3両×6編成
計46両

北陸本線で運行されている特急「しらさぎ」に使われていた683系を改造して289系とした上で、特急「くろしお・こうのとり・きのさき・はしだて」用として転用します。

北陸新幹線の開業で「しらさぎ」などの北陸本線を走る特急列車は、運転区間の縮小などが行われたために余剰車両が発生しました。そのため「はくたか」などに使用されていた681系が「しらさぎ」運用につくことになり、余剰になった683系が289系になることになったようです。転用先の線区は直流区間のために改造することになりました。

今回のケースと似たような例として常磐線特急として使用されていた651系の直流化改造があります。この場合は交流機器を取り払うのではなく使用不能にして651系から651系1000番台へ改められました。683系の場合でも似たような改造が行われる可能性が高そうです。

289系は車体傾斜機能などを持たない車両でカーブの通過性能では劣ります。しかし、381系と比べるとモーターなどの足回りが強力なものとなっていて加速などはよくなっています。

廃車になる関西地区の381系

381系は1973年から約10年に渡って製造された国鉄型振り子式特急電車です。登場から40年以上経っている車両なので、関西地区の381系は289系と入れ替わるように廃車の予定です。ただし、一部車両については伯備線を走るやくもに転用される予定です。

10月30日に関西地区381系無事定期運行終了

10月30日には各種セレモニーなどが行われ予定通り運行を終了しました。紀勢線では新宮駅発最終のくろしお号にあたる「くろしお34号」にて、新宮駅でセレモニーが行われました。定期ではない臨時運行に関しては12月5日・6日の「ありがとう381系きのくに線」が最後になる予定です。

一方ビッグXネットワーク北近畿地区では福知山駅にてセレモニーが行われました。381系「こうのとり26号」と381系「はしだて10号」が隣り合って並び、両列車の終点へ向かって走って行きました。これにより国鉄特急色の特急列車の定期運行は終了しました。ただし国鉄特急色が全て消えたわけでなく、JR東日本のホリデー快速富士山にて頻繁に国鉄特急色189系が使用されていたりと快速や臨時列車として活躍を続けています。

10月31日より289系運転開始

下り北斗星最終運行日と同じ2015年8月21日にJR西日本は289系の運転開始日を、2015年10月31日と発表しました。

「くろしお」5往復・「こうのとり」7往復・「きのさき」3往復・「はしだて」2往復と、現在近畿圏で運転中の381系を一気に置き換えます。ダイヤは2015年3月に289系を導入することを前提にしたダイヤに変更していたため、10月の運転開始時にダイヤ改正は行いません。

10月17日に「くろしお」用289系の試乗会が行われました。そして10月31日には381系の後引き継ぎデビューしました。デビュー日の31日に白浜駅でデビュー式典も行われました。

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2015年10月22日木曜日

東海道新幹線からJR東海700系引退へ




2015年10月22日にJR東海はN700Aを追加投入することで、2019年度に700系新幹線を全廃すると発表しました。

全廃は2019年度

東海道新幹線東京駅に停車中の700系とN700系
左が700系、右がN700系

2016年度に1編成、2017・2018年度に7編成づつ、2019年度に5編成のN700Aを追加投入することで、JR東海所有の700系新幹線を全て廃車にしN700Aタイプへ統一します。そして来年度から投入されるN700Aに導入された新技術については、現在JR東海が所有しているN700Aにも2017年度から2019年度にかけて改造することで適用する予定です。

700系は1999年度より営業運転を開始した車両で2011年より廃車が始まり、営業運転開始から20年でJR東海所有車は全廃となります。700系の最高時速は東海道新幹線で270km/h・山陽新幹線では285km/hとなっています。それに対しN700Aは東海道新幹線で285km/h・山陽新幹線では300km/hとなっていて、700系が速度面で足を引っ張る形になっています。更に、当初N700系やN700Aは導入年によって車両スペックに細かな違いがありましたが、現在では車両に改造を施すことで全てのN700系とN700Aが最新のN700Aとほぼ同一仕様の車両となっています。それにより700系との性能差はより大きいものになっていました。

また、JR西日本所有の700系については2019年度以降も活躍を続けます。しかし、JR東海の車両がN700Aタイプに統一されることを考えると、JR西日本の700系が東海道新幹線へ乗り入れることも少しづつ限定的なものへとなっていくと思います。

新技術は主に2つ

・新型ブレーキライニング
・車両の検知システムの強化

2016年度から投入されるN700Aは、現行のN700Aを更に改良したものとなります。一つ目は新型ブレーキライニングで、自動車で言うところのディスクブレーキのブレーキパッドにあたる部分です。この部分が新型になることで、現行のN700Aより停止距離を5%短縮した285km/hで約3kmの距離でで停止出来ます。

もう一つは車両の検知システムの強化です。内容としてはカメラと電流測定によるパンタグラフの状態監視の追加と、台車の振動システム・ATC状態監視機能の強化です。既にいくつかの検知システムが導入されていますが、それに加えて強化することで故障の防止や早期発見に繋げることが出来ます。

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2020年7月ついに運行開始 新型新幹線N700Sを解説


2015年10月2日金曜日

JR西日本 神戸線新駅2つの名称発表




2015年10月2日にJR西日本は2018年春開業予定の神戸線新駅の名称として、摩耶駅・東姫路駅を発表しました。今回は新しく出来る新駅についても紹介したいと思います。

摩耶駅(灘~六甲道間)

駅名: 摩耶(まや)駅
駅構造: 1面2線島式ホーム・橋上駅舎
開業時期: 2018年春

JR神戸線(東海道本線)の新駅として開業するのが摩耶駅です。最近の駅では珍しく、請願駅ではなくJR西日本として建設される駅です。他の駅との位置関係は「灘~0.9km~摩耶~1.4km~六甲道」で、東灘信号所付近の設置です。1面2線の島式ホームで、優等列車が走る外側線にはホームは建設されません。並行する路線としては阪神電鉄があり、西灘駅・大石駅どちらからも徒歩10分程度でいける距離です。駅北側にJR西日本と三井不動産レジデンシャルが共同で摩耶シティという名でマンション建設を行っていてます。既に周辺の地価も上昇するなど、駅開業前から影響が出ているようです。

さらに駅のコンセプトをエコステーションとしています。様々な省エネルギー設備を祖なら、JR西日本発の直流電力変換装置を導入します。発導入のこの装置は、電車回生ブレーキを使用した際に発生する余剰電力を、駅で使える交流電力にする装置です。

駅名は周辺施設にも良く使われていてなじみやすいとの理由から、近くにある摩耶山を由来としています。ちなみに戦艦「摩耶」の由来も同じ摩耶山となっています。摩耶山への最寄駅ですが、山側を走る阪急線の六甲駅か王子公園駅のほうが当然近くなっています。新駅にはよくあることですが、知名度重視の駅名ということがよく分かります。

東姫路駅(姫路~御着間)

駅名: 東姫路(ひがしひめじ)駅
駅構造: 2面2線対向式ホーム・地平駅舎
開業時期: 2018年春

こちらもJR神戸線(山陽本線)の新駅となっています。他の駅との位置関係は「姫路~1.9km~東姫路~2.4km~御着」となっています。所在地は姫路駅より見て市川の手前で、姫路市が進める土地区画整理事業キャスティ21の東端のあたりとなります。そのためこの駅も請願駅ではなく、JR西日本提案により姫路市と共に計画が進められてきました。

駅名の由来は姫路駅の東ということで、分かりやすい東姫路となりました。姫路市が行った駅名募集では、白鷺が1位、東姫路が2位、姫路白鷺が3位となっていました。白鷺駅と言われて駅の場所を連想出来る人は少ないと思いますし、これに関しては分かりやすい東姫路というネーミングは良かったと思います。


2015年9月19日土曜日

トワイライトエクスプレス臨時運転 3月に終了へ




2015年3月23日にJR西日本は2015年3月12日に運行を終了したトワイライトエクスプレスの車両を使って、臨時列車として今までと違う経路での運転を5月16日から開始しました。
記事作成日: 2015.03.23/最終更新日: 2015.09.19

奥羽線青森駅で停車中のトワイライトエクスプレス
定期運行時代のトワイライトエクスプレス
運転停車で青森に停車

3月で運行終了へ

トワイライトエクスプレスは2015年3月12日発で定期運行を終了し、2015年5月16日から特別なトワイライトエクスプレスとして臨時運転を開始しました。その特別なトワイライトエクスプレスも2016年3月で運転を終了すると、2015年9月18日にJR西日本が発表しました。

経路

山陽コース

下り: 大阪駅(10:05頃)~周~山陽線~下関駅(翌14:50頃)
上り: 下関駅(10:37頃)~山陽線~大阪駅(翌14:30頃)/(1月以降・14時19頃)

この経路をネットの時刻表検索に打ち込んでもらうと分かるのですが、普通列車で同じ行程を行ってもこんなには時間がかかりません。運行速度を落したり運転停車が多く行われるのがわかります。

※運転停車・・・乗客の乗り降りのためではなくダイヤや運用の都合で停車すること。

10月・11月は下りの終着駅が大阪駅となり、運転日は下りが「10月3,10,18日、11月28日」で、上りが「10月5,12,20日、11月30日」です。

12月・1月・2月分の運転日は下りが「12月5,12日、1月16,23,30日、2月6,13,20,27日」で、上りが「12月7,14日、1月25日、2月1,8,15,22,29日」です。

山陰コース

上り: 大阪駅(10:05発)~倉敷駅~伯備線~米子駅~山陰線~下関駅(2日後14:50着)
上り: 下関駅(10:37頃)~山陰線~米子駅~伯備線~倉敷駅~大阪駅(2日後15:49頃)

7月以降は山陰線経由の運行を開始します。山陽コースと違い京都着でなく大阪着となるほか、運転時間が大幅に伸び「下関~大阪」間を二日間かけて走破します。編成の向きもひっくり返しになります。

目玉としては山陰線東萩への長時間停車です。3~4時間の長時間停車を行い、地元の方のお出迎えのほか、駅から1.3kmほどにある松蔭神社・松下村塾への立ち寄りを行う予定です。こうした長時間停車は「ななつ星」でも行われています。

気になる牽引機ですが、電化区間は山陽コース同様EF65形です。山陰線内については、2012年の「山陰ディスティネーション」でトワイライトエクスプレスが入線した際は、朱色のDD51形単機での牽引でした。特別なトワイライトエクスプレスでも同様で、朱色のDD51形が牽引する姿を見ることが出来ます。伯備線内はDD51形の重連で、山陰線内は単機での牽引です。

電化区間で特急も走り、勾配やカーブも多く単機ではダイヤ的に厳しい区間を重連で走行するのは、北海道で走っていた頃と同じ理由だと思われます。千歳線の高速走行する電車の合間を走るため、北斗星やトワイライトエクスプレスは重連で運転していました。

7・8月の運転日は下りが「7月25、8月1, 22, 29、9月5, 19」で、上りが「7月27、8月3, 24, 31、9月7, 21」の計6往復の運転です。

10・11月は時刻に特に変更は無く、下りが「10月24,31日、11月7,14,21日」で、上りが「10月26日、11月2,9,16,23日」の運転です。各時刻とも、変更になる可能性もあるので、ご了承お願いします。

12月・1月・3月の運転日は下りが「12月19,26日、1月9日、3月5,12,19日」で、上りは「12月21,28日、1月11,18日、3月7,14,21日」です。

北陸DCでは北陸本線へ

下り: 大阪(10:18発)~京都(10:58発)~湖西線~武生(20分停車)~福井(14:21着)
上り: 芦原温泉(13:00発)~鯖江(50分停車)~敦賀(長時間停車)~東海道線~京都(19:36着)~大阪(20:15着)

編成: ←大阪 電源車+Bコンパートメント+サロンカー2両+A個室ロイヤル 福井→ (計5両)

10月1日らから始まる北陸ディスティネーションキャンペーンに合わせて臨時列車が運転されます。今回は寝台列車としての運行ではなく、寝台を使った着席列車として運行されます。そのため北陸ではホテルに一泊する形となります。「京都~敦賀」間は行きと帰りで違う経路になります。内容としてはトワイライトエクスプレスで福井まで向かい、各地の観光地を巡りながら大阪へ帰る形となります。

今回はクルーズトレインとしての運行ではないので、4名1室大人一人32800円からのツアーです。座席はBコンパートメントとA個室ロイヤルから選ぶことが出来ますが、A個室スイートは設定されていません。

詳しい内容や申し込みは日本旅行のホームページを参照ください。申し込みは8月28日15:00からです。

編成

・EF65形電気機関車牽引(山陽線内)
・DD51形ディーゼル機関車(山陰本線)
・電源車、乗務員室、食堂車、サロンカーを1両づつ
・「スイート・ロイヤル」を4両(1両10名の定員)

列車は牽引する機関車の他に8両で運行予定で客車4両・食堂車を含むその他車両が4両で運行されます。定員は計40名になります。定員は減りましが現役時代は10両だったので、車両数自体は大きく減ったわけではありません。

「スイート・ロイヤル」は元もと1編成に二両しかついていない車両なので、2編成以上の車両を組み合わせて1編成に仕立てます。

サービス

・朝食1回、昼食2回、夕食1回(山陽コース)
・ディナーのフランス料理をグレードアップ
・沿線の特産販売や伝統芸能の実演も計画中

「札幌~大阪」の頃より昼食2食分が増えます。ディナーの内容がより良いものになります。計画中のこととして、車内や停車時に地域の特産物の販売や伝統芸能の実演が検討されています。

予約方法

定期運行時代は全国のみどりの窓口や旅行会社のツアーとして申し込むことが出来ましたが、臨時化以降は旅行会社のツアーからでしか申し込むことが出来ないようになりました。

興味がある方は、JR西日本が運営するホームページ「JRおでかけネット」の特設ページにて、「JTB・日本旅行・阪急交通社・クラブツーリズム」それぞれが企画するツアーの紹介ページ開設されたので、そこを見て申し込むのが良いと思います。

JR西日本自身も「トワイライトエクスプレス瑞風へ繋げていきたい」と述べているように、クルーズトレインの下準備も兼ねての運行のようです。今回の経路やサービスを基にクルーズトレインの内容が決まっていくと思います。

※関連記事
TWILIGHT EXPRESS 瑞風 運行経路発表

ダイヤ・アーカイブ

過去の運行ダイヤについて記載します。

山陽コース

下り: 大阪駅(9:48頃)~琵琶湖一周~山陽線~下関駅(翌14:45頃)
上り: 下関駅(10:37頃)~山陽線~琵琶湖一周~京都駅(翌17:43頃)

2015年5・6月の経路は朝10時ごろに出発し、翌日の夕方終着駅に到着するダイヤです。運転日は下りが「5月16, 23, 30日、6月6, 13, 20, 27日、7月11, 18日」で、上りが「5月18, 25日、6月1, 8, 15, 22, 29日、7月13, 20日」です。

大分DCでは九州へ

下り: 大阪駅(10:05発)→大分駅(15:26着) 7/5
上り: 大分駅(9:23発)→大阪駅(14:05着) 7/7

2015年7月1日~9月30日の期間で開催させれる「おんせん県おおいたディスティネーションキャンペーン」に合わせて、大阪駅~大分駅間を一往復運転しました。時刻はJR西日本発表のものです。

九州方面への乗り入れは何度かあり、大分駅への乗り入れ実績もあります。しかし、「特別なトワイライトエクスプレス」としては初めてです。下関まではいつも通りEF65形で、下関~門司間はクルーズトレイン「ななつ星」でも使われている黒いDE10の重連で運行されました。


2015年7月31日金曜日

JR西日本 普通列車と連結するコンセプト列車発表




2015年1月22日にJR西日本は城端線・氷見線コンセプト列車の運行と城端線増便施行の実施を発表しました。
記事作成15.01.22/記事更新 15.07.31

平日は一般車両と連結

列車はキハ40系をベースに線区の「山と海」・路線の「走るギャラリー」をコンセプトに、北陸ディスティネーションキャンペーン・通称: 北陸DC(2015年10月~12月)までに運行開始を予定しています。運行区間は城端線(高岡~城端駅間)、氷見線(高岡~氷見駅間)です。

この列車の珍しいところとして土休日(年間100日程度)はコンセプト列車と運行し、平日は普通列車として運行されます。そのため車内イメージ写真でつり革があることを確認できます。

常に一般列車と運行されたり、常に臨時列車として運行する列車は多いですが、土休日と平日で運用を完全に切り変える列車は多くないと思います。凝った車内のため平日の清掃などは大変だと思いますが、列車自体以外の運用という意味でも注目の列車だと思います。

北陸新幹線ブームで北陸地域への旅客は、通常のディスティネーションキャンペーンより良いものになると思います。ひとまずスタートは好調に切れるのではないでしょうか。

城端線増便施行

2015年3月14日から2019年春まで北陸新幹線との接続や利便性向上による利用促進を図るため、高岡~城端間で4往復の増便が行われます。
※現在は高岡~城端間で17往復の列車が運転されています。

高山本線でも似たような増便実験を行ったことがあるので、その時の成果や教訓をどの程度生かせるかも注目だと思います。

運行は10月10日から

15.07.31追記
2015年7月31日に城端線・氷見線コンセプト列車の運行開始日と列車名を発表しました。

列車名はフランス語で「美しい山と海」を意味する「ベル・モンターニュ・エ・メール」で、愛称は「べるもんた」に決定しました。運行開始日は10月1日より始まる北陸DCより10日送れて、10月10日からとなります。

土日に2往復の運行で、土曜日は氷見線・日曜日は城端線での運行です。全席指定席で乗車には乗車券のほかに指定席券520円が必要です。

新幹線「はくたか」や特急「サンダーバード」と接続するだけでなく、城端線の一部列車は五箇山・白川郷に向かう「世界遺産バス」にも接続します。


2015年6月18日木曜日

TWILIGHT EXPRESS 瑞風 運行経路発表




2015年6月18日にJR西日本は2017年春から運行予定のクルーズトレイン「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の運行経路を発表しました。今回はその発表について紹介したいと思います。

芦原温泉駅を通過するトワイライトエクスプレス
TWILIGHT EXPRESS 瑞風 の前身にあたる
トワイライトエクスプレス

基本は3つのコースへ

現在の「特別なトワイライトエクスプレス」とは異なった運行経路で、琵琶湖周遊は全てのコースからなくなりました。基本的にどのコースも一日当たり1箇所観光地へ立ち寄る形となります。また、同じ経路でも上りと下りで立ち寄り場所を変えることで、変化をつけようとしています。それではそれぞれのコースについて紹介します。

山陽コース(一泊二日)

下り: 京都・大阪駅~倉敷駅~(日付変更)~岩国駅~下関駅
上り: 下関駅~宮島口駅~(日付変更)~尾道駅~大阪・京都駅

東海道本線・山陽本線経由の運行で、琵琶湖周遊が無くなった以外は「特別なトワイライトエクスプレス」と同じ経路での運行です。下りは倉敷駅で有隣荘、岩国で吉川資料館へ、上りは宮島口駅で宮島観光、尾道駅ではクルージングやホテルへの立ち寄りとなります。

山陰コース(一泊二日)

下り: 大阪・京都駅~城之崎温泉~(日付変更)~東萩駅~下関駅
上り: 下関駅~出雲市駅~(日付変更)~鳥取駅~京都・大阪駅

こちらは「特別なトワイライトエクスプレス」の山陰コースとはだいぶ変更が加えられいます。東海道本線~山陽本線~伯備線~山陰本線経由から、東海道線・山陰本線経由になっています。下りは城之崎温泉駅で散策、東萩駅で松下村塾などへ、上りは出雲市駅で出雲大社、鳥取駅で鳥取砂丘へ立ち寄ります。

山陽・山陰コース(二泊三日)

京都・大阪~岡山駅~(日付変更)~宍道駅・松江駅~(日付変更)~東浜駅~京都駅

こちらは上にある山陽コースと山陰コースを繋げた形となります。東海道本線~山陽本線~下関駅~山陰本線の経由で運行です。岡山駅では後楽園、宍道駅・松江駅ではたたら製鉄の「菅谷たたら山内」と茶室「明々庵」、東浜駅では駅前の浦富海岸へ立ち寄ります。


以上が簡単な各コースの説明となります。各観光地での立ち寄りでは一般公開されていないような場所へも見学出来るようにもするそうです。

ここで既に運行をおこなっているJR九州のクルーズトレイン「ななつ星」と簡単に比較してみたいと思います。1日あたり1箇所というのはどちらも同じです。ただ、「ななつ星」では基本の1箇所のほかに任意で、朝の散策などが追加されています。そして、全てのコースが車中箔の瑞風に対し、「ななつ星」の最長コース三泊四日のコースでは2日目は旅館泊となっています。日数が違うので単純な比較は出来ませんが、お年を召した方などは2日連続での車中泊でも疲れるかもしれませんし、何とも言えないところなのかなと思います。

もうしばらく運行を続ける「特別なトワイライトエクスプレス」からのフィードバックで今後もプラン変更があるでしょうし、より良いクルーズトレインになることを願っています。

※関連記事
トワイライトエクスプレス臨時運転開始 山陰・九州へも


2015年6月5日金曜日

北陸新幹線 少しづつ変る利用者の流れ




開業して3ヶ月ほど経った北陸新幹線の利用者について、様々な点からどういった傾向になっているか紹介します。

東京駅へ到着するE7系新幹線

元々は6割が飛行機

従来は「金沢~東京」間の場合は、鉄路も空路も4時間程度の時間がかかっていましたが、空路が6割ほどの利用で勝っていました。

しかし、北陸陸新幹線が開業すると2時間半で東京まで結ぶようになり、時間では空路が大幅に不利になってしまいました。そこで航空会社は事前予約の割引額大きくしました。これにより通常運賃では新幹線より割高であるものの、割引運賃では新幹線を下回るようになりました。空港までの交通費を含めた場合では、「金沢~東京」間では新幹線に劣りますが、「富山~東京」では空路のほうが割安です。

変る流れ

そうしたなかで、富山県は県職員に空路の利用を求めるようにしました。これは運賃の安いほうを利用して経費削減をするほか、空路の利用者数減少で減便や撤退を防ぐためです。一方金沢県や市は新幹線のほうが安いということで、基本的には新幹線利用となっています。

また、石川県経営者協会の調査によるアンケートに答えた141社中、11.4%にあたる16社が新幹線利用を優先・優先する予定だと回答しました。

富山空港は地方空港としては便利なほうだと思いますが、それでも町の中心にあり旧北陸本線に接する富山駅よりは利便性に劣るということなのでしょう。また、小松空港は自衛隊と共用している関係で、空港がいきなりなくなることはありません。そういった事情も自治体の動きに影響したのではないでしょうか。

GWは新幹線好調

GW中の利用者は北陸新幹線開業で優位に立ったJRは、金沢支社管内の利用者が59%の増加しました。一方空路は小松空港と富山空港3割程度利用者が減りました。ただし、空路は飛行機を以前より小さいものへと変更したため、搭乗率では7割程度で以前より改善しています。

今回のGWは新幹線開業で北陸地域への注目が非常に高まっていたので、本来の数字とは違うようです。今年の秋にはJRの北陸ディスティネーションキャンペーンが開催される予定なので、まだ正確な数字を判断するのは難しそうです。それでもおおまかな流れとしては、新幹線へ流れているといえそうです。

鉄道ファンとしては新幹線が栄えるのは嬉しいことですが、交通機関同士の共存という点では悩ましい問題に感じます。


2015年5月27日水曜日

加速する整備新幹線計画 新幹線はどこまで伸びる?




日本の都市を広く結ぶ新幹線ですが、まだまだ延伸予定があります。そういった整備新幹線の建設が早まっている現状について、紹介したいと思います。

東京駅に到着するE7系
整備新幹線として延伸した
北陸新幹線の車両

建設予定の整備新幹線

2016年 北海道新幹線 新青森~新函館北斗間開業 (JR北海道)
2022年度より前 九州新幹線西九州ルート(長崎ルート) 武雄温泉~長崎間(JR九州)
2022年度 北陸新幹線 金沢~敦賀間 (JR西日本)
2027年 中央リニア新幹線 品川~名古屋間(JR東海)
2030年度 北海道新幹線 新函館~札幌間(JR北海道)
2045年 中央リニア新幹線 名古屋~新大阪(JR東海)

今建設が決まっているのはこれだけです。2014年から2015年にかけて行われた政府の検討会「整備新幹線の取り扱いについて」で、「九州新幹線は出来るだけ早く・北陸新幹線は3年・北海道新幹線は5年」の前倒しが決定し、以上のような予定になっています。

前倒しが決まった背景には人口減少が進む中、早くに建設したほうが経済効果がより大きく出来るというのがあったようです。

これを実現するには財源の問題がありました。そのため将来入ってくる貸付料を前倒しして活用したり、鉄道・運輸機構がJR貨物に払っている補助金「貨物調整金制度」を減額して財源にあてることの検討、それでも足りない分は国・自治体が負担することで目処をつけました。

しかし、財源以外にも問題があります。九州新幹線と北陸新幹線の延伸区間はフリーゲージトレインの導入(以下FGT)を前提にしている区間です。FGTは新幹線と在来線の両方へ乗り入れることが出来る画期的な車両ですが、技術的には課題が残っています。なので、開業の前倒しに技術開発が間に合わないおそれもあります。

そしてもう一つは、政府が発表していない懸念として、震災復興やオリンピック特需のによる資材高騰の見積もりが甘いのではないかというものです。

私としては、大型インフラなどの地方への投資は必要だと思いますし、前倒し自体は悪くないのではないかと思います。しかし、新幹線に限らず作った物を後で十分生かせてないことが多いように思えます。そうした中での前倒しは、話が煮詰まらないうちに完成するような事態になってしまうのではないかと思います。作ることだけでなく作った後の議論も素早く行うことが、必要なのではないでしょうか。


2015年4月16日木曜日

えちごトキめき鉄道になって変ったこと




北陸新幹線の開業により信越本線と北陸本線の一部がえちごトキめき鉄道に移管されることになりました。先日利用する機会があったので、私が変ったと感じたことを紹介したいと思います。

高田駅に到着するE653系特急しらゆき
新幹線アクセス用E653系特急「しらゆき」

えちごトキめき鉄道とは?

新潟県主体をとする第三セクターです。信越本線では「妙高高原~直江津」間、北陸本線では「直江津~市振」間がJRから移管され運行しています。

移管時に「妙高高原~直江津」間は妙高はねうまライン、直江津~市振」間は日本海ひすいラインという名称に変更しています。

あまり雰囲気の変らない駅舎

えちごトキめき鉄道高田駅の改札
高田駅の改札
基本的に地上設備はJR時代のものに多少手をくわえた程度なので、駅名がJRのものから変った以外は駅舎などにあまり変化はありません。

しかし、高田駅についてはコスト削減で自動改札機から駅員さんが手で行うものに変更になったそうです。

妙高はねうまラインの車両はJRから移行中

高田駅を発車するえちごトキめき鉄道ET127系
JR東日本から譲渡されたET127系
妙高はねうまラインではJR東日本E127系を譲り受け、ET127系と改名して使用しています。

書類上の譲渡は済んでいると思いますが、写真をの通りえちごトキめき鉄道仕様になっている車両のほかに、ロゴや塗装がJR時代のままの車両が運行しています。2両1編成のうち半分JR仕様、半分はえちごトキめき鉄道仕様という面白い編成も走っています。

次第にJR仕様の車両は減っていくと思いますが、もう暫くは見ることが出来そうです。

この他にもJRからの乗り入れで、新潟発の115系の快速を新井駅までは見ることができます。

消えた特急列車たち

直江津駅に到着する485系北越
上越・北陸地区では快速運用だけとなった485系
写真は特急「北越」時代

北陸新幹線と経路のかぶる北陸本線を走る特急「はくたか」「北越」は全て廃止となってしまいました。「はくたか」で使われていた681系は見ることが出来なくなり、「北越」で使われていた485系は「新潟~糸魚川」を1日1往復運行する快速でしか見ることが出来ません。

直江津駅に停車中のえちごトキめき鉄道ET122形
ET122形

また、日本海ひすいラインの車両はデッドセクションと旅客需要の関係で普通車両電車3両から気道車1~2両へ変更となってしまいました。

この車両はJR西日本のキハ122形をベースに新しく作られた車両です。

新しく見れるようになったことも

上野駅に停車中のE653系フレッシュひたち
常磐線特急時代の様子

北陸新幹線アクセス用と廃止された特急「北越」の補完として、「新潟~新井」間を結ぶ特急「しらゆき」の運行が開始しました。元常磐線フレッシュひたちの付属編成で、塗装などを一新して使用されています。

直江津駅で解結作業中のET122形
直江津駅で連結解除をする様子
日本海ひすいラインは日中の利用者が少ない時間帯はET122形1両で運行されるため、直江津駅で車両の切り離し作業を見ることが出来るようになりました。

新幹線への移行も進む

私が直江津駅から妙高高原へ行く列車に乗ったときは、ちょうど高田で桜祭りをやっていのたで高田でまず多くの人が降り、次に新幹線接続駅の上越妙高駅で大きなカバンを持った人が降りていくのを確認できました。

特急「はくたか」が無くなり東京方面への最短ルートが北陸新幹線だけになってしまったので当たり前の現象ですが、人の流れはしっかり新幹線へ移っていってるようです。

北陸新幹線フィーバーの裏側であまり注目のされない三セク移行ですが、やはりこちらも大きく変化したようです。

関連記事
国鉄型最後の輝き 新幹線開業で変る上越の列車たち


2015年4月15日水曜日

好調な北陸新幹線と西へ向かうトワイライト




開業以降利用者数が好調な北陸新幹線とツアーの詳細が発表されたトワイライトエクスプレスについて紹介します。

好調な北陸新幹線

東京駅停車中の北陸新幹線E7系
東京駅停車中のE7系

JR西日本は2015年4月の定例会見で北陸新幹線が好調であることを発表しました。開業から1ヶ月間にあたる3月14日~4月13日の「上越妙高~糸魚川」間の利用者と、特急「はくたか・北越」の前年の利用者と比べると3倍近い293%の利用者があったとのことです。また、同じ期間の特急「サンダーバード」の利用者も104%で利用者の減少はありませんでした。

今のところの利用者の傾向としては「北陸~首都圏」の需要の伸びが一番のようです。一部ネットのニュースサイトなどで北陸新幹線がガラガラという記事がありましたが、新幹線化による輸送力増強によるもののようです。

今までは特急「サンダーバード」が最大9両で普通車4列シートだったのに対し、北陸新幹線E7系は普通車5列の12両編成です。グランクラスやグリーン車もあるので単純比較は出来ないものの、同じ1編成でも輸送量がだいぶ違うことが分かります。

西へ向かうトワイライトエクスプレス

以前JR西日本より運行を発表していた広島方面の寝台特急「トワイライトエクスプレス」のツアー募集が4月15日より始まりました。

今まではみどりの窓口で普通の特急列車と同じように乗車券を入手するの一般的でしたが、今度の運行では旅行会社を経由してツアーで予約する必要があります。

下関発の京都行き2泊3日のロイヤルが35万円、スイートが40万円になります。ダイヤの詳細はツアー旅行であるため発表されていませんが、6/1下関駅10:37発・6/2京都駅17:43着です。

現在予約可能な31日出発分はスイートは残り僅か、スイートはキャンセル待ちとなっていて満席になるのは確実なようです。

暫くは「下関~京都」間での運行ですが、7月以降は山陰方面での運行も検討されています。今までは頑張れば乗れる寝台特急でしたが、35万円からで随分遠くなってしまったものです。


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