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2017年6月16日金曜日

JR貨物DD200形登場 液体式ディーゼルは今後消滅か?




JR貨物は2017年6月15日にDE10形ディーゼル機関車置き換え用の電気式ディーゼル機関車DD200形を製作したと発表しました。

本線走行・DE10形用車両

小牛田駅停車中のDE10形
置き換え対象のDE10形
写真の石巻線では入れ換えから本線運行まで
幅広く運用をこなす
HD300形はローカル線や貨物駅などの構内入れ替え用に使用されている、DE10形ディーゼル機関車の置き換え用として投入されます。

構内入れ替え用としてはハイブリッドディーゼル機関車のHD300形がすでに投入されていますが、機関車のみの単機回送では最高時速110km/hで走行可能なものの、貨車連結時は最高時速45km/hに制限されるため、本線を走行するのは難しいものでした。

DE10形との違いは大きい

置き換え対象のDE10形との大きな違いは電気式という点です。DE10形やDD51形など国鉄時代に製造されたディーゼル機関車は、液体式という自動車と同じトルクコンバーターを利用して動力を車輪に伝達します。それに対しJR化後に製造されたDF200形はディーゼルエンジンは発電機としてのみ使用し、モーターで車輪を駆動させます。DD200形は後者の電気式を採用しました。

その他の違いとしてDE10形は車輪が5軸なのに対し、4軸となります。車輪の数は減るものの車体自体は大型化されており、2m近く大きい15.9mの車体長となります。


性能面ではDE10形準拠

動輪出力はDE10と同様の600kWとなっており、エンジンも環境規制の基準などに対応すると思われますが、DE10同様の水冷4サイクルV型12気筒としています。最高速度はDE10形が85km/hなのでだいぶ向上していますが、運行する場所を考慮すると実質的には大きく違はないのではないかと予想します。

EF210形の技術を投入

電気式となり電気機関車に近い構造となったわけですが、そのためEF210形電気機関車の技術を応用し取り入れたとしています。台車も空気バネかつヨーダンパーを装備しDF200形やEF210形に似た、FD形の台車を採用しているようです。軸バネ方式でヨーダンパーも搭載しておらず、同じDE10形置き換え用のHD300形とはだいぶ異なります。

HD300形の投入は今後限定的になるか?

HD300形は蓄電池を搭載し停車時のアイドリングが不要などのメリットもありますが、高価な車両となっているといわれています。さらにDD200形とりも1tほど車体重量が大きいです。

それらを考えると住宅地の近い場所は引き続きHD300形が投入され、本線走行が必要な路線や住宅地から距離のある貨物駅などではDD200形の投入が中心となり、HD300形の投入は限定的になっていく可能性があると考えられます。


2017年2月28日火曜日

甲種関東追跡! 東武70000系日比谷線直通用通新型車




2017年2月25日から28日未明にかけて行われた、東武手鉄道70000系日比谷線直通用新型車の関東圏追いかけ撮影のレポートです。神奈川県内から秩父鉄道を経由して、東武鉄道へ引き渡されるまでを撮影しました。

羽生駅の留置線に停車中の東武70000系
羽生駅の留置線に停車中の様子

25日に徳庵より出発

今回出場したのは、日比谷線直通用に使われている20000系系列置き換え用の70000系の第一編成です。2017年度より運行開始を予定しています。東武鉄道では久々の近畿車輛が製造です。25日土曜日に関東へ向けて出発しました。

近畿車両のある徳庵からはDE10形1500番台1750号機が牽引しました。吹田貨物ターミナルで一旦運転停車し、EF65形2000番台2093号機にバトンタッチしました。

26日朝に関東へ

快晴の神奈川へ

相模川を通過する東武70000系甲種輸送
相模川を通過する
ここのところ大きな遅延に見舞われることも多い東武鉄道の甲種輸送ですが、遅延などもなく26日朝には神奈川県へ入りました。この日は快晴で、気持ちの良い空の元甲種輸送を見ることが出来ました。

E231系と並走する東武70000系甲種輸送
E231系との並走
相模川橋梁では東海道貨物線を走行する東武70000系と、東海道本線営業列車のE231系1000番台が並んで走るところを見ることが出来ました。東戸塚からは東海道本線別れ、横浜羽沢貨物駅で夜までの長時間の運転停車となりました。

いよいよ埼玉へ

東海道貨物線を走る東武70000系甲種輸送
東海道貨物線を走る
夜に横浜羽沢駅を出発し、この日の終着駅の熊谷貨物ターミナルへ向けて走ります。横浜羽沢ではEF65形2093号機から2097号機にバトンタッチしました。

JR線内の動画

27日いよいよ東武鉄道へ

快晴の秩父線

秩父鉄道を走る東武70000系甲種輸送
青空の秩父線を走る
風が若干あったものの前日の26日に続き、快晴の下で甲種輸送を見ることが出来ました。牽引機は東武500系の第一編成と同じ、デキ100形108号機とデキ500形506号機が担当しました。

いよいよ東武鉄道へ

羽生駅に到着した東武70000系甲種輸送
羽生駅に到着
ここでも遅れなどは特になく、東武鉄道への引き渡し駅の羽生駅に到着しました。すぐに片側の機関車が切り離され、留置線まで推進運転されます。

作業をする近畿車両の社員方
作業をする近畿車両の社員方
今回も自走で南栗橋工場まで回送するため、近畿車両の社員の方たちがすぐに作業を開始しました。500系の時は養生を剥がすだけでしたが、今回は違います。500系の甲種輸送では反射板が取り付けられていなかったのですが、今回は付いていたためまずはそれを外します。次にスカートの真ん中部分を取り外します。そして警笛用のホーンの取り付け作業に入っていました。この写真にはありませんが、大きなラッパ状の空気式のほうを取り付けていました。今までは日比谷線に直通する車両は東武も東京メトロも密着自動連結器でしが、70000系も13000系も密着連結器になりました。連結器には近畿車両と塗装があるので、近畿車両からの貸し出し品のようです。

東武鉄道70000系とりょうもう
りょうもとの並び
到着直後には特急りょうもうの特別塗装車輛と並ぶ一幕もありました。また写真を見ていただくと分かると思いますが、養生はフロントガラスの最低限の部分になっています。すぐに剝がせるよう、今回も最低限のものとなっているみたいです。

秩父線内の甲種輸送の動画

この後今回も自走での回送となりました。営業が完全に終了した、深夜に回送です。東武70000系と東京メトロ13000系は車両の大幅な共通化が図られています。東京メトロ13000系の東武線内での試運転も終わっているので、自走回送での問題はあまりなかったかもしれないですね。

※関連記事
新技術の操舵台車でカーブ攻略 日比谷線新型車両仕様紹介
新型特急東武500系リバティを追いかけろ! 関東編
14系二度目の甲種輸送レポート JR北海道から東武鉄道へ


2016年12月6日火曜日

新型特急東武500系リバティを追いかけろ! 関東編




2017年春より運行開始する東武鉄道の新型特急500系リバティの甲種輸送が、12月2日~6日にかけて初めて行われました。そのうちの関東に入ってからのJR線と秩父鉄道を経由して東武鉄道へ引き渡されるまでを追いかけました。ちなみに関西編などはありません。

関東へは遅れて到着

神奈川県内を走行するEF66に牽引された東武鉄道500系リバティ
神奈川県内の様子
東海道線にて
今回甲種輸送されたのは、2017年春のダイヤ改正より運行を開始する500系電車です。3両3編成セットが回送されました。

DE10形に牽引されて川崎重工を2日に出発した500系は神戸貨物ターミナルで一夜を過ごし、翌日に吹田貨物ターミナルでEF66形100番台123号機にバトンタッチしました。

その後東海道線内の事故による遅延に巻き込まれ、途中で大きく足止めをくらいました。通常の貨物列車と違い各所で長時間停車を行う余裕を持ったダイヤが組まれていますが、結局稲沢で7時間も遅延したために関東に入っても1時間を越える遅延のまま走行しました。

横浜羽沢駅で一休み

横浜羽沢駅に停車中の東武鉄道500系
横浜羽根沢駅停車中の500系
関東圏に入ってからは一つ目の長時間停車駅である東海道貨物線の横浜羽沢貨物駅にて、半日ほど停車します。ここで吹田から牽引してきたEF66形とはお別れです。

横浜羽沢駅に停車中の東武鉄道500系

停車しているの線路は、毎度様々な甲種列車が留置される屋根付きの場所です。貨物駅なのであまり良く見えるわけではありませんが、近くの道路などから停車している様子を見ることが出来ます。

熊谷貨物ターミナルへ向けてラストスパート

JR貨物EF65形に牽引され東海道貨物線を走る東武鉄道500系
横浜羽沢からEF65形へ
東海道貨物線にて
横浜羽沢駅からはJR貨物EF65形2000番台2117号機にバトンタッチです。横浜羽沢駅からはこの日の執着地である熊谷貨物ターミナルまで、小規模な時間調整を除きノンストップで走りぬけます。東海道貨物線・武蔵野線・高崎線を経て熊谷貨物ターミナルまで、無事走り抜けました。

JR線内の動画
4K解像度にて収録


秩父鉄道へバトンタッチ

デキ100形に牽引され秩父鉄道三ヶ尻線を行く東武鉄道500系
デキ100形に牽かれ
三ヶ尻線を行く
熊谷貨物ターミナル駅で一晩過ごした東武500系は、翌日の朝に秩父鉄道へ引き継がれ東武線を目指します。武川駅でのスイッチバックと羽入駅で電留線に押し込む関係で、プッシュプルもどきの前後に機関車が連結した形になります。この日はデキ100形108号機とデキ500形506号機が担当しました。

東武鉄道へ引き渡しへ

羽生駅電留線へ押し込まれる東武鉄道500系
推進運転で電留線へ押し込まれる
羽生駅に到着すると、まずは東武動物公園側の機関車が切り離されます。その後羽生駅の電留線に押し込むため、推進運転でゆっくり進みます。

切り離し作業を行う秩父鉄道デキ100形と東武鉄道500系
デキ100形との切り離し作業
電留線の奥まで目いっぱい押し込んで停車した後は、伊勢崎よりの機関車を切り離します。これが終わると、夜までは羽生駅に停車をします。

東武500系の養生を剥がす川崎重工の方
養生を剥がす川崎重工作業員の方
羽生駅到着後は東武鉄道職員の方が列車の各種点検を行っていました。床下機器の蓋を開けチェックをしたり、車両に登りパンタグラフの状態の確認などを行っていました。添乗してきたと思われる川崎重工職員の方は、輸送中の汚れを防ぐ養生を剥がす作業を行っていました。

これらは深夜の自走回送に向けた準備だったようで、この日の深夜には羽生駅を出発し南栗橋にある車両基地「南栗橋車両管区」まで自走していきました。

秩父鉄道線内から東武線内までの映像
4K解像度で収録

大きな遅延などもあったので輸送に関わったJR各社・東武・川崎重工の職員方は、仕事とは言っても大変苦労されたと思います。今後は各種試験を行った後に乗務員訓練を経て、来春の運行開始に繋がります。苦労された方々の仕事が報われるよう、今後の東武500系の活躍に期待して終わりたいと思います。

※関連記事
甲種関東追跡! 東武70000系日比谷線直通用通新型車
東武鉄道新型特急500系リバティ 半蔵門線には直通しない?


2016年9月13日火曜日

寝台特急カシオペア 6月から団体臨時運転開始




JR東日本は2016年4月6日に寝台特急カシオペアの臨時運転について正式に発表しました。6月4日からは運行を開始しました。
記事作成日: 2016.04.06/記事更新日: 2016.09.13

上野駅に到着する寝台特急カシオペア
寝台特急カシオペア

ルートは旧カシオペアルートから様々に

寝台特急カシオペアは北海道新幹線開業により定期運行が難しくなったため、2016年3月21日の上野行きを最後に定期運行を終了しました。しかし、事前に団体列車としての運行がアナウンスされていました。6月からJRの旅行代理店などから申し込むツアー列車として運行を開始しました。臨時カシオペアは全て団体臨時列車として運行をします。

6月以降の週末はほぼ毎週運転されています。昔のようにとは行かなくとも頻繁にカシオペア号を見ることが出来そうなのが嬉しい点です。ルートは旧カシオペアルートから信州方面など、時期に合わせて様々なものとなっています。

定期運行ラストランの様子


また、定期運行から団体臨時になった経緯などは関連記事も参照ください。
※関連記事寝台特急カシオペア 団体臨時で運行継続へ

「カシオペア紀行」コース(旧カシオペアと同ルート)

運行初日のカシオペア紀行

上野駅→東北本線→IGRいわて銀河鉄道→青い森鉄道→津軽海峡線→道南いさりび鉄道→函館本線→室蘭本線→千歳線→札幌駅

上野発16:20頃→札幌着11:15頃
札幌発16:38頃→上野着11:52頃

上野発: 6月11、18、25・7月9、16、23、30
札幌発: 6月12、19、26・7月10、27、24、31

「カシオペア紀行」コースは定期運行時代と同じコースで、上野発と札幌発がそれぞれ設定されます。札幌行きに関しては定期運行時と同じダイヤでの運行のようですが、上野行きに関しては青函トンネル通過の関係だと思いますが、新しいダイヤとなっています。

トワイライトエクスプレスのクルーズ運行と同じように、運行日によって違うツアー会社が貸し切る形での運行となります。

料金はびゅうトラベルが設定するものの場合、札幌・上野発どちらの場合でもツイン利用で一人あたり69800円です。完全に気軽に乗れる列車ではなくなってしまいましたね…

「カシオペアクルーズ」コース(周遊ルート)

運行初日の様子

上野駅→高崎線→上越線→信越本線→羽越本線→奥羽本線→津軽海峡線→道南いさりび鉄道→函館本線→室蘭本線→千歳線→札幌駅→上野行き旧カシオペアと同ルート→上野駅

上野発: 6月4日・7月2日・8月6日


「カシオペアクルーズ」コースは3泊4日の周遊コースです。こちらのコースも以前団体列車として運行されたことのある実績のあるコースです。クルーズトレインということで各地に停車しながら運行するため、列車で宿泊するのは1日目と3日目の夜となっています。

料金は一人当たり46万円から展望室利用の60万円の間で設定されています。

「カシオペア・はやぶさ号 函館の旅」コース

上野駅→東北本線→IGRいわて銀河鉄道→盛岡→(北海道新幹線乗り継ぎ)→新函館北斗駅→(普通列車)→函館駅

上野発: 8月20日、27日、9月3日

片道のみのコースです。上野駅を16:18に出発し、翌日7:28に盛岡に到着します。ツアーのお客さんは北海道新幹線へ乗り継ぎ新函館北斗へ行き、カシオペアの車両は当日のうちに尾久車両センターへ向けて回送されます。

「信州カシオペアクルーズ」コース

上野駅→常磐線→武蔵野線→中央線→武蔵野線→常磐線→上野駅
上野発: 9月7日

信州プレディスティネーションキャンペーンに合わせて、1回のみの設定です。3泊4日の日程ですが、周遊コースではなく往復コースでの運転となっています。プレスではカシオペア初の信州行路の運転となっています。

「信州カシオペア紀行」コース

上野駅→常磐線→武蔵野線→中央線→篠ノ井線→長野駅
上野発: 9月17日、29日

こちらは2回の運行です。上野駅を16:20頃出発し、翌日11:43頃に長野駅に到着します。列車に宿泊するのは一日ですが、ツアー自体は2泊3日の日程となっています。このコースも片道のみの設定となっています。

「秋の周遊2泊3日の旅」コース

上野駅→東北本線→IGRいわて銀河鉄道→青い森鉄道→奥羽本線→羽越本線→信越本線→上越線→高崎線→上野駅

上野発: 10月10日

カシオペアクルーズとは逆に東北本線から北上し青森まで到達、その後日本海側から南下し上野駅に至るコースです。いまのところ一回だけの設定です。

「カシオペア紀行(青森まで)」コース

上野駅→東北本線→IGRいわて銀河鉄道→青い森鉄道→青森駅
上野発: 10月19日、22日、29日

「カシオペア・はやぶさ号の旅」と同じく、上野から青森までの片道のみの設定となります。青森以降のツアー内容については、各旅行会社が設定するツアーによって異なるものとなります。

EH800形とDF200形の超ハイパワー機関車も

田園地帯を走る団体臨時列車カシオペア紀行
昔ながらのEF81形牽引
客車は寝台特急カシオペアで使われていた銀色のE26系が使われます。客車を引っ張る機関車は定期運行時代のJR東日本所属のEF510形がJR貨物へ譲渡されたので、基本的に本州内は運行当初に使われていたEF81形へ戻りました。上越方面を経由するカシオペアクルーズについては、上越線内の勾配に対応するために、EF64形が上野~長岡間を牽引します。

甲種輸送されるJR貨物EH800形
津軽海峡線の牽引を担当する予定の
JR貨物EH800形
津軽海峡線は新幹線が走るようになった青函トンネルを含む一部区間の電圧が変更されたため、ED79形からマンモス電気機関車EH800形へ変更となりました。H級の超大型電気機関車が客車を牽引するのは、国鉄時代にEH10形が限定的に運行した時以来となります。

千歳線を走るコンテナ牽引中のJR貨物DF200形
千歳線を快走するDF200形
1両でも大きな力を発揮できる
函館以北は運行経路のうち「五稜郭~東室蘭」間が電化されていないため、函館駅でディーゼル機関車へ付け替えが行われていました。従来通りJR北海道所属のDD51形が牽引すると思われていましたが、5月5日に思わぬ情報が北海道新聞の記事から飛び込んできました。JR北海道がDD51形機関車を老朽化のため全廃する予定で、道内はJR貨物のDF200形が牽引するというものです。

まずDD51形の廃止ですが、苗穂工場から手稲近くの札幌運転所まで車両の回送などに使用していたので、限定的な運用で当面は安泰かと思っていたので意外です。DF200形についてですが、貨物用タイプのDF200が旅客列車を牽引するのは初めてです。DF200は貨物用に開発されたため、原則JR貨物が貨物を牽引するためだけに製造されていました。JR九州のクルーズトレイン「ななつ星」用に旅客用DF200形7000番台が製造されましたが、旅客用であるため貨物を牽引したことはりません。JR北海道の体力がなくなっているため機関車維持が難しいことや、北海道内の石油輸送の廃止でDF200の運用にだいぶ余裕があるようなので、今回のようなケースが発生したのだと思います。



2016年5月17日火曜日

2016年度JR設備投資 車両関連まとめ




JR各社の2016年度事業計画などから、車両関係を中心に紹介します。
記事作成日: 2016.03.24/記事更新日: 2016.05.17


JR北海道

停車中のJR北海道キハ261系気動車
置き換え用で導入の続く
キハ261系特急形気動車
特に大きな発表は無しです。老朽化の進む地上設備・車両の更新が主な内容です。車両面では「札幌~函館」間を走る特急「北斗」で使われているキハ183系置き換え用に、キハ261系の新造が今年度も継続されて行われます。その他は特急気動車の機器更新や、キハ40置き換え用の電気式気動車の試作・設計としています。

以前発表された5ヵ年計画から大きな変更はないようです。その通りに進めば来年度は785系の置き換えが、今年引退した特急「スーパー白鳥」用789系で始まります。また、緊急度の高いキハ183系の置き換えが来年度完了します。ということで、今年は785系特急電車や「北斗」用キハ183系の記録や乗車をする良いのではないでしょうか。

JR東日本

大崎駅に停車中の山手線E235系
山手線用E235系一般型電車
量産先行車
JR東日本は毎年事業計画では大きな計画は発表しないことが多いのですが、今回も大きな発表は無しです。

地上設備関係は耐震補強やホームドアなどの旅客向け安全対策と、目新しいものなしです。

車両関係とも中央線グリーン車対応工事、山手線E235系量産へ向けた準備、クルーズトレイン投入準備、リゾートしらかみのブナ編成のHB-300形への置き換えなど発表済みのものばかりです。

試験が順調であれば試験が半年経つ頃なので、E235系の量産への目処が立ち始めて何らかの発表が本来はあったのかもしれませんが、3月から再スタートなったので大きな発表は出来なかったのかなと想像してしまいます。

JR東海

・N700A 3次車投入
・品川、新横浜可動作増設
・特急「しなの」「ひだ」など弾力的増発・増結

昨年にN700系の改修工事が行われ、全て車両がN700A相当になったわけですが、今年度はブレーキ面などが更に進化したN700A3次車が投入されます。ただし、N700A2次車を投入させつつとあるので、今年度投入分全てが3次車ではないようです。

東海道新幹線の主要駅には可動柵が設置されていますが、品川・横浜駅で増設されます。品川駅の場合2面4線のうち、外側2線だけに可動柵が導入されていたので、内側2線にもつくということのようです。

大阪行きの廃止になった「しなの」ですが、列車自体は増結・増便する姿勢のようです。「ひだ」が運行する飛騨高山方面は外国人観光客に人気なそうなので、そっちの需要で増発・増結に結びついてるのかもしれません。

JR西日本

JR西日本は中期j経営計画のアップデートを読む限り、以前の計画から特に大きな変更は無いようです。車両関係で言えば大阪環状線323系・阪和線225系・N700A・広島地区向け227系などです。

私が少し気になったのは来年度からの山陽新幹線のATC更新です。東海道新幹線開業当時の技術をベースにしたアナログ式「ATC-1」が今年度までの使用ということなので、頻繁に乗る方はその乗り心地を覚えておくと良いのではないでしょうか。

JR四国

・2000系特急車両置き換え

JR四国は振り子式2000系特急気動車の置き換え用に、空気ばね式車体傾斜付き8600系電車を導入してきましたが、今年度は新型特急気動車の導入するとしています。

近年振り子式より速度面で若干劣るもののコスト・整備面で勝る、空気ばね式車体傾斜を選択する場合が増えています。新型気動車がどのタイプを採用するかは気になるところです。

JR貨物

千歳線を走るDF200形牽引の貨物列車
北海道で活躍するDF200形
・関西線向けDF200形試作
・DE10形置き換え用機関車の開発

ダイヤ改正の発表時にEF210形(6両)・EH800形(8両)・HD300形(4両)・コキ107形(209両)の新造を発表していますが、それとは別に関西線向けDD51形置き換え用のDF200形試作と、入換え・非電化区間向けにDE10形置き換え用新型車両の開発を行うとしています。

DF200形の暖地での運用はJR九州が「ななつ星in九州」で行っている以外、今はありません。そのためまったくノウハウがない訳ではありませんが、高負荷な貨物向けにはもう少しブラッシュアップが必要なのかもしれません。

構内入換えようにはDE10形の置き換えとしてハイブリッド機関車のHD300形が投入されていますが、貨物牽引時の最高速度は45km/hと高速走行の少ない非電化区間向けとしても速度が足りません。そのためもっと高速に走れる車両ということで、今回の開発が行われるのではないでしょうか。

関連記事
JR北海道車両更新ロードマップ発表 721系・キハ281・283も更新へ
JR西日本 15年以降の新車導入計画まとめ


2016年2月20日土曜日

凄いぞED79! 北海道新幹線開業で消え行く電気機関車




北海道新幹線の開業が迫り「北斗星・カシオペア・トワイライトエクスプレス」などの寝台特急たちの廃止が話題になる中、世間では注目されにくい縁の下の力持ちED79形電機機関車について紹介していきたいと思います。
記事作成日: 2014.11.12/記事更新日: 2016.02.20

五稜郭駅を通過する寝台特急北斗星
寝台特急北斗星を牽引するED79形電機機関車
五稜郭駅にて撮影

なぜED79形は廃車になるのか?

ED79形は青函トンネルが開通するにあたり通過する客車や貨物列車を牽引する機関車が必要になり造られた電気機関車です。そのため現在運用されている区間は寝台特急などの旅客列車で青森駅~函館駅間、貨物列車では青森信号所~五稜郭貨物ターミナル間という限られた区間となっています。

北海道新幹線が開業すると青函トンネルは貨物列車と新幹線両方が使うことなるのですが、そこで問題が生じます。貨物列車と新幹線では同じ交流でも、使っている電気の電圧が違うのです。そこで貨物列車側が新幹線の電圧に合わせて走ることになり、新型の電機機関車EH800形を導入することが決定し、廃車になっていく流れとなりました。

青函トンネルで使えなくなったらなら他で使えばいいじゃないか?と思われる方も居ると思いますが、その可能性は非常に低いと思います。ED79形はED75形電機機関車を改造して造られた古い車両と、JR貨物が所有する1989年に一から新しく作った車両があります。改造して造られた車両はだいぶ古くなっていること、新しく作った車両も製造から25年経っていることと、高温多湿な青函トンネル・潮風の吹く海辺の路線・冬季の雪などの過酷な環境で使われていため痛みが激しく、通常より多くの修理が必要と想像されます。そのため修理して違う路線で使うよりは全て廃車にするほうが楽と思われます。また、ED75形のような臨時列車の牽引用として残すにしてもJR北海道の電化区間が限られていることを考えると、残すメリットはありません。

以上のこと踏まえるとED79形は全廃という形になると思います。

そんなED79形はとても面白い

上記のような理由から廃車になるであろうED79ですが、非常に魅力的な車両なのでそれについて簡単に紹介していきたいと思います。

JRでは珍しい4軸電機機関車

タンク車を牽引するED75形
今では臨時列車などでしか見られないED75形
写真は定期運用でタンク車を牽引していた頃の姿

4軸電機機関車というのは車輪が4つの電機機関車ということなのですが、JRで定期運用で使われているのはED79形だけです。定期運用を除けばED75形もあるのですが、工事や車両を回送する時などの臨時列車にしか使われないので滅多に見ることができません。

様々な列車を牽引

函館駅に停車中の急行はまなす
急行「はまなす」を牽引するED79
函館駅にて撮影
ED79形が牽引するする列車は国内唯一の客車寝台特急「カシオペア」、国内唯一の夜行急行「はまなす」、貨物ではコンテナ車です。他の機関車は普段は貨物列車のみで、臨時列車でたまに客車なんて状況です。「北斗星・トワイライトエクスプレス」の廃止で牽引列車は減りましたが、今でも日本一豪華なバリエーションの列車を牽引する機関車と言えるのではないでしょうか。

夜の蟹田駅での乗務員交代

映像は蟹田駅でトワイライトエクスプレスの乗務員が交代する様子です。夜行列車の乗務員交代というのは非常に珍しい光景となってしまいました。蟹田駅ではJR北海道とJR東日本の乗務員が交代するために停車します。

JRでは珍しい重連運用を行っていた

五稜郭駅に停車中のED79形重連
発車を待つ重連のED79形牽引の貨物列車
五稜郭駅にて撮影

重連というのは機関車が2両連なって走ることです。定期運用で重連運用を行っているのは寝台特急「カシオペア」で、「函館~札幌」間をDD51形の重連で運転しています。

ED79形は客車列車であれば1両で十分ですが、重いコンテナ列車が青函トンネルを走行できるように貨物を牽引する時は重連を行っていました。昔であればもっと頻繁に行われていましたが、近年では珍しい運用でした。今では貨物列車の定期運用から外れてしまいましたが、ごく希に急行「はまなす」でも回送を兼ねた重連運転が見ることができます。もし見れたなら本当にラッキーだと思ってください。

木古内付近を通過するED79形

重連のED79形が通過する映像です。バックの高架は北海道新幹線のものです。今ではED79形に変わりEH500形とEH800形が貨物列車を牽引していますが、北海道新幹線開業後はEH800形のみとなります。

受け継がれた客車列車

北海道新幹線の開業で青函トンネルの旅客運用は新幹線のみとなるかと思われましたが、寝台特急「カシオペア」が団体臨時で運行する予定と報道されました。ED79形の廃止と共に消えると思われた青函トンネルを通過する客車列車ですが、臨時という形であれどEH800形へ受け継がれそうです。

あとがき

個人的に思い入れがあるのでED79形について書いてみました。ブログを始めた頃に書いた記事ですが、ED79形もまもなく最後ということで簡単に更新しました。この記事でED79形の良さが少しでも伝われば幸いです。


2016年1月3日日曜日

北海道新幹線青函トンネル問題を整理する その2




前回の北海道新幹線青函トンネル問題を整理する その1の続きとして青函共用走行問題の回避・緩和案から話をしたいと思います。
記事作成日: 2014.10.04/記事更新日: 2016.01.03
苗穂工場に留置されるトレインオントレイン試験車両
苗穂工場内のトレインオントレイン試験車両

青函共用走行問題の回避・緩和案

1.新幹線と貨物の運行時間帯を分ける
2.すれ違い時のみ新幹線が減速
3.トレインオントレイン(以後TOTと呼ぶ)
4.第二青函トンネル建設
5.トンネルの中心に隔壁を設ける
6.コンテナ載せ換え

それでは一つづ見ていきましょう。

1.新幹線と貨物の運行時間帯を分ける

これは一番安くて技術的にも一番簡単な方法ですし、新幹線1往復程度の高速走行が具体案として実現に向けて検討されています。

しかし、青函トンネルは保守時間を除くと常に列車が走っていることや北海道本州間の物流で大きな割合占めていることを考えると、1往復分でも運行時間を分けて運休時間が延びれば北海道本州間の物流へのダメージが生まれること予想されています。さらに長距離貨物は遅延もよくあるので、今以上にダイヤのやりくりが大変になるのが想像できます。

2.すれ違い時のみ新幹線が減速

デジタルATCや以前紹介したATACSなど新しい信号システムの登場により柔軟性が向上しているので、比較的安く簡単に可能な案です。

しかし、安全性という点では今までに無い試みなので、これから実証することが必要です。青函トンネルの共用走行が始まった後に、様子を見ながら実用化に向けた技術開発が必要になると思われます。

3.トレインオントレイン

これは貨物列車を新規開発した貨物新幹線に載せて走るというもので、新幹線との速度の問題やコンテナの飛散防止対策も可能かつダイヤ上の制約も大幅に緩和できるので一見良さそうですが、問題も多いのです。

・開発に1000億が見込まれること
・ダイヤの関係上貨物を載せる貨物新幹線がとても多く必要になる
・新幹線に貨物列車を載せるので軌道への負荷が大きい
・載せ換え時間を入れると100km/hで青函トンネルを走るのと変らない

などメリットも多いのですが解決の難しいデメリットが多いのも事実です。

4.第二青函トンネル建設

最強の解決策であり試算では4000~5000億の費用が見込まれています。この額自体は今の青函トンネルを作ったのと変らないぐらいの金額で、物価上昇も考えると安いと言えます。

どうして安く建設できるのかというと、今ある青函トンネルの側に作ることで青函トンネルの作業坑や地質調査を流用すること、最初に掘った時よりも向上した技術で可能にします。しかし安いというのは最初に掘ったトンネルとの比較で「常識的に安い!」とは言いずらい金額であり、トンネルの数だけ維持費が増大するのも問題です。

5.トンネルの中心に隔壁を設ける

トンネルを改良する案では現実的な費用で1600億程度が見込まれます。隔壁を設置するに当たって隔壁の自重にトンネル路盤が耐えられるようにするため、トンネルの中心・線路脇にもアンカーを打つ必要があるので、工事内容としてはそこまで単純ではありません。

すれ違い列車については問題を解決できるだけでなく、貨物の飛散問題も回避できます。ただし、速度自体は向上しないので、貨物列車の後続が新幹線の場合には制限が残ります。そして費用が1600億と決して安くないのもデメリットです。

6.コンテナ載せ換え

2016年1月1日に北海道新聞「青函に時速200キロ「貨物新幹線」検討 新幹線は東京へ最速3時間台」の記事で明らかになった検討案です。文字通りの方式で、2020年前半に専用コンテナクレーンでH5系ベース新幹線貨物列車にの載せ換えて200km/h程度で走行できるようにするというものです。車両基地建設なども含めてコスト800~1000億で、TOTを下回る可能性があります。

新幹線に貨物列車は走っていないので、完全新規開発となります。ただ、TOTに比べれるとコンテナのみを載せるので線路への負担が小さく重心も低いので、TOTより高速に運行できる可能性が高いです。M250系スーパーレールカーゴは比較的軽い荷物専用なので単純比較は出来ませんが、電車貨物の技術も0ではないので技術的難易度もTOTよりは下がります。

デメリットとして貨物の載せ換え時間がありますが、北海道新幹線延伸時に貨物の運転区間も伸ばせば帳消しに出来ます。最終的に札幌まで貨物新幹線を延伸すれば、有珠山の影響で室蘭本線が運休になっても貨物が運べます。ただし、最高速度が200km/h程度が限界だと厳しいかもしれません。北海道新幹線も将来的には320km/h運転、さらには360km/h・400km/hとなっていくかもしれません。その時貨物が200km/h程度だとダイヤ的に面倒になってくる可能性があります。この話は案が持ち上がった段階なので、FGTのように大きな課題が出てくる可能性がありますし、私のような素人ではフワフワした話しか出来ません。ただ、他の方式にはない可能性がいくつもあるように感じます。


こう全てを見ると1と2の案を組み合わせるのが、今の時点では現実的といったところでしょうか。青函トンネル自体はゾーン539の相性があるよう50kmちょっとの区間です。この区間を現在の予定140km/hで新幹線が走行すると20分程度かかってしまうのに対し、普通の新幹線のように260km/hなら10分程度で走行できます。東海道新幹線の涙ぐましい努力を見ると、この区間もどうにかして高速化したくなるのも分かります。今後の技術開発やアイディアに期待ですね。

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2016年1月2日土曜日

北海道新幹線青函トンネル問題を整理する その1




今回はいろいろな議論がされてきた青函トンネルの共用走行問題について、私自身もう一度整理したいこともあり、2回に分けて紹介しようと思います。
記事作成日: 2015.10.04/記事更新日: 2016.01.02
津軽海峡線を走るEH500牽引の貨物列車
木古内付近を走るEH500形牽引の貨物列車

青函トンネルは新幹線を前提に作られた

青函トンネルは建設の段階から新幹線が走れるようにされていました。1988年に開業してから25年以上新幹線は走ることがなく、特急電車や貨物列車が運行されていました。北海道新幹線開業にあたり、当初の予定通り新幹線が運行することになったわけですが、一つ大きな問題が生まれました。旅客は全て新幹線に移行するとしても、25年に渡り北海道の物流を支えてきた貨物列車を廃止することは出来ません。

そこで青函トンネルを含む一部区間を、貨物列車と新幹線の両方が走る共用走行区間とすることにしました。しかし、それはそれでまた別の問題が発生してしまいました。この記事ではどういった工事が行われ、どのような問題が発生したかを紹介します。次回の記事北海道新幹線青函トンネル問題を整理する その2ではどのような解決法が検討されているか紹介します。

北海道新幹線のためにどんな工事が行われたか

北海道新幹線開業にあたり、青函トンネルを含む共用走行区間「新中小国信号場~青函トンネル~湯の里知内信号所」間で大きく分けて4種類の工事が行われました。

・新幹線と在来線の共用を可能にする三線軌条化
・新幹線と在来線の中心位置がずれることによる架線の偏移の調整
・新幹線と同じ電圧25kvへの電圧変更
・古くなったATCの更新及びそれに関するケーブル敷設

これが主なところとなっています。それでは一つづつ解説します。

三線軌条化

北海道新幹線共用区間の三線軌条
北海道新幹線の三線軌条
急行「はまなす」より撮影
在来線と新幹線では線路の幅が違い、新幹線より在来線のほうが狭くなっています。貨物列車は九州から北海道まで走る列車もあり、在来線に合うような一般的な規格で作られています。そこで問題解決のために、線路を一本だけ共有して3本にします。こうすることで新幹線と在来線が同じ区間を走れるようになります。この方法はミニ新幹線や一部私鉄線で実績のある方法ですが、高速走行予定の新幹線区間では初めての採用です。

架線偏移の調整

三線軌条の写真を見ていただくと分かりますが、三線軌条区間では在来線と新幹線では車両の中心が異なってしまいます。通常電車の架線は、線路の中心にくるよう張ればいいのですが、三線軌条区間では新幹線線路の中心と在来線線路の中心の間にする必要があり、その調整が行われました。

2500kV化

元々共用区間の電圧は東北地区のJR在来線で一般的な、交流20000Vでした。しかし、新幹線は交流25000Vで電圧が異なります。そのため共用区間の電圧を新幹線と同じ電圧へ変更し、貨物列車を牽引する電気機関車を交流20000Vと交流25000Vで走れるようにして対応しました。

ATCなどの信号設備更新

列車制御システムは青函トンネル建設時に整備新幹線計画へ含まれるようになった時に、ATCを採用することが決定し新幹線用ATCに準ずるシステムで構築しました。しかし、現在の新幹線は青函トンネル建設時より新しいATC、デジタルATCになったため、青函トンネル内のATCも更新することになりました。

新幹線と在来線が共用するとどんな問題が起きるか


・新幹線と貨物列車双方にダイヤ上の制約が生まれる
・すれ違い時の安全確保
・コンテナの飛散対策

ダイヤ上の制約


貨物列車は設計上100キロを上回る程度までしか速度を出せません。青函トンネルを走る貨物は、南は福岡からと様々な場所を基点に走るので100キロ以上出せる専用車両を融通するのは現実的ではありません。そして新幹線は本来200km/hを超えて走るよう設計されているので、貨物にあわせて走るということは大きな無駄が生じます。

すれ違い時の安全確保

次にすれ違い時の問題ですが、コンテナ車はトンネルを相対速度200km/hですれ違うことは想定していても、300km/hなどは想定していません。想定以上の速度ですれ違えばコンテナが吹き飛ぶなど何が起こるか分かりません。重い荷物をつんでいる時は対策のしようもあるかもしれませんが、軽い荷物であったり空のコンテナである場合もあり、対策を余計に難しくしています。

コンテナの飛散対策

何らかの理由で貨物が脱線したりして、積載物の飛散が起こった場合新幹線に衝突してしまいます。その対策も必要とされています。

それでは次回の北海道新幹線青函トンネル問題を整理する その2でどのように緩和・回避するかを書いてみたいと思います。

余談なのですが、現在厳密な意味での新幹線との線路共用が行われているの区間はありません。秋田新幹線の一部区間は三線軌条化さていますが、在来線扱いなので新幹線との線路共用ではありません。この区間は旅客列車のみとの共用ですが過去には山形新幹線にあった三線軌条区間では貨物列車との共用があったと思うので、青函トンネルと似た状況の路線が存在したことがあります。

青函トンネルは安全上火気厳禁なので可燃物を積載した車両は原則として通行できません。そのため貨物列車もコンテナ主体で可燃物を積載しないものとなっています。ただし、厳密には自動消化機能を搭載した電源車、青函トンネル内のみ電源OFFとなる発電機付き冷蔵コンテナなどの例外があります。

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2015年9月16日水曜日

北海道新幹線試験で津軽海峡線全面運休




JR北海道は北海道新幹線開業に向けた地上設備の切り替え試験のために、津軽海峡線を複数回にわたり全面運休すると発表しました。
記事作成日: 2015.07.17/最終更新日: 2015.09.16

年末の試験内容は運行管理システムが中心

津軽線蟹田駅を通過するEH500形貨物と停車中の701系
蟹田駅にて
津軽海峡線を走るEH500形


・貨物列車が共用走行区間と在来線を直通できるか
・新幹線と貨物両方を走行させた状態で24時間安定稼動できるか

北海道新幹線開業を見据えて現在の在来線用管理システムとは別に、新幹線用管理システムの「CYGNUS」と新在来線用運行管理システムが開発されました。新幹線開業後は二つのシステムが連携して制御を行うことになっていて、年末の行うのはその試験です。

現在「青森~青函トンネル~五稜郭」間を通過する貨物列車は、在来線用の運行管理システムが制御を行っています。

それに対し、北海道新幹線開業後は「青森~新中小国」と「木古内駅手前~五稜郭駅」は新在来線用運行管理システム、共用走行区間や青函トンネルを含む在来線の「新中小国~青函トンネル~木古内駅手前」と、北海道新幹線全線にあたる「新青森~青函トンネル~新函館北斗間」は「CYGNUS」が制御を行うことになります。

分かりにくいと思うので、列車ごとにも説明します。「青森~五稜郭」間を走行する貨物列車の場合、「青森~新中小国」間は新在来線用運行管理システム、「新小国~青函トンネル~木古内駅手前」間は「CYGNUS」、「木古内駅手前~五稜郭」間は新在来線運行管理用システムが制御します。対して新幹線は「新青森~青函トンネル~新函館北斗」間全てを「CYGNUS」が制御します。

現在の「青森~新中小国」と「木古内駅手前~五稜郭駅」では、新幹線開業後用の新運行管理システムが稼動していません。そして現在稼動している運行管理システムは「CYGNUS」と連携することができません。

そのためEH800形電気機関車を使った試験では、木古内や新中小国で一旦停止した後に、現在のシステムから新システムへの切り替えを行って試験を行っています。なので目的の一つとしては、線路を新システムへ切り替えた状態で「青森~青函トンネル~五稜郭」間をEH800形が走行し、北海道新幹線開業後と同じようスムーズに運行管理システムの切り替えが出来ているか確認することです。

現在青函トンネルの架線電圧や信号システムは試験を行う深夜の時間帯だけ北海道新幹線開業後の状態に変更し、その他の時間帯では通常の特急や機関車が走れるよう元に戻しています。二つ目の目的として、北海道新幹線開業後と同じように架線電圧と信号システムを変更し、24時間稼動させても問題ないか確認することがあります。

また、北海道新幹線の列車はJR東日本の東北新幹線と直通するわけですが、そのために「CYGNUS」はJR東日本の新幹線運行管理システム「COSMOS」とも連携する機能を備えています。

青函トンネルを通過する全ての列車を運休

この試験を行っている間は、現在運行している車両は通過することが出来ません。そのため、特急「スーパー白鳥・白鳥」、急行「はまなす」、貨物列車の全てが運休になります。関連して江差線や津軽線の一部列車も運休予定です。

なぜこの日程になったかと言いますと、物流量が減る時期を狙ったからだそうです。現在も夜行列車が度々運休していますが、夜行列車の運転日程からこの時も旅客需要より物流が減るかを優先してして運休していることが分かります。

元旦と3月に実施

11月1日に行われる試験では、青函トンネルを通過する12月31日・1月1日始発の急行はまなすと、1月1日運転のスーパー白鳥・白鳥を全面運休します。青函トンネルを通過しない江差線列車も12月31日の函館出発9時以降から1月2日の始発列車などが運休します。

さらに3月22日~25日にも行われます。こちらは試験ではなく、地上設備の切り替えを行うために運休が発生します。


2015年3月25日水曜日

JR貨物2015年度事業計画発表 鉄道について解説




2015年3月23日にJR貨物は平成27年度事業計画を発表しました。その中でも鉄道に直接関係のあることをピックアップ・解説したいと思います。

JR津軽海峡線を走るED79形電気機関車
置き換えが進む予定のED79形電気機関車

信号関係

・新型ATSの機関車への搭載
・貨物駅構内へATS速度照査地上子の新設推進
・鉄まくらぎ投入、連動装置取替え、入換信号LED化

事業計画には新型ATSとだけあったので調べたところ、ATS-Psの搭載拡大のようです。

ATS-PsはJR東日本の地方路線に設置されるとの多い信号システムで、ATS-SnやATS-Sxの上位互換にあたるシステムです。既にJR東日本の路線を走るEF81形・EH500形・EH800形・EF510形・EH200形の一部に搭載されているようですが、その搭載を拡大するようです。

これに合わせて以前から行っていたATS-Ps地上子の貨物駅構内への設置を引き続き行います。

車両関係


・老朽化した車両の更新、車両不具合対策強化
・HB300形の導入拡大
・北海道新幹線との共用のための準備
・31ftコンテナの増備、定温輸送システム構築検討
・ハイキューブ海上コンテナ用低床貨車の実験など

去年発表された12両の機関車新製というのがありましたが、今回も形式ごとの具体的導入数などの発表はありませんでした。

北海道新幹線の青函トンネル共用に向けてED79形の置き換えが必要なこと、入換え用ハイブリッド機関車のHB300形導入の拡大という発表から考えると、新製車両の半分がEH800形で残りがHB300形とその他になるのではないでしょうか。

北海道新幹線の準備・試験などは去年から本格化していますが、EH800形などを使い今年も引き続き行われます。

ハイキューブコンテナは通常のコンテナより30cm高さの高いコンテナです。輸送重量を増やすのではなく、軽量貨物を多く運びたいというニーズで使われているものです。鉄道輸送の場合は背が高い分コンテナ車の床面を下げる必要があります。

日本では高さ制限の関係から使用が難しかったのですが、道路整備などで輸送可能な道路を増やしてきました。その流れから開発を進めることになったのだと思います。

また、国際コンテナで主流の40ftコンテナは今の鉄道コンテナ車だと積載時にスペースの空きが出てしまいます。そのあたりの対策も新型貨物車で進めてくるのではないかと思います。

ダイヤ

・列車ダイヤの新設、輸送力増強と見直し

トラックドライバー不足で追い風が吹いています。今年のダイヤ改正も輸送力増強がメインでした。輸送力増強を主軸に行い一部採算の悪い路線を見直すといったようになると思います。

詳しくはJR貨物HPニュースリリース2015.03.23掲載の「平成27年度事業計画を掲載しました」で見ることが出来ます。ピックアップしたこと以外にも色々と書いてあるので、興味のある方は読んでみてください。

※関連記事
JR貨物2015年度ダイヤ改正 山陰線貨物全廃と輸送力増強


2015年2月27日金曜日

梅小路新駅開業のた梅小路~丹波口間を廃止へ




2015年2月17日にJR西日本は東海道線「梅小路~丹波口」間を2.3キロメートルを2016年2月28をもって廃止すると発表しました。

廃止されるのは貨物線

今回廃止される「梅小路~丹波口」間は山陰本線と東海道本線との合流で三角形になっているうちの西大路駅付近かから丹波口駅に伸びる区間です。

この区間はJR西日本が第二種鉄道事業者としてJR西日本が線路を保有し、JR貨物が運行する形をとっていましたが2006年4月に貨物輸送が終了しました。

今後も貨物・旅客ともに営業する予定がなく、新駅を建設す予定地が京都側から山陰本線との合流地点にあたるため2019年春に開業予定の新駅建設の支障になるとして、今回廃止することになりました。廃止後は遊歩道にするなどが検討されています。

また、新駅は「丹波口~京都」間の山陰線が、七条通りと交差するあたりに建設される予定です。完成すると今まで京都駅からバスでしかいけなかった梅小路公園まで電車で行けるようになります。

この梅小路はどの梅小路?

現在梅小路機関車館の側に駅が無いので新駅を作ろうとしてるのに、「梅小路~丹波口」間の「梅小路」ってどこのことだ?と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?

梅小路機関車館の側に東海道線と並走する形でコンテナを取り扱う京都貨物駅というのがあります。ここが1913年から2011年まで梅小路貨物駅でした。なので、書類の都合上「梅小路~丹波口」間という表現になったのだと思います。


2015年2月13日金曜日

JR貨物 1月分輸送動向と年度末臨時列車発表




2015年2月12日にJR貨物は1月分の輸送動向と2014年度末の臨時列車について発表しました。

1月分輸送動向について

1月上旬は暴風雪の影響で高速貨物122本が運休(前年は6本)になったにもかかわらず、コンテナ列車全体では平年並みでした。自動車部品が79.2%・家電と情報機器が85%などと大きく減ったものの、農産物と青果物は120.2%・食料工業品が110%・積み合わせ貨物が105.7%と大きく伸びたためにコンテナ列車全体としては101%と僅かに伸びました。

一方、セメント・石灰・石油などの専用貨物車両を使った車扱貨物は88.2%で減少となりました。理由としては、石油列車の北海道での運転終了で89.4%の減少・セメントや石灰などは定期修繕などによる運休などで72.9%の減少を挙げています。

コンテナ列車と車扱貨物の全体としては96.4%の減少となっています。

平成26年度(2014年度)臨時列車運転について

トラックドライバー不足などの理由から鉄道貨物の利用が増加していますが、今年度はトラックドライバー不足の深刻化や引越し需要も合わさり例年よりも大きな需要が発生すると予想されます。そのため、3上旬~4月初旬までに昨年より39本多い126本の列車を追加運転します。

また、通常1週間前から受け付けるコンテナ輸送枠を4週間前から受け付けるサービス「コンテナ輸送枠先行申込」の対象列車を85本から108本へ拡大します。

これらについて詳しく知りたい方はJR貨物ホームページニュースリリースの2015年2月12日発表「輸送動向について(平成26年度1月分)」「平成26年度年度末における臨時列車の運転等について」をご覧ください。


2015年1月14日水曜日

EH500形の入線可能線区が拡大?




2014年10月に発生した土砂崩れにより東海道線不通になることがありましたが、それを教訓としたJR貨物の対策の検討の一つに興味深いものがありました。それは「汎用性のあるEH500形式電気機関車の主要線区入線確認検証」というものです。

大宮駅停車中のEH500形牽引の貨物列車
JR貨物EH500形

なぜEH500形?


EH500形は50/60Hz対応の交直両用電気機関車で、現在も北は北海道・南は九州と非常に幅広く活躍している車両です。特徴的なのは4軸の電気機関車2両を1セットとして運用していることにより、軸重の分散や青函トンネルや山岳線などの急勾配線区の対応を可能にしています。車体も青函トンネルや関門トンネルなどの高温多湿、雪風の多い海辺の線区に対応する強固なものです。

以上のような設計から理論上は貨物列車が走行している大部分の区間に乗り入れることが出来ます。ですが、理論は理論なのでそれを実際に確かめるための試験を行い、災害時などの迂回輸送に使用しようというのが今回の検討ということです。

以前に実績として東日本大震災の時は上越線などを経由した、日本海周りの迂回輸送を行ったことがあります。

現在の運用区間としては関東~函館の青函輸送や、門司~下関を中心とした運用が行われています。北海道新幹線開業に合わせてEH800が新製されたため、今の運用では北海道方面では若干の余剰が生まれるはずです。そのあたりもあってのEH500の抜擢なのかもしれません。

トラブルに備えるためにEH500形が思わぬ線区で試験を行う姿が今後見られるかもしれませんね。

また、JR貨物はその他にも様々対策を検討しています。詳細はJR貨物にある「東海道線列車運行不能時における対策等検討状況について 」で読むことができます。

2014年12月22日月曜日

JR貨物2015年度ダイヤ改正 山陰線貨物全廃と輸送力増強




JR旅客各社がダイヤ改正を発表したのと同様に、JR貨物も春のダイヤ改正を発表しました。

武蔵野線新座駅を通過するEF64牽引の貨物列車
EF64形牽引の貨物列車

環境負荷低減のためのモーダルシフトやトラックドライバーの不足から輸送力増強を主としたもので、九州・東北方面の輸送力を増強し、中国・山陰方面はダイヤ見直しが行われました。

・東京貨物ターミナル→福岡貨物ターミナル 1本増発
・大阪貨物ターミナル⇔鳥栖貨物ターミナル 1往復 1000tから1200tへ輸送力増強
・隅田川貨物駅⇔大館 エコ関連貨物列車1往復 (12ft×100個)
・東京貨物ターミナル⇔東福山貨物駅 1往復ダイヤ見直し
 (東京タ→東福山速達化・東福山→東京タ発駅変更)
・伯耆大山駅(ほうきだいせんえき)にコンテナホーム新設し米子駅機能を移転
 これにより米子駅発着列車2往復を伯耆大山駅に変更
・機関車12両、コンテナ車178両、コンテナ5000個の新製

現在伯耆大山駅は王子製紙の専用線向けコンテナ専用貨物のみを取り扱っていてコンテナホームはありません。同駅は国道9号線に接しておりアクセスが良いためコンテナホームを設置し、米子駅の貨物取り扱いを廃止し伯耆大山駅へ一本化することになりました。これにより山陰本線伯耆大山駅⇔米子駅の運行がなくなり、山陰本線の貨物列車は全廃となります。

また、紙面には理由が書いていないので私の推測になりますが、隅田川⇔大館のエコ列車については、秋田周辺で盛んな鉱山業を元に発展した金属のリサイクル産業が盛んになってます。なので、そういった需要向けの列車だと思われます。

新製する機関車ですが、以前青函トンネル向けEH800形の2014年度・2015年度の新規製造はそれぞれは6両と報道があったので、半数がEH800形になると思われます。

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2014年10月9日木曜日

東海道線不通で佐川急便出荷受付中止を発表




佐川急便は東海道線が不通になり九州向けのJRコンテナが使用できないため関東方面から九州方面への荷物の出荷を一次停止しました。

近年トラックドライバーの高齢化や人材不足で鉄道貨物への期待が大きかっただけに残念なニュースです。
九月末にも東京貨物ターミナル発~吹田貨物ターミナル行きの列車を延長運転して福岡貨物ターミナル行きとする臨時列車の発表があったばかりでした。
スーパーレールカーゴに関しては不通になった場合は停車できる近くの貨物駅まで列車を走らせた後、佐川急便が迅速にトラックを手配して積み替える体制をとっていたはずなので、大阪までは何とか手配できたが九州方面までは手が回らなかったのかもしれませんね。

ちなみにヤマト運輸のホームページも覗いてみましたが、これちらは受付停止などは出ていないようです。
今後佐川に頼めなかった荷物が流れてくると思うのでそのときどうなるかは分かりませんが、こんな時でも輸送力を確保できているのは流石としかいいようがないですね。
大型投資だったCMでもよくやっている新しい物流拠点の処理能力が寄与しているのでしょうか?
ちなみにこの羽田だにできた物流センターは見学も出来るみたいなのでいずれ行ってみたいものです。

何にせよ一刻も早い東海道線の運転再開を願うばかりです。

2014年10月8日水曜日

貨物輸送の今後を考えさせる東海道線土砂災害




武蔵野線新座駅を通過するEF210形牽引の貨物列車
武蔵野線新座駅を通過するEF210牽引のコンテナ貨物列車

おととい通過した台風の影響で東海道線は3箇所で支障が発生し、そのうち一箇所の興津駅~由比駅に関しては運転再開の見込みが立つまでもう少しかかるようです。このことで東海道線を走る貨物列車も影響を受けて運休しているのですが、それはJR貨物が運行する列車の18.4%にあたる90本でコンテナ約11000個分の輸送力になります。北陸線周りで一部列車の迂回輸送が始まったものの東海道線の輸送力の7.2%にあたる800個分にしかならず、トラックでの代行輸送も開始する予定です。

近年の大規模迂回輸送と言えば東日本大震災を思い出しますが、あの時は使わなくなって留置されていた車両重量の軽いタンク車をかき集めたりして普段貨物列車の走らない陸羽東線などを経由して石油輸送を行ったりがありました。鉄道貨物の輸送区間は年々短くなっていることや、幹線を走ることを前提する貨物車両になることで貨物列車が走れる区間が減っています。これは鉄道輸送がトラック輸送などに対向できていないのとJR各社の線路を借りて走らせているのでJR貨物の立場が弱いことによるものだと思います。なので迂回輸送での対応は年々難しくなっています。

また、JR貨物は災害などの輸送障害などが発生した場合はトラック輸送や船舶での輸送で代行輸送が行えるよう対策をしていますが、今回の規模だとあらかじめJR貨物が用意したものだけでは難しいと思います。それでも物流業界はトラック運転手の不足などで貨物列車を必要としていないわけでもありませんので、いろいろなミスマッチの結果が今の状態なんだと思います。

今回は東海道線の一部区間が不通になっただけで大きな災害が起きたわけではありません。それでも大きなダメージが鉄道貨物を襲い、輸送業界全体でも無視できるレベルではないはずです。
この区間は南海トラフや富士山の噴火で鉄路に限らず更に大きな障害が発生してもおかしくない区間ですが、その割には迂回対策や代行輸送での対策が進んでいないよう私は感じました。なのでどのような対策が可能かいずれ調べてみたいと思います。

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