2021年11月27日土曜日

205系の異端車 珍しいJR相模線205系500番台を紹介




 205系の中では少し変わった経緯や特色を持つ、相模線用205系のJR東日本205系500番だについて解説します。

205系では珍しい短編成用新製車

橋本駅に到着する205系500番台
橋本駅に到着する
JR205系500番台
相模線の205系500番台は、205系が新規製造時に通勤線区を中心に投入された中、4両編成という短い長さで投入された珍しい車両になります。

205系は国鉄末期からJR初期に製造された通期電車で、回生ブレーキの採用などで高性能・省電力化した反面高価になってしまった201系を反省し、コストを抑えつつ性能と省電力を維持した上に更なる軽量化を進めた通勤電車です。

赤羽駅を出発する埼京線205系
10両編成の
JR埼京線205系
通勤電車であるため新規製造時、初期の国鉄時代投入線区は山手線や東海道線緩行線(関西地区)に投入され、その後のJR発足後の平成初期に阪和線・横浜線・京浜東北線・埼京線・相模線・南武線・中央総武緩行線・京葉線・武蔵野線と通勤線区を中心に新製投入が行われました。

上で挙げた新製時の投入線区を見ると分かりますが、首都圏や関西の混雑線区が中心の投入が行われました。そんな中で郊外線区の特徴が強い相模線への投入は、珍しいものでした。

顔が特注の500番台

相模線205系500番台先頭車両
専用デザインの前面
相模線用の205系は500番台という区分を与えられています。この500番台という区分は、相模線用の205系のみで使われています。つまりその205系だけが持つ特色があります。

205系500番台は1991年春3月16日に相模線電化されるの期に、4両13編成が新製投入が実施されました。そのため全ての車両が1991年1月から電化直前3月までに製造された兄弟車両となっています。13編成のうち第12編成にあたるR12編成中間2両と、R13編成はJR大船工場製造でそれも特徴です。ちなみに大船工場は技術維持のため107系、205系・209系・E217系のごく一部を製造を行いました。

500番台だけの大きな特徴として、前面デザインがあります。JR初期という時代や電化というタイミングもあり、205系500番台の専用のデザインとなっています。地下鉄車両のような、運転台と反対側に縦型の大型窓を採用しています。

丸形ヘッドライトの0番台とは違う前面デザインは、京葉線・武蔵野線用のメルヘン顔と言われたデザイン、阪和線用の前面展望を考慮して運転台側窓をちょっと窓を大きくした205系1000番台があります。

今ではどの205系にも付いているスカートですが、最初から装着しているのはこの205系500番台からとなっています。

短い4両編成

205系のうち新製時に4両で投入されたのは、相模線と阪和線向けの車両だけとなっています。これも一つの特徴です。

もっとも現在は首都圏を中心に、E231系やE233系投入により余剰になった205系を2~4両に短編成化した車両が、新たに日光線・宇都宮線・鶴見線・南武線・仙石線(宮城県)で活躍しているため、短編成の205系というのは珍しくはなくなりました。

原型と改造後の特徴が同居する

205系500番台は投入時からずっと相模線で活躍している車両です。運行時に必要な改造は少しづつ行われているものの、転属時に行われるような改造は行われていないため、登場時の原型と改造後の特徴が同居しているのも特徴です。

JR205系500番台の車内
更新があまりされていない
205系500番台の車内
車内は登場時からあまり改造されていないように見えます。転属時などに行われた、ドア横の座席の仕切りの増設なども行われていません。つり革も優先席付近以外は登場時に近く、丸形の持ち手にベルトタイプの紐を採用しています。モケットも山手線や埼京線205系などで標準的に使用されていたものが、引き続き採用されています。

205系500番台の白色LEDライト
前面ではヘッドライトは初期の白熱電球タイプから、白色LEDに変更されています。一方で、行先表示器は方向幕タイプで、列車番号表示器は7セグメント表示のデジタルタイプが引き続き採用されています。

205系500番台のJRマーク
先頭車両のJRマーク
側面の行先表示器は方向幕がそのまま採用されています。先頭車両のドア横には最近はあまり見られなくなった大型のJRマークのシールが貼りつけられています。

ドア横には半自動ドアボタンが設置されています。このスイッチは205系では珍しく登場当時から搭載されているのも特徴です。

走行機器は大半がそのまま

走行機器については間違いが無いよう調べたつもりですが、間違いがあった場合はご了承ください。

205系500番台の台車
台車
台車はボルスタレス台車で電動車にDT50Dを採用し、付随車にTR235D採用しています。モーターは120kWのMT61を採用しています。

205系500番台の主制御器と励磁装置
主制御器と励磁装置
主制御機器は登場時のまま界磁添加励磁制御で、主制御機器にCS57形・励磁装置にHS52A形を採用しています。

205系500番台の床下機器
コンプレッサーはレシプロ式でMH-3075A-C2000Mを採用していて、昔ながらのブロロロ!という音を聞くことが出来ます。発電機はDM106で、SIVへの改造は行われていません。

205系500番台の冷房装置のAU75G2M
ベンチレSーターと
冷房装置AU75G2M
屋根上の冷房装置はAU75系列を使用していて、私が見た編成ではAU75GMとAU75G2Mを採用していました。そして空気取り入れようのベンチレーターもそのまま付いています。

このように多くの機器は登場時を維持していますが、いくつかの走行機器は更新されています。

更新された205系500番台のパンタグラフPS33E
ひし形パンタグラフPS21より更新された
シングルアームパンタグラフPS33E

パンタグラフは登場時はひし形パタングラフのPS21形を採用していましたが、雪に強くメンテナンスもしやすいシングルアームパンタグラフのPS33E形に変更されています。

モニター装置はPC-98シリーズの産業用版FC-9800をベースにしていたMON5型を採用していましたが、MON3型に更新されています。

さよなら205系500番台

そんな205系500番台ですが、2021年11月18日に新型車両のE131系500・580番台の運行が開始されました。

運行開始まで11月18日までに大半の編成が置き換え可能な9編成が完成しているものの、運用は1日1運用程度にとどまっています。今後順次運用が拡大していくと見られます。

今の置き換えペースであれば来年のダイヤ改正には全てが置き換え完了となりそうです。なので相模線での活躍を見たければ、マナーを守って今年度中をお勧めします。

このまま廃車?

元々郊外線区用に作られたので半自動ドアが付いていて地方私鉄向けにはぴったりな反面、需要の減っている地方では4両は持て余し気味な上に、車内も手を加えられていないので大きな改造が必要な場合多いと思われます。

一方でインドネシアのジャカルタでは4両の205系が走り始めて、需要はありそうです。ただ、インドネシア政府が中古車両の輸入を終了する方向で、205系の輸出は武蔵野線からの分でひとまず終了となっているようなので、そちらも微妙です。

このまま廃車になってしまう可能性は大きそうに思えますが、どうなっていくでしょうか。



2021年11月15日月曜日

東武鉄道ペーシア後継N100系導入へ JR・地下鉄乗り入れは無し




 東武鉄道は100系特急スペーシアの後継として、N100系を2023年度に導入すると2021年11月11日に発表しました。これにより100系の一部の置き換えが進むと思われます。今発表されている内容から、解説やスペーシアとの比較をしていきます。


カーボンニュートラルを打ち出した車両

置き換え予定の
東武100系スペーシア

型式: N100系
導入車両数: 6両×4編成
運行路線: スカイツリーライン・日光線・鬼怒川線
車両製造会社: 日立製作所

車両形式はN100系、愛称はまだ未定です。しかし、「Connect & Updatable~その人、その時と、つながり続けるスペーシア~」をコンセプトに打ち出しているため、スペーシアという名前は何らかの形で残りそうです。

COP21が実施されている中での発表で、製造から運行までカーボンニュートラルを打ち出し、実質CO2排出量が0になる予定です。他の交通より環境に優しい鉄道の要素を、より強く打ち出した形です。保守的な東武鉄道としては、素晴らしい取り組みだと思います。

導入車両数は6両×4編成の24両を予定しています。現在100系スペーシアは9編成が在籍しているため、半分程度がまず置き換えられると思われます。


白ベースの前面展望特急?

100系スペーシアでも採用されている個室は、引き続き採用されます。100系スペーシアでは営業を終了したビュッフェですが、日光・鬼怒川の商品を提供するカフェカウンターが採用されるため、こちらも形を変えて継続します。座席数212席としており、現行のスペーシアの284席より大きく減っています。そのため、座席の配置は大きく変わるのではないでしょうか。

カラーリングは今のスペーシアと同じ白ベースで、日光東照宮より着想を受けた仏閣や日本人形に使われるs白色塗料の胡粉(ごふん)をイメージした色となります。スペーシアとは違い車体帯は無く、窓付近に黒のアクセントが入ります。

車両デザインは先頭車両の前面デザインが、近鉄特急の「ひのとり」に似たデザインです。そのため前面展望が出来る車両になるのではないでしょうか。大型側面窓は先頭車両のみ個室がある関係か、窓割も違って六角形のデザインとなります。

車両製造メーカーは日立製作所となります。50000系・60000系と日立製作所を採用していた東武鉄道ですが、70000系は近畿車輛・特急500系リバティは川崎重工製だっため、久々の日立製作所製です。日立製作所はアルミ合金使った特急から通勤電車まで対応出来る、「A-Train」シリーズを売りにしています。そのため車体も100系スペーシアと同じくアルミ合金が引き続き採用される模様です。


JR乗り入れは今のところなしで地下鉄線は不可

運行路線はスカイツリーライン・日光線・鬼怒川線鬼怒川線駅までとしています。500系リバティが汎用性重視で、東武本線系統の様々な路線に乗り入れられるのと比べると対照的です。また、6両固定という関係もあり、変電設備の容量が厳しい野岩鉄道や会津鉄道には乗り入れないようです。

100系スペーシアのうち3編成がATS-PなどJR乗り入れ対応装備を装着しており、日常的に栗橋駅からJR線に入りJR新宿駅まで乗り入れています。今発表されている線区には含まれていないため、今のところJR線には入らないようです。今後についてはあり得るかもしれません。そのため、スペーシアはJR乗り入れ編成のほうが、暫くは確実に運行継続されそうです。

また、先頭車両が非貫通デザインで法律上必須の非常時脱出用貫通扉がないため、どうやっても地下鉄乗り入れ対応は法律上出来ません。そのため地下鉄乗り入れはあり得ません。

そのまま廃車?100系スペーシア

置き換えが行われた後の100系スペーシアですが、今のところ発表はありません。順当に考えれば、特急りょうもう用の200系がDRCの部品流用車で部品単位では50年物で、そちらへの玉突き転属となります。

ただ、単純にそうならない可能性もあります。

東武100系も導入が平成初期のため30年程度経っている上に、VVVFなどの電装系など普通の鉄道会社なら行っている大幅な機器更新を行っていません。そう考えると車両の痛み具合によっては廃車のほうが安くつく可能性もあります。そこまで考えると、どう転ぶかは判断し辛いところもあり今後の動向に注目です。


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