2015年4月30日木曜日

東武鉄道2015年度業計画発表 新規急行運転は2016年春から




2015年4月30日に東武鉄道は鉄道事業投資計画を発表しました。東上線地下鉄直通急行や野田線急行運転開始の時期など、その中でも気になるものをピックアップして紹介・解説します。

車両関係

野田線春日部駅に到着する東武60000系
今年度も導入予定の60000系


・新型特急500系導入
・60000系2編成の導入
・10000系24両のリニューアル
・東上線TJライナー増発と地下直急行のため車両工事

2017年春の運行を目指す新型特急が導入されます。ただし、納入も2016年度ということなので、今年度は大きな動きはないと思われます。

東武アーバンパークライン(長いので以下では野田線と呼びます)向けに60000系が2編成12両が導入の予定です。10000系列の野田線への転属については今年度は行われないようです。

10000系は24両がリニューアルの予定です。おそらく今年度も東上線の10030系と本線の10000系が更新対象なのではないかと思います。気になる点としてはVVVFへの更新が書かれていないことです。もともと全ての車両を対象に行っていたわけではないので、今年度はVVVF化が実施されないのかもしれません。

去年発表のあった東上線の朝ラッシュでのTJライナー運転と地下鉄直通急行の運転予定が2016年春と明記されました。これに向けて駅務機器と車両設備が改修されます。

また、去年発表のあった日比谷線向け新型車両については触れられていませんでした。東京メトロの事業計画も同様だったので、2016年度以降に足並みを揃えて行うのかもしれません。

事業計画には無かったC11形蒸気機関車運転の発表がありました。詳しくは記事下部の関連記事を参照ください。

駅や地上設備など

東上線を走る東武30000系
東上線ATC化により地上信号が消えている様子


・和光市駅ホームドア設置
・東上線「川越市~池袋」間ATC化
・野田線急行運転のための工事
・橋上駅舎化

去年設置の発表があった和光市駅のホームドアですが、2015年度中に完成の予定です。川越駅に関しては2017年度に完成予定です。

2015年1月より「小川町~川越市」間の信号システムが東武型デジタルATC通称「T-DATC」に更新されましたが、今年度中に「川越市~池袋」間でも使用開始されます。これにより東上線系統では、東上線・越生線のワンマン区間以外で信号が姿を消します。

野田線の「大宮~春日部」間の急行運転開始予定時期が2016年春と発表されました。これに合わせて今年度は踏切の制御回路の改修と曲線改良工事が実施されます。どちらも急行運転で今までより列車が早く通過することで発生する問題に対処するためです。



小田急 MSE投入など2015年度事業計画発表




2015年4月30日に小田急電鉄は2015年度鉄道事業設備投資計画を発表しました。

千代田線に乗り入れる小田急4000形

2015年度も継続のもの

・デジタル無線への更新
・災害対策の工事
・各停停車駅の10両化
・複々線工事
・駅の設備のリニューアル

去年と変った部分をピックアップしますと、災害対策として法面工事が「小田急相模原~相部台前」で着手されます。

2015年度中に完成・投入など

・6000形特急電車(MSE)を10両製造
・1000形通勤電車の大幅リニューアル
・D-ATS-Pの小田急全線での使用開始
・変電所の設備更新
・タブレット端末の乗務員や駅係員への支給

地下鉄千代田線乗り入れ対応の特急電車6000形が、6両1編成と4両1編成の計10両新造されます。

1000形通勤電車は4両1編成がリニューアルされます。内容としては去年と同様にLED照明化・LCD・自動放送・車椅子スペースの設置など車内のサービスの向上のほか、主電動機(モーター)・補助電源装置(SIV)・コンプレッサーの更新など低騒音化を目的とした足回りの更新も行われます。昨年に小田急が発表した内容ではワイドドア車を除く160両を更新とあったので、今後も継続して更新されていくと思われます。

更新完了区間から順次使用の開始していたD-ATS-Pが今年度中に全線で使用開始されます。D-ATS-Pは新しい信号システムのことです。現在「新宿~新百合ヶ丘」間で運行終了後に深夜試験が5月9日までの予定で行われています。なので、全線での使用はそれ以降になりそうです。

古くなった変電設備が更新されます。今年度は海老名・湘南台・永山にある変電設備が対象です。

外国語翻訳やリアルタイム列車位置情報表示機能によるサービス向上を目的としたタブレット端末が特急乗務員や各駅係員に支給されます。JR東日本でもiPadを様々な部署に配布するなどしていますが、列車位置情報は専用アプリから一般向けにも開放されています。小田急でも同様のサービスが開始されていくかも注目です。

※関連記事
小田急「新宿~新百合ヶ丘」で深夜試運転日程について発表


2015年4月28日火曜日

JR東日本 2015年度設備投資計画を発表




2015年4月28日にJR東日本は2015年度設備投資計画について発表しました。その中から鉄道に直接関係のあるものをピックアップして紹介したいと思います。

新宿駅に停車中のE351系特急スーパーあずさ
中央線スーパーあずさを中心に活躍する
E351系特急電車

車両関係

・南武線E233系の投入継続
・新潟地区E129系投入継続
・E353系量産先行車の投入
・GENBI SHINKANSEN運行に向けたE3系改造

事業計画に記載されていた車両関係の情報は以上です。

今まで未発表の新しい情報はとくに有りませんでしたが、せっかくのなので以前発表された情報を元に事情計画に記載されていた今年度の新製車両について紹介します。

南武線は去年からE233系の運行が開始されていて、計35編成の投入が予定されています。

E129も去年から運行されていますが、新潟地区の115系置き換えのため今年も投入が続けられます。

E353系は中央線特急スーパーあずさを中心に使用されているE351系の置き換え用車両で、予定通りですと夏以降に量産先行車が落成の予定です。

「GENBI SHINKANSEN/現美新幹線」は上越新幹線で運行予定のジョイフルトレインで、名前の通り現代アートをテーマにした列車です。E6系投入で余剰になったこまち用E3系が使用される予定で、運行は2016年春以降の予定です。

その他投資

安全対策はホームドア・耐震補強・降雪時の分岐器不転対策・ATOS更新など2014年度と概ね同じようなことが書いてあります。しかし、先日の山手線の架線柱が倒れるトラブルがあったからだと思いますが、「電車線支持物耐久補強」という項目が追加されました。

もう一つ去年に無かった項目は、新技術の導入として「電力貯蔵装置新設」があります。これは回生ブレーキで余剰になった電力をリチウムイオン電池などに一時的に貯蔵し有効活用する設備で、近年大手私鉄などを中心に普及が進んでいます。イメージ画像に209系3000番台が使用されているので、八高線か川越線に導入されるのかもしれません。その他はCBTCとATACSの導入など2014年と同じような内容でした。

※関連記事


相鉄5月31日にダイヤ改正 変ったところを解説




2015年4月27日に相模鉄道は2015年5月31日にダイヤ改正を行うと発表しました。今回はダイヤ改正の内容について解説します。

特急運転時間拡大

平日のラッシュ前後と9時台、土休日の7時~9時台と17時~19時台に特急列車が設定されます。

海老名駅を基準とした時に始発から9時台までは急行しか走っていませんが、ラッシュの前後に海老名「6:16」「6:36」「8:11」「8:31」発の計4本の特急が設定されます。

平日の日中は10時~15時台に特急が運行されていますが、運行時間が一時間拡大して9時~15時台の運行になります。

土休日は海老名駅基準で10時~16時台に特急が運行されいますが、こちらも時間を拡大して7時~19時台の運行となります。

平日・土休日の日中の種別見直し

海老名~横浜間

特急2本→2本
急行0本→3本
快速4本→1本
各停2本→2本

快速の運行本数が見直され、快速が3本減る代わりに急行が3本新たに運行されます。

湘南台~横浜間

特急2本→1本
快速0本→2本
各停2本→4本

日中に快速が2本新設されます。その代わりに特急が1本減便されます。また、「湘南台~二俣川」間のみの運行だった各停が横浜まで延長され、「湘南台~横浜」間の各停は4本の運行となります。

平日朝ラッシュの大和駅上り始発の変更

急行4本→急行2本・各停4本

朝6時台と8時台に2本づつ設定されていた急行が1本づつに減便されます。二俣川始発の各停の運行区間が延長され、大和始発に変更されます。

その他変更

・上り 「かしわ台」と「いずみ野」発始発電車の運転時刻1分繰り上げ
・横浜駅「7:30~8:15」着の各停全てが10両編成化
・平日朝ラッシュの各停と急行の運転間隔の5分間隔化

上り 「かしわ台」と「いずみ野」発始発電車の運転時刻が始発から終点まで1分ほど早くなります。

平日朝ラッシュの各停と急行が5分間隔での運転となります。また、星川駅での2本連続退避もなくなります。

新しいダイヤについては相鉄ホームページで公開予定のほか、5月以降に各駅で冊子時刻表やポケット時刻表が配布の予定です。


あとがき

相鉄についてはあまり詳しくないので間違いが無いよう調べながら書きましたが、何かご指摘がありましたら気軽にコメント欄へお願いします。


2015年4月24日金曜日

相次ぐSL復活計画 本当に勝算があるのか?




若桜鉄道の無動力運行が話題になりましたが、地方鉄道でSLの復活を考えているところがあります。実際地方鉄道の経営の役に立てるのか考えてみたいと思います。

秩父鉄道で運行されているパレオエクスプレス
秩父鉄道で運行されている
パレオエクスプレス

SLは収益を出せるのか?

結論から言いますと「出せる場合もちゃんとある」というのが私の考えです。そこでSLを運行することで得られる収益を考えると二つあると思います。

一つ目が運賃によるものです。これはお客さんがSLを乗る際に払った運賃が鉄道会社の利益になるというもので、SLに限らず鉄道会社の収益といえばこれが基本です。例としては大井川鉄道があると思います。SLの運行本数を多く設定し、沢山のお客さんに乗ってもらうことで収益の柱になっています。

二つ目は沿線への経済効果です。今のSLは通勤や通学の足ではなく、観光のために運行されています。なので、乗りに来る人が増えれば沿線観光地や宿泊施設への波及効果が期待できます。この例としてはJR東日本釜石線のSL銀河がこれにあたると思います。SL銀河は比較的費用のかかる大型SLを使用し運行本数も少なく、おそらくSL単体では利益が出ていないと思います。しかし、JRとしても震災復興の支援という面を打ち出しているのでSL自体の利益より沿線への経済効果を狙った大企業としての地域貢献と、新幹線に乗って東京から来てもらうなどのSL銀河に乗るまでの運賃収益に期待をしているのだと思います。

この二つの視点から考えた場合、地方私鉄に直接役立つのは一つ目のほうです。そして、一つ目の効果が十分狙えなくても経済効果を目的とし、自治体が出資し地方私鉄に運行を行ってもらうことで双方の利益を狙うのも一つの手だというのが見えてきます。

ただし、それはお客さんあっての話です。そこで問題になるのが集客の問題です。

アクセスがポイント

当たり前の話ですが、収益を出すにはお客さんに沢山来てもらう必要があります。そこで重要なのが都市圏からのアクセスです。

SLを運行している私鉄を見ると秩父鉄道や真岡鉄道などは東京に近く、アクセス自体が容易です。

大井川鉄道が最近直面している問題にツアーバスの規制があります。ツアーバスの度重なるトラブルにより、運転手一人乗務で運行できる距離が短くなりました。そのため、首都圏発大井川鉄道周辺へのツアーの場合は、運転手を二人用意する必要が出てきました。これによりコストが上がり、大井川鉄道を組み込んだツアーが減ってしまいアクセスが悪くなったのが原因で乗車率が悪くなっています。

去年はかなり作りこんだ機関車「トーマス」号を運行することで減少をカバーできましたが、これは短期的なものです。長期的な集客回復が今後も課題だと考えているようです。

また、都市圏からのアクセスが確立している「秩父鉄道」「真岡鉄道」「大井川鉄道」以外のSLを運行している路線はJRによるものです。その点から考えてもアクセスの重要性が見えてくるのではないでしょうか。

アクセスで明暗が分かれる可能性

ここでSL復活計画のある鳥取県「若桜鉄道」と岐阜県「明智鉄道」について考えてみます。

若桜鉄道の場合は大阪駅から郡家駅まで特急を使っても2時間はかかります。対して明智鉄道は名古屋駅から恵那駅まで快速で1時間足らずで行けてしまいます。

なので、若桜鉄道はアクセスの時点からハンデを持っていて、明智鉄道は大きなアドバンテージを持っているのが分かります。もちろんアクセスだけが勝負ではありませんが、その点を基本とした上での戦略・予測が重要だと思います。

とまあ、今回は素人なりに書いてみました。記事でも触れた「若桜鉄道」は熱心に面白い取り組みをしているように見えます。個人的にも頑張って欲しいと思っていますし、若桜鉄道としても今回記事にしたようなことは認識していると思います。なので、次の一手に期待したいところです。

※関連記事
SL復活できるか 若桜鉄道C12無動力運転実施へ


2015年4月23日木曜日

東武鉄道 ペンギン列車と臨時TJライナー増発を発表




2015年4月23日に東武鉄道がTJライナーの増発とペンギントレインの運行を発表したので紹介します。

臨時TJライナー増発

TJライナーのLED表示


運転日: 2015年5月7日以降の木曜日
運転区間: 池袋23:20発→森林公園24:15着

毎週金曜日に運行している臨時TJライナーが木曜日にも運行されることになりました。運行期間は5月7日以降の木曜日で、運転終了日については未定です。運賃は通常のTJライナーと同様に、池袋から乗車の場合は乗車券と着席整理券310円です。

平日の池袋発急行の最終列車池袋23:25発森林公園00:24着の5分前に発車する列車です。急行の最終列車もそこそこ混むので、この臨時列車もまあまあの乗車率が期待できそうです。

※追記15.05.07
臨時TJライナー運行のため「池袋発23:12発準急森林公園行き」のダイヤが木曜日と金曜日に変更となります。ふじみ野駅でTJライナー追い越しを行うため「ふじみ野~森林公園」間で、4分ほど到着時刻が遅くなります。

ペンギントレインについて

運転日: 2015年5月17日
使用車両: 8000系8111F
運転区間: 北春日部~とうきょうスカイツリー
備考: ヘッドマークをつけて運行

東武鉄道の子供向けサイト「TOBU BomBo Kids」の企画として運転されます。子供向けとういうことで、参加できるのは「小学生とその家族の方計100名分」となります。

内容としては臨時列車内でマゼランペンギンと触れ合える他、すみだ水族館を飼育スタッフとの見学ツアー、最後はスカイツリーの展望デッキで解散となります。

記念企画のため参加費は無料です。応募は「TOBU BomBo Kids」にて4月23日~4月29日の期間で募集されます。

使用車両はヘッドマークをつけた8000系8111Fです。北春日部12:10発→とうきょうスカイツリー13:00着の予定です。

とうきょうスカイツリー駅では折り返しが出来ないはずなので、回送として浅草駅へ入線する8111Fを見ることが出来そうです。

列車にペンギンを乗せるという試みは近鉄のほうが先に行っています。沿線に水族館のある鉄道会社も多いので、鉄道会社のペンギンブームが今後広がりそうな気がします。

余談ですが、南極周辺以外の暖かいところに住むペンギンは種類にもよりますが、暑さにある程度耐えられます。今回列車に乗るマゼランペンギンも暑さにそれなりに強く、温度管理されている列車ならば問題なく耐えられると思います。

ちなみにSuicaのペンギンは南極から来た設定らしいので、外見から考えて寒いところに住むアデリーペンギンだと思われます。なので、電車に乗るのはちょっと辛いかもしれないですね。


BRTと鉄道を重複して運行へ 気仙沼線BRT延伸




2015年4月23日にJR東日本仙台支社と盛岡支社は気仙沼線のBRTの運行区間を延伸すると発表しました。

BRT延伸について

延伸区間: 前谷地~柳津
運行開始日: 2015年6月27日
備考: 合わせてダイヤ改正実施

気仙沼線のうち鉄道路線が不通となっている「柳津~気仙沼」間がBRTを使った代行バスで運行しています。

「前谷地~柳津」間については鉄道での運行が再開していますが、利便性向上のため一般道を利用する形で同区間もBRTが運行することになりました。

運行本数は1日15往復運行している「前谷地~柳津」間のBRTのうち10往復が延伸予定で、運行開始日にダイヤ改正が行われます。ただし、ダイヤ改正と言っても現在の「柳津~気仙沼」間のダイヤに継ぎ足す形で行われるので、大きな変更がある時間は少ないと思います。

前谷地駅のBRT乗降場は駅から25メートルほどのところに設けられる予定です。

5月末頃から運転へ向けた訓練運転が実施される予定です。

増発と乗り換え減で便利に


気仙沼船「前谷地~柳津」間は鉄道により9往復の運転が行われます。これにBRTが加わることで運転本数が2倍になります。

また、「気仙沼~前谷地」間が乗り換え無しで便利になるだけでなく、小牛田方面との利用の場合でも乗り換えが減ったり石巻線への乗り継ぎが楽になります。

今のところ鉄道ダイヤの減便などは発表されていないので、純粋に利便性が向上することになりそうです。


2015年4月17日金曜日

「はくたか」は熊谷に停まるべき? 埼玉県は消極的な様子




少し古い話題ですが2014年10月14日の埼玉県知事が北陸新幹線の一部列車を停車し欲しいという発言したことがありましたが、実際どうなのか?ということを考えていきたいと思います。

東京駅に停車中のE7系

埼玉県知事の発言要約

一部まとめサイトなどでは強く言ったような表現がされているようですが、定例記者会見の発言を見る限り消極的な印象を受けました。では、まず発言の要約を書いてみたいと思います。

・埼玉新聞記者の質問
埼玉県も観光客誘致でキャンペーンをしていますが、北陸新幹線が「熊谷駅」・「本庄早稲田」へ停車しないようです。止まらないと不便だと思うので、自治体や商工会とJRへ要望したりするでしょうか?

・埼玉県知事の発言
一番速い列車は航空機との戦いもあるので一理あるが、「佐久平」や「安中榛名」より「熊谷」や「本庄早稲田」のほうが人が利用者が多い感じがするので、埼玉県民の北陸方面への利用やビジネスや通勤をアピールして一部に停まってもらうようお願いしたいなと思う。


かなり要約したので正確なニュアンスになっていないと思うので、できれば埼玉県の定例記者会見の平成26年10月14日分を見ていただきたいのですが、意味としてはこんな感じです。

「記者に聞かれたので一部を停めて欲しいという要望を出すと答えた」という感じで、録画やテキストを見る限り消極的な印象を私は受けました。なので、埼玉県としては積極的に停めてようという行動は起こさないのではないかと思います。

実際に停めてほうが良いのか?

熊谷・本庄早稲田の今

「熊谷」は日中の本数が少ない時間も上越新幹線と北陸新幹線「あさま」が停車し、1時間で2往復以上は確保されています。

「本庄早稲田」の日中の本数が少ない時間は上越新幹線と北陸新幹線「あさま」を合わせて1時間で1往復程度運行されています。

どちらの駅も長野までは乗り継ぎ無しでいけますが、「かがやき」「はくたか」は全列車通過で長野より先の駅には乗り換え無しで行くことができません。

少しは停めても良いのではと思う

「かがやき」は最速達列車なので停まらないのは仕方ないと思います。しかし、「はくたか」は停めても良いのではと思います。

「はくたか」の一番停車駅の多い列車は「熊谷」「本庄早稲田」以外全駅停車というものが設定されています。その列車は新幹線で二番目に乗降客数の少ない「安中榛名」にも停車します。なので「熊谷」に停車してもさほど問題ないことは想像できます。

また、「熊谷」と「本庄早稲田」についてですが、「熊谷」は埼玉でも比較的大きな都市で高崎線や秩父鉄道との接続駅です。それに対し「本庄早稲田」は周りも栄えておらず、比較的小さな駅です。

そういった事情を考えると全ての「はくたか」を停めることは必要ないと思いますが、1日1~2往復程度は「熊谷」に停まる列車があっても良いと思います。

今後も「はくたか」の停車が実現しないのかは気になるところです。


2015年4月16日木曜日

えちごトキめき鉄道になって変ったこと




北陸新幹線の開業により信越本線と北陸本線の一部がえちごトキめき鉄道に移管されることになりました。先日利用する機会があったので、私が変ったと感じたことを紹介したいと思います。

高田駅に到着するE653系特急しらゆき
新幹線アクセス用E653系特急「しらゆき」

えちごトキめき鉄道とは?

新潟県主体をとする第三セクターです。信越本線では「妙高高原~直江津」間、北陸本線では「直江津~市振」間がJRから移管され運行しています。

移管時に「妙高高原~直江津」間は妙高はねうまライン、直江津~市振」間は日本海ひすいラインという名称に変更しています。

あまり雰囲気の変らない駅舎

えちごトキめき鉄道高田駅の改札
高田駅の改札
基本的に地上設備はJR時代のものに多少手をくわえた程度なので、駅名がJRのものから変った以外は駅舎などにあまり変化はありません。

しかし、高田駅についてはコスト削減で自動改札機から駅員さんが手で行うものに変更になったそうです。

妙高はねうまラインの車両はJRから移行中

高田駅を発車するえちごトキめき鉄道ET127系
JR東日本から譲渡されたET127系
妙高はねうまラインではJR東日本E127系を譲り受け、ET127系と改名して使用しています。

書類上の譲渡は済んでいると思いますが、写真をの通りえちごトキめき鉄道仕様になっている車両のほかに、ロゴや塗装がJR時代のままの車両が運行しています。2両1編成のうち半分JR仕様、半分はえちごトキめき鉄道仕様という面白い編成も走っています。

次第にJR仕様の車両は減っていくと思いますが、もう暫くは見ることが出来そうです。

この他にもJRからの乗り入れで、新潟発の115系の快速を新井駅までは見ることができます。

消えた特急列車たち

直江津駅に到着する485系北越
上越・北陸地区では快速運用だけとなった485系
写真は特急「北越」時代

北陸新幹線と経路のかぶる北陸本線を走る特急「はくたか」「北越」は全て廃止となってしまいました。「はくたか」で使われていた681系は見ることが出来なくなり、「北越」で使われていた485系は「新潟~糸魚川」を1日1往復運行する快速でしか見ることが出来ません。

直江津駅に停車中のえちごトキめき鉄道ET122形
ET122形

また、日本海ひすいラインの車両はデッドセクションと旅客需要の関係で普通車両電車3両から気道車1~2両へ変更となってしまいました。

この車両はJR西日本のキハ122形をベースに新しく作られた車両です。

新しく見れるようになったことも

上野駅に停車中のE653系フレッシュひたち
常磐線特急時代の様子

北陸新幹線アクセス用と廃止された特急「北越」の補完として、「新潟~新井」間を結ぶ特急「しらゆき」の運行が開始しました。元常磐線フレッシュひたちの付属編成で、塗装などを一新して使用されています。

直江津駅で解結作業中のET122形
直江津駅で連結解除をする様子
日本海ひすいラインは日中の利用者が少ない時間帯はET122形1両で運行されるため、直江津駅で車両の切り離し作業を見ることが出来るようになりました。

新幹線への移行も進む

私が直江津駅から妙高高原へ行く列車に乗ったときは、ちょうど高田で桜祭りをやっていのたで高田でまず多くの人が降り、次に新幹線接続駅の上越妙高駅で大きなカバンを持った人が降りていくのを確認できました。

特急「はくたか」が無くなり東京方面への最短ルートが北陸新幹線だけになってしまったので当たり前の現象ですが、人の流れはしっかり新幹線へ移っていってるようです。

北陸新幹線フィーバーの裏側であまり注目のされない三セク移行ですが、やはりこちらも大きく変化したようです。

関連記事
国鉄型最後の輝き 新幹線開業で変る上越の列車たち


2015年4月15日水曜日

好調な北陸新幹線と西へ向かうトワイライト




開業以降利用者数が好調な北陸新幹線とツアーの詳細が発表されたトワイライトエクスプレスについて紹介します。

好調な北陸新幹線

東京駅停車中の北陸新幹線E7系
東京駅停車中のE7系

JR西日本は2015年4月の定例会見で北陸新幹線が好調であることを発表しました。開業から1ヶ月間にあたる3月14日~4月13日の「上越妙高~糸魚川」間の利用者と、特急「はくたか・北越」の前年の利用者と比べると3倍近い293%の利用者があったとのことです。また、同じ期間の特急「サンダーバード」の利用者も104%で利用者の減少はありませんでした。

今のところの利用者の傾向としては「北陸~首都圏」の需要の伸びが一番のようです。一部ネットのニュースサイトなどで北陸新幹線がガラガラという記事がありましたが、新幹線化による輸送力増強によるもののようです。

今までは特急「サンダーバード」が最大9両で普通車4列シートだったのに対し、北陸新幹線E7系は普通車5列の12両編成です。グランクラスやグリーン車もあるので単純比較は出来ないものの、同じ1編成でも輸送量がだいぶ違うことが分かります。

西へ向かうトワイライトエクスプレス

以前JR西日本より運行を発表していた広島方面の寝台特急「トワイライトエクスプレス」のツアー募集が4月15日より始まりました。

今まではみどりの窓口で普通の特急列車と同じように乗車券を入手するの一般的でしたが、今度の運行では旅行会社を経由してツアーで予約する必要があります。

下関発の京都行き2泊3日のロイヤルが35万円、スイートが40万円になります。ダイヤの詳細はツアー旅行であるため発表されていませんが、6/1下関駅10:37発・6/2京都駅17:43着です。

現在予約可能な31日出発分はスイートは残り僅か、スイートはキャンセル待ちとなっていて満席になるのは確実なようです。

暫くは「下関~京都」間での運行ですが、7月以降は山陰方面での運行も検討されています。今までは頑張れば乗れる寝台特急でしたが、35万円からで随分遠くなってしまったものです。


秩父鉄道 新駅設置へ、もう一つの新駅計画も進むか




2015年3月25日に秩父鉄道と熊谷市・行田市とで協定が結ばれ設置されることになった新駅についてと、花園IC近くで秩父線沿いに建設予定のアウトレットモールともう一つの新駅について紹介したいと思います。

秩父線を走る秩父鉄道7500系
秩父鉄道で活躍する元東急の7500系

「熊谷~持田」間新駅について

今回設置される新駅は熊谷市と行田市の境界のあたりで、熊谷バイパスと125号が交差し物流センターの多い地域の近くです。

新駅予定地近くは今は田畑で、2015年度中に用地買収を行い2016年度に着工し、完成は2017年3月の予定です。

この駅は30年以上前から自治体が設置を要望してきた請願駅で、秩父鉄道は建設費を支払わず、熊谷市が1億5千万円・行田市が7800万円づつ負担して、駅舎や周辺道路の整備を行います。

※請願駅・・・鉄道会社が自主的に作るのではなく、自治体や企業などが要望を出したことにより出来た駅。

アウトレットモールで新駅も?

深谷市が進める花園IC拠点プロジェクトの一貫として進められている大型アウトレットモールの優先協議者として三菱グループの「三菱・サイモン」が2015年3月14日に決定しました。

このプロジェクトは関越道花園IC近くに観光型集客施設を誘致し、地域産業の発展に生かそうというものです。

計画が順調に進んだ場合、2018年度中に秩父線「永田駅~小前田駅」間の線路沿いにオープンする予定です。

線路沿いの立地ということもあり、アウトレットモールの開業に合わせて新駅の検討が進められており、深谷市はアウトレット開業までに設置を行うことを目標としています。

鉄道での利用者よりも高速道からの利用者をメインとしているようですが、日本最大級の規模にすることも検討されているようなので、熊谷方面からの鉄道利用もある程度見込めると思います。


2015年4月14日火曜日

東武鉄道 スカイツリー開業3周年でラッピング電車や記念切符発売




2015年4月14日に東武鉄道はスカイツリー開業3周年に合わせた記念ラッピング列車や記念切符を発表しました。

亀戸線 ラッピングトレイン

運行期間: 2015年5月1日~9月30日
使用車両: 8000系1編成
運行区間: 亀戸線・大師線

スカイツリー開業3周年より一足早く亀戸線で運用されている8000系1編成をラッピングします。亀戸線で主に運用されますが、本来は車両運用が大師線とも共通になっているため、大師線で走る場合もあります。長期間運行するため点検などで運行しない日もあります。

また、ラッピング列車の運行と同じ期間でスタンプラリーも実施されます。

亀戸線の曳舟~亀戸間を8000系は7分ほどで走り抜けます。30分もしないで同区間を往復するダイヤが組まれているので、運行している日は様々な場所で写真を撮るのも簡単かと思います。

東京スカイツリータウン開業3周年記念乗車券

発売日: 2015年5月22日~6月21日
発売額: 500円
販売数: 計2000セット(売り切れ次第終了)
発売時間: 各窓口の営業開始時間から
有効期間: 発売日と同日
備考: 一人3セットまで
内容: 浅草駅から大人170円分・とうきょうスカイツリー駅から子供330円分・専用台紙

記念乗車券発売箇所

東武伊勢崎線

浅草駅、とうきょうスカイツリー駅、曳舟駅、亀戸駅、北千住駅、西新井駅、竹ノ塚駅、
草加駅、新越谷駅、北越谷駅、せんげん台駅、春日部駅、北春日部駅、東武動物公園駅、久喜駅、羽生駅、館林駅、足利市駅、佐野駅、太田駅、新桐生駅

東武日光線

南栗橋駅、栗橋駅、栃木駅、新栃木駅、新鹿沼駅、下今市駅、東武日光駅、鬼怒川温泉駅

東武宇都宮線

おもちゃのまち駅、東武宇都宮駅

東武野田線

大宮駅、岩槻駅、七光台駅、野田市駅、柏駅、新鎌ヶ谷駅、船橋駅

その他

東武グループツーリストプラザ(東京ソラマチイーストヤード5階)

スカイツリーの開業に日にあわせて様々な路線で記念乗車券が発売されます。今回も東上線系統の駅では発売がありません。

あとがき

東上線でもスカイツリーPRのため50000系のスカイツリーラッピング車が運行されたりします。今後開業記念にあわせて、新デザインのものが発表されるか楽しみです。


2015年4月10日金曜日

消える青函特急 狭軌最速の789系と最後の485系特急定期運用




北海道新幹線開業で消えるであろう青函特急についての2回目です。今回は車両という視点か紹介します。

最速の789系

蟹田駅に到着するJR北海道789系
JR北海道789系

789系はJR北海道所属の特急車両で2002年の「スーパー白鳥」運行開始に伴い製造されました。青函トンネル内を140km/hで走り、「青森~新函館」の本州と北海道を結んでいます。

在来線経由の特急「はくたか」廃止でほくほく線内での160km/h運転が消えた今では、国内狭軌最速の列車となっています。

「スーパー白鳥」用の789系0番台の他に札幌地区で運行する「スーパーカムイ」「すずらん」用の789系1000番台もあります。

北海道新幹線運行開始後は「スーパー白鳥」は廃止予定で、789系0番台は785系の置き換え用として札幌地区へ転属するとJR北海道が発表しました。

最速の秘密

789系は基本的に6両編成で運行をしています。そのうち半分の3両がモーターつきの電動車です。モーターのパワーも強力な230kwの強力なモーターを採用しています。

これがどれくらい強力かと言いますとほくほく線内を160km/hで運行していた681系は9両のうち3両が電動車で、220kwのモーターを採用しています。つまり編成あたりの電動車数とモーター出力共に681系を上回るものです。これは青函トンネル内を安全に下るためと、140km/hでトンネル内上り勾配を駆け抜けるためです。

青函トンネルは長い下り勾配が続くので、速度が出過ぎないようモーターを発電機にしてブレーキをかけています。逆に上り勾配では最高速度140km/hを維持して走り抜けます。そのためモーターなどの電気系にはある程度余裕を持たせた設計にしてあります。

しかし、これほど強力な電気系にしていても過電流でモーターに電気を流すケーブルが発煙するトラブルが2015年4月に発生しました。詳細は今だ不明ですが、それだけ青函トンネルが過酷ということだと思います。

最後の485系

木古内駅停車中の485系3000番台
JR東日本485系3000番台

485系は広がる国内の電化区間に対応すべく交流50/60Hzと直流に対応する、国鉄時代に作られた車両です。

なかでも特急「白鳥」で使われる485系3000番台は車内や外装などを大きく改造しリニューアルした車両で、JR東日本の所属の車両です。

モーター出力は789系小さい120kwですが、それを補うために6両編成のうち4両が電動車になっています。これにより古い車両でありながらも青函トンネル内の下り勾配では140km/h運転が可能になっています。

最後の特急定期運用

485系は万能型特急列車として日本全国で運行されていましたが、約50年前に設計された車両ということもあり特急定期運用は「白鳥」のみになっています。

2015年3月のダイヤ改正までは特急「北越」でも485系3000番台が活躍してまいしたが、北陸新幹線開業にともない「北越」が廃止され運用は消えました。

この特急「白鳥」も北海道新幹線開通とともに消える予定なので、それと共に485系の特急定期運用は消滅すると思われます。車両についてもこの白鳥で使われていた485系3000番台は全廃になる予定です。ただし、ジョイフルトレイン用に改造された車両や快速列車ではもう少し活躍を続けます。


2015年4月9日木曜日

消える青函特急 特急「スーパー白鳥」と「白鳥」




北海道新幹線開業で消えるであろう青函特急について2回にわたり紹介したいと思います。今回は列車名という視点か紹介します。

青森駅停車中の485系特急白鳥
青森駅停車中の485系特急「白鳥」

本州と北海道を結ぶ特急

「スーパー白鳥」と「白鳥」は本州側の新青森駅から北海道側の函館駅までの約164km(営業キロ計算)を結ぶ特急列車です。

「スーパー白鳥」はJR北海道の789系が使用され、「新青森・青森・蟹田・木古内・五稜郭・函館」の停車駅です。「白鳥」はJR東日本の485系3000番台が使用され、「スーパー白鳥」の停車駅に「津軽今別駅」を加えた停車駅にになります。

一度は消えた名前

「白鳥」という名の列車はもともと「大阪駅~北陸本線~羽越本線~奥羽本線~青森駅」の経路で運転していた特急列車にて使われていました。

この旧「白鳥」は2001年のダイヤ改正で、走る区間の被る特急「雷鳥・北越・いなほ」に吸収されていく形で消えていきました。

そして2002年の東北新幹線八戸延伸に合わせて、「八戸~青森~函館」を結ぶ特急として再出発することになりました。

「白鳥」は2度消える?

そんな「白鳥」ですが、北海道新幹線でもう一度消えることになりそうです。

北海道新幹線が開業すると「青森~函館」の旅客輸送は新幹線が担うことになり、同区間の在来線特急は廃止になる予定です。

北陸新幹線の時は在来線特急として使われていた「はくたか」の名称が引き継がれましたが、北海道新幹線では「はやぶさ」「はやて」と今使われている名称が使われます。

さらに北海道新幹線の終点「新函館北斗駅」と「函館駅」を結ぶ連絡列車が設定されることになりましたが、名称は「はこだてライナー」になることが決まりました。

なので、「白鳥」の名を引き継ぐ列車は今のところありません。

列車のたびの楽しみ

今度は「白鳥」の旅の楽しみについて紹介します。

ちょっと珍しい?スイッチバック

奥羽本線と津軽線の線路の経路の関係で青森駅にて進行方向が変ります。そのため「新青森~青森」間は座席と進行方向が逆になります。

他の路線でも見られるものですが、限られた路線で見られるものなのでちょっと珍しいと思います。

海が見える

海沿いに住んでる方はそうでもないかもしれませんが、内陸部に住んでる人間としては海が見えるのはやっぱりわくわくします。

青森寄りから見て蟹田駅手前、木古内以降で見えたりします。空を見上げるとトンビが輪を描いていたりするので、空も見ると楽しいです。

最速で駆け抜ける青函トンネル

津軽海峡を越えるため海底トンネルである青函トンネルを通過します。トンネルなので見所はありませんが、多湿であるため窓がすぐ曇ります。

また、青函トンネル内は踏切がないため在来線でありながら140km/h運転が許可されています。ほくほく線を160km/hで走る「はくたか」が無くなった今では、国内狭軌最高速度になっています。

※新幹線を除く鉄道での国内営業速度最速は成田スカイアクセス線を160km/hで走る京成AE形スカイライナーです。

着々進む北海道新幹線の工事

青函トンネルは北海道新幹線開通後は新幹線と在来線貨物列車が通るようになります。そのため、津軽今別駅を新幹線が停まれるようにする工事や線路を3本にする工事が行われました。

線路を3本にするというのは車輪の幅が違う新幹線と貨物列車の両方が走れるように1本の線路を共有し、もう2本は位置をずらして両方が走れるようにします。

他にも津軽今別駅付近に新幹線としては初のスノーシェルターなども設置されます。乗車しながらこれらの様子を見ることが出来ます。

お得に乗れる

「木古内~蟹田」間は快速「海峡」の廃止後は有料特急しか運行していません。そのため特例として乗車券のみで自由席に乗ることができます。この特例は青春18きっぷや北海道東日本パスでも利用できます。

この特例が北海道新幹線開業後にどうなるかも気になる点の一つです。

今回はここで終わりとします。次回は車両について紹介したいと思います。
消える青函特急 狭軌最速の789系と最後の485系特急定期運用


JR東海 新幹線の交番検査期延伸を発表




2015年4月9日にJR東海はN700AとN700系の交番検査期の延伸を行うと発表しました。

東京駅停車中のN700A
交番検査期が延ばされるN700A

交番検査期延伸について

新幹線の車両性能向上や過去の使用・検査実績から試験車両を使い検証を行い、国道交通省に変更届けを提出し受理をされました。現在は今後の運用開始にそたえて準備を進めています。

これによりN700AとN700系の交番検査期を「30日以内か走行距離3万km以内」から「45日以内か走行距離6万km以内」とすることとなり、車両運用効率と検査効率の向上が見込まれています。700系については含まれておらず今まで通りです。

全般検査と台車検査は2002年に延伸が行われていますが、交番検査の延伸は東海道新幹線開業以来始めてとなります。

解説

仕業検査・・・概ね2日1回
交番検査・・・45日以内か走行距離6万km以内
台車検査・・・18ヶ月以内か走行距離60万km以内
全般検査・・・36ヶ月以内か走行距離120万km以内

交番検査は集電装置(パンタグラフなど)、走行装置(台車周り)、ブレーキ、車体や電気部品の絶縁抵抗などを調べる検査です。

検査の規模としては二番目に小さいもので、大きく車両を分解などはしないものの車両基地で検査器具なども使い検査をします。

検査の内容や期間の大筋は国土交通省が法令で定めているものの、2002年から細かい部分で柔軟に対応できるよう個別に検査基準を定めることができるようになりました。検査内容の詳細については鉄道会社が国交省へ届け出る必要があります。

N700系はN700Aでは登場時期に5年ほどの間がありますが、N700系をN700Aと同等レベルに引き上げる工事が全編成で行われていて、今年度中には完了する予定です。

今回の検査期延伸は今月から行われる予定で、そのこととは直接関係ないようです。


2015年4月8日水曜日

東武伊勢崎線・野田線で「大凧あげ祭り」ヘッドマーク掲出




東武鉄道は「大凧あげ祭り」をPRするために野田線と伊勢崎線で列車にヘッドマークを掲出すると発表しました。

ヘッドマーク掲出列車概要

運転期間: 2015年4月16日~2015年5月5日

伊勢崎線系統

使用車両: 50050系10両1編成
運行区間: 南栗橋・久喜~東武伊勢崎線~東京メトロ半蔵門線~東急田園都市線

野田線

使用車両: 8000系6両1編成
運行区間: 野田線全線(大宮~大船間)

春日部市で開催される「大凧あげ祭り」をPRするためにヘッドマーク付きの列車が運行されます。使用される車両は50050系と8000系が使用され、それぞれ別の線区で運転されます。

50050系は半蔵門線直通用列車に使用され、東武線以外にも東京メトロや東急線などの非常に広範囲で運行されます。

また、8000系のほうも野田線全線で運用される予定なので、なかなか見るのは難しそうです。

「大凧あげ祭り」について

このお祭りは春日部市の江戸川河川敷で毎年5月3日と5日に行われています。もともとは江戸時代に養蚕の豊作を占うために凧を揚げていましたが、時代の移り変わりとともに男児を祝う端午の節句の行事になっていきました。

お祭り当日は百人以上で大凧をあげます。

東武線を使ってのアクセスは伊勢崎線春日部駅東口からバスで25分ほどかけていくか、最寄駅である野田線南桜井駅から運行される臨時シャトルバスで10ほどかけて行くかになります。


2015年4月3日金曜日

拝島駅新型ホーム柵ラッシュ時使用レポート




2015年3月28日より拝島駅5番線に新型ホーム柵が設置されました。その様子についてレポートしたいと思います。

拝島駅の状況

拝島駅は東京駅近郊にある駅でJR東日本から青梅線・五日市線・八高線、西武鉄道からは拝島線の計4路線が乗り入れています。

JR東日本のホームは1~5番線まであり、その中の八高線八王子方面として使われている5番線ホームに新型ホーム柵が設置されました。

この5番線ホームには八高線で使われている205系3100番台・209系3000番台・209系31000番台(元りんかい車)の4種類が乗り入れます。

新型ホーム柵について

このホーム柵は昇降式ホーム柵と呼ばれるタイプのもで山手線など採用されているホームドアと比べると、軽量かつ安価、さらに幅広いドア位置に対応できるのが特徴です。形をみる限り相鉄で試験を行っていた、高見沢サイバネティクス社製のようです。

この方式は現在採用に至った事例がなく、この試験導入で今後JR東日本で導入さるか決まっていくと思います。

稼動時レポート

拝島駅昇降式ホーム柵 閉鎖時
列車が到着していないとき
実物は上の写真のような感じです。三本のバーを使った簡素なつくりです。列車がホームにないときはホームドア同様閉じた状態になっています。

列車到着時もホームドア同様にバーが上がった後に列車のドアが開きます。

拝島駅昇降式ホーム柵 閉いた状態
列車到着時
支柱の一部もバーを上げるときには上昇するので頭をぶつける心配などはありません。バー上昇時の動きがとてもスムーズなのに驚きました。

ラッシュ時の様子を見ましたが、これといった混乱は起きていないようです。

支柱の一部に青い色LEDがあるのが分かると思いますが、バーを閉じるときに下に人がいる時など警告音と共にオレンジ色に変化し注意を促します。

耳の不自由な方向けの対策なんでしょうが、色だけだと分かりにくいのでもう少し分かりやすい表示方法を検討したほうが良い気もします。

拝島駅昇降式ホーム柵 ドア閉め前
ドア閉め前
列車のドアを閉めるときは、先にホーム柵が下に下りてからドアを閉めます。私が見た時はホームドアより多く時間がかっているようでした。ワンテンポ遅いというレベルよりもっと遅かったので、もう少し早い動作が必要だと思いました。

テスト状態
この日は関係者の方々が高麗川よりに集まっていました。テストのためか一部バーをあけた状態にしてありました。

拝島駅昇降式ホーム柵 停車位置
停車位置
様々なドア位置に対応出来るのも特徴のひとつですが、停車位置は列車によって変える必要があるようです。「TASC」のような支援装置はないと思うので、運転手さんの腕の見せ所です。

動きやラッシュ時の乗降の様子を見る限り、課題が無いわけではありませんが悪くはなさそうです。ただ、耐久性などは分からないはずなので、テストの結果を待つ必要がありそうです。


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