2021年11月27日土曜日

205系の異端車 珍しいJR相模線205系500番台を紹介




 205系の中では少し変わった経緯や特色を持つ、相模線用205系のJR東日本205系500番だについて解説します。

205系では珍しい短編成用新製車

橋本駅に到着する205系500番台
橋本駅に到着する
JR205系500番台
相模線の205系500番台は、205系が新規製造時に通勤線区を中心に投入された中、4両編成という短い長さで投入された珍しい車両になります。

205系は国鉄末期からJR初期に製造された通期電車で、回生ブレーキの採用などで高性能・省電力化した反面高価になってしまった201系を反省し、コストを抑えつつ性能と省電力を維持した上に更なる軽量化を進めた通勤電車です。

赤羽駅を出発する埼京線205系
10両編成の
JR埼京線205系
通勤電車であるため新規製造時、初期の国鉄時代投入線区は山手線や東海道線緩行線(関西地区)に投入され、その後のJR発足後の平成初期に阪和線・横浜線・京浜東北線・埼京線・相模線・南武線・中央総武緩行線・京葉線・武蔵野線と通勤線区を中心に新製投入が行われました。

上で挙げた新製時の投入線区を見ると分かりますが、首都圏や関西の混雑線区が中心の投入が行われました。そんな中で郊外線区の特徴が強い相模線への投入は、珍しいものでした。

顔が特注の500番台

相模線205系500番台先頭車両
専用デザインの前面
相模線用の205系は500番台という区分を与えられています。この500番台という区分は、相模線用の205系のみで使われています。つまりその205系だけが持つ特色があります。

205系500番台は1991年春3月16日に相模線電化されるの期に、4両13編成が新製投入が実施されました。そのため全ての車両が1991年1月から電化直前3月までに製造された兄弟車両となっています。13編成のうち第12編成にあたるR12編成中間2両と、R13編成はJR大船工場製造でそれも特徴です。ちなみに大船工場は技術維持のため107系、205系・209系・E217系のごく一部を製造を行いました。

500番台だけの大きな特徴として、前面デザインがあります。JR初期という時代や電化というタイミングもあり、205系500番台の専用のデザインとなっています。地下鉄車両のような、運転台と反対側に縦型の大型窓を採用しています。

丸形ヘッドライトの0番台とは違う前面デザインは、京葉線・武蔵野線用のメルヘン顔と言われたデザイン、阪和線用の前面展望を考慮して運転台側窓をちょっと窓を大きくした205系1000番台があります。

今ではどの205系にも付いているスカートですが、最初から装着しているのはこの205系500番台からとなっています。

短い4両編成

205系のうち新製時に4両で投入されたのは、相模線と阪和線向けの車両だけとなっています。これも一つの特徴です。

もっとも現在は首都圏を中心に、E231系やE233系投入により余剰になった205系を2~4両に短編成化した車両が、新たに日光線・宇都宮線・鶴見線・南武線・仙石線(宮城県)で活躍しているため、短編成の205系というのは珍しくはなくなりました。

原型と改造後の特徴が同居する

205系500番台は投入時からずっと相模線で活躍している車両です。運行時に必要な改造は少しづつ行われているものの、転属時に行われるような改造は行われていないため、登場時の原型と改造後の特徴が同居しているのも特徴です。

JR205系500番台の車内
更新があまりされていない
205系500番台の車内
車内は登場時からあまり改造されていないように見えます。転属時などに行われた、ドア横の座席の仕切りの増設なども行われていません。つり革も優先席付近以外は登場時に近く、丸形の持ち手にベルトタイプの紐を採用しています。モケットも山手線や埼京線205系などで標準的に使用されていたものが、引き続き採用されています。

205系500番台の白色LEDライト
前面ではヘッドライトは初期の白熱電球タイプから、白色LEDに変更されています。一方で、行先表示器は方向幕タイプで、列車番号表示器は7セグメント表示のデジタルタイプが引き続き採用されています。

205系500番台のJRマーク
先頭車両のJRマーク
側面の行先表示器は方向幕がそのまま採用されています。先頭車両のドア横には最近はあまり見られなくなった大型のJRマークのシールが貼りつけられています。

ドア横には半自動ドアボタンが設置されています。このスイッチは205系では珍しく登場当時から搭載されているのも特徴です。

走行機器は大半がそのまま

走行機器については間違いが無いよう調べたつもりですが、間違いがあった場合はご了承ください。

205系500番台の台車
台車
台車はボルスタレス台車で電動車にDT50Dを採用し、付随車にTR235D採用しています。モーターは120kWのMT61を採用しています。

205系500番台の主制御器と励磁装置
主制御器と励磁装置
主制御機器は登場時のまま界磁添加励磁制御で、主制御機器にCS57形・励磁装置にHS52A形を採用しています。

205系500番台の床下機器
コンプレッサーはレシプロ式でMH-3075A-C2000Mを採用していて、昔ながらのブロロロ!という音を聞くことが出来ます。発電機はDM106で、SIVへの改造は行われていません。

205系500番台の冷房装置のAU75G2M
ベンチレSーターと
冷房装置AU75G2M
屋根上の冷房装置はAU75系列を使用していて、私が見た編成ではAU75GMとAU75G2Mを採用していました。そして空気取り入れようのベンチレーターもそのまま付いています。

このように多くの機器は登場時を維持していますが、いくつかの走行機器は更新されています。

更新された205系500番台のパンタグラフPS33E
ひし形パンタグラフPS21より更新された
シングルアームパンタグラフPS33E

パンタグラフは登場時はひし形パタングラフのPS21形を採用していましたが、雪に強くメンテナンスもしやすいシングルアームパンタグラフのPS33E形に変更されています。

モニター装置はPC-98シリーズの産業用版FC-9800をベースにしていたMON5型を採用していましたが、MON3型に更新されています。

さよなら205系500番台

そんな205系500番台ですが、2021年11月18日に新型車両のE131系500・580番台の運行が開始されました。

運行開始まで11月18日までに大半の編成が置き換え可能な9編成が完成しているものの、運用は1日1運用程度にとどまっています。今後順次運用が拡大していくと見られます。

今の置き換えペースであれば来年のダイヤ改正には全てが置き換え完了となりそうです。なので相模線での活躍を見たければ、マナーを守って今年度中をお勧めします。

このまま廃車?

元々郊外線区用に作られたので半自動ドアが付いていて地方私鉄向けにはぴったりな反面、需要の減っている地方では4両は持て余し気味な上に、車内も手を加えられていないので大きな改造が必要な場合多いと思われます。

一方でインドネシアのジャカルタでは4両の205系が走り始めて、需要はありそうです。ただ、インドネシア政府が中古車両の輸入を終了する方向で、205系の輸出は武蔵野線からの分でひとまず終了となっているようなので、そちらも微妙です。

このまま廃車になってしまう可能性は大きそうに思えますが、どうなっていくでしょうか。



2021年11月15日月曜日

東武鉄道ペーシア後継N100系導入へ JR・地下鉄乗り入れは無し




 東武鉄道は100系特急スペーシアの後継として、N100系を2023年度に導入すると2021年11月11日に発表しました。これにより100系の一部の置き換えが進むと思われます。今発表されている内容から、解説やスペーシアとの比較をしていきます。


カーボンニュートラルを打ち出した車両

置き換え予定の
東武100系スペーシア

型式: N100系
導入車両数: 6両×4編成
運行路線: スカイツリーライン・日光線・鬼怒川線
車両製造会社: 日立製作所

車両形式はN100系、愛称はまだ未定です。しかし、「Connect & Updatable~その人、その時と、つながり続けるスペーシア~」をコンセプトに打ち出しているため、スペーシアという名前は何らかの形で残りそうです。

COP21が実施されている中での発表で、製造から運行までカーボンニュートラルを打ち出し、実質CO2排出量が0になる予定です。他の交通より環境に優しい鉄道の要素を、より強く打ち出した形です。保守的な東武鉄道としては、素晴らしい取り組みだと思います。

導入車両数は6両×4編成の24両を予定しています。現在100系スペーシアは9編成が在籍しているため、半分程度がまず置き換えられると思われます。


白ベースの前面展望特急?

100系スペーシアでも採用されている個室は、引き続き採用されます。100系スペーシアでは営業を終了したビュッフェですが、日光・鬼怒川の商品を提供するカフェカウンターが採用されるため、こちらも形を変えて継続します。座席数212席としており、現行のスペーシアの284席より大きく減っています。そのため、座席の配置は大きく変わるのではないでしょうか。

カラーリングは今のスペーシアと同じ白ベースで、日光東照宮より着想を受けた仏閣や日本人形に使われるs白色塗料の胡粉(ごふん)をイメージした色となります。スペーシアとは違い車体帯は無く、窓付近に黒のアクセントが入ります。

車両デザインは先頭車両の前面デザインが、近鉄特急の「ひのとり」に似たデザインです。そのため前面展望が出来る車両になるのではないでしょうか。大型側面窓は先頭車両のみ個室がある関係か、窓割も違って六角形のデザインとなります。

車両製造メーカーは日立製作所となります。50000系・60000系と日立製作所を採用していた東武鉄道ですが、70000系は近畿車輛・特急500系リバティは川崎重工製だっため、久々の日立製作所製です。日立製作所はアルミ合金使った特急から通勤電車まで対応出来る、「A-Train」シリーズを売りにしています。そのため車体も100系スペーシアと同じくアルミ合金が引き続き採用される模様です。


JR乗り入れは今のところなしで地下鉄線は不可

運行路線はスカイツリーライン・日光線・鬼怒川線鬼怒川線駅までとしています。500系リバティが汎用性重視で、東武本線系統の様々な路線に乗り入れられるのと比べると対照的です。また、6両固定という関係もあり、変電設備の容量が厳しい野岩鉄道や会津鉄道には乗り入れないようです。

100系スペーシアのうち3編成がATS-PなどJR乗り入れ対応装備を装着しており、日常的に栗橋駅からJR線に入りJR新宿駅まで乗り入れています。今発表されている線区には含まれていないため、今のところJR線には入らないようです。今後についてはあり得るかもしれません。そのため、スペーシアはJR乗り入れ編成のほうが、暫くは確実に運行継続されそうです。

また、先頭車両が非貫通デザインで法律上必須の非常時脱出用貫通扉がないため、どうやっても地下鉄乗り入れ対応は法律上出来ません。そのため地下鉄乗り入れはあり得ません。

そのまま廃車?100系スペーシア

置き換えが行われた後の100系スペーシアですが、今のところ発表はありません。順当に考えれば、特急りょうもう用の200系がDRCの部品流用車で部品単位では50年物で、そちらへの玉突き転属となります。

ただ、単純にそうならない可能性もあります。

東武100系も導入が平成初期のため30年程度経っている上に、VVVFなどの電装系など普通の鉄道会社なら行っている大幅な機器更新を行っていません。そう考えると車両の痛み具合によっては廃車のほうが安くつく可能性もあります。そこまで考えると、どう転ぶかは判断し辛いところもあり今後の動向に注目です。


2021年10月27日水曜日

山手線大規模運休渋谷駅拡幅工事の臨時列車を振り返る




 2021年10月23~24日の二日間にわたり山手線内回り「池袋~大崎」間を終日運休し、様々な臨時運転を活用し混乱を避けて行われた、山手線渋谷駅拡幅工事について臨時列車を中心に振り返ります。


渋谷駅大規模改修工事の一環で実施

拡幅工事中の山手線内回りホーム
拡幅工事中の山手線内回りホーム
渋谷駅は東急東横線が地下化されて以降、乗り入れ路線の大半を巻き込む大規模な改修工事が続けられています。銀座線・埼京線と湘南新宿ラインホームの移設などが既に行われており、その一環として山手線内回りホームを拡幅工事を行いました。

山手線渋谷駅ホームは内回りと外回りが別々で、二面二線の構造です。今回の工事ではその構造自体には手を加えず、山手線内回りの線路を埼京線・湘南新宿ライン側に数メートル移動し、内回りホームが拡幅されました。

今後は山手線外回り線路を山手線内回り・埼京線・湘南新宿ライン側から反対がに少し移動し、1面2線の島式ホームにする工事が行われる予定です。そのため今度は外回り線の運休を伴う工事が実施されると予想されます。

特別経路の列車などで内回り運休を他の路線で補う

臨時列車が表示される新宿駅の電光掲示板
臨時列車が表示される
新宿駅の電光掲示板
山手線内回りが部分運休したため、様々な方法でその穴を埋めることなったので、後で詳しく解説しますがまずは簡単に説明します。

山手線は外回りは「品川~大崎」間の本数を3分の2に減らして通常通りの環状運転、内回りはだいぶ本数を減らして10分間隔で池袋と大崎駅で折り返し運転を実施しました。

埼京線は本来池袋駅まで行かないりんかい線や相鉄線からの直通列車を折り返しの設備のある、池袋・赤羽・武蔵浦和駅まで延長運転しました。そのため「大崎~池袋」間で、倍近くに本数を増やして運転となりました。

湘南新宿ラインは成田エクスプレスを同じ経路を使った「新宿~品川」間で、30分間隔のピストン列車が運行されました。大崎駅の線路配線上、大崎駅は通過での運転でした。

山手線は外回りも送り込みの関係で減便変則ダイヤ

山手線は内回り線は「大崎~池袋」間が運休で、大崎駅と池袋駅で10分間隔の折り返し運転となりました。一方外回り自体は運休しなかったのですが、内回りの送り込みの関係で「池袋~大崎」間を3分の2に減便の変則ダイヤとなっていました。

今回の運休は内回りと外回り両方を運休させたわけではありません。そのため内回りの折り返し列車を外回りを使って営業列車として、池袋から大崎まで送り込む必要があります。そのため外回り線の運行本数の限界が、山手線全体の運行本数の限界となったのです。

池袋駅では3線を使って折り返し

池袋駅山手線内回り7番線から 発車を待つE235系
池袋駅山手線内回り7番線から
発車を待つE235系
内回り線の列車は通常の列車同様に、まず池袋6番線に入ります。その後列車は池袋駅新宿側にある引き上げ線まで回送されます。そこで折り返して、外回り線へ転線し折り返します。

転線した列車は、新宿方面からの営業列車も到着する7番線と、始発・終着列車専用の東上線横にある8番線ホームから交互に折り返し列車が発車しました。

大崎駅でも3線を使って折り返し

山手線外回り大崎駅4番線に 到着するE235系
山手線外回り大崎駅4番線に
到着するE235系
品川方面から到着した外回り列車は、折り返し列車とそうでない列車で別のホームに入ります。営業列車は通常通り3番線ホームに到着し、そのまま池袋方面へ向かいます。一方ここで折り返す列車は、始発・終着列車用の4番線に到着します。そこから大崎駅品川側にある引き上げ線に回送し転線します。その後1・2番線に交互に列車を振り分け、そこから折り返します。

埼京線は大幅増便

新宿駅停車中の埼京線直通池袋行きの相鉄12000系
新宿駅停車中の
埼京線直通池袋行きの相鉄12000系
山手線の減便列車を補うため埼京線「池袋~大崎」間で、大幅増便されました。埼京線・川越線内で運行する列車はダイヤをあまり弄らず、りんかい線と相鉄線からの超通列車の延長で対応されました。

山手線の横にある山手貨物線には、埼京線と湘南新宿ラインが運行しています。湘南新宿ラインは東海道線・横須賀線・高崎線・宇都宮線と長距離路線通しの直通のためダイヤを弄るのは難しく、ダイヤの弄りやすい埼京線を中心に増便したと想像できます。

りんかい線からの直通列車は大崎止まりの列車を延長するだけでなく、運行本数自体を1時間あたり数本増便し、赤羽駅と武蔵浦和駅行きの列車としました。

相鉄線からの直通列車は通常ダイヤでは新宿駅を折り返しを基本としていますが、池袋駅まで延長運転が行われました。そのため相鉄車の池袋折り返しも見ることが出来ました。

湘南新宿ラインは臨時ピストン列車

品川駅で横須賀線E235系と並ぶ臨時列車のE233系
品川駅で横須賀線E235系と並ぶ
臨時列車のE233系
長距離列車が多くダイヤを弄るのが難しい湘南新宿ラインですが、大崎駅を通過の「品川~新宿」間で30分間隔で折り返し運転が行われました。

新宿駅では普段埼京線の折り返し用ホームとなっている2番線ホームが、臨時列車の折り返しホームとなりました。埼京線は延長運転を行っているため折り返し列車が少なくなっているため、日中の2番線ホームは折り返し臨時列車だけが長々止まる、普段では考えられない贅沢な使い方です。

品川方面へ向かうため大崎駅を通過する臨時列車のE233系
品川方面へ向かうため大崎駅を通過する
臨時列車のE233系
「新宿~品川」間で列車は、「渋谷・恵比寿」のみの停車となっています。新宿と品川を行き来する列車は、新宿側大崎駅手前にある分岐線(厳密にはこっちが本線)を利用し山手貨物線と横須賀線を経由する必要があります。この大崎駅の真ん中を通る分岐線には、ホームが無いため、大崎駅は通過するしかないので通過となりました。

新宿行き臨時が表示される品川駅横須賀線の電光掲示板
新宿行き臨時が表示される
品川駅横須賀線の電光掲示板
臨時列車は横須賀線を経由するので、品川駅では横須賀線のホームを使うとスムーズに折り返せます。そのため横須賀線14番線ホームを使っての折り返しが行われました。ピストン列車はE233系やE231系が使われたため、横須賀線ホームでは普段見られないE217系やE235系とのツーショットが見ること出来ました。

このように様々な臨時列車とダイヤを駆使することで、混乱を抑えて工事を実施することが出来たのは見事だったと思います。また、私も含め珍しい光景に非常に多くの鉄道ファンが集まりました。今回は鉄道ファンによる大きな混乱が無かったのは良かったと思います。ただ、写真よりも録音するための棒を狭いところで使う人が多かったのはどうかと思いました。JRを見習い鉄道ファンも気を引きしめて、鉄道を楽しみたいものです。

また先に触れたように外回り線の工事が今後実施されると思われます。JRがどのような工夫で工事に挑み、どんな臨時列車が走るかも楽しみです。


2021年9月17日金曜日

キハ281系・キハ283系引退へ スーパー特急挑戦と妥協と挫折の歴史




まもなく定期運用を引退する、JR北海道の高速化とその終わりのきっかけを作った振り子式ディーゼル特急車両キハ281系とキハ283系を紹介します。

記事作成日: 2021.09.17/記事更新日: 2021.09.20

千歳線を走る特急「スーパー北斗」キハ281系
キハ281系
千歳線を走る特急「スーパー北斗」

JR後高速化に取り組んだJR北海道

キハ281系とキハ283系の話をする前に外せないのが路線の高速化の話です。

JR各社はJR化後に、それぞれ高速化への取り組みを行っていました。JR北海道も例外ではなく、「函館本線高速化事業・根室本線石勝線高速化事業・宗谷本線高速化事業」などが実施されました。

理想で言えば線路自体での作り直しですが、当然莫大な費用が発生するので無理な話です。そのため高速化事業は、妥協案として路盤の強化やポイント通過速度の向上など既存の路線を最大限利用しての高速化が実施されました。

しかし線路などの地上設備の改良だけでは高速化は十分ではありません。そこで投入されたのがキハ281系とキハ283系です。

函館本線の切り札キハ281系

JR独自で行った函館から札幌へ向かう列車の所要時間を短縮すべく、函館本線高速化事業と合わせて1992年から27両導入されたのがキハ281系です。1994年より特急「スーパー北斗」として運行を開始しました。特急「北斗」より30分以上の大幅な高速化が実現しました。

雪の千歳線を走るキハ281系
キハ281系
雪の千歳線を走る
国鉄時代から函館本線で運行されてたいキハ183系は、エンジンのパワーアップにブレーキの強化で高速化が図られていましたが当然限界もあります。

そこでJR四国の2000系をベースに、雪にも強いようJR北海道用にカスタマイズして開発されたのがキハ281系です。キハ183系と同じ強力なエンジンやブレーキを搭載するだけでなく、車両がカーブを通過する時に傾けるための装置「制御自然振り子装置」を搭載しました。この装置は台車の構造が複雑になるものの、あらかじめ高速走行に耐えられるよう路盤を強化することで、カーブ通過時に列車の車体を傾け乗り心地を損なわず通過することが可能になります。これにより日本初のディーゼル特急130km/h運転と、カーブ通過時の速度を振り子装置が無い通常列車と比べ最大30km/hも引き上げることが可能になりました。

完成系として更なる高みを目指したキハ283系

根室本線石勝線高速化事業に合わせて、1995年から「スーパーとかち」用などに38両が導入されたのがキハ283系です。1997年より「スーパーおおぞら」として運行を開始し、「おおぞら」より40分以上の時間短縮を実現しました。その後「スーパー北斗」や「スーパーとかち」でも利用が開始されました。

札幌駅停車中のキハ283系特急車両
札幌駅停車中のキハ283系

函館本線と同じく、線路と車両の両面からの高速化ということで実施されました。この事業では線路など地上設備を第三セクターの道東高速鉄道開発(現在の北海道高速鉄道開発)が改良しJR北海道へレンタル、車両側をJR北海道が用意することになりました。

基本的な設計はキハ281系と同じですが、走る線区に合わせた改良やカーブ通過時により滑らかに通過できる自己操舵機能を台車に追加しました。最高速度は130km/hと同じものの、カーブ通過時の速度を通常列車より最大40km/hも引き上げることに成功しました。

この車両の設計最高速度は145km/hでまだ速度には余裕がありました。そのため2000年に一部車両に140km/h対応工事、2006年には一部車両に振り子装置に空気バネ車体傾斜装置を組み込んだ実験を行い、更なる高速化や新型車両につながる実験をしていました。

このようにキハ281系とキハ283系はJR北海道の高速化に多大な貢献したのです。

JR北海道の綻びを露わにしたのもスーパー特急

JR化後に高速化を続けてきたJR北海道ですが、2011年にキハ283系のエンジンシャフトが脱落する大事故が起きました。乗客の機転によりけが人が出なかったのは奇跡としか言いようがないものでした。その後も他の鉄道会社ではありえない事故が頻発し、経営体質が問題となります。

事故の原因はJR化後努力はしてきたものの、人口減少や経済成長の低迷で思ったより収益伸びず経営が悪化したこと、国鉄分割時の見通しの甘さなどがあります。結果コスト削減を車両や人材全ての面で行うしかなくなったのですが、そのやり方にも問題があり様々な事故に繋がりました。

経営改善策として特急の速度ダウンなど身の丈に合わない高速運転の見直しや、国鉄時代の車両を中心とした新型車に置き換えてのコスト削減と安全性向上、赤字路線や駅の廃止など多岐にわたることが今も実行されています。

スーパー特急故の高コスト体質

高速運転の見直しは結果としてキハ281系とキハ283系の引退を決定づけました。

高速運転は車両にも線路にも負担をかけるため、両面からコストが上がります。なので最高速度とカーブ通過時の速度を下げるだけでコストカットになります。それに合わせて全ての車体傾斜装置も使用を停止しました。

苗穂にて留置中のキハ261系
キハ261系0番台
苗穂の留置線にて

振り子式は複雑な装置と紹介しましたが、複雑な分整備コストもかかります。それなのに速度を落としてカーブ通過時の高速運転をしないのですから、鉄道会社としてはただのお荷物装置です。おまけに長距離を高速走行していた車両は痛みも通常より激しいものとなります。

経営悪化の中唯一の明るい話題だった海外からの外国人客の流入も完全に停止しました。それらの理由から本来であればメンテナンスをすれば十分使える車両でも、国鉄型のキハ183系と共にキハ261系1000番台で置き換えられることになりました。

キハ261系は宗谷本線高速化事業と合わせて「振り子装置」の代わりに「空気式車体傾斜装置」を採用し、製造とメンテナンスコストを抑えてカーブ通過時に最大25km/hの速度アップを実現した車両です。置き換えは0番台から1000番台1~4次車までは付いていた空気式車体傾斜装置を省き、更にコスト削減した5次車以降のキハ261系1000番台で行われています。それに合わせて空気式車体傾斜装置搭載している既存の車両も、取り外し工事が実施されています。

2022年度より定期運用離脱開始

2021年現在ではキハ281系は特急「北斗」、キハ283系は特急「おおぞら」で使用されています。2021年9月に発表の2022年春のダイヤ改正で「おおぞら」のキハ261系化が決まり、キハ283系の定期運用離脱が決まりました。

キハ281系については2019年発表の「JR北海道グループ中期経営計画2023」で2022年度中の運用離脱が記載されていましたが、今回のダイヤ改正では言及がありませんでした。27両の在籍を考えると、2022年度分のキハ261系新製で2022年度中に運用離脱は微妙に思えますが、数年以内での運用離脱となりそうです。

外国人客が多い状況が続いていれば何らかの活用法があったかもしれませんが、現在の状況では定期運用離脱後はキハ281系と283系はそのまま廃車になる可能性高いと予想されます。

北海道内の高速道路・バイパス延伸の対抗や交通による環境負荷問題などを考えると、再び高速化をして鉄道利用を促す必要があります。

対策が必要なのは各方面重々理解はしていても、何も出来ず緩やかな衰退しか見通せないのが現状です。どこも最低限しか支援の余裕はなく、投資にせよ廃止にせよ思い切った決断が出来ない鉄道に限らない社会情勢もあるからです。

鉄道ファンとしてはJR発足時のようにチャレンジ精神あふれるJR北海道の姿を再び見れることを、たとえ願望と言われようと強く望んでいます。

※記事の一部にご指摘があり修正いたしました。ご指摘ありがとうございます。


2021年8月10日火曜日

2022年度から磐越西線一部再非電化へ - ゆくゆくは磐越西線全線非電化へ?




 2022年度より磐越西線「喜多方~会津若松」間が非電化工事を開始予定と報道されたことから、なぜ非電化するかや今後の磐越西線について考えてみたいと思います。


予定されているのは「喜多方~会津若松」間16.6km

会津若松駅に停車するJR東日本E721系とキハ40系
左が磐越線電化区間を走るE721系
右が磐越線非電化区間を走る今は引退したキハ40系
JR東日本が非電化化を検討しているのは磐越西線の「喜多方~会津若松」間で、営業キロにすると16.6kmで6駅が対象となっています。

福島民友新聞の8月4日の記事によると、8月3日に喜多方市はコスト削減を理由にJR東日本より2022年度から「喜多方~会津若松」間の再非電化化の予定を説明されました。これに対し市側は観光や直通列車への影響を懸念したと報道されました。

役目を終えつつある電化

磐越西線は福島県郡山駅~新潟県新津駅を結ぶ、全線営業キロ換算で175.6kmの路線です。そのうち約半分にあたる福島県内郡山駅~喜多方駅間の81.2kmが交流電化されています。

E721系指定席車両
快速列車に連結される指定席車両
この交流電化は1967年により一度に全線で行われ、上野駅から会津若松・喜多方へ直通する特急や急行が運行されるようになりました。その後東北新幹線が開業し、特急列車は「郡山~会津若松」へ縮小されていきました。高速道路の磐越道の延伸などもあり、現在では特急も廃止され快速列車に指定席が連結されるのみとなっています。

磐越西線は会津若松駅を起点とし運行系統が二分されています。「郡山~会津若松」間が電車列車、「会津若松~新津」間が非電化列車という住み分けになっていて、全線直通する列車はありません。その中で郡山方面への列車2本・喜多方方面1本が電化区間全線を走る列車となっています。

優等列車がほぼ廃止され電化区間の全線直通列車が減った今、市側の懸念はもっともなものですが、電化区間が縮小されてたとしても影響はかなり小さいのは事実です。

JR東日本は地上設備を減らしたい

鉄道は車両だけでなく架線・信号・踏切など地上にも設備が必要です。

JR東日本は将来の乗客や働き手の減少を見越して、地上設備のメンテナンスやコスト削減ののための投資を進めています。例えば海外でも進み始めている信号の無線化技術の開発や、踏切制御の無線化も進めています。それに加えてかなり以前から電車の架線を無くす、架線レス技術にも注目していました。そのため鶴見線では燃料電池車の実験などもする予定です。

その点架線を取っ払ってディーゼル列車など走らせるのは、ハイテクではありませんがシンプルな方法です。

交流車両は高価・電気式でディーゼルも高性能化
磐越西線全体の非電化化も現実的?

磐越西線は交流電化されているのですが、そこを走る交流用電車を簡単に言うと、直流用電車に交流を直流にする変換機を追加で載せた車両です。なので、その分通常の車両より少し高価になっています。

路線単体で見ると電化コストが高くても、周辺路線との車両の融通やメンテナンスコストに貨物列車との兼ね合いで電化が必要な場合があります。しかし、磐越西線の電化区間の場合、既に半分は非電化区間であり郡山側にも非電化路線の磐越東線があり、そちらと車両を融通しあえるようになります。そして郡山には非電化列車の車両の点検の出来る車両工場もあり、メンテナンス面でも問題ありません。

そして最近登場した電気式ディーゼル列車はエンジンで発電した電力で走る列車なのですが、加速性能は普通の電車並みに進化していてディーゼル列車より上です。正確な値段は不明ですが、ディーゼル列車よりはコストが高いものの、メンテナンスコストで有利になると考えられるます。

それらを踏まえると電気式ディーゼル列車のような新しい車両でを導入することで、利便性を落とさず非電化化も不可能ではありません。そして車両コストはあまり変わらないものの、地上の電化設備の分でコストを減らすことは可能かもしれません。

部分的な非電化化工事の結果や、701系の廃車に合わせた今走っている車両の転用計画など次第では、全線の非電化化の検討も決して不思議なことでは無いと思います。


2021年2月21日日曜日

東京メトロ17000系の東武東上線内試運転を振り返る




 2021年より本格的に実施された東武東上線での東京メトロ17000系の試運転を、乗務員訓練を中心に振り返ります。

2020年12月から本格スタート

東京メトロ17000系は有楽町線や副都心線で運行している7000系の置き換え用として導入された新型車両です。

東京メトロ17000系東上線内深夜試運転
東上線内深夜試運転
2020年1月に17000系の第一編成が製造されましたが、東上線では年末までは志木駅近辺での小規模な試運転に留まっていました。12月20日にやっと東上線の和光市から小川町まで入線し、技術者も添乗し誘導試験やPQ輪軸試験など東上線内での走行が問題無いかの最初の技術的な検査が行われました。その後は同様の目的で池袋まで入線しました。

深夜に最低限の技術的な確認が終わった後は、日中に小規模な入線試験が実施されました。

2021年1月23日からは乗務員訓練

技術的な確認が終わった後は、実際に列車を動かす運転手さんや車掌さんの訓練が始まります。17000系は東京メトロの車両ですが様々な路線に乗り入れます。そのため東上線へ車両を貸し出しての訓練となります。

東京メトロ17000系の東上線乗務員訓練初日
東上線乗務員訓練初日
年も変わり第1編成の製造から約1年の経った2021年1月23日からは、あいにくの雨でしたが東上線川越市駅~森林公園駅間で営業列車の合間を縫って乗務員訓練が開始されました。同区間を各駅に停車して往復しました。

訓練初日の様子


川越市駅に停車する17000系試運転列車
川越市駅に停車する
乗務員訓練の試運転列車
暫くは1編成が貸し出されて川越市駅~森林公園駅間で、ほぼ毎日乗務員訓練が行われました。

志木駅の電留線へ入線する東京メトロ17000系
志木駅の電留線に入る17000系
2月8日からは更にもう1編成が貸し出され2編成体制となりました。1編成は相変わらず川越市駅~森林公園駅間で乗務員訓練が続けられ、もう1編成は高坂~志木間で乗務員訓練が行われました。

川越市駅での17000系の並び
2編成になったため乗務員訓練列車同士のすれ違いも見られるようになりました。川越市駅では電留線で発車待ちの訓練列車の横を志木からの訓練列車が追い抜く一幕も見ることができました。

8000系とすれ違う17000系訓練列車
8000系とすれ違う訓練列車
次の週からは2編成とも川越市駅~森林公園駅間での乗務員訓練となりました。平日の上り訓練列車の1本は森林公園検修区から越生線への回送列車の一本前を臨時ダイヤで先行して走っていたため、後続の回送列車は坂戸駅手前で信号待ちが発生しました。上の写真はその信号待ちの列車とすれ違う下り訓練列車です。


東上線への17000系回送列車
東上線への回送列車
訓練列車は1ヵ月間行われましたが、その間に何度か列車は東京メトロの車両基地へ帰るために回送列車が設定されていました。おそらく簡単な検査が理由だと思われます。

様々な乗務員訓練の様子

2月21日営業運転開始へ

東上線での訓練は2021年2月20日まで行われました。そして翌日の21日の朝1本だけ有楽町線の新木場から和光市まで営業運転が行われました。

この時点で製造が完了しているのは17000系の10両3編成のみです。今後10両編成の車両も引き続き増備されるだけでなく、8両編成の車両増備されます。

そして全ての車両が揃ったのちに7000系は引退する予定です。

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2021年2月13日土曜日

東京メトロ17000系を紹介 - 有楽町線・副都心線用7000系置き換えへ




 東京メトロ7000系置き換え用に副都心線・有楽町線に導入される東京メトロ17000系を紹介します。

17000系の導入で7000系は引退へ

東京メトロ17000系試運転列車
東上線で乗務員訓練する17000系
東京メトロ17000系は東京メトロ有楽町線と副都心線用に、10両6編成と8両15編成が導入される予定です。10両編成は日立製作所製、8両は近畿車輛製と製造メーカーが違うのも特徴です。

営業路線としては東京メトロ有楽町線・副都心線の他、直通先の東武東上線・西武池袋線・東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線となります。相鉄線については不明です。

置き換えが行われる
東京メトロ7000系
有楽町線と副都心線開通時から使用されている7000系は、10000系の導入時にも一部置き換えが行われました。そして今回の17000系で全てが置き換えられ、引退します。

丸みのある可愛い先頭車両

東京メトロ17000系先頭車両
先頭車両
車体はアルミ合金です。先頭車両は丸みのあるデザインとなっており、スカートも丸みのある柔らかいデザインとなっています。地下鉄用のため前面から脱出できるよう非常用の扉が付いています。

デザインのイメージ図を見たときはいまいちに感じましたが、実際に見てみると良い可愛いらしい良いデザインに感じました。

東京メトロ17000系日本製鉄MTC-001連結器
日本製鉄MTC-001連結器
連結器は密着連結器です。銘板による日本製鉄製で型番はMTC-001のようです。

東京メトロ17000系行先表示器
行先表示器
行先表示器はフルカラーLEDで、列車番号もフルカラーLEDが採用されています。

東京メトロ17000系LEDヘッドライト
前照灯
前照灯と尾灯ともにLEDが採用されています。前照灯はLEDを束ねたものを二つ備えます。

東京メトロ17000系尾灯
尾灯
前照灯の下に尾灯用の赤色LEDが搭載されます。こちらはまるでなく、デザイン性のあるものが採用されています。

東京メトロ17000系側面帯
側面帯
先頭車両のアクセント部
側面の帯は7000系や先代の10000系と違い、白が1色無くなっています。また、先頭車両だけアクセントがあります。

東京メトロ17000系ピクトグラム

ピクトグラムは上部に配置され非常時脱出用のドアコックも高い位置にあり、ホームドアがあっても問題が無いように配慮されています。

屋根上機器

東京メトロ17000系アンテナ
先頭車両のアンテナ
東京メトロではデジタル無線の導入をすすめており、先頭車両にはデジタル無線や乗り入れ先の他社線用に合計3本のアンテナが搭載されます。

東京メトロ17000系パンタグラフ
パンタグラフ
パンタグラフはシングルアーム式を採用し、10両編成では1両づつに1基で計4基搭載しています。そのため7000系や10000系のように1両に2基搭載する車両はありません。

東京メトロ17000系クーラー
冷房装置
冷房装置には集中式を採用し、1両に1基搭載されます。性能は58kWで7000系よりは橋梁であるものの、10000系とは同じ能力です。

冷房のカバーは全体的に角ばったものが採用されています。全体的に柔らかいデザインを採用しているので、ちょっと違和感を感じます。

床下機器

東京メトロ17000系台車FS781
FS781を採用
東京メトロでは整備不良とボルスタレス台車の特性により、苦い思い出があります。そのため10000系に続きモノリンク式ボルスタ台車を採用します。

東京メトロ17000系の台車銘板
銘板より日本製鉄製と分かる
形式はFS781で日本製鉄製です。モーター車もトレーラー車も同一の台車を使用します。

モーターはPMSM(永久磁石同期モーター)205kWを採用します。4M6Tで10両編成のうち4両がモーター車で、和光市方面を1号車とした時2・4・7・9号車がモーター車です。このMT比・モーター車の位置・モーター出力は07系と同じで、5M5Tの10000系と比べると先祖返りと言えるかもしれません。

ちなみに有楽町線・副都心線のMT比・出力の変遷としては、7000系(VVVF更新車)5M5T・165kW→07系4M6T・205kW→10000系5M5T・165kW→17000系4M6T・205kWとなっています。

加速度は3.3km/h/s、減速度3.5km/h/s、非常時減速度4.5km/h/sです。営業最高速度は110km/hで、設計最高速度は120km/hです。

ブレーキは回生ブレーキと路面ブレーキを備えます。

東京メトロ17000系SiC-MOSFET VVVF
VVVF(SiC-MOSFET)
VVVFは三菱製でフルSiC(炭化ケイ素)のMOSFET方式です。モーター車1両につき1群の、計4群を搭載します。

東京メトロ17000系SIV
SIV
ハイブリッドSiC
一方でSIVはSi(シリコン)も併用する三菱製ハイブリッドタイプを5・6両目に搭載します。SiCがこなれて来たといっても、扱う電流が少なく費用対効果の小さいSIVにフルSiCはまだ採用されないようです。

東京メトロ17000系コンプレッサー
コンプレッサー
コンプレッサーはオイルフリースクロール式で4台で1ユニットとしたものを、3・6・8号車に搭載します。

各先頭車両にはATO・ATC・ATSと自社と各社の信号システムを処理するための各種機器が搭載されます。また無線制御システムのCBTCにも対応準備がされています。

東京メトロ17000系TIS装置
TIS
車両のモニタリング装置としてTISが搭載されます。これにより車両の各装置の状態がモニタリングされます。そしてTISで収集された情報がTIMAへ送られ、指令室や車両基地でリアルタイムに監視できるようになっています。

VVVFで省エネ性能が大きく進みましたが、SiC-MOSFETやPMSMの採用で更にもう一段進んだ省エネ車両となっています。これら13000系とほぼ同じ仕様ですが、13000系は舵操舵台車で台車やMT比が特殊でした。なので東京メトロの20m車としては、この仕様がしばらく標準として採用され改良されていくと思います。

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