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2024年9月21日土曜日

東北新幹線列車分離が重大インシデントに当たらないのは正しいのか?




 東北新幹線が315km/h走行中に連結が外れるという前代未聞のトラブルが発生しました。こういった場合重大インシデントと呼ばれる事故に繋がりかねない事象とし、国土交通省が調査を行うのが一般的ですが、事故原因が分からないトラブル発生当日に重大インシデントには当たらないと国土交通省がコメントし、波紋を呼んでいます。これが妥当か考えてみたいと思います。

やはり重大インシデントにあたるのでは?

大宮駅に到着するE5系
当該車両と同じ形式の
東北新幹線E5系
結論から言えば過去の事例や今回と似た原因と思われる例から見るに、それらとの違いから重大インシデントにならない反証もあるものの、やはり当たるのでは?というのが私の考えです。

そもそも重大インシデントとは何が対象になるか?、今回と過去の事例を比較するとどうか?という2点から解説したいと思います。

1点目何が重大インシデントにあたるのか?

まず重大インシデントとはですが、日本では大きな事故に繋がりかねないトラブルを指して使われています。そして、そういったトラブルが鉄道で起きた場合、法令で国土交通省へ報告することが定められています。

更に具体的にどういった内容であれば報告する必要があるかも定められており、公開の件に該当しそうな車両の走行装置、ブレーキ装置、電気装置、連結装置、運転保安設備等に列車の運転の安全に支障を及ぼす故障、損傷、破壊等が生じた事態という例も示されています。

今回であれば連結装置のトラブルなので、上記の基準に入ると考えられます。

その報告が該当する場合は、国土交通省管轄の「運輸安全員会」が調査に向かうことになります。そして1年程度の調査を行い公に公表するので、国民が原因を知ることが出来るだけなく全ての鉄道事業者が参考に出来るというメリットがあります。

1点注意しておきたいのは、重大インシデントというのは人為的な原因だけでなく、偶発的や未知の事象も含まれるので、重大インシデントを起こしたから悪いとは言えない点です。誰もが想像できないレアケースや、未知の現象によるものであればそれを最初から防ぎようがないのは当然なだけでなく、責任の所在が誰にあるという話でもありません。だからこそ調査し、未然に事故を防ぐ対策を立てるのが重要なのです。

今回の事例の内容

近年起きた事例と比較する前に、今回の内容を知る必要があります。

2024年9月19日盛岡始発東京行きはやぶさ6号(車両形式: E5系10両)の後ろに、秋田始発東京行きのこまち6号(車両形式: E6系7両)が盛岡駅で連結。古川~仙台間を315km/hで走行中に、はやぶさ号とこまち号が分離。列車は安全装置が働きブレーキが働き減速。その時後方のこまち号の車掌が異常に気づき、2両目である12号車から先頭車両11号車へ移動し手動でもブレーキをかけて停車。

停車後に車両の連結器を目視で調べたが、特に異常はなし。緊急点検を他の車両でも行ったが、異常は見つからなかったというのが概要です。

新幹線の連結切離しは日常で歴史もある

現在東北新幹線では、E5系とE3・E6・E8系の4形式が日常的に連結を行っています。この連結運転は1992年の山形新幹線つばさ号運行開始から行われており、30年以上歴史ある運行形式で、今まで大きな事故はありません。

列車分離は本当に古典的で重大事故

列車分離事故というのは、鉄道の運行開始からある事故と言っても過言ではなく、日本で有名な古い事故は小説にもなった塩狩峠の事故です。それだけ古くからあるので、対策も行われて安全装置が発達しているだけでなく、起きてはいけない事故の筆頭ともいえると思います。

連結器は走行中外れるなどあってはならないので、それ相応の構造と強度を持っています。今の電車は様々なシステムでモニタリングをしているため、電気的にも安全装置が組み込まれています。今回はで言えば5km/h以上の速度では、切離しされないようロックする別のシステムもついています。なので、本来それが働きロックされるはずだったので、この点は間違いなく問題です

最後の安全装置という点で日本で走る鉄道であれば、連結している列車全てがブレーキ管と呼ばれるブレーキ制御用の空気の管で繋がれており、それが切断されると自動で非常ブレーキがかかる仕組みが付いています。

今回の事例でもそのシステムはちゃんと働いており、分離された時点でブレーキがかかりました。それに加えて東北新幹線の場合は、分離した車両のブレーキのかかり具合で衝突するのを防ぐため、後ろに連結している車両のほうが強くブレーキがかかるシステムが付いているそうで、今回もちゃんと300mの間隔をあけてそれぞれの列車が停車しました。なので、最後の安全装置という点では、満点の働きをしたと言ってもよさそうです。

原因は電気系統の不具合か?

事故当初から専門家も指摘していますが、連結器の破損などが見られないのを考えると電気系統の不具合により分離したと考えるのが自然です。

また、この後紹介する重大インシデントの事例でもあったのですが、電気的な不具合と人為的ミスが重なって分離するという事例がありました。

近年の事例で参考になりそうなのは2件

運輸安全委員会では、2001年からの鉄道での重大インシデントの内容をHPで公開しています。それによると、2001年から63件の重大インシデントが発生しており、そのうち2件が列車が切り離されるという内容でした。

その2件を見ると、1件目が理由不明の連結器解除による分離で非常停止、2件目が人為ミスと電気系統の不具合に地形の影響が重なったことによる分離です。これらの詳細を見るにどちらも結果安全に停止できているにも関わらず重大インシデントに含まれており、今回も調査対象に入ってよさそうに思えました。

1件目 調査中の大井川鉄道の事例

1件目は現在も調査中の大井川鉄道での事例です。

2023年11月28日に終点の家山駅についた電気機関車E31形と客車普通列車3両編成の列車は、駅構内で機回し作業を実施。機関車の付け替えを完了し、折り返し家山駅を発車しポイント付近を通過。その直後に連結器が外れ機関車と客車が分離、その時ブレーキ管が外れ非常ブレーキが作動し停車。乗客や乗務員に被害は無し。
※機回し作業とは、機関車を客車や貨車の前後反対につける作業

この件が起きた翌日には運輸安全委員会が調査入りし連結器の緊急点検を実施、12/1には車両・現場の調査が行われ連結時の検査・テスト項目の追加、12/8には事故当時の状況を再現する検証を実施も、原因が見当たらず引き続き調査というのが概要です。

観光列車という側面が強かったのもあると思いますが、安全のため事故から12/1までは似たようなシステムで運行されるSL含めて、客車列車の運行を停止しました。

このケースでも自動ブレーキにより安全に停止できています。なので、安全に停止でき、見た目では問題が確認できなくても重大インシデントに当たるというのは、ポイントです。

一方で、新幹線と違いアナログな物理的システム中心で連結すれば物理的操作をしなければ外れにくい古い方式であるにも関わらず、外れたので重大性を大きく見積もられたという点もあるかもしれません。

もう一つ特筆したいのは、大井川鉄道が事故が起きてから調査や新しいことを実施する度に、ホームページで追記しながら公開していた点です。本来当たり前ではあるはずの透明性のある事後報告というのができない企業が多い中、こういった公開を行ったのは評価すべきだと思います。

2件目 似ているかもしれない両毛線での事例

2005年5月31日に始発駅小山駅を発車した107系2両編成を2編成連結した4両編成は、次の駅の思川駅に到着。その時車両下部からエアーの抜ける音がし、車両が後退し始め車掌が非常ブレーキをかけ停車。乗客・乗務員に被害は被害は無し。

思川駅で点検を実施したところ、前2両のドアは開閉できるが後ろ2両のドア開閉ができない・ブザーによる連絡ができないなどを確認、そのため連結器を点検したところ20cm分離していたのを確認。

技術係を呼び再度点検。後ろ2両の解結スイッチは点灯していたが(連結)操作ハンドルは運転位置であり、異常は見つからなかったので、再度連結し岩舟駅へ向けて回送を実施。発車した後の走行中に本来オフのはずの自動解結NFBがオンになっていのに気づいたが、走行中なので万一を考えそのまま走行。
※自動解結NFBは自動解結装置の電源を入れるためのブレーカー

次の栃木駅到着後に、思川駅と同様の分離が発生した。というのが重大インシデントの概要です。

原因は前日の作業ミスと偶発的な電気系統の不具合と地形とみられています。

107系は2両固定編成ですが、2・4・6両と必要に応じて編成を増減するため連結切離しを行います。そのため日常的に連結と切離し作業が実施されていました。

前日も2編成の連結作業を行っていました。本来は自動解結NFBスイッチをオンにし、自動解結装置の操作を行い連結、連結完了後に自動解結NFBをオフにするのが流れです。しかし、自動解結NFBをオフにするのを作業員が忘れていたようでした。

しかし、自動解結NFBは自動解結装置の電源スイッチであるため、自動解結装置の操作を行なわなければ、問題ないはずでした。ですが、自動解結装置を分解したところ、装置自体に故障が無かったものの、設計の問題によりコネクタの通電不良で誤作動が発生した可能性があると分かりました。これにより本来人が操作したときしか作動しては行けないのに、逆に作動してしまったと考えられます。

それに加えて、自動解結装置は5km/h以上であればロックをかけるのですが、思川駅が下り勾配で停車した後に列車がゆっくり動きだしたために、勝手に動き出し分離しました。

つまり、作業員のミスと自動解結NFBの設計ミスと下り勾配という3つの条件が重なって、初めてこのトラブルが起きたことが分かりました。そして、この件では車掌が非常ブレーキをかけましたが、人為的にブレーキをかけなければ相当距離列車が動いたことも指摘されています。

これらの原因から自動解結NFB取り扱い時の確認や注意喚起のシール追加、自動解結装置の改良が実施されました。

この例では当初原因は全く分からなかったものの、調べたことにより人為的なミスや設計の不具合が起こったことが分かりました。

このケースが今回の東北新幹線のケースと違うのは、車掌の機転により列車が停止、列車に搭載された装置だけでは、安全に停車できなかった可能性があるという点だと思います。ただ、安全に停車した大井川鉄道のも調査対象になったのを考えると、そこまで大きなポイントともいえないのでは無いかと思います。そして未知であった電気系統の不具合が原因が一つだったと言う点は、今回のケースのヒントになるかもしれません。

大企業なので調査はするだろうが…

JR東日本は調査は間違いなくすると思います。人間自分に甘くなるように、自社には甘くなってしまうものです。運輸安全委員のような第三者の立ち入り・原因の公表範囲・安全対策の実施などは、全てJRの自主性に委ねられてしまうので、それがどこまで出来るかは心配なところです。

そして一番思うのは、調べて事故を防げることがあっても、調べて事故が起こることはないということです。

更に今回装置が正しく働いたのちに車掌が機転を利かせブレーキをかけたというのが、どういう意味があったかも調べる必要があると思います。JR東日本は自動化を推し進めているので、人間の機転にも意味があったのか無かったも重要な話になると思います。逆にこういうケースでは、機械の非常動作と人間の良かれと思った動作がぶつかり悪い方向に働くこともあります。

重要インシデントにならない以上はJRに委ねられたわけですが、透明性のある公表を行ってくれることを願っています。


2022年6月12日日曜日

上越新幹線275km/h運転復活とさよならE2系




 JR東日本は2022年6月7日に、2023年春から上越新幹線の最高速度を再び275km/hへ引き上げると発表しました。これと同時上越新幹線より2022年度末にE2系を引退させ、E7系に統一すると発表しました。今回は再び275km/h化されること、E2系がこのタイミングで引退する理由を考察します。

今回は全区間で275km/h化

JR東日本E2系新幹線
上越新幹線から引退するE2系
写真の下枠交差パンタグラフのタイプは
既に引退済み
275km/hに速度が引き上げられるのは、「大宮~新潟」間で上越新幹線全区間となります。現在同区間は240km/hが最高速度で、30km/h速くなることになります。後述しますが、以前は下り一部列車が一部区間でのみ275km/h運転が実施されていました。

これにより所要時間が最大7分短縮されると発表しています。275km/hで運行するのはE7系です。E7系は設計こそ275km/hですが、260km/hでの運行しかしておらず、これで本来の性能が発揮されることになります。これに合わせて上越新幹線はE7系に統一され、E2系は2022年度末に一足早く上越新幹線から引退となります。

2019年5月にも275km/h化することをJRは発表していたのですが、当時は2022年度末実施予定としていたので、若干計画は遅れたことになります。

高速化発表化以降、車両を使った試験や工事などを進めてきました。速度が上がれば騒音も増えるので、防音壁のかさ上げや形状の変更、吸音壁を設置することで騒音が大きくならない工事が実施されています。また、高速走行をするとどうしても架線が揺れやすくなるので、架線をより強く引っ張って張る工事を行うことで、地上設備でも高速化を実施しました。

復活する275km/h運転

1990年3月10日~1999年12月4日の間で、「上毛高原~浦佐」間の下り勾配を利用して、越後湯沢を通過する下り速達列車の一部だけでトンネル区間を中心に275km/h運転を実施していました。

これは谷川連峰を超える際の高低差を利用したもので、上毛高原駅が標高約440m・越後湯沢駅が約355m・浦佐駅が約118mと下りが続いているのが分かります。この区間は半分以上がトンネル区間で、騒音も問題になりにくい構造です。それを利用して275km/h運転を実施していました。(標高は駅中心部の地上1Fを基準にしたものです。)

この列車には、専用の4編成の200系だけが使われていてました。ATC関係を275km/h用に特別改造し、ブレーキ性能や騒音対策が強化され検査基準も厳しくした特別編成でした。

その後275km/hは中止されてるのですが、これは200系以降の車両で車両性能が向上したことや、ほくほく線が開業し「はくたか」乗り換えなど越後湯沢駅の重要性が高まったことが理由とされています。

E7系統一で車両性能向上で275km/h復活へ

JR東日本E7系新幹線
上越・北陸新幹線で活躍する
E7系
2021年10月までは最高速度が240km/hのE4系が上越新幹線で運行されており、これも速度アップの障壁だったと考えられます。

現在上越新幹線で運行しているE2系は、275km/h対応のE2系1000番台で、東北新幹線では275km/hでの運行が可能です。そして、公開されているカタログスペックだけで言えば、E7系と大差はありません。しかし、E7系はE5系の技術を取り入れ、最高速度とスペックを落とした車両なので、E2系よりは性能が高く高速運転しやすいはずです。

また、E2系は順次廃車の進められている古い車両です。安全性や信号制御を考えると、東北新幹線で275km/走っているから、上越新幹線もそのまま走れるという単純な話ではないはずです。走れるか走れないかで言えば上越新幹線でも275km/hで走れるでしょうが、引退が近い車両へ手間をかけるのは得策でないという判断になったのだと思います。

上越新幹線がE7系に統一されることで、すべての車両性能や座席数が統一されることになりまうす。これによりダイヤを考える上で単純化できることや、ダイヤが乱れたときへの対応が楽になります。

東北新幹線でE2系が残る理由としては、最高速度がE2系と同じE3系が速度上のボトルネックとして残っており、E3系は今後置き換えることが予定されているからだと思います。E3系はE2系と連結して運行されているので、E3系の引退と同時期に東北新幹線でのE2系も引退になると予想します。

そういった理由からE2系の置き換えを上越新幹線で先に進め、東北新幹線でのみの運行とし、E7系で統一しての速度向上の実施という判断なのではないしょうか。240km/hを最高速度として、E2系の上越新幹線での繁忙期の臨時運行が今後あるかは、気になるところです。


鼻の短い山形新幹線E8系投入 E3系の終焉へ




JR東日本は2020年3月3日に山形新幹線へE8系を投入し、福島駅のアプローチ線の改良を行うと発表しました。E8系の特徴を中心に解説します。
記事作成: 2020.03.03/記事更新日: 2022.06.12

鼻は短く最高速度300km/hで定員重視

JR東日本E3系2000番台
山形新幹線E3系2000番台
E8系は2024年春から運行開始で、E5系との併結で東北新幹線走行時の速度が275km/hから300km/hに引き上げられます。2024春から2026年にかけて導入予定です。

基本的な構成はE6系に準じたものとなりますが、大きく違うのは速度と定員です。E6系は鼻が尖っている先頭部13m、最高速度320km/h、定員330名(グリーン車22名)、荷物スペース四か所、車椅子スペース一か所です。対してE8系は先頭部9m、最高速度300km/h、定員355名(グリーン車26名)、荷物スペース七か所、車椅子スペース二か所となります。

E6系は「こまち」として「はやぶさ」と連結して、東北新幹線内は最速達列車として運行しています。一方でE3系は「つばさ」として「やまびこ」と連結して運転していますが、「やまびこ」は元々停車駅が「はやぶさ」より少し多めに設定されている列車です。また、「こまち」は盛岡まで、「やまびこ」は福島までと、東北新幹線内を走る速度や停車駅が列車の設計に反映された形です。

グリーン車はE6系もE8系も先頭車一両のみで7両編成となっているため、先頭車2両で10名以上の定員が増えていのるが分かります。さらにE8系は大型荷物スペースが全車両に拡大され車椅子スペースが一か所増えているのに定員が増加しており、他の箇所でも定員増加の工夫がされているようです。

E3系からの変更箇所として全車両のフルアクティブサスペンションダンパー化による乗り心地向上、E3系・E6系との違いがコンセントの全席化となっています。カラーリングに関しては現行を踏襲します。

投入編成数としては当初17編成の導入を予定していました。しかし、2022年6月の報道によると、導入決定時より需要が下回る予想となったため、運行中のE3系1000・2000番台の合計数と同じ15編成の導入となります。

導入編成数は減ったものの運行本数に影響はないとしているため、現在の運行本数より減るのではなく、週末に運転されている臨時列車や東北新幹線内での増結編成での運用の調整になるのではないでしょうか。

E3系の終焉へ

E3系は0番台が秋田新幹線に投入され、その後にE3系1000番台と2000番台が投入されました。2022年6月現在では東北新幹線の増結用と山形新幹線用に1000番台・2000番台が活躍しています。

E8系が投入されることで、本来のミニ新幹線としての役目は終わると予想されます。また、増結用編成としては0番台が秋田新幹線引退後活躍したように、1000番台と2000番台が少しだけ活躍するかもしれません。しかし、速度も同時に引き上げられるために、その頃にはE2系も定期運転では引退してるでしょうから唯一のダイヤ上ネックになるため微妙なところです。

福島駅のアプローチ線の改良

福島駅にある奥羽本線から東北新幹線への接続用のアプローチ線は、下り線側のみの単線構造となっています。なのでアプローチ線を上り線にも増設し、複線構造に変更されるのがE8系導入と同時に発表されました。使用開始は2026年度で、E3系の置き換え完了と同時になります。

これにより東北新幹線上での平面交差や単線区間が解消されるために、増発やダイヤ乱れ時の対応がしやすくなります。


2020年7月11日土曜日

2020年7月ついに運行開始 新型新幹線N700Sを解説




2016年16月24日に製造することが発表され、2020年7月1より運行を開始したN700Sについて紹介します。
記事作成日: 2016.06.24/記事更新日: 2020.07.11

東京駅に到着するN700A
東海道・山陽新幹線で
現在最も新しい形式のN700A


最高のN700系2020年7月1日運行開始

JR東海は2016年6月24日に東海道・山陽新幹線向けに新型新幹線車両N700Sを投入すると発表しました。そして試験車両にあたる確認試験車を2018年に、2019年より量産車の投入を開始し2020年7月1日に運行を開始しました。N700SのSは最高という意味の「Supreme」という単語に由来します。

2016年6月24日発表

・「SiC」などの採用による軽量省電力化
・柔軟な車両編成への対応
・新型先頭車形状にによる騒音低減
・フルアクティブ制振制御の採用
・リチウムイオン電池採用による非常時居住性改善
・走行機器や車内のモニタリング強化
・地震時のブレーキ短縮
・全席コンセント設置


2017年9月28日発表

・パンタグラフの構造変更
・台車の構造変更による軽量化
・6極駆動モーター採用
・歯車装置の歯車の形状を変更

N700SはN700A系をベースにフルモデルチェンジした車両で、発表当時より順次新しい技術について発表されていきました。それらについてすべてのではありませんが、解説したいと思います。

SiCなどの採用による軽量省電力化

新幹線は長年軽量化と省電力化が図られてきましたが、今回一番大きな鍵を握ると思うのが「SiC」の採用です。「SiC」は炭化ケイ素の略です。従来半導体と言えばシリコン(ケイ素)でしたが、炭化ケイ素を使うことで、より高性能で耐熱性に優れたパワー半導体を作ることが出来ます。そして高性能な分同じ性能を求めるのであれば、小型省電力化が可能になるわけです。さらに耐熱性に優れているため、冷却機器の小型化で装置全体を小型に出来ます。

N700Sでは他の機器の見直しと共にインバーター冷却システムを走行時の風で冷やす走行冷却方式に変更するインバーター装置の見直しとで、16両編成あたり11t削減しました。

消費電力ではN700Aと比べて当初7%削減可能としていましたが、運行開始時の資料では285km/h走行時6%の削減となっています。これはN700Aの275km/h走行時の消費電力よりもわずかに少ない値です。

柔軟な車両編成への対応

「SiC」の採用などで装置が小型になったことで、床下機器の配置も大幅に見直されました。従来は8種類あった床下機器のパターンを4種類に絞ることで、設計変更なく16・12・8・7・6両の柔軟な編成を可能としました。これをJR東海は標準車両と読んでいて、国内外問わずに低コスト・タイムリーに車両が供給可能になります。

6~8両まではオールM車による編成とし、12両の場合は10M2T、16両の場合はオールMか14M2Tの組み合わせを可能としています。

新型先頭車形状の採用

N700系は「エアロダブルウィング」という形状を採用していますが、新しく「デュアルスプリームウィング」という形を採用しました。ボートの船底に採用されているような形に非常に近くなっています。これにより更に走行時やトンネル進入時の騒音を低減できます。

さらに前照灯も大型化され、視認性を向上しています。この前照灯はLEDを採用していますが、消費電力はN700Aの半分になっています。

グリーン車にフルアクティブ制振制御の採用

現在採用されている制振技術の「アクティブサスペンションダンパー」は、車体と台車をつなぐ油圧ダンパーを進行方向に対し垂直に設置し、電子制御によりダンパー内の弁の堅さを変えて横揺れを軽減する技術です。

今回採用された「フルアクティブ制振制御」は基本的な構造は「アクティブサスペンションダンパー」と同じですが、弁ではなく油圧ポンプを使う点が大きな違いです。今までのようにダンパ-の堅さを変えてゆれを軽減するのではなく、油圧ポンプでダンパーの油に力を加え振動を打ち消すことを可能にします。

今回採用されるのは編成中のグリーン車のみです。これによりグリーン車の振動は、人が分かるレベルで減るとしています。

リチウムイオン電池採用による非常時居住性改善

鉄道車両には非常時などのためにバッテリーが搭載されていて、通勤電車では近年リチウムイオン電池が採用されています。N700Aで採用されたいた鉛蓄電池からリチウムイオン電池に変更されます。これにより電池の重量30%・体積50%低減されるにも関わらず、電池容量はより大きなものとなります。

通勤電車では大容量のリチウムイオン電池の採用で、停電時にその場に停車が危険と判断した時に、電池だけでゆっくり走る機能が採用されはじめています。N700Sも同様の機能を新幹線として初めて採用します。

新幹線のトイレは水や排水量を削減するため水をポンプで吸い込む方式となっているので、停電時などには使えませんでした。今回電池の容量が大きくなったことで、停電のような電気が止める状況でも一部車両でトイレが使用可能になります。

走行機器や車内のモニタリング強化

近年では新幹線・通勤電車問わずに普通の車両に搭載したセンターでリアルタイムで車両や車外の状況を記録し、車両や地上設備の故障予防やメンテナンス低減に役立てようという取り組みが盛んです。N700Sでは既に採用済みの台車振動検知システムを強化するなどし、より多くのデータを取得して役立てる予定です。

一部通勤電車や新幹線には監視カメラが搭載されていますが、現状はドライブレコーダーのように後で見るためのものです。N700Sでは運転指令所はリアルタイムで映像が見ることが出来るようになり、非常時に乗務員への指示などでサポートが出来るようになります。

地震時のブレーキ短縮

ATCやブレーキデータの改善で、地震時の停車距離がさらに短くなります。N700Aは登場以降も改修を続けることで、登場時と今年度から増備される700A三次車では地震時に5%停車距離が短くなっています。N700Sではさらに5%短くなります。

停車時のブレーキアシスト

駅間を走行する時は速度を出し過ぎるとATCによる自動ブレーキがかかるようになっていますが、駅停車時の30km/h以下の速度でも状況に応じ自動ブレーキがかかるようになりました。

通常時は自動ブレーキは作動しませんが、停止位置までに停車出来ないスピードが出ているときは、それ以下のスピードになるよう自動ブレーキがかかるようになります。

パンタグラフの構造変更

現在のN700A系では4分割のすり板を採用した、在来線に似た形状のすり板をパンタグラフで採用していました。それがJR東日本E5系などで採用しているようなすり板を多く分割したタイプに変更されます。構造的にもJR東日本の多分割すり板に近いようですが、すり板の固定構造が微妙に違い、たわみ式すり板という名称が使われています。

JR東海系の新幹線では大型のパンタグラフカバーを装着することで、パンタグラフを固定する台座は小型の支持部の4点で固定するものを採用していました。それが大型の支持部2点で固定するものに変更されます。

台車構造の変更による軽量化

台車のフレーム構造を変更することで、フレーム内にあった補強材を減らし1台車あたり75kgの軽量化と溶接部分の数を減らします。フレーム内の変更がメインなので、大きな外観上の変化はなさそうです。


6極駆動モーター採用

最近の電車には交流モーターが使われていますが、この交流モーターの出力をサイズに変えずに上げる方法として、モーター内の極数をあげるというのがあります。この方法はパワーが上がる変わりに、同じ回転数を得るにはより高速なスイッチングの出来るインバーターシステムを必要するデメリットがあります。

N700SではSiCを採用したましたが、SiCは今までのSi(シリコン)を採用したインバーターより、より高速でスイッチングできます。そのため6極駆動のモーターを新幹線で初めて採用されたようです。

歯車装置の歯車の形状を変更

モーターの回転を車輪に伝えるため、間に歯車が入ります。この歯車の歯の形状が変更となりました。従来の物はハスバ歯車というもので、騒音が軸受けのダメ―ジが大きいものでした。今回採用されたヤマバ歯車は、それらが少ないものとなります。

JR東日本の新幹線試験車であるFASTECH 360でも採用されましたが、ヤマバ歯車はE5系では採用に至りませんでした。そのため営業車としては始めての採用という表現になりました。

耐雪構造の強化

台車の露出部を減らし台車付近の車体に融雪用のヒーターを搭載することで、列車の着雪を防ぐ機能が強化されました。

東海道新幹線N700系置き換え用車両

N700Sは試験車両にあたる確認試験車を2018年に、2019年より量産車の投入を開始し2020年7月1日に営業運転を開始しました。

一方2019年度ギリギリの2020年3月1日をもってJR東海所属の700系が全てが運行を終了し、N700Aで置き換えられました。なので、N700SはJR東海所属のN700系置き換え用として投入が続けられます。

JR西日本については700系の引退時期を発表していませんが、16両編成のB編成は3月13日に定期運行を終了しており、ひかりレールスター用の8両のみの運行となっています。今のところN700Sの導入は発表していませんが、いずれ導入が開始されると思われます。16両以外の編成にも対応しているため、JR西日本所属のひかりレールスターなども対象になるのではないでしょうか。一部では北陸新幹線の名前を挙げているところもありますが、雪に対する耐雪構造の関係やJR東日本との車両運用の関係で、将来の延伸時含めて無いのではと思います。

九州新幹線の800系新幹線も時期としては2020年頃に置き換え時期を迎えるので、今後対象に追加されるか気になるところです。

関連記事
東海道新幹線からJR東海700系引退へ


2016年5月28日土曜日

面白運用 JR北海道H5系新幹線と東京駅




2016年3月26日のダイヤ改正で、北海道新幹線用H5系が運行を開始しました。その中でもちょっと面白い運用を紹介したいと思います。

東京駅停車中のJR北海道H5系、JR東日本E7系・H5系新幹線
東京駅に停車中のH5系
「新函館・北斗~東京」を往復する列車は多く設定されていますが、H5系を使用する列車は僅かです。そのなかで東京駅までやってくる運用は3往復のみとなっています。その中で今回紹介するのは、21:04着はやぶさ32号と21:44発やまびこ223号の運用です。

2回発着が見れる


普通新幹線が東京駅で折り返す場合、発着シーンが見れるのは1回です。しかし、この運用では2回見ることが出来ます。

まず、21:04着のはやぶさ32号として東京駅21番線に到着します。そのあと新幹線清掃チームのコメットさんが車内清掃に入り、10分程度で1回上野方面へ回送します。その後21:30頃に東京駅20番線に入線し、やまびこ223号仙台行きとして発車していきます。

夜になり運転本数が減り、折り返し時間が長く設定されてるために出来る、夜ならではの運用です。

数少ない寝台特急とのツーショット


現在唯一の定期寝台特急列車のサンライズエクスプレスが、東京駅から発車しているのはご存知の方も多いと思います。このH5系の運用では20番線に入線するために、品川方面から回送されてくるサンライズエクスプレスとツーショットを見ることが出来ます。

寝台特急が激減した今では、新幹線とのツーショットは非常に貴重です。サンライズエクスプレスの回送時刻や、H5系の入線番線が変れば見ることが出来なくなります。今のうちに一度は見ておいて損はないでしょう。

実は北海道には行かない

はやぶさ32号は「新青森~東京」間、やまびこ223号は「東京~仙台」間の運転でどちらも北海道内の走行はありません。この他には、はやぶさ17号も「東京~新青森」間での運転です。

JR東日本のE5系が北海道まで多く乗り入れているため、調整の意味で道内の運転の無い列車が設定されているのだと思いますが、ちょっと面白いですね。


いかがでしてでしょうか?夜遅くに行くと、ちょっと面白くてお得な運用を見ることができます。是非行ってみてください。また、夜間の撮影ではフラッシュが自動で発光する場合もあります。黄色い線の内側から、楽しく夜の新幹線を楽しみましょう。


2016年2月3日水曜日

東海道新幹線静岡空港駅とは実際どうなのか?




JR東海が否定しつつも、静岡県が積極的に推進する東海道新幹線静岡空港新駅構想があります。実際はどういった状況なのなどを交えて紹介したいと思います。

東海道新幹線品川駅停車中のN700系

静岡空港とは?

静岡空港は2009年に開港した静岡県牧之原市にある地方空港です。ホームページで航路や発着便を見てみました。記事を書いた時の状況ですが、国内だと「福岡・札幌・沖縄」、国際路線は「杭州、上海、天津、武漢、温州」と中国向け路線がメインとなっています。便数は国内便が7往復・国際便が5往復の運行です。東京と名古屋の中間に位置し近くに東海新幹線も走っているため、地方空港であるものの、東京行きが無いのも特徴です。

空港へ直結する鉄道がなく駅から離れているため、公共交通でのアクセスはバスが基本となります。静岡駅からだと50分、最寄り駅の島田駅からは25分、掛川駅からは35分などとなっています。鉄道駅からのアクセスの悪さを補うため、自家用車用無料駐車場も2000台あります。

乗降客数は2014年のデータだと国内線が約30万人、国際線が約20万人です。乗降客数が同程度の空港としては、茨城空港や佐賀空港が挙げられます。

他の地方空港でもよく行われることですが、チャーター便や利用者に補助金を出すなどして利用を促進するなども行っています。東京行きの便が無いことを考えると他の地方空港より特段に悪い状況とは言えないようですが、決して盛況とも言えない状況だと思います。

諸刃の秘策新幹線直結構想

地図で確認してもらうと分かると思いますが、静岡空港は滑走路から空港ターミナルまで含め東海道新幹線の真上に位置します。そこで静岡県が打ち出したのは東海道新幹線と空港を直結させようという構想です。新駅の設置方法としては既存の線路に平行して新線を建設して建設するなどが検討されているようです。

この案に対しては国は消極的、JR東海はかなり否定的な対応をとっています。一先ず国の反応は置いておくとして、JR東海の反応は当たり前のものだと思います。東海道新幹線は限界まで運行本数を増便しています。設備自体も非常に老朽化が進んでいて、リニア中央新幹線開通まで何とか延命して乗り切ろうとしている状況です。そんな中で新幹線を走らせながらトンネル工事という、面倒な工事をやりたいと思うわけがありません。

更に掛川と静岡との駅間距離が短いのもネックとなっています。ダイヤを犠牲にせず新駅を作るとなれば平行して駅を設けるにしても加速が十分出来る距離が必要なわけで、平行する区間が長い距離必要で工事費が増える一因になるのも想像できます。

JR東海は需要に応えるため東海道新幹線の効率化に励んできました。しかし、リニア中央新幹線開通後はそういった姿勢を軟化させたい考えも多少はあるようです。なので新駅の建設はリニア中央新幹線以後というのが最低ラインだと思います。

また海外では高速鉄道が空港に乗り入れるなどもあり、新幹線との直結は魅力的な面も確かにあります。しかし、推進するのが静岡県ということで問題が生まれる可能性が高いように思えます。

例えば新幹線と直結したとき飛行機の発着料を抑えてLCCの国際線を就航させ、東京や名古屋の玄関口にすることが考えられます。その場合お客さんは都心方面へ流れることになります。しかし都心方面へお客さんが流れてしまえば、いくら空港としての利便性が向上しても巨額の費用を投じる静岡県としては意味がありません。結果として新幹線の都市間を結ぶ特性と静岡県の意図がぶつかってしまいます。

以上のことを踏まえると、新幹線直結案自体は検討する価値もあると思います。しかし、やっぱりいろいろと考えが甘すぎたと思います。東海道新幹線は空港建設より前からあったわけで、新幹線との関係性はよく吟味して建設すべきだったと思います。そして新幹線と連携したいならJR東海が飲めないようなプランも論外です。さららに利用促進の視点が静岡県のみで、他地域への波及という方策が取れないのも状況を悪くしていると思います。

結局空港を建設することありきで進めていたのと典型的な縦割りで、いろいろしわ寄せが出てしまってるとしか思えないのが残念です。東海道新幹線の真上というのは他の空港にはない特性で非常に面白い点であるのは間違いありません。全体を見渡して検討を出来る体制を作って、本当に必要かどうか考えられるようになってくれることを願うばかりです。


2015年11月19日木曜日

東海道新幹線 指定席車内改札省略へ




2015年11月19日にJR東海は東海道新幹線の車内改札を変更すると発表しました。これにより指定席・グリーン車は原則省略、一部割引切符・自由席は従来どおり車内改札実施となります。これにより全ての新幹線指定席での車内改札が原則省略に統一されます。

東京駅を発車するN700系

あくまで原則省略

東海道新幹線では運転本数が多く持っている乗車券とは別の列車に乗っている場合などが多くあるため、原則として全ての座席で車内改札を行っていました。しかし、3割の乗客がエクスプレス予約を利用するなど車内端末で正確に確認出来るようになったため、今度のダイヤ改正から指定席やグリーン車では車内改札を省略すると発表しました。

東海道新幹線では自由席や学割・ジパング割引など特定の条件でしか使えない割引で指定席を利用した場合は今後も車内改札を実施するとしています。

車内改札省略の仕組み

車内改札を省略出来る仕組みですが、新幹線改札で乗車券と新幹線特急券を通すと列車に乗車している車掌が持つ端末に座る座席と改札を通過した情報が送信されます。車掌が巡回する際にその情報と照らしあわせます。あらかじめ指定された座席にちゃんとすわれば省略され、本来空席の席に人が座っていると車掌が車内改札を実施します。

このように改札を通過した情報を車掌の端末へ送信できるようになっため、JR東日本では2002年12月1日の東北新幹線八戸延伸の際に指定席の車内改札を省略開始し、JR西日本では2005年頃に山陽新幹線での省略を始めました。今では東海道新幹線を除いた山形・秋田新幹線を含む全ての新幹線の指定席で車内改札が省略されるようになりました。このサービスは一部在来線特急や私鉄特急でも同様に実施されています。

余談ですが車掌さんの持つ端末の正式名称ですが、車掌用携帯端末と言います。東洋電機のHPで主な仕様まで見ることが出来るので興味のある方は調べてみてください。

逆に省略されない可能性のあるパターン

それでは逆に省略されない可能性があるパターンを見てみましょう。ただし、路線や状況によっても変るので、あくまで参考という程度のものです。

特殊な割引切符を使用

上記にもある年齢制限など特定の条件でしか使用出来ない割引切符は、本人確認も含めて車内改札が実施される場合があります。そういった切符を買うと説明書きに身分証明書の提示が求められる場合があるとあるように、身分証明書の携帯が必要な場合があるので注意してください。

最近はほとんど無くなりましたが、新幹線自由席を含めて自由に乗り降りできるフリー切符があります。そういった切符で指定席を利用する場合に、指定席券とフリー切符の両方を新幹線改札に通し忘れると車内改札が来る可能性があります。

自由席

こちらも上記にあるパターンです。不正乗車防止などのために現在も実施されています。ただし、駅間の短い区間のみで乗車する場合や新幹線改札機の普及で不正が難しくなっているなどの理由から、自由席でも省略されることがあるようです。

特殊な乗り継ぎ

秋田・山形新幹線など新幹線改札を通らずに乗車できる場合や、「はやぶさ→やまびこ」など新幹線同士の乗り継ぎで新幹線特急券が一枚になっていない場合など、特殊な乗り継ぎで指定席特急券が新幹線改札を通過した情報が無い場合も車内改札が来る可能性があります。

あとがき

眠っている時や何かに集中している時に来られると鬱陶しいのが車内改札です。車内改札を避けたい方は、どんな場合でも新幹線特急券を必ず新幹線改札機で通過させるようにしてください。それで車内改札に遭遇する可能性は減ります。

鉄道ファンとしては切符に押してくれる○○運輸区のスタンプが嬉しかったりします。自動改札と一緒で、人から機械への変化で早くて便利になる反面、趣味的にはとても寂しいものです。


2015年7月19日日曜日

九州新幹線ホーム無人化について考える




九州新幹線新玉名駅のホームの無人化が検討されているという報道があったので、実際のところどうなのか考えて見ます。

九州新幹線新玉名駅とは?

新玉名駅は九州新幹線の駅で、新大牟田駅と熊本駅の間に位置します。九州新幹線開通時に出来た駅で、鹿児島本線の玉名駅から4kmほど離れています。

何故ホーム無人化検討に至ったか

『』内は毎日新聞2015.07.18報道の「JR九州:新幹線の新玉名駅 ホーム無人化の方針」より引用
『ホーム駅員配置を10月ごろに取りやめる方針を明らかにした。2016年度の株式上場を目指しており、赤字が続く鉄道事業のコスト削減が狙い。同社によると、新幹線駅のホーム無人化は全国で初めてという。』
理由としては報道にあるように、上場を目指しているので削れるものは削っておきたいという単純な理由です。これは九州新幹線だけの話ではなく、上場を目指すと発表のあった頃からJR九州の路線全体に対しこのような意思を明確にしています。

『新玉名駅の乗降客は1日約1000人で、新幹線駅としては比較的少ない。ホームの構造はほぼ直線で、同社は車掌の安全確認用モニターの設置などをすれば、無人化しても安全に支障がないと判断した。これにより、駅員数を16人から10人程度に減らせるとしている。』

Wikipediaによると1日の乗降人員は1219名で新幹線としての利用者は多くありませんが、利用者数では新玉名駅を下回る駅も存在します。そんな中で選ばれた理由は、九州新幹線でも見通しの良いホームだからという理由です。後述しますが、乗降の安全を考えたときホームの見通しのよさというのは大きなポイントです。なので、乗降客数より見通しに重点に置いたのだと思います。

また駅員数の部分に注目してもらうと分かりますが、ホーム上に常駐する2名を減らして無人化するだけで、駅全体を無人化するものではありません。

実際のところ実現可能なのか?

まず車両の長さですが、九州新幹線はN700系の8両が一番長い編成で約200mほどです。この長さは通勤電車10両分に相当します。10両編成の列車が運行する首都圏の駅では、日中は駅員がホーム上に立っていないことも普通で、車両の長さの面では問題は大きくないと思います。

次に見通しの問題です。先にも述べましたが見通しというのは重要で、カーブ駅などでは駅員が配置されることが一般的です。新玉名駅の場合はほぼ直線ですが、緩いカーブになっているのでやや不安な面があります。ただ、緩いカーブであればモニターで対処するのが一般的なので、ここも大きな問題ではありません。

さらに九州新幹線は可動式の柵が設置されていて、列車接近時以外は開かないようになっています。首都圏各駅はそういったものがなくてもホーム上の無人化していることを考えれば、安全性は高いといえると思います。

また、他社の例を見るとJR東日本などは新玉名駅より利用者の少ない地方新幹線駅を抱えていますが、今のところ無人化の予定はありません。単純に経営規模の違いによるものです。

結論としてですが、ホーム上を無人化するのは十分可能だと思います。しかし、ホームに駅員が立っていたときよりは安全性が下がるのも事実で、今のままだと単純に乗務員への負担が増えます。

現在JR西日本では画像認識で、ホームからの転落を検知するシステムの開発を行っています。そういった機械による補助で、乗務員への負荷を単純に増やさず無人化を検討する必要もあると思います。


2015年6月5日金曜日

北陸新幹線 少しづつ変る利用者の流れ




開業して3ヶ月ほど経った北陸新幹線の利用者について、様々な点からどういった傾向になっているか紹介します。

東京駅へ到着するE7系新幹線

元々は6割が飛行機

従来は「金沢~東京」間の場合は、鉄路も空路も4時間程度の時間がかかっていましたが、空路が6割ほどの利用で勝っていました。

しかし、北陸陸新幹線が開業すると2時間半で東京まで結ぶようになり、時間では空路が大幅に不利になってしまいました。そこで航空会社は事前予約の割引額大きくしました。これにより通常運賃では新幹線より割高であるものの、割引運賃では新幹線を下回るようになりました。空港までの交通費を含めた場合では、「金沢~東京」間では新幹線に劣りますが、「富山~東京」では空路のほうが割安です。

変る流れ

そうしたなかで、富山県は県職員に空路の利用を求めるようにしました。これは運賃の安いほうを利用して経費削減をするほか、空路の利用者数減少で減便や撤退を防ぐためです。一方金沢県や市は新幹線のほうが安いということで、基本的には新幹線利用となっています。

また、石川県経営者協会の調査によるアンケートに答えた141社中、11.4%にあたる16社が新幹線利用を優先・優先する予定だと回答しました。

富山空港は地方空港としては便利なほうだと思いますが、それでも町の中心にあり旧北陸本線に接する富山駅よりは利便性に劣るということなのでしょう。また、小松空港は自衛隊と共用している関係で、空港がいきなりなくなることはありません。そういった事情も自治体の動きに影響したのではないでしょうか。

GWは新幹線好調

GW中の利用者は北陸新幹線開業で優位に立ったJRは、金沢支社管内の利用者が59%の増加しました。一方空路は小松空港と富山空港3割程度利用者が減りました。ただし、空路は飛行機を以前より小さいものへと変更したため、搭乗率では7割程度で以前より改善しています。

今回のGWは新幹線開業で北陸地域への注目が非常に高まっていたので、本来の数字とは違うようです。今年の秋にはJRの北陸ディスティネーションキャンペーンが開催される予定なので、まだ正確な数字を判断するのは難しそうです。それでもおおまかな流れとしては、新幹線へ流れているといえそうです。

鉄道ファンとしては新幹線が栄えるのは嬉しいことですが、交通機関同士の共存という点では悩ましい問題に感じます。


2015年4月17日金曜日

「はくたか」は熊谷に停まるべき? 埼玉県は消極的な様子




少し古い話題ですが2014年10月14日の埼玉県知事が北陸新幹線の一部列車を停車し欲しいという発言したことがありましたが、実際どうなのか?ということを考えていきたいと思います。

東京駅に停車中のE7系

埼玉県知事の発言要約

一部まとめサイトなどでは強く言ったような表現がされているようですが、定例記者会見の発言を見る限り消極的な印象を受けました。では、まず発言の要約を書いてみたいと思います。

・埼玉新聞記者の質問
埼玉県も観光客誘致でキャンペーンをしていますが、北陸新幹線が「熊谷駅」・「本庄早稲田」へ停車しないようです。止まらないと不便だと思うので、自治体や商工会とJRへ要望したりするでしょうか?

・埼玉県知事の発言
一番速い列車は航空機との戦いもあるので一理あるが、「佐久平」や「安中榛名」より「熊谷」や「本庄早稲田」のほうが人が利用者が多い感じがするので、埼玉県民の北陸方面への利用やビジネスや通勤をアピールして一部に停まってもらうようお願いしたいなと思う。


かなり要約したので正確なニュアンスになっていないと思うので、できれば埼玉県の定例記者会見の平成26年10月14日分を見ていただきたいのですが、意味としてはこんな感じです。

「記者に聞かれたので一部を停めて欲しいという要望を出すと答えた」という感じで、録画やテキストを見る限り消極的な印象を私は受けました。なので、埼玉県としては積極的に停めてようという行動は起こさないのではないかと思います。

実際に停めてほうが良いのか?

熊谷・本庄早稲田の今

「熊谷」は日中の本数が少ない時間も上越新幹線と北陸新幹線「あさま」が停車し、1時間で2往復以上は確保されています。

「本庄早稲田」の日中の本数が少ない時間は上越新幹線と北陸新幹線「あさま」を合わせて1時間で1往復程度運行されています。

どちらの駅も長野までは乗り継ぎ無しでいけますが、「かがやき」「はくたか」は全列車通過で長野より先の駅には乗り換え無しで行くことができません。

少しは停めても良いのではと思う

「かがやき」は最速達列車なので停まらないのは仕方ないと思います。しかし、「はくたか」は停めても良いのではと思います。

「はくたか」の一番停車駅の多い列車は「熊谷」「本庄早稲田」以外全駅停車というものが設定されています。その列車は新幹線で二番目に乗降客数の少ない「安中榛名」にも停車します。なので「熊谷」に停車してもさほど問題ないことは想像できます。

また、「熊谷」と「本庄早稲田」についてですが、「熊谷」は埼玉でも比較的大きな都市で高崎線や秩父鉄道との接続駅です。それに対し「本庄早稲田」は周りも栄えておらず、比較的小さな駅です。

そういった事情を考えると全ての「はくたか」を停めることは必要ないと思いますが、1日1~2往復程度は「熊谷」に停まる列車があっても良いと思います。

今後も「はくたか」の停車が実現しないのかは気になるところです。


2015年4月15日水曜日

好調な北陸新幹線と西へ向かうトワイライト




開業以降利用者数が好調な北陸新幹線とツアーの詳細が発表されたトワイライトエクスプレスについて紹介します。

好調な北陸新幹線

東京駅停車中の北陸新幹線E7系
東京駅停車中のE7系

JR西日本は2015年4月の定例会見で北陸新幹線が好調であることを発表しました。開業から1ヶ月間にあたる3月14日~4月13日の「上越妙高~糸魚川」間の利用者と、特急「はくたか・北越」の前年の利用者と比べると3倍近い293%の利用者があったとのことです。また、同じ期間の特急「サンダーバード」の利用者も104%で利用者の減少はありませんでした。

今のところの利用者の傾向としては「北陸~首都圏」の需要の伸びが一番のようです。一部ネットのニュースサイトなどで北陸新幹線がガラガラという記事がありましたが、新幹線化による輸送力増強によるもののようです。

今までは特急「サンダーバード」が最大9両で普通車4列シートだったのに対し、北陸新幹線E7系は普通車5列の12両編成です。グランクラスやグリーン車もあるので単純比較は出来ないものの、同じ1編成でも輸送量がだいぶ違うことが分かります。

西へ向かうトワイライトエクスプレス

以前JR西日本より運行を発表していた広島方面の寝台特急「トワイライトエクスプレス」のツアー募集が4月15日より始まりました。

今まではみどりの窓口で普通の特急列車と同じように乗車券を入手するの一般的でしたが、今度の運行では旅行会社を経由してツアーで予約する必要があります。

下関発の京都行き2泊3日のロイヤルが35万円、スイートが40万円になります。ダイヤの詳細はツアー旅行であるため発表されていませんが、6/1下関駅10:37発・6/2京都駅17:43着です。

現在予約可能な31日出発分はスイートは残り僅か、スイートはキャンセル待ちとなっていて満席になるのは確実なようです。

暫くは「下関~京都」間での運行ですが、7月以降は山陰方面での運行も検討されています。今までは頑張れば乗れる寝台特急でしたが、35万円からで随分遠くなってしまったものです。


2015年4月9日木曜日

JR東海 新幹線の交番検査期延伸を発表




2015年4月9日にJR東海はN700AとN700系の交番検査期の延伸を行うと発表しました。

東京駅停車中のN700A
交番検査期が延ばされるN700A

交番検査期延伸について

新幹線の車両性能向上や過去の使用・検査実績から試験車両を使い検証を行い、国道交通省に変更届けを提出し受理をされました。現在は今後の運用開始にそたえて準備を進めています。

これによりN700AとN700系の交番検査期を「30日以内か走行距離3万km以内」から「45日以内か走行距離6万km以内」とすることとなり、車両運用効率と検査効率の向上が見込まれています。700系については含まれておらず今まで通りです。

全般検査と台車検査は2002年に延伸が行われていますが、交番検査の延伸は東海道新幹線開業以来始めてとなります。

解説

仕業検査・・・概ね2日1回
交番検査・・・45日以内か走行距離6万km以内
台車検査・・・18ヶ月以内か走行距離60万km以内
全般検査・・・36ヶ月以内か走行距離120万km以内

交番検査は集電装置(パンタグラフなど)、走行装置(台車周り)、ブレーキ、車体や電気部品の絶縁抵抗などを調べる検査です。

検査の規模としては二番目に小さいもので、大きく車両を分解などはしないものの車両基地で検査器具なども使い検査をします。

検査の内容や期間の大筋は国土交通省が法令で定めているものの、2002年から細かい部分で柔軟に対応できるよう個別に検査基準を定めることができるようになりました。検査内容の詳細については鉄道会社が国交省へ届け出る必要があります。

N700系はN700Aでは登場時期に5年ほどの間がありますが、N700系をN700Aと同等レベルに引き上げる工事が全編成で行われていて、今年度中には完了する予定です。

今回の検査期延伸は今月から行われる予定で、そのこととは直接関係ないようです。


2015年3月18日水曜日

少し需要は落ち着いた?北陸新幹線開業レポート




3月16日に東京駅を訪れたので、2015年3月14日に開業した北陸新幹線についてレポートしたいと思います。

さっそくビジネスの足へ

16日は開業後初の平日となりました。北陸新幹線を撮影する観光客らしい方の中に混じりスーツ姿の乗客の方も目立っていたので、早速ビジネスの足として利用されはじめてるようです。

JR東日本の発表した「かがやき・はくたか」の高崎~軽井沢間の乗車率のデータによると初日の14日は「下り93%・上り92%」でしたが、15日は「下り82%・上り94%」と大きく下がり、初の平日となる16日は「下り82%・上り76%」と上りはさらに下がりました。

乗車率が悪いわけではありませんが、14日・15日は臨時列車も走らせたことを考えると特需的な需要は既に落ち着きつつあるのかもしれません。

それでも乗車人数の平均は前年度の同じ日に比べると「高崎~軽井沢」間は各日2倍近くになっています。

JR西日本が発表した「かがやき・はくたか」の「上越妙高~糸魚川」間と「はくたか・北越」の「直江津~糸魚川」間の利用者を前年度の同じ日と比べたデータでも、初の平日の3月16日は2.5倍以上の利用者となっています。

なので航空機や北越急行・上越新幹線経由の需要は上手く取り込めたようです。

JR西日本の新幹線が東京駅で並ぶ

東京駅に停車の北陸新幹線W7系
JR西日本W7系が並ぶ

東海道新幹線へはJR西日本の新幹線が乗り入れているので、JR西日本の車両が並ぶのは珍しいというわけではありませんが、JR東日本の新幹線ホームでは北陸新幹線開業で初めて実現しました。

JR西日本W7系編成番号
Wから始まるのはJR西日本の車両

JR東日本とJR西日本の車両を見分ける方法は先頭車両の窓ガラスや乗務員扉にある編成番号がWから始まれば西日本でFから始まれば東日本の新幹線です。車体側面下部の車両形式番号でも同様の方法で見分けることが出来ます。

そして北海道新幹線が開業するとJR北海道・JR東日本・JR西日本の新幹線の車両の並びを見ることが出来るようになります。

掃除の案内看板も北陸新幹線仕様に

新幹線清掃時案内看板
デフォルメされたE7系が可愛らしい

車内清掃をしていることを知らせ誤乗車を防止するために付ける案内看板も北陸新幹線仕様になっていました。

数を減らすも頑張るE2系

JR東日本E2系新幹線たち
右が北陸新幹線用E2系
左が東北・上越新幹線用E2系

「東京~長野」間開業から運行を続けるE2系新幹線ですが、2014年のE7系登場で数を減らし始めました。今後もE7系へ置き換えられていくはずなので、いずれ見ることが出来なくなります。

北陸新幹線では「はくたか・かがやき」の運用には入らず「あさま」運用でのみ使われています。グランクラス無し・8両の表記がある列車がE2系が使われている列車です。

新幹線20番線の線路は上野東京ラインの線路と隣り合っているので、上野東京ラインとE2系のツーショットを撮影するなら今だけとなっています。

※関連記事
初日から混雑 上野東京ライン初ラッシュレポート


2015年3月13日金曜日

北陸新幹線を見に行こう




2015年3月14日から北陸新幹線が走り出します。関東近郊の見学スポットを紹介したいと思います。

北陸新幹線とは?

まずは簡単に北陸新幹線について紹介します。

どこを走る?

北陸新幹線は「東京~長野」間を結ぶ長野新幹線を延長する形で「長野~金沢」間が開業します。将来は「金沢~敦賀」間まで延伸し、敦賀から湖西線に新幹線が乗り入れて大阪へ向かう計画が進んでいます。

どんな車両?

使用される車両はは実質1種類です。

東京駅へ到着するE2系新幹線
E2系新幹線

長野新幹線開業当時から走るJR東日本のE2系新幹線です。白地に紺と赤のラインが特徴的です。2016年1月に北陸新幹線では定期営業を終了しました。

東京駅へ到着するE7系新幹線
E7系新幹線

お次は2014年から走り始めたJR東日本のE7系新幹線です。空色の爽やかなカラーリングが特徴です。そしてもう一つはJR西日本のW7系新幹線です。見た目や性能はほぼE7系新幹線と同じで、違いは会社の所属が主なところです。なので、北陸新幹線で使われている車両は実質1種類となります。

新幹線を見るならホームがお勧め

新幹線の線路は柵や壁に囲われてい中が見にくくなっていることや、アクセスの悪い場所が多いです。なので、一番手軽に見ることが出来るのは新幹線ホームということになります。

乗車券を買わずに新幹線ホームに入るには入場券を買う必要があります。入場券は券売機で買えますが、一部券売機では販売してなかったりするので分からなかったら駅員さんに聞いてみましょう。

入場券の注意として車内に入ることが出来ないのと、発券してから2時間が有効期間というのがあります。

新幹線車内も見学したい場合は乗車券を買う必要があります。また、2時間以上ホームで見学したい場合は、発券から2時間以内に一度改札を出て入場券を買いなおしましょう。

新幹線停車駅のみどりの窓口では無料で新幹線時刻表を配布していたりするので、入場券を買うため改札を出たときに一部貰っておくと便利です。

お勧め東京駅・熊谷駅・高崎駅

東京駅

東京駅の良いところはアクセスの良いところと、じっくり見ることが出来るところです。

入場券を買う際は一度清算する必要があるので、運賃が安くいけるところは経済的です。

東京駅は新幹線が折り返しために整備をするので10分ほどは停車します。他の駅だとすぐに発車してしまうので、記念撮影やじっくり見るには東京駅が良いと思います。また、一枚の入場券で有効時間内であればJRのホームは自由に行き来出きるので、東海道新幹線を見るのも良いと思います。

2015年3月14日現在 北陸新幹線 東京駅到着時刻表
2015年3月14日現在 北陸新幹線 東京駅到着時刻表

せっかくなので北陸新幹線東京駅到着時刻表をつくってみました。
臨時列車は含まれていませんが、定期列車の到着時刻は網羅できていると思います。

熊谷駅

熊谷駅の良いところは通過する姿を見ることができます。

北陸新幹線は全列車が熊谷駅を通過します。なのでじっくり見るのには向きませんが、通過していく姿を見るには良い駅です。

土休日は秩父鉄道がSLを運行するので、別途秩父鉄道の入場券を買えばそちらも見ることが出来ます。

高崎駅

高崎駅は通過列車と停車列車両方見れることです。

「かがやき」は高崎駅を通過しますが、「あさま」「はくたか」は高崎へ停車します。なので両方見たいという方にはお勧めです。

土休日はSLの運行をする場合もあるので、同じ入場券でそちらも見ることが出来ます。

新幹線を見るときの注意

・黄色い線の内側から見る
・駅員さんの指示に従う
・柵には寄りかからない
・お子さんと見るときは手を繋いで

こんな感じで紹介してみましたがいかがだってしょうか?開業したての北陸新幹線をぜひ楽しんでみてください。


2015年3月10日火曜日

山陽新幹線全線は開業40周年へ




2015年3月10日に山陽新幹線は40周年を迎えました。

博多総合車両所に停車中の0系新幹線たち
かつて山陽新幹線で活躍していた0系たち

各地で記念式典も

博多駅では7:49発東京行きの「のぞみ10号」、広島駅では8:02発博多行きの「ひかり441号」、新大阪では8:59発鹿児島中央行きの「みずほ605号」で式典が行われました。

記念入場券も発売

3月10日から山陽新幹線の各駅の入場券をセットにした2620円の記念入場券セットが計10000セット発売されました。既に売り切れになっている駅も出ているようです。

また、記念入場券のほかにも40周年にあわせた企画が展開されています。

開業はもう少しだけ前

山陽新幹線は「新大阪~岡山」間を1972年3月15日に先行開業し、1975年3月10日に「岡山~博多」間を開業しました。なので、開業からの年数を数えた場合は3月15日で43周年となります。

山陽新幹線について

山陽新幹線は東海道新幹線と違い高架やトンネルを多用して作られた路線です。そのためカーブが少なく、500系新幹線が日本で始めての300km/hを運転を実施しました。

そして東海道新幹線が3種類の車両しか運行されていないのに対し、山陽新幹線は6種類の車両が運行されていて楽しい路線です。

現在九州新幹線の長崎ルートの建設が進められています。長崎ルートからの乗り入れ列車が運行されれば、今後はより多くの車両が見られるようになるかもしれません。

今後も末永く発展を続けて欲しいものです。


2015年3月8日日曜日

今更聞けない北陸新幹線の話




2015年3月14日から運行開始をする北陸新幹線ですが、正直よくわからないという方もいると思います。今回はそんな方のために解説したいと思います。

大宮駅に到着するE7系新幹線
北陸新幹線でも使われるE7系新幹線

北陸新幹線って?

現在既に開業している長野新幹線の延長として「長野~金沢」間が北陸新幹線として開業します。「長野~金沢」間の駅は「飯山・上越妙高・糸魚川・黒部宇奈月温泉・富山・新高岡」の6駅です。上越妙高駅から東京寄りをJR東日本、金沢寄りをJR西日本が運行します。

「東京~北陸~大阪」を経由する北陸新幹線の建設計画自体は非常に古く、国鉄時代から存在していました。資金難や政治的な問題もあり一時計画を中断していましたが、長野オリンピックに合わせて開業した「高崎~長野」間が長野新幹線、今回開業する「長野~金沢」間が北陸新幹線という名称で開通することになりました。

初期の計画のように「東京~北陸~大阪」を全て新幹線で建設ということはなくなりましたが、「金沢~敦賀」間までは既に着工されていて、北陸新幹線の延伸区間として今後開通が決まっています。

将来的には「東京~敦賀」間が新幹線、「敦賀~大阪」間は新幹線車両が在来線へ乗り入れて運行することが検討されています。

どんな新幹線が使われる?

北陸新幹線はE2系・E7・W7系の三種類の車両が使用されます。

E2系新幹線

大宮駅に到着するE2系新幹線
E2系新幹線

E2系新幹線は長野新幹線開業時から使われている車両です。

東北・上越新幹線でも使用されている車両ですが、長野・北陸新幹線用の車両は8両編成でラインが赤、東北・上越新幹線用はピンクのラインに10両編成という違いがあります。

E7系の登場により廃車が始まっています。なので、そう遠くないうちに長野・北陸新幹線からは見ることは出来なくなります。

E7系・W7系新幹線

東京駅に到着するE7系新幹線
E7系新幹線

E7系は長野・北陸新幹線用として2014年3月15日から使用されているJR東日本所属の青いボディの車両です。

E2系より長い12編成でグランクラスも連結します。最高速度はE5系やE6系より遅いものの、乗り心地に関しては同様に高い水準となっています。コンセントが全座席に装備されていて便利です。

W7系は北陸新幹線開業と同時に運行を開始するJR西日本所属の車両です。見た目や性能もJR東日本E7系とほぼ同じ車両です。

今までJR東日本とJR西日本は線路が繋がっていなかったため、E7系とW7系は両社間を初めて行き来する車両となります。

どんな名前の新幹線が走る

既に運行をしている「あさま」の他に「かがやき」「はくたか」「つるぎ」の3種類の列車が新たに運行を開始します。

「あさま」号

「長野~東京」間を結ぶ長野新幹線開業時から運行している列車で、北陸新幹線開業後も引き続き同区間で運行を行います。

「かがやき」号

「金沢~東京」間を結ぶ列車です。

以前に「金沢~長野」間を結ぶ特急列車として使われていた名前で、北陸新幹線では速達型の列車名として使われます。停車駅は「東京・上野・大宮・長野・富山・金沢」と最低限の数になっています。

「はくたか」号

「金沢~東京」間を結ぶ列車です。

「かがやき」とは違い比較的多くの駅に停車する列車です。この列車名は「越後湯沢~金沢」間で運行する特急名を北陸新幹線開業と同時に引継ぎ使用します。

「つるぎ」号

「金沢~富山」間を結ぶ列車です。

全列車各駅で中距離の輸送を担います。この列車名は「金沢~大阪」間を結んでいた寝台列車でも使用されたことがあります。

消える特急・路線達

北陸新幹線開業に合わせて在来線も大きな変化を迎えます。

直江津駅に停車中の681系と475系
直江津駅から姿を消す
681系「はくたか」と475系急行電車

特急「はくたか」「北越」や「妙高」「くびきの」などの列車たちが役目を終えます。在来線も国が定めた法律により、新幹線と平行する信越線・北陸線の一部区間が第三セクターへ移行します。

これにより特急廃止による新幹線非停車駅の利便性低下、第三セクター化による運賃値上げなどの問題も生じます。

しかし、第三セクター側も特急並みの運行速度を誇る超快速、運行や着席サービスのライナー、リゾート列車の運行で問題を少しでも解決しようと考えています。そういった取り組みがどの程度成果を出せるかも注目です。


2015年3月2日月曜日

JR東日本 北陸新幹線記念乗入場発売




2015年2月27日にJR東日本高崎支社・新潟支社・長野支社は「北陸新幹線開業記念(長野~富山・金沢間)入場券(軟券)」を発売すると発表しました。

記念入場券について

発売期間: 2015年3月14日~2015年6月30日まで
発売金額: 1680円
販売セット数: 計10000セット
発売場所:  高崎駅・安中榛名駅・軽井沢・佐久平駅・上田駅・長野駅・飯山駅・上越妙高駅
セット内容: 8駅分の入場券が大人・子供一枚ずつ
備考: 一人1セットまで

北陸新幹線開業にあわせての記念入場券です。JR東日本管内のみのセットで、JR西日本管内の記念入場券はJR東日本の駅では買うことは出来ません。

各駅整理券配布時間など

今回は整理券と引き換えに販売となります。整理券には販売時間・場所が記載してあるので、それに沿って購入となるようです。

また、整理券の配布時間が凄い時間からとなっています。

他にもいろいろとあるので、JR東日本高崎支社・新潟支社・長野支社 「北陸新幹線開業記念(長野~富山・金沢間)入場券(軟券)」を発売します を一度ご覧になることをお勧めします。

飯山駅ではこの記念入場券のほかに「飯山駅記念入場券」の販売もあります。
※関連記事北陸新幹線飯山駅開業記念入場券発売

高崎駅

整理券配布時間: 3月13日20:00~14日深夜2:00・14日4:50~
整理券配布場所: 西口特設ブース
販売セット数: 1500セット

安中榛名駅

整理券配布時間: 3月13日20:00~23:00・14日6:00~
整理券配布場所: 新幹線改札口
販売セット数: 500セット

軽井沢

整理券配布時間: 3月14日6:40~
整理券配布場所: 新幹線改札口
販売セット数: 500セット

佐久平駅

整理券配布時間: 3月14日6:05~
整理券配布場所: 新幹線改札口
販売セット数: 800セット

上田駅

整理券配布時間: 3月14日6:30~
整理券配布場所: お城口
販売セット数: 1200セット

長野駅

整理券配布時間: 3月14日5:30~
整理券配布場所: 自由通路(C ゾーン
販売セット数: 2000セット

飯山駅

整理券配布時間: 3月14日5:00~
整理券配布場所: 斑尾口2階
販売セット数: 2000セット

上越妙高駅

整理券配布時間: 3月13日20:00~23:00・14日5:30~
整理券配布場所: 自由通路
販売セット数: 1500セット


2015年2月27日金曜日

北陸新幹線飯山駅開業記念入場券発売




2015年2月27日にJR東日本長野支社は北陸新幹線開業を記念して飯山駅記念入場券を発売すると発表しました。

記念入場券概要

発売期間: 2015年3月14日~9月30日
発売場所: 飯山駅
整理券配布時刻: 2015年3月14日5:00から
販売時間: 7:00~19:00(初日は8:30)
発売数: 2000セット(無くなり次第終了)
発売金額: 700円
内容: 飯山駅入場券大人4枚・子供6枚セット
備考: 一人1セット

北陸新幹線開業を記念しての販売です。

3月14日に整理券を斑尾口通路(2階)にて朝5:00より配布し、8:30から販売する流れとなっています。混雑する場合は販売を早める場合もあるとのことなので、万全を期するなら余裕を持って到着するほうが良さそうです。

一つ気になる5:00から配布する整理券は飯山駅記念入場券のほかに「北陸新幹線開業記念(長野~富山・金沢間)入場券」を兼ねるという記載です。

今のところそのような入場券の発表は行われていないと思うので、今後発表されるのか注目です。

※追記JR東日本北陸新幹線記念乗入場発売

詳しくはJR東日本長野支社HP内プレスリリースにて2015年2月17日発表の「北陸新幹線飯山駅開業記念入場券(硬券)を発売します」をご覧ください。

JR西日本も発売

この記念入場券とは別にJR西日本も北陸新幹線開業記念切符の販売を行います。
切符の内容などは以前書いた記事の3月1日に「北陸本線」、15日に「北陸新幹線」記念切符発売からどうぞ。



2015年2月23日月曜日

3月1日に「北陸本線」、15日に「北陸新幹線」記念切符発売




2015年2月10日にJR西日本は「ありがとう北陸本線 入場切符」を3月1から、「北陸新幹線 開業記念切符」を3月14日から発売すると発表しました。

ありがとう北陸本線 入場切符

発売日: 2015年3月1日12:00~3月13日まで
発売枚数: 計2700セット
発売金額: 1540円(入場券11駅分)
発売場所: 「金沢・高岡・富山・糸魚川」は500セット、「津幡駅・石動駅・小杉駅・滑川駅・魚津駅・黒部駅・泊駅」」は100セット

北陸新幹線開業にあたり北陸本線「直江津~金沢」間が第三セクターに移管されるため、軟券タイプの記念切符が発売されます。売り切れ次第終了となります。

利用期間は発売期間と同じになります。

発売日が3月13日までなのは3月14日から同区間が第三セクターになるからだと思われます。

北陸新幹線 開業記念切符

発売日: 2015年3月15日12:00~6月30日まで
発売枚数: 計5000セット(各駅1000セット)
発売金額: 1050円(入場券大人・子供1枚ずつ5駅分)
発売場所: 金沢駅・新高岡駅・富山駅・黒部宇奈月温泉駅・糸魚川駅

北陸新幹線開業にあわせて軟券タイプの記念切符が発売されます。売り切れ次第終了です。

利用期間は発売期間と同じになります。

JR西日本が発売する記念切符のため、JR東日本区間の「飯山駅・上越妙高駅」は含まれていないので注意が必要です。

私が調べた限りこの記事を書いた時点ではその2駅の記念入場券の発表はないようです。

※追記
北陸新幹線飯山駅開業記念入場券発売
JR東日本北陸新幹線記念乗入場発売

それぞれ詳しくはJR西日本HP内プレスリリースで2015年2月10日発表の 「ありがとう北陸本線 記念入場券」「北陸新幹線 開業記念入場券」の発売について をごらん下さい。

関連記事

ありがとう特急はくたかイベント・切符を発表


2015年2月20日金曜日

JR東海 グリーン車割引切符「こだま☆楽旅IC早特」を通年設定へ




2015年2月20日にJR東海はエクスプレス会員向けのサービスとして東海道新幹線「こだま」号向けグリーン車割引切符「こだま☆楽旅IC早特」を通年設定すると発表しました。

通常料金・ぷらっとこだま・こだま☆楽旅IC早特 比較
通常料金・ぷらっとこだま・こだま☆楽旅IC早特 比較
東海道新幹線開業50周年として2014年6月17日から期間限定として設定されたいましたが、今年度から通年での設定となります。現在のところ終了予定日などは設定されていません。

今年度分は乗車日が2015年4月1日からサービス開始予定で(予約は2015年3月1日10:00より)、このサービスはエクスプレス予約・プラEX会員向けとなっています。

乗車の一ヶ月前から3日前22:30までの間で予約が出来ます。区間は東海道新幹線全17駅間で利用できます。

割引率は距離が長くなるほど大きくなるように設定されています。

似たような切符としてJR東海ツアーズが発売している「ぷらっとこだま」があります。予約期間が出発一ヶ月前の11時から前日までで、こちらのほうがギリギリに予約できます。料金に関しては通常期でも「こだま☆楽旅IC早特」のほうが安くなっています。また、「ぷらっとこだま」は料金が時期によって変動したり乗車列車の限定もあります。

※「ぷらっとこだま」の予約期限はインターネットが5日前・電話が2日前・JR東海ツアーズ店舗が前日と異なっているので注意が必要です。

基本的には「こだま☆楽旅IC早特」のほうが安くなることが多そうですが、場合によっては「ぷらっとこだま」のほうが良い場面もありそうです。

それぞれ細かい条件や規約があるので、「こだま☆楽旅IC早特」についてはJR東海ホームページ内のニュースリリースにて2015年2月20日発表の「こだま☆楽旅IC早特」で「くつろぎのこだま旅」を!、「ぷらっとこだま」についてはJR東海ツアーズのぷらっとこだまのページをご覧の上楽しい旅行・出張計画を立ててください。

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