2019年11月29日金曜日

新横浜線部分開通 相鉄は都心へ




JRとの直通ため、相模鉄道新横浜線が2019年11月30日に開通します。相鉄新横浜線を中心に、今後開通する東急新横浜線についても紹介します。

記事作成日: 2018.12.14/記事更新日: 2019.11.29
※記事更新に合わせて記事タイトルも変更しました。


JR東日本E233系7000番台
新横浜線に乗り入れる
埼京線・川越線 JR東日本E233系7000番台

新横浜線開通で渋谷・新宿方面へ

相鉄ではJRと東急に直通するために工事を進めてきましたが、2019年11月30日に相鉄新横浜線が部分開通します。これにより相鉄とJR湘南新宿ライン・埼京線・川越線が直通することになります。渋谷駅や新宿駅を経由し最長距離を走る列車では、「相鉄海老名駅~JR川越線川越駅」を結ぶことになります。「海老名~横浜~新宿」間の場合、現状1時間10分~1時間30分程度の時間が、どの時間でも安定的に1時間程度で結ばれます。「海老名~新宿~川越」の最長列車の場合、2時間程度で結ばれます。

更に2022年下記には相鉄新横浜線が横浜国大駅より新横浜駅まで延伸し、東急が新横浜駅から日吉駅まで東急新横浜線を開業し、相鉄から東急東横線・目黒線、東京メトロ南北線、都営三田線、埼玉高速鉄道と4社へ乗り入れる予定です。

最終的に相鉄新横浜線と東急新横浜線が開通するわけですが、これは西武有楽町線と東京メトロ有楽町線と似た命名方式です。

運賃は横浜経由が安い

JRとの直通にあたり、乗り継ぎ割引の設定はありません。更に新線建設や高架化など多額の費用がかかる時に設定される、割増料金にあたる加算運賃が30円設定されます。そのため目的地によって横浜経由のほうが、安くなる場合が多いので注意が必要です。

たまに使う方は良いのですが、頻繁に使う方は利便性・時間・運賃のバランスに注意が必要です。

埼京線は一部減便へ…

埼京線の快速の「武蔵浦和~大宮」間が各駅になり、その分同区間の各駅停車が減ります。通勤快速については変更がありません。

日中の快速がメインということや、湘南新宿ライン・上野東京ラインと新宿・東京方面の速達列車が拡充されたことにより、影響は小さいと思います。しかし、影響がないわけではないので、嬉しいとも言えないのも事実です。

当面はJRがE233系・相鉄が12000系を使用

乗り入れに使用されるのはJRがE233系7000番台で、埼京線・川越線で使用されている車両を使います。乗り入れに合わせて増備が行われました。運用としては「海老名~川越」駅間で、全区間で運用されます。

相鉄側はJRのE233系をベースとした11000系に更に手を加えた、12000系を使用します。こちらの運用区間は「海老名~新宿」駅間の予定です。

内装と外装に違いはあるものの、どちらも基本的な仕様は同じです。12000系もATACSを搭載するので、運用上は全区間可能です。

また、相鉄線は信号システムをJRと同じ仕様のATS-Pに変更しています。そのためJR東日本の車両であれば、理論上は殆どの車両が相鉄に乗り入れ可能です。更に将来相鉄に乗り入れるであろう東急・メトロ・都営車についてもJRと同じATS-Pを搭載するようになるので、相鉄乗り入れ対応車はJRへの直通が可能になります。昔みたいな伊豆急直通の東急車など、見てみたいものです…

東海道貨物線の更なる旅客線化

JRへの乗り入れでは羽沢横浜国大駅からはJR方面への分岐があり、東海道貨物線を経由し鶴見で横須賀線と合流し、湘南新宿ラインと同じ経路で渋谷・新宿方面を目指します。東海道貨物線は現在一部の列車が旅客営業する以外は、貨物列車しか運行していません。この乗り入れで初めて一日を通しての旅客営業が開始されます。

利便性向上と複雑な乗り入れの課題

今回の新横浜線には、JR東日本湘南新宿ライン・相鉄本線が乗り入れる予定で、今後東急東横線・目黒線が乗り入れる予定です。これにより相鉄各駅から渋谷・新宿方面には二経路で、目黒方面には一経路で行くことが可能になり、利便性が向上することは間違いありません。

東急線は更に東京メトロ副都心線・南北線、都営三田線などと一体で運行を行っており、JR湘南新宿ラインは埼京線との一体運行を行っています。なので、乗り入れ先の路線が遅れることで、超広範囲に遅れが広がる可能性があります。

西谷駅・羽沢横浜国大駅・日吉駅などで、どこかで運休が発生した時には乗り入れ中止の対応が行われると思います。なので一つが止まって全体が止まるというようなことは無いと思いますが、軽微な遅延が大規模に広がることは避けられないでしょう。


2019年11月20日水曜日

JR化後初の山手線工事運休 高輪ゲートウェイ線路切り替え工事




2019年11月16日に山手線と京浜東北線が工事運休を実施しました。これは新駅「高輪ゲートウェイ」の設置に伴う線路切り替え工事のためで、山手線の工事運休はJR化後初となります。今回はその工事に伴う折り返しの様子をレポートします。

山手線は半日・京浜東北線は終日運休

今回の運休では山手線が、「上野~大崎」駅間で運休しました。時間は始発から16:00頃までで、運休区間は大きかったものの運休時間はある程度抑えられていました。

京浜東北線は「田町~品川」駅間で運休しました。時間は終日で、運休区間は最小であるものの、時間は十分とったものとなりました。

普段も山手線・京浜東北線は事故などで運休することはありますが、数時間で運転再開するトラブルであれば、数時間全線止めてしまいます。逆に長期間かかる時は、京浜東北線と山手線はそれぞれの線路を走ることができるので、山手線が京浜東北線を走るなどして対応してしまいます。そのため、今回のように決まった区間を完全に止めて折り返しするのは、比較的珍しい運用です。

運休したのが土曜日で人の流れがある程度少ない日であったものの、主要2路線が運休したので地下鉄各線での振替輸送の他、上野東京ラインや埼京線・りんかい線の増発を行っていました。

振替乗車は切符か定期を見せるだけで、振替乗車票の発行はありませんでした。ニュースや駅の掲示なども積極的に行ったため、大きな混乱はないようでした。しかし、外国人観光客の方はかなり迷っているようで、今後こういった運休の時は数か国語に対応した、乗り換え早見票のようなものは設置すべきだと思います。

上野駅では山手線が並走

回送列車と営業列車が並走する山手線上野駅
並走する山手線E235系
左が回送・右が営業列車
上野駅の山手線折り返しでは、山手線の車両同士の並走が見られるなど、少し珍しい光景も見ることができました。

回送と折り返し待ちのE235系
左は3番線の回送・右は2番線の折り返し列車
外回り列車は平常時も使う山手線3番線に到着し、そこで一旦回送となります。

上野駅の引き揚げ線に向かうE235系
引き揚げ線に向かうE235系
回送列車は鶯谷駅寄りにある引き揚げ線に向かいます。

信号待ちのE235系
左 信号待ちの
営業線上の列車
3番線に到着する列車がいつもより長い時間線路上にとどまるため、上野駅手前では信号待ちで停車する列車が多く見られました。

並走する山手線の回送と営業列車
こうして駅手前で営業列車が一旦停車し、引き揚げ線の回送列車とタイミングが合う形となり、入線時は並走する形となりました。


そして山手線内周り2番線に到着した列車は、折り返し大崎行きとなり営業列車として発車していきます。上の動画は、上野駅での折り返しをまとめたものです。

大崎駅でも折り返し

大崎駅でも折り返しが行われていましたが、通常の運用でも大崎止まりが設定されているため、あまり珍しい光景はありませんでした。

大崎駅に到着する回送列車
大崎駅に到着する内回り列車
大崎駅に到着した内回り列車は、ここでも一旦回送列車となり引き揚げ線に向かいます。到着列車の使用ホームは山手線内回り1・2番線ホームで、交互に使用していました。

山手線外回り4番線に向かう回送列車
4番線に向かう回送列車
引き揚げ線に向かった列車は、山手線外回り4番線に向かいます。この4番線は、普段から始発列車のホームとして使われています。到着ホームと違い、発車列車は4番線に固定されていました。

ただ、普段外回り列車は始発列車以外は3番線が基本なので、間違って3番線に並ぶお客さんの姿も見られました。この点は駅員さんが放送で、積極的に対応していました。


上の動画は大崎駅での折り返しの様子を、動画でまとめたものとなっています。

京浜東北線珍種別田町行き

京浜東北線の田町行きの行先表示
京浜東北線の田町行きの
側面行先表示器
京浜東北線は「品川~田町」駅間で運休となったのですが、そのため田町行きという珍しい行き先が見られました。

折り返し列車となる京浜東北線4番線停車中の列車
京浜東北線4番線停車中の回送列車
南行の列車は通常通り、京浜東北線4番線に到着します。そして一旦回送列車となり、浜松町寄りにある引き揚げ線へ向かいます。

山手線線路を跨ぐ京浜東北線E233系
山手線の線路を跨いで引き上げ線に向かう様子
引き揚げ線は山手線と共用で、山手線の線路に挟まれるようにあります。そのため山手線の線路を跨いで引き揚げ線に向かいます。

引き揚げ線から京浜東北線4番線に向かう列車
引き揚げ線から京浜東北線4番線に向かう
回送列車
引き揚げ線に向かった列車は、そこから折り返して京浜東北線4番線に向かいます。折り返した列車は通常の営業列車と同様に、京浜東北線1番線から北行となり発車していきました。


上の動画は田町駅での折り返しの様子を、動画でまとめたものとなっています。

タイトな運用 京浜東北線品川駅折り返し

品川駅での折り返しは、タイトな運用となっていました。

横で工事の進む京浜東北線品川駅
隣で工事が進む京浜東北線品川駅
北行の列車は品川駅5番線に到着します。引き揚げ線などには行かず、その場で折り返しとなります。他の駅では引き揚げ線を使い比較的余裕をもっていましたが、品川駅は5番線ホームだけを使った折り返しで、あまり余裕はありませんでした。

大井町駅寄りの工事の様子
大井町駅寄りの工事の様子
工事の様子は京浜東北線のホームから見ることができました。

田町駅寄りの工事の様子
田町駅寄りの工事の様子
大井町駅寄り・田町駅寄りそれぞれで工事が進んでいるのが、見ることができました。時間が限られているので、マンパワーを使って迅速に進められていました。

上の動画は品川駅での折り返しの様子を、動画でまとめたものとなっています。

今回の折り返しレポートは以上となります。ニュースで注目度が高った割に、鉄道ファンは意外と少なかったように感じます。今回のように落ち着いて今後も珍しいイベントが終わるとことを願います。


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