2016年3月4日金曜日

東武鉄道の対照的だった2つの急行・地下鉄戦略




東武鉄道で運行している急行は大まかに言って2系統あります。一つ目は「久喜・南栗橋~伊勢崎線(スカイツリーライン)~東京メトロ半蔵門線~東急田園都市線中央林間」間を運行する本線系統の急行、二つ目は「池袋~小川町」間で運行する東上線系統の急行です。そしてどちらの路線も東京メトロへの直通運転を行っています。

この二つ路線は似たような条件を持ちつつも、違った戦略で運行しています。しかし、3月26日のダイヤ改正で状況も変りつつもあります。そんな動きも含め紹介したいと思います。

地下鉄優先の本線急行

伊勢崎線堀木駅を通過する東急5000系
伊勢崎線を走る東急5000系
メトロや東急車も急行運用に入る
皆さん急行と聞いてどんな列車を思い浮かべるでしょうか?私鉄沿線の方なら無料の優等列車、JR沿線の方はイメージが湧ない人も多いかと思います。伊勢崎線を中心とした東武鉄道の急行列車は10年ほど前までは、JRと同じ有料の優等列車でした。イメージとしては特急より速度もサービスワンランク下がるが、普通列車よりワンランク上という感じでした。

そんな本線の急行に転機が訪れたのは2006年のダイヤ改正です。この改正で有料の急行列車はなくなり、無料運行の地下鉄直通列車という今の形に変更されました。このダイヤ改正で本線系統の停車駅や種別も見直され、この急行が日中の無料優等列車の中心となりました。車両も特急用と共用でしたが、通勤列車へと変更されました。

更に大きく変化したのは列車の運行戦略です。急行を無料としただけでなく、本線の旅客の流れを極力半蔵門線へ流すことへ変えた点です。東武伊勢崎線は関東私鉄では珍しく、山手線へ接続する駅が無いのが特徴です。そのため都心へ向かうには、北千住から直通を行っている日比谷線に乗るか、北千住からJR常磐線へ乗り換える必要があります。そんな中で半蔵門線直通という新たな経路が開業しました。

半蔵門線へは北千住より南にある曳舟駅の分岐線から押上駅にいたり直通します。そのため北千住の乗り換えていたお客さんが押上乗換えへ変更してくれれば、旅客収入が伸びるメリットがあります。終点浅草駅の構造や立地の関係上、今後乗り換えターミナルへするのは現実的ではありません。それらを踏まえると地下鉄直通の急行をメインとし、半蔵門線直通の流れを中心とするのは自然なのが分かります。

地下鉄に対抗する東上線急行

東上線朝霞駅を通過する東武50090系
朝霞駅を通過する急行
東武車のみの運用
東上線の急行は私鉄らしい急行です。古くから無料の優等列車で、東上線の優等列車の核として「池袋~小川町」間で運行しています。車両も一般的な通勤電車での運行を一貫しています。

東上線も本線と同様に和光市駅から東京メトロ有楽町線・副都心線へ乗り入れています。しかし、地下鉄へ直通する優等列車は一つもありません。東上線と有楽町線・副都心線は池袋駅まで距離にして12km前後を並行して走っています。つまり一部区間は完全にライバル関係にあります。そのためメトロへお客さんが流れることは、お客さんにとっては利便性の向上でも東武鉄道にとっては不利益になります。以前は遠方からのお客さんは急行に乗ってもらい近距離は準急でカバーし、メトロは各駅停車のみという形で、東武鉄道からの視点ではバランスが保たれていました。

その状況を破壊したのは副都心線の開業です。副都心線の開業で副都心線に「急行・通勤急行」という種別が生まれ、「池袋~和光市」間の所要時間がほぼ同じとなりました。幸い運行本数が少なく初乗り運賃の問題もあるため限定的とは言え、新宿・渋谷方面の旅客が流れることは必須でした。

そこで東武鉄道は東上線の運行系統を大きく整理することにしました。急行を優等列車の中心とすることは変えず日中は準急を減らし快速列車を新設し長距離列車の池袋への旅客誘導を強化、ラッシュ時は有料のTJライナーでサービス向上と新たな収益源を確保する戦略をとりました。この戦略は一定の成果をあげました。運行当初は数本の運行だったTJライナーですが、今度のダイヤ改正から夕ラッシュ時は30分ヘッド・朝ラッシュでも運行開始と大成功です。

対して日中の運行戦略は大きな見直しを行うことなりました。それは地下鉄直通急行の新設です。今まで急行中心に池袋駅へ旅客を流す方針から、地下鉄へ直通し減収してでも利便性の向上を図るという大きな方針転換です。元々東上線は和光市駅で対面で東京メトロへ乗り入れることが出来るので、時間や利便性に大きな変化がありません。しかし、直通をすることで実際以上の便利さや時短を演出できると思います。人口減少社会となり、効率的な輸送や鉄道外にとっての利益を中心とするよりも、純粋に利便性を向上したほが長期的には特になるという判断なのだと思います。鉄道会社も変らないといけない時なのかもしれません。

敗北を認めた先にある野田線急行

東武鉄道が考え方を変えた事例として、野田線急行運転開始もあります。こちらも3月26日のダイヤ改正からの実施で、新たな取り組みとなります。

この急行のコンセプトは大宮方面への利便性向上です。つまりJR方面へのお客さんの利便性向上が中心です。これは純粋にお客さんの利便性を向上させるというのもありますが、野田線の価値を向上させる目的もあります。東武鉄道は野田線清水公園駅近くで、新興住宅街を開発しています。急行の運行は、その住宅街の利便性向上という目的も兼ねています。大宮まで現在で38分ですが、急行運転が始まれば31分となります。時短にして7分でも、ほぼ30分で着けるようになるというのは実際の時短以上にインパクトがあるのではないでしょうか?

多摩ニュータウンの例を見ても分かると思いますが、核家族化などで人口増加が永続的に続かないのが見えてきます。てこ入れをしてない新興住宅では高齢化が直接進み、街の新陳代謝が行われません。東武鉄道に限らず私鉄は沿線の開発をセットで行うことで収益を上げてきましたが、高齢化の進む新興住宅街も多くあると思います。そういった流れに歯止めをかけるためにも短期的利益より長期的な利益を見据えて、路線の価値を高めていく時代に入ったのではないでしょうか。

※関連記事
東武鉄道 野田線・東上線16年春ダイヤ改正内容を発表
「平凡」と「早すぎた」2つの東武快速


2016年2月27日土曜日

さよなら水戸線・常磐線415系1500番台




2016年3月26日のダイヤ改正に合わせて水戸線・常磐線で運行している415系1500番台が引退となりました。今回は写真や動画を交えて紹介していきたいと思います。
記事作成日: 2016.02.27/記事更新日: 2016.05.25

415系1500番台とは?

水戸線小山駅に到着する415系1500番台
小山駅に到着する様子
水戸線・常磐線で運用されている415系1500番台は1986年から運行を開始しました。軽量化・省エネ化・保守低減の考えから、車体や台車は211系に準じたものとなっています。性能や制御方式については415系との併結するために、同一となっています。

車窓・車内なども含め
動画にまとめました

常磐線の主力車両として運行されていて上野駅でも見ることが出来ましたが、置き換え用のE531系が投入されたため運用区間を狭めています。今では水戸線・常磐線友部以北のみで運用を行っています。そしてE531系が更に追加投入されたことで、今度のダイヤ改正に合わせて現在運行している区間からも撤退します。2016年6月25日の団体臨時列車の運行をもって、JR東日本からは姿を消すと思われます。

日本全国へ目を向けるとJR九州やJR西日本所属の車両があります。JR西日本所属車については数も少ないのでどれくらい見れるかは分かりませんが、九州地方では交直車以外代替の利かない関門トンネルのデッドセクションもあるので、しばらく活躍する姿を見ることが出来ると思います。

415系の見所

415系1500番台は関東で最後まで見ることの出来、唯一の国鉄型交直流車両です。そのため415系ならではの特徴もあります。それらを踏まえて紹介したいと思います。

211系に準じた外観

高崎駅停車中の211系
両毛線や中央線で活躍する
JR東日本211系
最初に述べたように外観は直流近郊型電車の211系とほぼ同じとなっています。ステンレス性の車体で、帯の色を変えると分からないと思います。台車もボルスタレス台車で、211系とほぼ同じものを使用しています。しかし分かりやすい違いもあります。

水戸線小山駅停車中の415系1500番台
違いの一つのL時アンテナ
まず一つとしては、L時方の検電(静電)アンテナです。最近の車両はこのタイプのものを採用しているものが少ないので、415系1500番台の特徴の一つともいえると思います。

415系1500番台のパンタグラフ
パンタグラフを含む屋根上機器
次に特徴的な外観はパンタグラフを含む屋根上機器です。交流・交直流電車特有の複雑屋根上構造も、211系との分かりやすい違いです。

近郊型構造と消える電灯

415系1500番台車内
車内は3扉でロングシートの構造
扉は3扉で座席はロングシートとなっています。水戸線・常磐線関東地区では415系1500番台、E501系、E531系の3形式が運行しています。それぞれ車両構造が違い3扉ロングシートを採用しているのは415系だけで、唯一の近郊型構造でした。

デッドセクションで電気の消える415系の蛍光灯
デッドセクション走行中の様子
蛍光灯が消えている
最近の交直流電車はバッテリーを搭載することで、交流と直流の切り替え区間であるデッドセクションでも室内灯が消えませんが、415系では消えます。常磐線の運用は交流区間のみの運用のため、この光景が見れるのは水戸線の「小山~小田林」間にあるデッドセクションを通過するときだけです。

415系1500番台の走行音

車両の主制御機器が抵抗制御であるため、最近の電車特有のインバーター音はしません。さらにこの電車ならではの音として、デッドセクション通過時の断流器の音があります。パンタグラフ下あたりの座席に座っていると、デッドセクション通過時「シュッ」という空気が抜けるような音が聞けます。(一番目の動画3:45過ぎに音を収録)

駅にも居る?415系

水戸線・常磐線友部駅乗車位置目標
友部駅の乗車位置目標
最後にですが415系1500番台と共に消えそうなものとして、駅の乗車位置目標があります。写真は友部駅のものですが、使い古されてだいぶ痛んでいます。415系1500番台が引退すると3扉の列車が無くなり、この乗車目標は不要なものとなります。しかも、1500番台より先に引退した0番台とのツーショットのピクトグラムです。415系をこれから見に行こうという方がいましたら、是非足元にも目を向けてみてください。足元で常磐線・水戸線を支えた縁の下の力もちの最後の雄姿です。

最後の雄姿 団体臨時運行

2016年6月25日に有料ツアー向け団体臨時列車が設定されました。車両は8両で、「いわき11:50発→竜田12:38着」「竜田13:08発→いわき11:50着」のダイヤです。料金は大人5500円・子供5200円で、5月26日14:00からJR水戸支社のページなどで募集されます。

これが最後の乗車チャンスだと思うので、思い出のある方は参加を考えてみてはどうでしょうか?


2016年2月20日土曜日

凄いぞED79! 北海道新幹線開業で消え行く電気機関車




北海道新幹線の開業が迫り「北斗星・カシオペア・トワイライトエクスプレス」などの寝台特急たちの廃止が話題になる中、世間では注目されにくい縁の下の力持ちED79形電機機関車について紹介していきたいと思います。
記事作成日: 2014.11.12/記事更新日: 2016.02.20

五稜郭駅を通過する寝台特急北斗星
寝台特急北斗星を牽引するED79形電機機関車
五稜郭駅にて撮影

なぜED79形は廃車になるのか?

ED79形は青函トンネルが開通するにあたり通過する客車や貨物列車を牽引する機関車が必要になり造られた電気機関車です。そのため現在運用されている区間は寝台特急などの旅客列車で青森駅~函館駅間、貨物列車では青森信号所~五稜郭貨物ターミナル間という限られた区間となっています。

北海道新幹線が開業すると青函トンネルは貨物列車と新幹線両方が使うことなるのですが、そこで問題が生じます。貨物列車と新幹線では同じ交流でも、使っている電気の電圧が違うのです。そこで貨物列車側が新幹線の電圧に合わせて走ることになり、新型の電機機関車EH800形を導入することが決定し、廃車になっていく流れとなりました。

青函トンネルで使えなくなったらなら他で使えばいいじゃないか?と思われる方も居ると思いますが、その可能性は非常に低いと思います。ED79形はED75形電機機関車を改造して造られた古い車両と、JR貨物が所有する1989年に一から新しく作った車両があります。改造して造られた車両はだいぶ古くなっていること、新しく作った車両も製造から25年経っていることと、高温多湿な青函トンネル・潮風の吹く海辺の路線・冬季の雪などの過酷な環境で使われていため痛みが激しく、通常より多くの修理が必要と想像されます。そのため修理して違う路線で使うよりは全て廃車にするほうが楽と思われます。また、ED75形のような臨時列車の牽引用として残すにしてもJR北海道の電化区間が限られていることを考えると、残すメリットはありません。

以上のこと踏まえるとED79形は全廃という形になると思います。

そんなED79形はとても面白い

上記のような理由から廃車になるであろうED79ですが、非常に魅力的な車両なのでそれについて簡単に紹介していきたいと思います。

JRでは珍しい4軸電機機関車

タンク車を牽引するED75形
今では臨時列車などでしか見られないED75形
写真は定期運用でタンク車を牽引していた頃の姿

4軸電機機関車というのは車輪が4つの電機機関車ということなのですが、JRで定期運用で使われているのはED79形だけです。定期運用を除けばED75形もあるのですが、工事や車両を回送する時などの臨時列車にしか使われないので滅多に見ることができません。

様々な列車を牽引

函館駅に停車中の急行はまなす
急行「はまなす」を牽引するED79
函館駅にて撮影
ED79形が牽引するする列車は国内唯一の客車寝台特急「カシオペア」、国内唯一の夜行急行「はまなす」、貨物ではコンテナ車です。他の機関車は普段は貨物列車のみで、臨時列車でたまに客車なんて状況です。「北斗星・トワイライトエクスプレス」の廃止で牽引列車は減りましたが、今でも日本一豪華なバリエーションの列車を牽引する機関車と言えるのではないでしょうか。

夜の蟹田駅での乗務員交代

映像は蟹田駅でトワイライトエクスプレスの乗務員が交代する様子です。夜行列車の乗務員交代というのは非常に珍しい光景となってしまいました。蟹田駅ではJR北海道とJR東日本の乗務員が交代するために停車します。

JRでは珍しい重連運用を行っていた

五稜郭駅に停車中のED79形重連
発車を待つ重連のED79形牽引の貨物列車
五稜郭駅にて撮影

重連というのは機関車が2両連なって走ることです。定期運用で重連運用を行っているのは寝台特急「カシオペア」で、「函館~札幌」間をDD51形の重連で運転しています。

ED79形は客車列車であれば1両で十分ですが、重いコンテナ列車が青函トンネルを走行できるように貨物を牽引する時は重連を行っていました。昔であればもっと頻繁に行われていましたが、近年では珍しい運用でした。今では貨物列車の定期運用から外れてしまいましたが、ごく希に急行「はまなす」でも回送を兼ねた重連運転が見ることができます。もし見れたなら本当にラッキーだと思ってください。

木古内付近を通過するED79形

重連のED79形が通過する映像です。バックの高架は北海道新幹線のものです。今ではED79形に変わりEH500形とEH800形が貨物列車を牽引していますが、北海道新幹線開業後はEH800形のみとなります。

受け継がれた客車列車

北海道新幹線の開業で青函トンネルの旅客運用は新幹線のみとなるかと思われましたが、寝台特急「カシオペア」が団体臨時で運行する予定と報道されました。ED79形の廃止と共に消えると思われた青函トンネルを通過する客車列車ですが、臨時という形であれどEH800形へ受け継がれそうです。

あとがき

個人的に思い入れがあるのでED79形について書いてみました。ブログを始めた頃に書いた記事ですが、ED79形もまもなく最後ということで簡単に更新しました。この記事でED79形の良さが少しでも伝われば幸いです。


2016年2月19日金曜日

JR北海道 車内販売・グリーン車サービスの中止を拡大




2016年2月19日にJR北海道は客室乗務員による車内販売等の見直しを行うと発表しました。今回見直しが行われるのは「車内販売」や「グリーン車サービス」などとなります。
記事作成日: 2015.02.12/記事更新日: 2016.02.19

今回の改正で廃止となる列車

札幌駅停車中のキハ283系スーパーおおぞら
見直しが行われたスーパーおおぞら

グリーン車サービス廃止

・スーパー北斗、北斗 2~14号
・スーパーおおぞら 4~10号

現在JR北海道では、一部の列車でのみグリーン車サービスが行われています。内容としては、ドリンク・毛布・雑誌などです。

上記の列車は2015年でも見直しが行われ、早朝と夜間の列車のグリーン車サービスの縮小が行われました。2015年の見直しではスーパー北斗、北斗で15~18号のみの廃止、スーパーおおぞらでは1、2、11、12号が廃止となりましたが、今回の見直しで全列車で廃止へと変更となります。

車内販売の見直し

・スーパー北斗、北斗 3~22号
・スーパーおおぞら 3~10号

2016年3月25日以降は、上記の列車でのみ車内販売が実施されます。2015年の見直しでは多くの列車でグリーン車サービスの廃止と共に車内販売も終了していますが、今回は見直しのみとなりました。

スーパー北斗、北斗では昨年より車内販売を行う列車は拡大しています。スーパーおおぞらについては去年と同じ日中の列車のとなります。

既にグリーン車・車内販売が終了した列車

・スーパーとかち
・オホーツク
・スーパー宗谷

2014年12月31日に「スーパーとかち」が、2015年3月31日には「オホーツク」・「スーパー宗谷」で車内販売とグリーン車サービスが廃止となっています。

以前は駅の売店と言えば小さなKIOSKが中心でしたが、近年はJR自身でコンビニ型テンポを出店したり、駅構外のコンビニ店の増加や利便性向上で車内販売は苦戦を強いられています。そんな流れから、新幹線を含めた特急車両の車内販売の終了が続いています。

JRとしても車内サービス向上するのではなく、コンビニ大手などとの協業で駅型コンビニのサービス向上へ努める方向へ舵を切っています。そういった点からも今後もこういったニュースが続きそうで、鉄道ファンとしては寂しい限りです。

車内販売とともに消えた「かにめし」

このような見直しで駅弁にも影響が出ています。車内販売が廃止されることで経営の見通しが立たないということで、「かにめし」を販売する石北本線遠軽駅(えんがる)の岡村べんとう屋さんは2015年3月末に閉店しました。

遠軽駅は通る特急は「オホーツク」ですが、全ての列車で車内販売を中止するということなので、相当大きな影響があるのだと思います。

弁当の積み込みが出来ない「オホーツク」5・7号以外は、網走行きの列車では上川駅到着までに、札幌行きの列車では北見駅到着までに申し出ることで予約が出来るなどもサービスを行っていました。

新幹線の開業や特急の廃止などで町や人の流れ変るだけではなく、鉄道ならではの味も変ってしまう事実があります。


2016年2月18日木曜日

「北斗星」「はまなす」「カシオペア」新ダイヤ徹底解説




2015年1月23日にJR北海道・東日本から4月1日以降の「北斗星」「はまなす」「カシオペア」ダイヤとと、10月以降の3月の廃止までの「はまなす」「カシオペア」のダイヤについて解説したいと思います。
記事作成日: 2015.01.23/最終更新日: 2016.02.18

千歳線を走る寝台特急カシオペア
千歳線を走る寝台特急「カシオペア」

最終運転日はカシオペアは3月20日・はまなす21日

ダイヤ改正の発表にあわせて3月中の運転計画が発表されました。はまなす・カシオペア共に地上設備の切り替え日までは、大きな運休もなく運転します。思っていたよりかなり良い結果でした。

カシオペアの最終運転日は「上野発→札幌行き」が3月19日発・「札幌発→上野行き」が3月20日発です。はまなすの最終運転日は「札幌発→青森行き」が3月20日発・「青森発→札幌行き」が3月21日発です。

その後カシオペアについて、ダイヤ改正以降は団体臨時としての運行継続決定したと2016年2月18日に報道されました。それではそれぞれのダイヤについて紹介します。

急行「はまなす」は最低限の運休

急行はまなす 2015年度4/1~9/30ダイヤ
急行はまなす 2015年度4/1~9/30ダイヤ
※スマホ・PC共に画像は大きく表示できます。

9月30日までの運行では運休はGWなどを中心に18往復で、最低限の数にとどめられています。「札幌行き」は2014年度と同じダイヤで引き続き運転されますが、「青森行き」は多くの日で「函館~青森」間のダイヤが変更されるので注意が必要です。

2015年10月以降のダイヤ

急行はまなす 2015年度10/1~2/29ダイヤ
急行はまなす 2015年度10/1~2/29ダイヤ

10月以降の運転では札幌行きは時刻変更なし、青森行きは函館発車・青森到着時刻が全ての列車で遅い時間となります。運休に関しては、4往復のみで最小限になります。3月以降も10月以降と同じダイヤで、「青森発→札幌行き」が3月21日まで毎日運転、「札幌発→青森行きが」3月20日まで毎日運転されます。

札幌から青森までの映像

また、始発駅のホーム入線時刻は予想となりますが記載しておきます。
札幌行き: 青森駅21:50頃3番線
青森行き: 札幌駅21:35頃4番線

カシオペアと北斗星がセットで運行へ

運行形態としては現在の「カシオペア」と同じです。例えば、1日に上野発「北斗星」が設定された場合は1日の札幌発「北斗星」は運休になり、2日はその反対といった感じです。そして上野発「北斗星」が設定されている日は札幌発「カシオペア」が設定されます。

ダイヤは青函トンネルに配慮したダイヤになるため、札幌行きの場合は「上野~盛岡」間が現行の「カシオペア」と「函館~札幌」が現行の「北斗星」を組み合わせたダイヤになり、乗車時間が伸びます。

北海道新幹線関係の試験が優先のため、大型連休など貨物の運行が少なくなるに合わせて運休が行われます。

また、「北斗星」は上野発車時刻が16時台になるので尾久車両センターからの推進運転が、「北斗星」2往復時代のように明るいうちに見ることができます。

寝台特急「カシオペア」は時刻変更以外はほぼ変らず

寝台特急カシオペア2015年度4/1~9/30ダイヤ
寝台特急カシオペア2015年度4/1~9/30ダイヤ

木曜日が基本的に運休・それ以外は「札幌行き」と「上野行き」を交互に運転と運転本数は現在と変わりません。ダイヤは「札幌行き」が「函館~札幌」間が現在の北斗星と同じダイヤに変更となり、「上野行き」は基本的に現在と同じままとなります。

2015年10月以降のダイヤ

寝台特急カシオペア 2015年度10/1~2/29ダイヤ
寝台特急カシオペア 2015年度10/1~2/29ダイヤ

北斗星は8月23日に廃止となりますがカシオペアについては10月以降も、現行とほぼ同じ運転本数です。1編成しかないなので、隔日を基本として木曜日は原則運休となります。

また、3月以降は時刻は10月以降から変更無しで、「上野発→札幌行き」が3月1,4,6,8,11,13,15,17,19日、「札幌発→上野行き」が3月2,5,7,9,12,16,16,18,20日の運転となります。

団体臨時化による運行継続の報道はありましたが、ダイヤについては今のところ不明です。
※関連記事: 寝台特急カシオペア 団体臨時で運行継続へ

始発駅のホーム入線時刻など、時刻表に記載のない停車時刻を記載しておきます。ただし、あくまで目安ですので、変更などがある場合があります。

尾久出庫の映像
※安全な位置より撮影

下り・札幌行き

上野駅15:35頃13番線
青森駅(運転停車): 01:50着/4:15発
青函トンネル: 05:02頃(40分で通過)

上り・上野行き

札幌駅16:03頃4番線
青函トンネル: 22:11頃(40分で通過)
青森駅(運転停車): 23:40着/23:50発
上野駅(回送): 9:42頃発13番線

寝台特急「北斗星」は臨時化で大幅減便

寝台特急北斗星 2015年度4/1~8/22ダイヤ
寝台特急北斗星 2015年度4/1~8/22ダイヤ

運行本数はカシオペアと似た方式になるので大幅減便となります。水曜日が基本的に運休・それ以外は「札幌行き」と「上野行き」を交互に運転となります。

ダイヤは「札幌行き」が「上野~仙台」まで・「上野行き」は全区間で現在の「カシオペア」と同じに変更となります。新ダイヤは「カシオペア」と共通になりますが、盛岡と一ノ関が通過となるので注意が必要です。ただし、「カシオペア」とダイヤを共用している関係上、遅延などが無ければ盛岡と一ノ関には運転停車を行います。運転停車の時刻は「カシオペア」と同じ停車時刻となっています。

始発駅のホーム入線時刻などは上に記述した「カシオペア」と同じ時刻になります。

また、「北斗星」が3月13日から2週間程度運休するのは、編成の組み直しやそれに伴う改修などを行うためのようです。8月以降については客車の解体が始まってしまったので、特別に1・2本の運行なんてことも、もう叶うことはないようです。

おまけとして表を作ってみました。お役に立てば幸いです。

札幌方面夜行列車ダイヤ
2015年度4/1~9/30の札幌方面夜行列車ダイヤ


青森・上野方面夜行列車ダイヤ
2015年度4/1~9/30の青森・上野方面夜行列車ダイヤ

JRのプレスリリース「急行「はまなす」及び寝台特急「カシオペア」・「北斗星」の平成27年上期(4月~9月)運転計画について」を参考にttmjrmが画像を作成しました。誤りなどがありましたら申し訳ございません。


E3系新幹線をアート列車として上越新幹線で運行へ




JR東日本はE3系新幹線を改造した「GENBI SHINKANSEN (現美新幹線)」を上越新幹線「越後湯沢~新潟」間で2016年4月29日から運行すると発表しました。
記事作成日: 2015.03.03/記事更新日: 2016.02.18

大宮駅停車中のE3系新幹線
GENBI SHINKANSENのベースとなる
秋田新幹線E3系

GENBI SHINKANSENについて

車両愛称: GENBI SHINKANSEN/現美新幹線
車両: E3系0番台6両編成
座席数: 105名
運行開始時期: 2016年4月29日
運行エリア: 「越後湯沢~新潟」間を中心とした上越新幹線内
運転日: 土休日など年間120日

「旅する現代アート&カフェ空間」というコンセプトで現代アートを楽しめる列車を予定していて、展示される作品は絵画、立体、写真、映像、テキスタイルと幅広いものです。

列車のうち1両は新潟の食材を楽しめる「カフェ」と「キッズスペース」を設けるほか、先頭車両1両は従来の座席配置のままアーティストがインテリアやデザインを選定・監修した車両となります。

車両外観は写真家・映像監督の蜷川実花(にながわみか)氏が「長岡の花火」を大胆にデザインする予定です。

通常のE3系の普通車両は1両あたり約60~65名程度の座席数があるので、ギャラリーやカフェを設置するにしても余裕があるので、ゆとりのある座席配置になるのではないかと思います。

列車は臨時「とき」として運行され、「越後湯沢~新潟」間を一日3往復します。停車駅は途中駅に全て停車し、所要時間は各列車一時間前後になっています。

列車の車両番号については、秋田新幹線時代から変更はせず11~16号車という呼称になります。全6両のうち11号車が指定席です。12~16号車は7月まではツアーでの販売、7月以降は自由席での販売が予定されています。

E3系の現在について

E3系0番台は秋田新幹線の開通に合わせて運行を開始した車両で、E6系の導入に合わせて秋田新幹線からは撤退し、一部は廃車になりました。

現在残っている編成は秋田新幹線当時のまま東北新幹線「やまびこ」「なすの」運行続けるものと山形新幹線カラーに塗り替えて「つばさ」として運行をはじめた車両のほかに、山形新幹線内を走るリゾート列車「とれいゆ」として運行するものがあります。


2016年2月13日土曜日

北海道新幹線試運転を振り返る その2




2014年12月から本格的に始まった北海道新幹線の試運転などについて、記事の整理を兼ねて2回に分けて振り返ります。このページでは2015年度の試験を振り返ります。

3月のダイヤ改正で北斗星・トワイライトエクスプレス廃止

青森駅停車中のはまなす用ED79形
新幹線開業まで運行を続ける
急行「はまなす」
北海道新幹線の試験が本格化するということで、寝台特急「北斗星・カシオペア」の定期運行が2015年3月のダイヤ改正に合わせて終了しました。

「北斗星」は2015年8月末まで隔日を基本とした臨時列車として、「トワイライトエクスプレス」はクルーズトレイン運行開始までの繋ぎとして3月以降は本州のJR西日本管内で運行を開始しました。

「はまなす・カシオペア」については北海道新幹線開業直前まで運行を続けます。

春の試験でEasi-i乗り入れへ

2015年4月21日から7月30日にかけて、2015年度の試験走行が始まりました。2014年度の時点で「新函館北斗~奥津軽いまべつ」間の試験が行われていましたが、「奥津軽いまべつ~新青森」間の本州側を中心に全区間が試験対象です。

5月24日の試験で40km/hという低速で「奥津軽いまべつ駅~新青森駅」間の走行試験が実施され、新規開業区間全線の走行が完了しました。新青森到着時はセレモニーが行われました。

そして、6月11日は今まで使われてきたH5系のほかに、JR東日本E926形「East-i」が本州側から北海道に向けて試験走行が行われました。

このE926形「East-i」は東海道・山陽新幹線でいうドクターイエローにあたる車両で、270km/hの速度で検査をすることが出来ます。11日の試験では、試験区間48kmを約1時間45分ほどかけて走破したので、ややスピードを抑えての走行です。平均すると特急「スーパー白鳥」の表定速度と同じぐらいの速度でしょうか。12日の試験で「East-i」は本州側へ帰っていきました。

公式な発表ではそれまでJR北海道所属のH5系での試運転しかなかったので、この試験でJR東日本所属の新幹線車両が初めて北海道へ渡ったことになります。

北斗星廃止と共に乗務員訓練開始

寝台特急「北斗星」の最終列車が8月22日に通過したあと、北海道新幹線の乗務員訓練が開始されました。

北海道新幹線では青函トンネル区間が日中は在来線特急や貨物が運行しているため、開業まで深夜帯に週4回3往復程度行われます。

実際の列車の運行パターンに近づけて訓練するため、通過・停車様々なパターンで運行するほか、駅や車内の放送やドア・ホーム柵操作なども行います。この訓練とは別に列車運行オペレーションの確認や異常時の対応訓練のため、「新函館~木古内」間は日中も新幹線を走行させる場合があります。

北陸新幹線では12月ごろ日中に営業運転と同じような間隔で訓練を行っていましたが、北海道新幹線ではだいぶ早い8月からの訓練となりました。実際の営業では一日13往復に対し、訓練では時間の関係で3往復しか行えず、これが早めの実施となった理由だと思います。

正月には青函トンネル完全運休実施

今までは営業時間の合間を縫って深夜帯の貨物列車や夜行列車の運休のみで試験を行ってきましたが、2016年の正月には青函トンネルを含む区間で初めての全線運休が行われました。

この運休は北海道新幹線と在来線貨物が使用する信号システムの確認のためで、新幹線車両のほかJR貨物のEH800形なども参加しました。

3月には4日間の完全運休

営業に向けて乗務員の訓練などを続けている北海道新幹線ですが、3月の22日から25日の4日間に設備の切り替えのため青函トンネルを含む区間が運休します。この運休が終わる26日が北海道新幹線開業日となります。

この運休もあって、ダイヤ改正より一足早く寝台特急「カシオペア」は3月20日発・急行「はまなす」は21日を持って営業終了となります。


2016年2月10日水曜日

北海道新幹線試運転を振り返る その1




2014年12月から本格的に始まった北海道新幹線の試運転などについて、記事の整理を兼ねて2回に分けて振り返ります。このページでは2014年度の試験を振り返ります。

大宮駅に到着するJR東日本E5系新幹線
JR北海道H5系の兄弟車であるJR東日本E5系新幹線
北海道新幹線開業後はE5系も北海道新幹線へ乗り入れる予定
帯の色や側面ロゴなど微妙に仕様がH5系と異なる

H5系が函館に到着

北海道新幹線用に製造されたJR北海道H5系ですが、製造メーカーである川崎重工のある神戸から函館まで船で運ばれて10月に北海道へ上陸しました。

JR東日本は仙台まで船で運び、陸送で仙台の車両基地へ搬入しています。この時はまだ試験前で新幹線が走れる状態ではなく、函館まで船で輸送されましたが、鉄路が繋がればJR北海道の車両も仙台からの搬入になる可能性があります。なので、函館港からの搬入は今後貴重な出来事になるかもしれません。


夜行列車は時刻変更・運休へ

函館駅停車中のはまなす用ED79形
本州と北海道を結ぶ
急行「はまなす」
北海道新幹線の試運転に先立ち、工事のため本州と北海道を結ぶ夜行列車「北斗星・カシオペア・トワイライトエクスプレス・はまなす」も、運休や時刻変更が行われるようになりました。新幹線車両を使った試運転の始まった12月以降は休日を中心に運休が増えていきます。

運休が休日中心なのは旅客よりも貨物を優先するため、物流の少なくなる休日が選ばれたが理由です。そのため12月には毎週末に運休が行われ、正月休みには連続して運休となりました。

12月1日より試験開始

2014年12月1日よりH5系を使った試験走行が開始されました。「新函館北斗~木古内」間については、軌道や電気設備の状態を確認し段階的に速度を上げ、12月末には最高速度260km/hの速度で確認することが目的です。「木古内~奥津軽いまべつ」間は地上・車上を含めたATCの現示試験などの信号設備の確認や、最高速度140km/h運転での確認することが目的です。

初日は七飯町の車両基地から新函館北斗駅までの2kmを30km/h以下の低速で往復しました。新函館北斗駅に到着時は周辺住民や小・中学生らによるセレモニーが行われました。

翌日より更に速度を上げて試験走行が行われ、12月7日には北海移動から青函トンネルで海を越えて青森県奥津軽いまべつ駅まで到達しました。

そして12月26日には「木古内~新函館北斗」間で最高速度260km/hを達成しました。今回開業する「新青森~新函館北斗」間の営業最高速度は260km/hであるため、一先ず線路・車両ともに問題がないことを証明できました。

夜行列車を運休した正月休みの期間は、青函トンネルなどの共用走行区間の試験が中心だったようです。


2月から「冬季性能検証」開始

2015年2月末から3月にかけて1年目の「冬季性能検証」が始められました。これは、車両や地上設備が性能を発揮できるか検証するもので、二年間に渡って行われます。

「低温・降雪時でも予定通りの性能が発揮できるか調べるためのブレーキ性能試験」「降雪・積雪時に車両の床下や台車にどのように着雪かを調べる車両着雪状況確認」「北海道新幹線で新幹線としては初めて採用した機器の機能を確認する冬季対策地上設備確認」などが主な内容です。

その他にも「パンタグラフの集電」「青函トンネル前後での車両機器箱内の結露状況」「低温下での地上・車両設備の動作」などの確認も行われます。

流れとしては実際に使う車両・設備を使い最初の年で基本的な部分を洗い出し、翌年の試験で問題点を修正していくといった感じのようで、基本的に2回分の冬つまり2年間の機関が必要なものです。北陸新幹線でも2年にわたり試験が行われました。

さらに青函トンネルは通過する列車の窓がすぐ曇ってしまうほどの高温多湿で、通常のトンネルとは異なった条件を持っています。他にも貨物列車と新幹線が同じ線路走ることや、新幹線初採用の技術などもあります。こうしたことからJR北海道も以前公表した資料の中で「過去に例の無ない特殊性を持つプロジェクト」という表現が使用されていたのは印象的でした。


2016年2月8日月曜日

消える急行電車 ありがとう165系・475系 その2




前回の165系について書いた消える急行電車 ありがとう165系・475系 その1の続きです。
記事作成日: 2015.02.27/記事更新日: 2016.02.08

最後の交直流急行型電車「475系」


北陸本線直江津駅に停車中のJR西日本475系
北陸本線で運行を続ける475系
475系は165系の兄弟者にあたる車両で1960年代半ばから製造・運用が始まった交直流両用の急行形電車です。165系と同じように連続する勾配区間などに対応した車両です。165系同様抑速発電ブレーキやノッチ戻し制御に対応しました。

同じ頃に登場した455系との違いはモーターの付いてる電動車の対応する周波数が違いで、455系は直流と交流50Hzに対応、475系は直流と交流60Hzに対応となっています。モーターの付いていないクハなどは455系で統一されています。

直江津駅停車中のJR西日本475系国鉄色
国鉄色塗装の475系
475系が最後に運用を持っていたのが北陸地区です。運用区間は富山~直江津が中心となっています。2015年3月14日のダイヤ改正で北陸新幹線が延伸するのに伴い、同区間は第三セクターに移管され、それに合わせて撤退しました。

JR西日本が運行を続ける北陸本線のほかの区間についても、521系への置き換えが済んでいるいことや、車両自体が古いために定期運用からは離脱しました。

JR西日本475系車内
一部ロングシート化されている
475系も165系同様に急行運用から近郊・ローカル輸送へと役目を変えていきましたが、北陸地区の475系は先ほどの富士急2000形と違い比較的原型を留めた車両です。通勤用に一部座席をロングシートへ変更されたりしていますが、固定クロスシートも多く残っていてデッキも撤去されていませんでした。

この475系が引退することで、交直流両用形急行電車の幕が下ろされました。

107系と同じ経緯で生まれた413系

富山駅停車中の413系
北陸本線富山駅停車中の413系
2014年撮影
107系と似たような経緯で生まれた車両として413系があります。413系も交流型急行列車の主要部品を流用して、通勤にも耐えられる近郊型車両として製造されました。107系と違い車内はオールロングシートではなく、セミクロスシートが基本となっています。

413系はJR西日本や、あいの風とやま鉄道へ譲渡されラッシュ時に活躍しています。さらにJR西日本所属の2編成は、1両づつ455系が連結されています。

あとがき

急行電車というものが近いうちに姿を消すと思うので、今回の記事を書いてみました。種別としての急行列車は「はまなす」を残すのみとなってしまいました。その「はまなす」も北海道新幹線開通後に廃止になる予定です。この1年間が急行列車というものの転機の時となりそうです。

※関連記事
最後の夜行急行「はまなす」の魅力と今後

消える急行電車 ありがとう165系・475系 その1




急行形電車というジャンルがもうすぐ消滅しようとしています。まだ走っている車両やどんな形式かを解説したいと思います。
記事作成日: 2015.02.26/記事更新日: 2015.02.08


急行形電車って?

文字通り急行列車に使われていた電車の総称です。車両の特徴としては座席は固定クロスシート(ボックスシート)で、両端にはデッキが付く形となっています。

車両新製当時は急行列車として使用されていましたが、列車種別の統廃合や新幹線の登場などで急行という列車自体が消えていきます。そうした時代の流れで急行電車は役目を失しなっていきました。

本来の役目を失った急行形電車は通勤輸送に耐えられるよう改造され近郊・ローカル輸送を行うようになったり、座席を特急のようなタイプへ変更した上で、快速や臨時列車として使われるようになったりしていきました。

そんな急行電車のうち最後まで活躍を続けた475系と、元165系である「富士急2000形」について紹介します。

最後の直流急行型電車「富士急2000形」


フジサン特急富士急2000形
富士急2000形として運転を続ける
最後の165系急行電車

165系は1960年台初頭より製造・運用が始まった直流急行型電車です。165系は前身である153系急行型電車をベースに作られました。車体は耐寒構造に変更され、足回りは急勾配に対応しつつもメンテナンス性を考慮してMT比が変化しないよう、モーターの出力をアップするなど電装品が強化されています。

違う地区へ転属させたり、むやみに系列を増やすのも使い勝手が良くないということで165系は暖地でも採用されるようになり、大きく数を増やしていきました。

三つ峠駅を通過する富士急2000形

しかし、先に述べたよう急行自体の消滅で165系も近郊・ローカル輸送へ追いやられていきました。それでも余剰になる車両があったので、ジョイフルトレインという臨時列車向けのジャンルに改造される車両が生まれました。それが今回紹介する富士急2000形です。

この車両は国鉄時代1986年に改造されて「パノラマエクスプレスアルプス」として生まれ変った車両です。足回りなどは165系時代のものですが、内装は特急レベルまで引き上げられました。特徴的なのはロマンスカーやパノラマカーのような先頭車両です。運転台を客室の上にすることで、乗客は運転席に居るような景色を見ることが出来ます。

富士急2000形フジサン特急車内
先頭車両の様子
左側が運転席へ繋がる入り口

国鉄からJRへ引き継がれ運転を続けていましたが、2002年には富士急へ譲渡され2000形「フジサン特急」として運転されることになりました。

富士急2000形フジサン特急
展望車とは反対側の先頭車両
165系時代の特徴が濃く残っている
富士急では6両編成は長すぎるために3両ずつ2編成へ分割して運用されることになりました。この車両は元々中間車両に運転台付きのクモロ2両を連結していたため、譲渡の際にパンタグラフをシングルアーム式にしたことと、塗装を変えた以外は大きな改造は行われていません。

富士急8000系を使ったフジサン特急
元小田急20000形RSE車
富士急8000系と改名して運行を開始
そんな2000形も改造から30年近く経ち車両も古くなってきたため、2014年に1編成が小田急20000形RSE車によって置き換えられました。残りの1編成も2015年度中にJR東海371系へ置き換えられます。そのため富士急では、2015年12月19日より「フジサン特急2000系さよならキャンペーン」を実施し、2016年2月7日にさよなら運転が行われました。

直流形急行電車は165系を改造した富士急2000形のみとなっているため、今回の引退で直流急行型電車の幕が閉じます。

形を変えて生き続ける165系


JR東日本107系電車
JR東日本107系電車

165系としては全ての編成が廃車となることになりましたが、165系の主要部品を再利用して製造された、生まれ変りのような車両が存在します。それはJR東日本107系電車です。

急行廃止で余剰となった165系ですがデッキやドア数という急行型車両の特製上、通勤電車としての利用は困難でした。そこで新しく作られた近郊型通勤車両の車体に台車や主制御機器など165系の主要機器を流用して生まれたのが107系です。

足回りなどは165系の流用ですが、車体は3ドア近郊型の完全に新しいものとなっています。そのため車内はロングシートになっており、165系時代の面影はまったく感じません。



現在は両毛線、上越線、信越線などで使用されていて、比較的簡単に乗ることができます。
なかなか面白い車両なので沢山走っているうちに乗ってみることをお勧めします。

475系についてへ続く 消える急行電車 ありがとう165系・475系 その2


ブログ内を検索

オススメの投稿

東北新幹線列車分離が重大インシデントに当たらないのは正しいのか?

 東北新幹線が315km/h走行中に連結が外れるという前代未聞のトラブルが発生しました。こういった場合重大インシデントと呼ばれる事故に繋がりかねない事象とし、国土交通省が調査を行うのが一般的ですが、事故原因が分からないトラブル発生当日に重大インシデントには当たらないと国土交...