列車の顔と呼べる先頭車両のデザインですが、目的や会社によって色々な形があります。そんな列車の顔について見ていきたいと思います。今回は比較的新しい普通列車を中心に紹介します。
列車には目的ごとの顔がある
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JR東日本E231系とE233系
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先頭車両のデザイン、列車の顔と呼べるデザインに明確なルールがあるわけではありませんが、傾向はあります。
普通列車は機能性を最優先したデザイン。特急列車では機能性だけでなく、会社のイメージにも繋がるため、デザイン性を重視したデザイン。新幹線であれば速度を重視したデザインになっています。
今回は比較的新しい普通列車のデザインを見ていきたいと思います。
コストと機能を優先したい普通電車
普通列車のデザインは箱型のデザインが多い傾向にあります。お客さんを安く快適に沢山乗せるには、まずスペースが重要です。そのため最もスペースが有効利用できる箱型になります。それに加えて走る場所によって、乗客の多さ・連結の必要性・気象条件に合わせての装備が考慮されます。
特に通勤列車は大量の車両を用意する必要があり、単純化されたデザインが理想です。単純なデザインであれば破損したときの修理も簡単ですし、平面的なら掃除の手間も減ります。
方向性としては同じはずですが、各社こだわりがありデザインでは結構違ったものとなります。
例えば、JR東日本は装飾は最低限でシンプルなデザインを採用する傾向にあります。特にE231系以降の通勤電車はその傾向が強い車両が多いです。
一方で私鉄は住宅地開発など沿線事業も手掛けることからイメージを大事にします。そのためコストがかかってもデザインを重視することがあります。相鉄の新車では車のようなグリルがありますが、ラジエーターを冷やす必要のない鉄道では無意味なものです。本当にデザインのためだけに、お金をかけているのです。
通勤電車の顔
それでは各社の通勤電車の顔を見ていきたいと思います。
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JR東日本E235系 |
JR東日本の通勤電車の最新形式のE235系です。非常にシンブルなデザインで、大型の一枚窓を採用し、上部にヘッドライトとテールライトと行先表示機を備える最小限の構成です。窓ガラスが大きいため、非常に見晴らしの良い構造になっています。
JR東日本の場合、以前は山手線など混雑する首都圏を走る短距離を走る通勤電車と、混雑はするものの駅間の長い郊外を走る首都圏の郊外電車で設計を変えていました。今では効率化と技術の進歩で、通勤電車に寄せた共通のデザインとなっています。
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JR西日本323系 |
JR西日本の大阪環状線323系です。大阪環状線という通勤路線の特性を考えれば、大型の一枚窓の構成でも良いのですが、JR東日本とは対照的に近郊型車両に寄せて共通化されています。
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東京メトロ17000系 |
JR東日本とは違い3分割された構造の東京メトロ17000系です。地下鉄車両は非常用脱出扉を前面に設けることが必須なので、そのため扉があります。ただし、非常用で普段は使わないので片側に寄せることで、出来るだけ運転手の視界を確保しています。ある程度曲面も使われており、そこはコストのかかっている部分のはずです。
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京王電鉄9000系 |
京王電鉄9000系です。都営新宿線に乗り入れるために、非常用の貫通扉を設けています。東京メトロと違い、貫通扉は端に寄せないデザインを採用しています。コストのかかる曲面ガラスを採用して、運転手の側面の視界を確保しているのがポイントです。
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相模鉄道12000系 |
通勤電車ではかなり例外的な見た目重視の相模鉄道12000系です。車のようなデザインで、ヘッドライトはリング状のデザインが入り、フロントグリルのような装飾が施されています。鉄道でいえば完全に不要な装備で、デザインのためだけのものです。これは相鉄のブランド戦略の一環で、鉄道車両以外も含めてデザイン性を高め企業価値を高めようとするものです。車両カラーリングではよく見られますが、通勤電車のデザインでここまでやるのは珍しい方だと思います。
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静岡鉄道A3000形 |
静岡鉄道のA3000形です。静岡鉄道は清水市など静岡県の都市部を走る私鉄です。地方私鉄は中古車を導入することが多いのですが、都市部で運行しているので比較的経営基盤が強く、自社設計の新型車両を導入しています。
都市部で需要が安定しているため、2両の固定編成での運行で貫通扉はありません。こちらもデザイン性を重視しており、コストアップに繋がる編成によって異なるカラーリングを採用しています。
近郊型やローカル線のデザイン
都心部近郊やローカル線のデザインも基本は同じですが、需要に合わせて連結できるようになっていることが多く、そのため通路用の貫通扉を設けることが多いです。また、地方の非電化私鉄では、新潟トランシスの車両が採用されることが多く、よく見ると似ていることが多いのです。
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JR東日本E721系 |
東北地区を中心に活躍する、JR東日本E721系です。首都圏以外のJR東日本の車両は、連結や雪を考慮した構造となっています。そのため中心に貫通扉を装備し、連結時は車内の通行が出来る設計が多く採用されています。
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JR北海道733系 |
札幌近郊で活躍するJR北海道733系です。中心に貫通扉を設け、連結時を考慮するのは他と同じです。それに加えて北海道は積雪も多く、駅間距離が長く高速走行を行います。そのためヘッドライトの数を多くし、視界確保や列車の接近をわかりやすくしています。
どの鉄道車両も踏切などでの衝突時に、運転手の安全確をする構造となっています。JR北海道の車両は、普通よりも運転台も高い位置にし前面を厚みのある構造にすることで、衝突の時の安全性がより高いものとなっています。
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JR東日本GV-E400形 |
JR東日本の最新式電気式気動車のGV-E400形です。東北や新潟地区で活躍しています。こちらもヘッドライト上部に付け、中心に貫通扉を設けて連結を対応しています。ローカル線は最初1両単位で運行されるので、乗客数に柔軟に対応出来るよう1両から数両の連結を考慮した設計が一般的です。
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JR北海道H100形 |
こちらはGV-E400形の兄弟車にあたるJR北海道H100形です。全く同じでも良いのですが、733系同様の理由だと思いますがライトが運転台下にも増設されているのが分かります。
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鹿島臨海鉄道8000形 |
鹿島臨海鉄道8000形です。この車両は非電化私鉄では多く採用されている新潟トランシス製の車両です。ライトの位置が違ったりはしますが、新潟トランシスの車両はよく見ると似ている部分があったりします。
今回の紹介はここまででざっくりした解説として各社の傾向などを紹介しました。他にも色々な顔の理由があるので、是非どうしてそういう形なのか考えてみると楽しいと思います。
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