2017年4月18日火曜日

さよなら東武634系特急スカイツイリートレイン




2017年4月16日をもって引退した観光特急スカイツイリートレインを紹介します。

6050系の改造車

東武634系野田線回送回列車
野田線を回送で走る634系
スカイツリートレインは名前の通りスカイツイリーをテーマとした車両です。2012年より東武鉄道が運行していた臨時特急列車です。2017年4月21日のダイヤ改正に先駆けて、4月16日に運行を終了しました。

日光線を走る東武6050系快速
東武6050系
車両は634系という専用車両で、4両1編成が製造されました。この車両は新造車両ではなく、快速・区間快速を中心に使用されている東武6050系を2両2編成を改造したものです。東武鉄道は大手私鉄ということもあり、簡単な車内更新や電装部品の更新であれば自社の工場で行うことも可能です。もう少し手の込んだものは館林にあり、実質東武鉄道の車両改造工場として機能している津覇車両で行っています。後で詳しく車内を解説しますが、かなり大掛かりな改造を行ったために、横浜の総合車両製作所で改造を行いました。

東武鉄道では634型と呼んでいますが、世間では634系という呼び方のほうがポピュラーなようなので、634系で表記は統一したいと思います。

特急として縦横無尽に

運行経路としては「浅草~東武日光・鬼怒川温泉・太田・大宮」の4系統で運行していました。いずれの経路での列車名は「スカイツリートレイン」で統一されていました。

観光列車というと所要時間を長めにする列車も多いですが、特急「りょうも・けごん・きぬ」などと比べてもほぼ同じか、少し長い程度の時間での運行でした。これは観光といっても、沿線各地からスカイツリーへのアクセスを目的としていることや、車両が1編成しかないため回転率を上げる目的もあったと思われます。回転率を上げる工夫として場合によっては客扱いをせず、浅草→東武日光のような回送列車が設定されることもありました。

2編成を連結して運行されていましたが、分割併合を行う運用に入ることはありませんでした。

東武日光から浅草へ

東武日光から浅草まで乗車したので、その時のレポートとあわせて車内を紹介します。

東武634系座席

東武634系座席
座席は主に二種類あります。スタンダードな進行方向と同じ向きの3列シートに、片側2列のシートが窓側に向くものがあります。編成のうちそれぞれ2両づつがそうなっていて、リクライニングも可能です。外が見やすいように、座席部の床は少し底上げされています。

東武634系のラウンジ席
運転席後ろはフリースペースがあり、ミニラウンジ風の座席や前面展望の出来る座席などもあります。

東武634系天窓
スカイツリートレインの特徴はなんと言っても大型窓です。天窓と言ったら大げさかもしれませんが、天井部付近近くまで窓が取り付けられています。自社や津覇車両で改造工事が出来なかったのは、この窓があったからだと思われます。

この他の設備として小さなグッズ販売所や、記念スタンプなども設置されています。また日光・鬼怒川で長期宿泊する方や外国から観光客へ配慮してだと思いますが、大型の荷物置き場もあります。

なかなか快適ではあるけども

列車が引退してしまうということで、引退一週間前に東武日光駅から浅草駅まで乗り通しました。乗車したのは東武日光17:36発のスカイツリートレイン8号だったのですが、展望も期待できない時間というのもあってか、乗車率は半分いかないぐらいという感じです。

元々高速走行を前提とした6050系をベースとしているので、揺れなどは特別多いと感じませんでした。5年前から運行しただけあって、座席も未だ清潔感を感じます。ただ、車両端などはなかなかの爆音でした。直流モーターが唸りを上げてるのを良く聞くことが出来て我々鉄道ファンには嬉しいですが、普通の人はあまり喜ばないでしょう。また、座席の形状も特急スペーシアのほうが座り心地は良い感じです。

元々眺望を重視した車両なので仕方ない面はありますが、やっぱり本職の特急列車に比べると乗り心地などは劣ります。ただ、ダイヤによっては特急と所要時間が変わらないものもあったので、6050系の本気の走りが見れるという点で鉄道ファンには面白い列車だったのではないでしょうか。

さよなら特急スカイツリートレイン


ダイヤ改正は2017年4月21日ですが、元々スカイツリートレインは土日などを中心に運行していた列車なので、最終運行列車は4月16日の浅草発新栃木行きの「スカイツリートレイン3号」となりました。東武300系特急電車は同じ日に引退イベントを行ったことを考えると、特別なイベントもなくかなり地味な引退となりました。

引退一週間前から引退日までを撮影

「スカイツリートレイン」運行終了後の車両については特に発表はありませんが、廃車になる可能性が高いかもしれません。ベースになった車両は6050系でも新しい1988年製の車両ですが、大型窓化という改造には無理がある気がします。今後は車両の動向にも注目したいものです。

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