山手線の新型車両
池袋駅へ入線する E231系500番台 |
山手線のATCをデジタルタイプのD-ATCに更新する際に、車両ごと更新する流れとなりE231系500番台に2002年から導入されました。
山手線では国鉄時代の1985年に205系が投入されていました。車体にはまだ補強用のビードがあり、制御システム界磁添加制御を採用しています。鉄道車両は40年程度使用するのが一般的ですが、私鉄ではビードレス車体やVVVFが採用されていく流れだったことを考えると、時代遅れになっている感じは否めませんでした。
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ベースとなったE231系0番台 |
車両を導入するのにあたり新形式を採用するのではなく、2000年より営業開始したE231系0番台を改良したものが導入されました。基本的な仕様は0番台と同じですが、いくつかの違いがあります。
ヘッドライトのデザインも違う |
外観上の大きな違いとして、先頭車両の前面デザインがことなっています。枠部分は白いカラーリングとなり、ヘッドライトの形状も大きく違っています。
車内液晶 |
内装の大きな違いとしては、ドア上の液晶モニターです。JR東日本では山手線205系でも文字放送用に一部液晶モニターが搭載されていましたが、この500番台から通勤電車へ本格採用しました。この当時主流だった4:3タイプの液晶を、各ドアごとに二つを搭載しています。左側が広告用、右側が案内用となっています。
電装系などの見えない部分もE231系0番台とほぼ同じですが、一つ大きな違いとしてはMT比の違いがあります。209系以降E233系が登場するまで殆どの形式で、高性能化した電装部品とコスト削減の関係で、最低限のモーター数に抑えていました。そのため地下鉄用を除き、原則2M3Tという比率が採用されていて、付属編成含めてが多くても1:1以下でした。しかし、500番台では6M5Tと僅かに1:1を超える比率となっています。
※MT比とはモーターがついている車両と、そうでない車両の比率です。Mがモーター車を表し、Tがモーターの付いていない付随車(トレーラー車)を表します。
※MT比とはモーターがついている車両と、そうでない車両の比率です。Mがモーター車を表し、Tがモーターの付いていない付随車(トレーラー車)を表します。
変化する500番台
山手線に投入されてから以降も、各種の変更や改良がおこなわれていきました。
6ドア車 |
先代の山手線用205系やベースとなったE231系0番台同様、500番台もラッシュ時の混雑緩和用の6扉車が組み込まれていました。しかし、山手線へホームドアを設置することが決定したにあたり、対応の難しい6扉車を廃車にすることとなりました。これが一番の変化です。それに合わせて列車停車時の最後の調整を自動で行う、TASCも取付られています。
E231系4600番台 |
4600番台の台車 E233系同タイプになっている |
600番台と4600番台はE231系の製造が終わりE233系が製造されていた時に作られた車両のため、外観のドアの形状や内装品に台車と一部部品がE233系と同じなっています。
後付けされた車外スピーカー |
その他の変化としては、当初から設置できるよう穴が開けられ蓋がされていた部分に、車外スピーカーが取り付けられました。先頭車両のスカート(排障器)も、直線的なものからV字タイプに変更されています。車内の蛍光灯がLEDタイプになるなどもありました。
山手線で活躍するE231系500番台の映像
E235系登場で転属へ
E235系 |
E231系500番台を置き換えるべく、E235系が2015年に山手線へ試験用の一編成投入されました。当初はトラブル続きで、お世辞にも褒められたものではありませんでした。しかし、各種問題の洗い出しも大方終え、2017年春より本格的な導入が始まりました。
これによりE231系500番台に余裕が生まれたので、中央総武各駅停車線へ転属していくことになりました。転属に際してはホームドア用の機器を一部追加することと、車体のシールを黄色に変更するだけの小規模な変更にとどまりました。
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