2016年2月4日木曜日

熊本電鉄01系も装備予定のefWINGとは?




川崎重工製新型台車「efWING」と、東京メトロから熊本電鉄へ譲渡された01系などについて紹介したいと思います。
記事作成日: 2015.02.01/記事更新日: 2016.02.04
東京メトロ銀座線を走る01系
銀座線時代の01系

efWINGとは

・CFRP採用
・軸バネや側バリを廃止した簡素な構造
・従来比40%重量削減

鉄道用台車は今までも簡素化や軽量化により台車の重量の削減は進められてきましたが、これ以上の軽量化は難しくなってきました。そこでアプローチを変えることで軽量化を進めたのが川崎重工の「ef WING」です。

左が従来の台車、右がefWINGのイメージ図
白い部分が構造の見直しを行ったところ

まず材料の見直しが行われました。従来の金属ではなく、航空機などで使用されている軽量素材CFRP(炭素繊維強化プラスチック)に変更をしました。

さらに構造も台車枠自体にバネの機能を持たせる「軸バネや側バリ」を廃止し、より簡素な構造になりました。これはCFRPのしなやかさによるもので、金属よりも大きく変形することができます。

上に挙げたような素材・構造の変更で従来比で40%にあたる450kgの軽量化を可能とし、脱線にも強いものとなりました。

そして2012年にアメリカのコロラド州にあるアメリカ鉄道協会運輸技術センターで、最高速度160km/h・走行距離4469km・試験期間20日の試験を行いアメリカでの走行安全性の要求を満たすことが証明されました。

2014年3月19日からは熊本電鉄6000系(元都営地下鉄6000系)にて営業運転での使用を開始し、東京メトロから譲渡された01系にも採用されました。
良いことづくめの新型台車ですが、一般的にCFRPは金属より検査が難しいと言われています。検査は超音波などを使って行います。航空機などで他社よりはノウハウがあると思いますが鉄道に関しては未経験なので、その辺りが課題になってくると思います。

01系はどんな改造がされる?

・6両編成から2両編成へ
・パンタグラフの装着
・台車の改造
・走行機器の大幅付け替え

今回譲渡されたのは東京メトロ地下鉄銀座線を走る01系の先頭車両2両が譲渡され、これを熊本電鉄で走れるようにする改造が行われました。

東京メトロの公式twitterで6両編成から2両編成になるとつぶやいていましたが、置き換え対象の5000形青ガエル(元東急初代5000系)と同じ単行ではなく2両編成になりました。

01系の走る銀座線は第三軌条と呼ばれる線路脇の電線から直流600Vの電流を受電して走っています。それに対し熊本電鉄は、屋根上の電線から600Vを受電して走っています。そのためパンタグラフをつける必要があります。

銀座線は新幹線と同じ標準軌と呼ばれる1435mmの線路幅で、熊本電鉄は日本では一般的な狭軌と呼ばれる1067mmの線路幅となっています。通常なら台車の改造で済ませるのですが、今回は台車を丸ごと「efWING」に交換されました。

01系は各車両に走行に必要な機器を分散させているため、6両編成のうち先頭車両にはモーターなどが付いていません。そのためモーターなどの走るために必須の機器を移設して2両編成でも走れるよう改造します。

そして、2015年2月21日には改造工事を請け負っていた西鉄の工場から熊本電鉄へ01系が到着しました。2015年3月16日には営業を開始しました。2016年には第2編成も到着し、5000系から01系へのバトンタッチが行われます。

多くの01系が廃車になる中、新技術により新天地で走り出す01系は興味深いものです。熊本電鉄での活躍を期待したいですね。

JR四国でも本格採用開始か?

2015年にJR四国121系1両へ「efWing」を装着し試験を行っていたようですが、2016年には121系をVVVF化や台車の「efWing」への換装、帯を変更して外観も変更した7200系が出場しました。今後他の編成へのリフレッシュで「efWing」換装が行われていけば、JR初の本格採用となりそうです。

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