2017年4月20日木曜日

「平凡」と「早すぎた」2つの東武快速




今回は東武鉄道が東上線で運行している快速と、「浅草~日光・鬼怒川」間で運行していた本線系統の快速という、対照的な2つの快速について紹介したいと思います。
記事作成日: 2015.05.12/記事更新日: 2017.04.20

2つの快速

東武鉄道で運行している快速は現在東上線だけですが、以前は二つの快速が運行されていました。一つ目は「池袋~小川町」間を結ぶ東上線系統の快速と、「浅草~日光・鬼怒川」間を結ぶ本線系統の快速がありました。

この二つの快速は違ったコンセプトのもと同一種別を名乗っています。その特徴や違いが対照的かつ面白いので、今回紹介してみようと思います。

平凡な東上快速

東武東上線を走る東武9000系
快速運用に就く9000系9101F

東上線は10両編成の列車が運行する「池袋~小川町」間と、4両ワンマン列車の運行する「小川町~寄居」間に分かれています。その中で快速が運行するのは「池袋~小川町」間で日中に1時間あたり2本運行されています。車両は10両編成の通勤電車が使われており、特定の形式での運行は行われていません。

東上線では停車駅の少ない順に「TJライナー(有料)・快速急行・快速・急行・準急・普通」の7種類の種別が運行されていますが、真ん中ぐらいの数でちょっと中間的なポジションです。

平日ダイヤでの比較ですが、ラッシュ時に運行される「TJライナー・快速急行」が「池袋~小川町」間を約65分で結ぶのに対し、日中の空いているダイヤを生かした「快速」は約70分で結び、中々の走りです。しかし、「急行」も日中は70分弱で結ぶので、「快速」を走らせるなら「急行」のほうが通過駅の利便性を考えると、トータルでは便利なのではと思ったりもします・・・駄目ではないけど特別凄くもない、そんな平凡さを持つのが東上線快速だと思います。

ちょっとだけ快速らしくなった?

2016年の東上線大改正で、快速列車にも大きな変化がおきました。池袋行きの急行を減らし地下鉄副都心線直通のFライナーが運行開始したほか、川越市以北でも日中に準急が運行を開始しました。今まで池袋行きの急行は4本だったのですが、この2本を副都心線直通のFライナーとし、池袋行きが減った分を2本の準急と2本快速で補うことになったのです。

以前のダイヤではで快速列車は、緩急接続を使った速達列車としての役割は小さいものでした。それが川越市以北へ向かう・から来る準急列車と川越市駅で接続することで、池袋行き急行を補う列車として重要性が高まりました。今までぱっとしなかった快速ですが、少しだけらしくなってきたのではないでしょうか。

早すぎた本線の快速

東武伊勢崎線を走る東武6050系
快速専用車両の東武6050系
浅草を基点とする本線系統を走る快速は「浅草~東武日光・会津田島」間の運行で、途中下今市駅で列車の分割・併合を行う長距離列車です。車両は快速専用の6050系が使用されています。快速専用というだけあって、2扉・ボックスシート・トイレ付きと、他の通勤電車とは別の装備になっています。

停車駅数も少なく「浅草~鬼怒川」間を約2時間20分、「浅草~東武日光」間を約2時間10分ほどで結びます。これは特急が「浅草~鬼怒川」間を約2時間、「浅草~東武日光」間を約1時間45弱で結ぶのを考えるとなかなかの早さです。しかし、この早さが仇となりました。

元々もは1日を通してのダイヤが設定されていましたが、新大平以北が各停の区間快速の登場で朝方の下りだけの運行になってしまいました。これは誰が見ても特急への誘導です。速くて設備も凝っている快速ですが、この速さのせいで大幅に本数を減らされてしまった列車なのです。

さよなら快速電車

廃止間際の映像

縮小傾向の続く快速列車でしたが、2017年4月21日のダイヤ改正で廃止が発表されました。快速廃止後は「南栗橋~東武日光」間で運行を開始する急行と区間急行、さらに特急「リバティけごん・会津」が代わりを果たします。ただ、急行は午前中の下りのみの運行、区間急行は下りが夕方で上りが朝方と夕方頃の運行のみとなり、快速・区間快速時代よりさらに運行本数が少なくなります。

観光が好調な反面で沿線人口自体が縮小し、特急列車の比重を高めたいという意図は分かります。ただ利用者としては、お手軽かつ快適な専用車両を使った快速がなくなるというのは、やはり不便なものです。特に日中は代替となる急行・区間急行がまったく運行されないのは、特に不便です。時代ということなのでしょうが、いろいろな意味で残念という他ありません。

あとがき

同じ鉄道会社が運行する同一種別でも、違った顔を持った列車が走っているがお分かりいただけたでしょうか?今後も東武鉄道に関するこういった記事を、不定期に書けたらなどと思っています。

※関連記事
東武鉄道の対照的だった2つの急行・地下鉄戦略

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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

確かに本線の快速は、本数も特別多いわけでわなく、その上めちゃくちゃ速いというのが印象的です。(西武線レッドアローの無料版的な)←大げさかなw?さらに、通勤時間帯は、異常な混み方wもう少し何とかしてほしいものです。
ここで1つ訂正が、東上線の種別部分で「東上線では停車駅の少ない順に「TJライナー(有料)・快速急行・快速・急行・通勤快速・準急・普通」の7種類の種別」と述べていますが、通勤快速なんて種別は、無いですよ。(通勤急行こことですよね?)まぁそれにしたって今度のダイヤ改正(3/26)で遂に消滅してしまう通勤急行ですのでこの訂正も何とも言えないものですが、、、

ttmjrm さんのコメント...

ご指摘の通り「通勤快速」ではなく「通勤急行」です。お恥ずかしい…
本線の快速はいつも混んでいますよね。ボックスシートは古臭いですが、時間や設備を考えるとお値打ち列車なので混雑するもの納得です。混んでいるなら増発を!と言いたいですが、こういう御時勢ですからね。特定条件の割引の充実で、上手いことフォローするのが落としどころになってしまうのでしょうか。

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