2015年10月1日木曜日

JR北海道 2016年春より運行本数・駅削減




2015年09月30日にJR北海道は2018年春から運行本数削減や駅の廃止を2016年3月から実施すると発表しました。

美々駅を通過するキハ183系特急北斗
札幌近郊でありながら利用者が10人を下回る
千歳線美々駅を通過するキハ183系特急北斗

キハ40老朽化で減車へ

経営が徐々に厳しくなってきているJR北海道ですが、それを理由に本格的な運行本数削減や駅廃止に踏み切ろうとしています。

まず車両面ですが国鉄時代導入した車両が老朽化してきいるため、故障が増えています。また、利用客の減少もしています。それらを踏まえて、短期的には状態の悪い車両を代替車の新造を待たずに廃車し、長期的には国鉄時代の車両を段階的に置き換えるものの、乗客が減るので現行の車両数より減らすというのが概要です。

今回JR北海道が発表した資料によると、JR北海道は古い気動車としてキハ40とキハ143を140両保有しています。その中でもキハ40・16両は製造から39年で、寿命といえるレベルに達しています。それによる故障が頻発し、8年前の二倍の故障が発生しているとしてます。そして、1列車あたりの乗車人員が0~5人が10%・5~10人が11%となったと発表しています。

キハ40形は国鉄時代に製造された車両で、現在も日本全国で運行されています。しかし、最終製造グループでも30年以上経っているので、JR各社は順次置き換えを開始しています。キハ143形はJR発足後に運行を開始した車両ですが、国鉄時代に製造された50系客車を改造した車両です。なので、車体自体はさらに古く、客車を改造という点からしても痛みが激しいことが想像できます。

そのためキハ40形・143形を置き代えるために、JR東日本の電気式気動車の設計を流用した車両で、2020年以降から順次置き換える予定としています。しかし、今後も乗客が減少するため140両より少ない数の製造とし、減少分は列車の減便という形で対応します。

駅も廃止へ

利用者が少ない駅が増えているなか設備維持や老朽化による修繕などを考えた場合、計画的にを駅を廃止していこうというのが概要です。

路線単位での乗客減少が起これば、当然駅レベルでも乗客減少が発生します。今回JR北海道が発表した資料によると、全駅のうち1日の乗車人員が0~1人が16%、1~10人が20%、10~100人が31%と発表しています。

JR北海道の駅には廃止騒動で話題になった、元々人家が少なく信号所であったが駅になった小幌駅のような駅があったり、集落自体が限界集落化し数少ない利用者だった学生も使わなくなったような駅が多数存在します。しかも利用者0に限りなく近い乗車人員0~1人の駅が、16%と深刻な状況です。さらに厳しい雪による除雪や建物破損の修理費用などが、通常の過疎駅より大きく維持費を押し上げているのは間違いないはずです。

そして乗車人員0~1人のような超過疎駅は、今でも普通列車の中から一部列車を通過にするなどの措置を実施しています。しかし、その程度では限界がきたのが今回の内容なのだと思います。今後も乗車人員が減ることを考えれば、不要な駅を廃止しコストを下げ、ダイヤを少しでも高速化するしか鉄道として出来ることは無いように思えます。

ただ、利用者が0でない場合はJR北海道として廃止駅利用者のタクシー・バスなどの利用を金銭的に助ける仕組みなどが必要になるかもしれません。今ですら冬季は除雪など大きく費用がかかっているわけですから、そういったことをしても今よりはコストを減らすことが出来る場合もあるのではないかと思います。廃止するからにはJR北海道としてのフォローが必要だと思いますが、地域自治体や周辺交通機関との連携があって可能になります。その部分も包み隠さずしっかり話しあって欲しいものです。

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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

気動車じゃなくて気道車なんですね。

ttmjrm さんのコメント...

申し訳ありません。変換ミスです。
修正いたしました。

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