2022年3月31日木曜日

東上線の電車も走るかも? 有楽町線「豊洲~住吉」間延伸決定へ




 2022年3月28日に東京メトロ有楽町線の「豊洲~住吉」間の延伸が決定しました。開業は2030年代半ばの予定です。延伸区間の解説を中心に、もしかしたら東上線からの回送列車が走るかもという点にも最後触れます。

川越市駅に到着する東京メトロ10000系
有楽町線でも使われる
東京メトロ10000系

約5kmの延伸へ

建設キロ: 4.8km
事業者: 東京メトロ
総建設費: 約2690億
開業目標: 2030年半ば

都区内東部の利便性向上、スカイツリーや豊洲市場などの観光地へのアクセス向上、東西線の混雑緩和を理由に建設が決定されました。

建設区間は「豊洲~住吉」間4.8kmです。ルートは半蔵門線住吉駅側からみると、東京都道465号線四ツ目通りの真下を通り南下し、JR東日本のレールを管理している越中島貨物駅付近の汐見運河とぶつかったところで西へ向かい、新木場側から豊洲駅直前で有楽町線に合流し終点の豊洲駅に至る経路です。

途中駅は3駅作られる予定で、新駅二つと既存駅との接続駅1つとなります。住吉側から見ていくと江東区千石2丁目あたりに新駅が一つ、既にある東西線の東陽町駅に接続して一つ、汐見運河にぶつかったところから西へ向かって首都高9号深川線とぶつかったあたりの江東区枝川2丁目のあたりに新駅が一つ、そして豊洲駅に至ります。

第三セクターなどを作るのではなく、事業者は東京メトロです。なので利用者としては東京メトロと同じように使え、負担は小さくなっています。

建設費は約2690億円です。同時に申請された南北線の延伸区間が2.5kmで1310億円なので、概ね距離に比例して倍額となっています。詳細な費用の調達方法や内訳は調べられなかったのですが、整備新幹線など様々な運輸事業に関わっている独立行政法人の鉄道・運輸機構からの融資や補助金により建設されます。最近の鉄道建設事業を見ると東京メトロの実質的な負担は建設費の3割ぐらいと予想します。

やっと準備されていた設備が活躍へ

始点と終点となる半蔵門線の住吉駅と有楽町線の豊洲駅は、開業時から元々延伸が可能なようになっている構造で駅が作られています。

どちらの駅も今営業用で使っている線路とは別に延伸路線用の線路が設置されており、留置線や臨時のホームスペースとして活用されています。

どういった形の乗り入れ形式となるか

列車の運行形態について発表はまだありません。

配線の構造的に半蔵門線は押上方面からの列車が、有楽町線は和光市方面からの列車が延伸区間に乗り入れが可能です。

有楽町線と半蔵門線の都心部の駅の位置関係を考えると大きく乗り入れる意味はあまり無さそうに思えます。また有楽町線各駅から住吉駅より、半蔵門線各駅から豊洲方面への需要の方がまだありそうに思えます。

そう考えるとピストン運行か、半蔵門線側からの住吉駅への乗り入れとなりそうです。

本線列車との顔合わせや

東上線からの検査列車が直通するかも?

東上線からの営業列車が走ることは無いと思いますが、一部回送列車が走る可能性はありそうです。

東武東上線と越生線は他の東武鉄道の路線からは独立しています。そして、東上線車両の全般検査や重要部検査を行っていた川越工場を閉鎖しました。そのため秩父鉄道を経由して南栗橋の工場まで検査列車を送るという、変わった形態になってしまいました。それが豊洲駅で半蔵門線と繋がれば、地下鉄車両は比較的簡単に東上線と本線を行き来することが出来るようになります。

半蔵門線は車両限界が有楽町線より少し小さく地下車でも50070系の一部しか乗り入れ不可能な点、半蔵門線の信号システムにCBTCを導入する予定などの問題点もあります。しかし、乗り入れ開始が10年以上先なので、東上線の地下車の大半の9000系もさすがに更新がされている可能性が高く、その頃には有楽町線もCBTCに更新となってもおかしくないので、東上線の検査を行う車両が走る可能性は十分ありそうです。

先ほど説明したよう東上線と越生線の位置の関係上、普段は本線との車両とは顔を合わせません。しかし、地下鉄線を経由しては顔を合わせており、中目黒駅で日比谷線直通の本線の車両と東上線からの副都心線直通の車両が他社の駅で顔を合わせています。なので新線が開業されれば、豊洲駅でも顔合わせをするようになるかもしれません。


2022年2月20日日曜日

新型制御で高速化の希望になれ!新型振り子式「やくも」




 特急「やくも」用に導入される273系振り子式特急電車と、273系に採用される新しい技術「車上型の制御式自然振り子方式」について注目したいと思います。

ベースは271系?

形式: 273系特急形直流電車
車両数: 44両 (4両×11編成)
営業時期: 2024年春

JR西日本は2022年2月16日に特急「やくも」向けに、273系を44両導入すると発表しました。運行開始は2024年春で、これにより最後の国鉄型特急電車となった381系を順次置き換えます。それに合わせて2022年3月19日より381系の国鉄色リバイバル運転を行います。

デザインはシルエットのみ明かされており現在検討中としていますが、シルエットを見る限り関空特急「はるか」で活躍する271系をベースにしているようです。

現在の発表ではVVVF化による省エネルギー化・バリアフリー化・防犯カメラ設置・Wi-Fiとコンセント整備と目新しくないものも多く目につきますが、日本初の「車上型の制御式自然振り子方式」採用という大きな特徴もあります。

日本国内では電車での振り子式の新形式は20年以上採用がなく、在来線特急界では明るいニュースです。

山を貫き瀬戸内海と日本海を結ぶ

「やくも」と381系

273系が導入される特急「やくも」は、山陽本線・伯備線・山陰本線を経由して「岡山~出雲市」間を結ぶ特急列車です。新幹線により活躍の減る在来線特急ですが、瀬戸内海と日本海を結ぶ路線は無いため、今でも「やくも」は1時間に1本をベースに設定されている重要な特急です。

山を抜けてカーブの多い区間を走る関係で、1973年に中央線の特急「しなの」・1978年に阪和線と紀勢線の特急「くろしお」・最後に1982年特急「やくも」と381系特急電車を採用した路線です。

381系は自然振り子式と呼ばれる車体傾斜装置が搭載されていて、カーブに入ると遠心力で車体が傾くことで、カーブでも乗り心地を損なわず高速で通過することが出来ます。ただし、車体傾斜装置は乗り心地を維持するための装置のため、あらかじめ線路や架線を高速走行可能な用にする工事が必要です。

381系は485系や183系に似た見た目をしていますが、振り子装置以外にも車体を鋼鉄製からアルミ製にしたり、冷房を床下にするなどして低重心化する工夫があります。

カーブの多い路線に採用された381系ですが、老朽化の問題により「やくも」以外では引退しています。そして485系が引退して今では、「やくも」は最後の国鉄型特急電車が定期運行で活躍する貴重な列車ともなっています。

コストが重くても採用された振り子式

振り子式車両は台車や場合によってはパンタグラフも構造が特殊化するため、コストの関係で採用を減らしています。その代わりとしてカーブの通過速度は振り子式より多少劣るものの空気ばねの空気量を調整して車体を傾けるため、構造が他の一般列車とほぼ同じでコストがあまりかからない空気ばね式の車体傾斜装置がが採用が増えています。

最近で振り子式が採用されたのはJR四国が空気ばね式では技術的にどうしても難しかった場合と、かなり消極的な理由でした。また、「くろしお」に至っては、381系の後継車では車体傾斜装置自体を省いてコスト削減がなされることもありました。

コストがかかっても振り子式が採用されるのは、それだけ「やくも」がまだ重要だと思われているからなのだと思います。

新型制御で少しでも安くなるか?

381系自然振り子式はカーブに差し掛かるだけで勝手に車体が傾く反面、車体がカーブに入ってから車体が傾くため乗り心地が悪くなるデメリットもあります。そのため乗り物酔いが起きやすく、「ぐったりやくも」などという不名誉なジョークもあったりしました。

そのため最近の振り子式車両は制御付き自然振り子という方式を採用しています。線路上にあるATS地上子の位置を記録したマップデータと車両側の計測装置による位置情報を基に、カーブに入るタイミングに合わせて機械的にアクチュエータを制御して少し車体を傾けはじめ、その後は自然振り子式同様に勝手に車体が傾くという仕組みです。

273系ではそれに代わり「車上型の制御付自然振り子方式」が採用されます。詳しい情報はプレスにはJR西日本のプレスには載っていませんでしたが、2020年の鉄道総研の研究成果にその技術と思われるものの詳細「車体傾斜車両向け高精度自車位置検出システム」が出ていました。

それによると従来の方式はATS地上子の位置が変わるたびに車両側にデータを入れかえが必要だったり、大きな駅を走行時に本来の経路とは違う線路を走ると位置を見失う場合がありました。それを車体に搭載したジャイロセンサーによるヨーイング角(大雑把にはカーブ時の車体の傾きみたいなもの)と走行速度からカーブの角度を計算し、車両に搭載された線路のマップを照合して±2mの精度で位置を検出します。これにより車両上のデータメンテナンスを10年程度まで伸ばせるとしています。

最近の日本の特急車両は乗客の減少や高速網との勝負に負けているため、高速化技術よりコスト削減の技術ばかりに投資される傾向にあります。今回の技術は車体傾斜装置の導入コストを、大きくではないものの下げる技術の一つです。車体傾斜による高速化は線路側に改良も必要のため依然コストがかかりますが、空気ばね式にも適用できるこの技術と空気ばね式車体傾斜装置であれば、以前よりもハードルが下がっているのも事実です。こういったご時世でなかなか難しいにしても、もう少し攻めの鉄道車両が増えてくれると良いと願って少し大げさですが、ブログ記事タイトルをつけさせて頂きました。


2022年2月11日金曜日

そもそもパタパタって何? さよなら京急川崎駅パタパタ表示器




 京急川崎駅に残された最後の通称「パタパタ」表示器、正式名称「反転フラップ式案内表示器」について紹介します。

京急川崎駅 反転フラップ式案内表示器
京急川崎駅
反転フラップ式案内表示器

そもそも「パタパタ」って何?

「パタパタ」の愛称でよばれている表示器は、「反転フラップ式案内表示器」と呼ばれるものです。フラップと呼ばれる薄い鉄板をパタパタ切り替えることで、行先や列車種別を表示します。1953年に東京駅に設置されたのが日本では最初のようです。

最近ではおしゃれな卓上時計ぐらいでしか見かけなくなりましたが、以前は大きな駅や空港に多く設置されていました。今では国内だと関東では京急川崎駅が最後に、一部の関西私鉄駅や空港にわずかに残るのみとなっています。

フラップを転換する必要があるため、表示を切り替えるの時間がかかります。また、鉄板に文字や記号などを使う場所にあった印刷をする必要があるため、基本的に特注品になりコストもかかりますし、新しい表示をするにはフラップの交換が必要になったりもします。そのため最近では、切り替えが早く簡単にデータの更新で新しい表示が出来る、LEDや液晶をモニターを使った表示器が一般的になっています。

京急川崎駅のパタパタ

京急川崎駅 反転フラップ式案内表示器

関東最後のパタパタは京急川崎駅の下りホームだけに1台だけ設置されています。京急のプレスによると1986年12月26日に京急川崎駅に設置されたのを皮切りに、一時は10駅にまで設置されていました。このパタパタは二代目の表示器とのことです。古くなり部品交換も難しく、他の駅同様2月中旬に更新が行われます。

京急川崎駅下りホームは日中でも毎時18本の発着本数があり、緩急接続可能な1面2線の構造です。そのため表示内容も列車の「発車順番・発車番線・種別・行先・時刻・車両数・補足情報」と、7種類のフラップで多くの情報が表示できます。段数も三段の表示で、一度に3本の列車の情報が表示可能です。

この表示器は複数の機能が一体になったタイプでパタパタだけでなく、上部に停車駅表示のランプやパタパタ横にアナログ時計が付属しています。

京急川崎駅 反転フラップ式案内表示器の時計
時計の下にある「京三製作所」のロゴ

製造は信号装置やホーム設備を多数製造している、国内鉄道装置大手の京三製作所です。

表示切替は列車が発車する行われます。上段から下段と順番に表示が切り替わっていきます。

京急川崎駅 反転フラップ式案内表示器をズームしたところ
ズームして撮影

下からよく見ると、フラップは上下2分割されていて、だいぶ痛みがあるのも分かります。

このように他の表示器にはない様々な特徴をもったものです。仕方がないとは言え、なくなるとちょっと寂しいものですね。何気ない表示器にも、今後は目を配って見ていきたい気持ちになりました。



2022年1月30日日曜日

まさかの東武乗り入れ ー 相鉄・東急新横浜線2023年開業




2023年春開業予定の相鉄・東京新横浜線「日吉~羽沢横浜国大」について、鉄道趣味的な観点から概要を解説します。

記事作成日: 2022.01.29/記事更新日: 2022.01.30

東急5050系
乗り入れに使用予定の東急5050系

開業区間は10km

相鉄・東急新横浜線路線図
新横浜線路線図

2023年3月に開業する予定の区間は東急日吉駅~相鉄横浜国大駅の約10kmとなります。

相鉄側が既に開業している相鉄新横浜線西谷~羽沢国大駅から4.2㎞1駅延伸する形で、東急側からは日吉駅から途中に新綱真島駅を挟んで2駅延伸する形で5.8kmの新線東急新横浜線が開業します。

これは「神奈川東部方面線」と呼ばれていたもので、「相鉄⇔JR」の相互直通と「相鉄⇔東急」の相互直通二つの計画をまとめていたものです。既に羽沢横浜国大駅より行われている相鉄とJRの乗り入れに加えて、今回の新線開業ですべて完成となります。

これにより東急方面から東海道新幹線新横浜方乗り換えの利便性向上や、相鉄方面からの都心への利便性向上が期待されています。

相鉄側から新横浜駅へが10・8両編成がラッシュ時10本・日中4本、東急側から新横浜駅へが10・8・6両編成がラッシュ時14本・日中6本の運転予定です。

新横浜駅が唯一2面3線の日常的に折り返し可能な駅なので、6両の列車はそこまででそれ以外が相互直通する形になるようです。

新横浜駅には5社11路線の超複雑乗り入れ

東急が複数の路線と乗り入れていることや、相鉄が東急線から更に地下鉄経由して「渋谷・新宿・永田町・大手町」など都心への乗り入れを目的としていたため非常に複雑な乗り入れになってしまいました。

東急からは「東横線・目黒線」、相鉄からは「相鉄本線といずみ野線」が乗り入れます。

それに加えて東急東横線を経由して「東京メトロ副都心線とその直通先の東武東上線」の2路線、東急目黒線を経由して「東京メトロ南北線とその直通先の埼玉高速鉄道」と「都営三田線」3路線が乗り入れます。

路線の分岐駅である西谷と日吉は折り返し設備は比較的充実している駅なので、ダイヤ乱れ時の影響はある程度抑えられると思います。しかし、これだけの複雑だと、どこかの路線の運休など大きなダイヤ乱れが起きると、小さな影響は波及してしまうと思います。

まさかの東武鉄道参入

そして誰もが予想だにしていなかったのが東武鉄道東上線の直通です。乗り入れ区間も最近観光客が増えてる川越までではなく、東上線の10両編成の列車乗り入れ可能最北端の小川町までを予定しています。一方で東武鉄道と同じような境遇の西武鉄道は乗り入れは、需要などから今のところする予定は無いと発表しています。判断としてはこちらが無難です。

これにより東上線からは新横浜駅での新幹線乗り換えや日産スタジアム(横浜国際総合競技場)へ行きやすくなり、相鉄方面からは川越観光や小川町・長瀞方面の観光やトレッキングがしやすくなります。

今でも東上線は東急・メトロの車両を使って「元町・中華街⇔小川町」に東上線無料最優等列車の快速急行を運転しているので、確かに下地はありました。

しかし、はっきり言って東上線が乗り入れる意味は、利便性や観光の意味から考えてもほとんどありません。東上線から東海道新幹線を使うならそれこそ品川駅で良いですし、相鉄方面から川越・小川町方面への観光需要の掘り起こしを期待するのは難しいのは明白です。案内に東上線が入ることで、多少認知度向上が狙える程度が分かりやすいメリットだと思います。

西武鉄道も似たような取り組みとして「元町・中華街⇔西武秩父」を繋ぐS-Trainを運行していますが、遠さだけでなく指定席料金の値段も相まって苦戦しており、それが乗り入れをしない決断に繋がったと思います。

そういった状況でも最近の東武鉄道は比較的チャレンジしようとしているので、その一環なのだと思われます。相当な工夫が必要だと思いますが、どう需要を掘り起こすのかも注目です。

様々な車両が乗り入れ予定

相互乗り入れがほぼ確実な車両
相鉄: 20000系・21000系
東急: 5050系・5080系・3000系・3020系

新横浜まで乗り入れる可能性がある車両
都営: 6300形・6500形
東京メトロ: 9000系
埼玉高速鉄道: 2000系

乗り入れるかもしれない車両
東武鉄道: 9000系・9050系・50070系
東京メトロ: 10000系・17000系

参考-JR相鉄相互直通車両
相鉄: 12000系
JR: E233系7000番台

はっきりしたことは実際の運行開始までは分かりませんが相鉄と東急の相互直通を行う車両として、新横浜線の事業者である相鉄と東急の車両が使用されるようです。2社の車両は両方の路線へ乗り入れ可能なよう信号システムの工事が完了されています。東急車は5050系が西武・東武含めた全線乗り入れ可能、それ以外の東急・相鉄車は東武・西武以外の直通先全路線に乗り入れ可能な仕様です。

一方で都営・東京メトロ・埼玉高速鉄道の車両は相鉄への乗り入れ工事が確認されておらず、新横浜駅までかイレギュラー運用時のみ新横浜駅までとなる可能性が高そうです。埼玉高速鉄道などは特にそうですが、事業者によってはメリットが小さく乗り入れに工事・メンテナンス費用がかかる乗り入れには消極的です。そういった事情によるものと思われます。

東上線への乗り入れは本数が相当少ないと予想されるので、相鉄と東上線両方が乗り入れ可能な東急5050系を使うのが一番簡単な方法です。ただ、技術的には新横浜駅まで乗り入れ可能なはずなので、東武車乗り入れも可能性としては僅かに残っています。また、副都心線で使われている10000系や17000系が乗り入れることは運用が複雑になるので無いと思いますが、技術的には東武車同様に可能なので、可能性としては同様という具合です。

参考ですがJRと相鉄の相互直通車は、信号システムの関係や地下鉄乗り入れ装備がないため東急・地下鉄方面への乗り入れができないため、JRと相鉄のみの相互直通となります。

現状わかっている情報としてはこのような感じです。この記事は順次加筆・修正していく予定です。



2022年1月29日土曜日

DL「大樹」会津鉄道と野岩鉄道へーDE10形と14系 雪の野岩・会津鉄道を走る




 DL大樹が臨時列車として2月11日に会津田島駅に乗り入れするにあたって、2022年1月15日より野岩鉄道・会津鉄道でハンドル訓練のための試運転が実施されています。その様子にや、ツアー列車について紹介します。

DL大樹2月12日に正式乗り入れへ

会津田島駅を発車する東武鉄道のDE10形と14・15系客車
会津田島駅を発車する
東武鉄道のDL編成
東武トップツアーズ主催の団体列車が会津田島まで運行されることが決定しました。往路の「浅草~下今市」までは間もなく廃車となる350系で、そこから「会津田島~下今市」間の往復をDE10形牽引の客車列車であるDL大樹で、復路の「下今市~浅草」間はスペーシア100系による特急きぬでの移動となります。

それに先立って東武・野岩・会津鉄道の3社に跨る「会津田島~下今市」間で、DE10形と14系2両・15系1両の計4両での乗務員訓練のための試運転列車が運行されています。


既存大樹ダイヤを一部活用

下今市10:29→会津田島13:47・会津田島16:08→下今市19:10のダイヤです。

往路の「下今市~鬼怒川温泉」間は、定期運行のSL大樹3号のダイヤをそのまま活用する形となっています。

逆に復路については定期運行のダイヤの活用はなく、臨時のSL大樹10号のダイヤとも違うダイヤが利用されています。


会津・野岩鉄道線内では普通列車が追い抜き

野岩鉄道湯西川橋梁を通過する東武鉄道のDE10形と客車の試運転列車
野岩鉄道湯西川橋梁を通過する
会津・野岩鉄道線内では普通列車が試運転列車を追い抜くダイヤが組まれています。

運行予定の野岩鉄道線内の最高速度は80km/h、会津鉄道線内は65km/hに対し、DE10形の最高速度が85km/hとなっており、運転密度も考えれば追い抜き無しのダイヤも可能だとは思います。

しかし、乗車を楽しむツアー列車をやたら早く走らせる意味が無いことがまず一番、勾配や車両への負荷、東武鉄道のツアー列車では停車駅で簡単なグッズ販売を行ったりすることがあるので、そのようなダイヤが組まれなかったと想像できます。

ゆっくり走るダイヤで以外だったのは、ダム湖の上を走り景色の良い湯西川橋梁も普通に通過していたことです。実際のツアーでは眺望のために、停車したりするのかも注目です。

会津田島駅では機回し実施

会津田島駅で機回し中の東武鉄道DE10形1099号機
会津田島駅で機回し中のDE10形

会津田島駅に到着後は機関車を前後反対に付け替える必要があります。そのため本線を利用しての機回し作業が実施されました。

SL乗り入れに夜行列車運行と広がる臨時列車

夜の駅停車中のDE10形1099号機
駅停車中のDE10形1099号機

東武鉄道は元々SL列車を会津方面へ乗り入れさせようしているので、今後はSL列車の乗り入れの布石としての運行でもあると思います。そのため今後はこういった団体ツアーの動向も見ながら、SL運行へ繋げていくつもりなのではないでしょうか。

会津若松駅はJRのSL「ばんえつ物語」の拠点でもあるので、ゆくゆくはSLの共演にも期待したいです。

また、大樹で使用されている客車の中には夜行列車の急行「はまなす」で使用されていた車両もあります。東武鉄道や野岩鉄道はスキー夜行列車を今でも運行している会社なので、臨時の客車夜行列車の運転も今後はあるのではないでしょうか。

趣味的にはとても興味深い乗り入れとなっています。

最後に撮影は安全と周囲に気を付けて

私も気づかないうちに時には…といこうともあると思いますし、あまり他人をとやかく言いたくないのですが、「いい年してそれやっちゃうんだ…」みたいな事も結構見ました。

列車の安全運行と鉄道撮影を地域の方や鉄道会社さんから続けさせて貰うためにも、自分も含めて考えていきたいものです。



2021年12月17日金曜日

小田急50000形ロマンスカーVSE 2023年廃車へ- 連接台車の歴史に幕を下ろすか?




小田急電鉄は50000形ロマンスカーVSEの2022年3月11日までの定期運行終了と2023年秋の廃車を、2021年12月21日に発表しました。なぜ廃車に至るかの考察と、今後も連接台車特急の運行自体は可能ということを解説していきます。

定期運行終了の後廃車へ

小田急電鉄50000形VSE
運行を終了する予定の
小田急電鉄50000形VSE
2022年のダイヤ改正前日にあたる2022年3月11日に、50000形特急電車VSEの全編成にあたる計2編成の定期運行を終了すると発表されました。

理由としては車体の経年劣化や機器更新が難しくなってきていることが、プレスリリースに記載されています。

小田急のプレスリリースにも明記されていますが、イベント列車としての運行は継続されるため、完全な運行終了ではありません。繁忙期など臨時列車ので運行もあるかもしれません。しかし、23年秋には引退予定とあるので、定期運行終了後1年程度で廃車が決定しています。

今のところ新型の特急の発表はありません。2022年のダイヤ改正で特急の運行本数が削減されるため、今のところ車両自体が必要ないと考えられます。新型や既存の車両が追加されるかは、旅客需要がどの程度戻ってくるかによるでしょう。

10000形LSEが長野電鉄に譲渡され、富士急には20000形RSEが譲渡され今も活躍しています。前例としてはロマンスカーの譲渡はあり得るので、VSEの譲渡による新天地での活躍も期待したいところです。

コストとホームドアによる影響が大きいか

早期の廃車になったのはコストとホームドアが大きいと思われます。

一般的な鉄道車両では15~20年で制御装置などが古くなるので、その時期に大幅な車両部品の交換を行います。そうしたタイミングで座席などの内装や塗装などの外装にも手を加え、今後15~20年程度使えるようにします。そして30~40年程度を寿命として廃車にするのが一般的です。

VSEは2004~2005年にかけて2編成製造されました。17年経つのでちょうど更新が必要な時期なので、機器の劣化であればそうした措置を行えばよいだけなので、それ自体は運行終了の大きな理由にはなりません。ただ、機器更新は大きなコストがかかるので、何らかの問題がある場合、それを区切りに廃車にする場合もあります。

小田急は1957年に登場した初代ロマンスカーである3000形SE車以降、伝統的に連接台車の特急列車を多く採用してきました。日本での連接台車の採用は少なく近年では路面電車の採用が中心で、近年で特急電車での採用は小田急のみです。そのため車両部品が特殊であることは事実で、編成数が少ないことや特急車両が高速走行で元々高価な部品を使っているのを考慮すると、VSE専用の非常に高価な部品があることは想像できます。

小田急に限らずホームドアの設置が進められていますが、VSEは連接台車であるため通常の特急電車より1両あたりの長さ短くドア位置も変則的であるため、小田急線のホームドア取付の障壁になっていると指摘されていました。現在のホームドアは様々なタイプのものが開発され、VSEへの対応自体は可能だと思います。しかし、VSEだけのために特殊なホームドアを採用しないので済むのであれば、そちらのほうが良いのは間違いありません。

以上のことを考えるとホームドアとVSEの相性が悪かった上に、車両全体の部品を大幅に交換する時期に差し掛かっていたため、この際廃車という方向になったと想像できます。

※連接台車…連接台車は車輪などが取り付けてある台車が、2つの車両の中間にある構造のもの

連接台車特急は復活は出来るが…

今後もホームドアにより連接台車が運行できないかですが、連接台車でも特急という特殊な運用形態上通常のホームドアへの対応は可能です。

特急車両は通勤電車と違い乗降人数が少ない関係で、ドア数が多少減ったりドア位置が変則的でも問題ありません。なので、単純にほかの20メートル車と合うように、ドアがついている車両を設計すれば良いだけの話です。あとはホームドアの開閉プログラムを、ドアがついている箇所のみ開くようすれば良いのです。

さらにロマンスカーならではの利点もあります。一般的な車両では運転台からの乗り降りを考慮して、編成長にあわせた乗務員用の乗り降り設備もホームドアには必要です。ロマンスカーでは運転台が二階にある特殊構造を採用することも多く、その場合は乗客用出入口から乗務員も乗り降りします。なので乗客用のドア位置だけを合わせさえすれば良いのです。

以上から理屈の上では通常のホームドアへの対応は可能です。ただ、本来停車しない駅などへの緊急停車などの非常時を考えると、20mのボギー車が良いのも事実です。色々な事件も増えている現代では、単純なドア位置以外も考慮に入れる必要はあります。

連接台車の意義と小田急らしさ見出せるか?

初代ロマンスカーSE車では軌道へのダメージを最小減にした上で高速走行が可能なよう、技術的な理由から連接台車が採用されました。車両の軽量化・高性能化が進み線路設備が充実した今の小田急電鉄で、技術的な理由で採用をこだわる理由は少なくなっています。小田急でも50000形の先代である30000形EXE、後継である70000形GSEとボギー台車のロマンスカーは多数運行されています。

※ボギー台車…台車が車両に2個付いたいわゆる普通の台車。日本の鉄道車両は基本的にボギー台車です。

しかし、高速走行時有利な物理的特性や、車両ごとを区切らないで済む連接台車ならではの車内づくりができるメリットが全てなくなった分けではありません。50000形VSEが先代30000形EXEの展望席など観光特急らしさの無さと、連接台車の特性を生かしたより快適で特徴ある車内空間を求めて生まれた車両で、それを証明しています。

特急電車でもロマンスカーは箱根への観光列車で、他の特急以上に非日常感を求められる車両です。そういった非日常感を作るために連接台車を採用した、誰もが認める独創的な車両を今後も運行して欲しいと願っています。


2021年11月27日土曜日

205系の異端車 珍しいJR相模線205系500番台を紹介




 205系の中では少し変わった経緯や特色を持つ、相模線用205系のJR東日本205系500番だについて解説します。

205系では珍しい短編成用新製車

橋本駅に到着する205系500番台
橋本駅に到着する
JR205系500番台
相模線の205系500番台は、205系が新規製造時に通勤線区を中心に投入された中、4両編成という短い長さで投入された珍しい車両になります。

205系は国鉄末期からJR初期に製造された通期電車で、回生ブレーキの採用などで高性能・省電力化した反面高価になってしまった201系を反省し、コストを抑えつつ性能と省電力を維持した上に更なる軽量化を進めた通勤電車です。

赤羽駅を出発する埼京線205系
10両編成の
JR埼京線205系
通勤電車であるため新規製造時、初期の国鉄時代投入線区は山手線や東海道線緩行線(関西地区)に投入され、その後のJR発足後の平成初期に阪和線・横浜線・京浜東北線・埼京線・相模線・南武線・中央総武緩行線・京葉線・武蔵野線と通勤線区を中心に新製投入が行われました。

上で挙げた新製時の投入線区を見ると分かりますが、首都圏や関西の混雑線区が中心の投入が行われました。そんな中で郊外線区の特徴が強い相模線への投入は、珍しいものでした。

顔が特注の500番台

相模線205系500番台先頭車両
専用デザインの前面
相模線用の205系は500番台という区分を与えられています。この500番台という区分は、相模線用の205系のみで使われています。つまりその205系だけが持つ特色があります。

205系500番台は1991年春3月16日に相模線電化されるの期に、4両13編成が新製投入が実施されました。そのため全ての車両が1991年1月から電化直前3月までに製造された兄弟車両となっています。13編成のうち第12編成にあたるR12編成中間2両と、R13編成はJR大船工場製造でそれも特徴です。ちなみに大船工場は技術維持のため107系、205系・209系・E217系のごく一部の製造を行いました。

500番台だけの大きな特徴として、前面デザインがあります。JR初期という時代や電化というタイミングもあり、205系500番台の専用のデザインとなっています。地下鉄車両のような、運転台と反対側に縦型の大型窓を採用しています。

丸形ヘッドライトの0番台とは違う前面デザインは、京葉線・武蔵野線用のメルヘン顔と言われたデザイン、阪和線用の前面展望を考慮して運転台側窓をちょっと窓を大きくした205系1000番台があります。

今ではどの205系にも付いているスカートですが、最初から装着しているのはこの205系500番台からとなっています。

短い4両編成

205系のうち新製時に4両で投入されたのは、相模線と阪和線向けの車両だけとなっています。これも一つの特徴です。

もっとも現在は首都圏を中心に、E231系やE233系投入により余剰になった205系を2~4両に短編成化した車両が、新たに日光線・宇都宮線・鶴見線・南武線・仙石線(宮城県)で活躍しているため、短編成の205系というのは珍しくはなくなりました。

原型と改造後の特徴が同居する

205系500番台は投入時からずっと相模線で活躍している車両です。運行時に必要な改造は少しづつ行われているものの、転属時に行われるような改造は行われていないため、登場時の原型と改造後の特徴が同居しているのも特徴です。

JR205系500番台の車内
更新があまりされていない
205系500番台の車内
車内は登場時からあまり改造されていないように見えます。他の205系が転属時などに行った、ドア横の座席の仕切りの増設なども行われていません。つり革も優先席付近以外は登場時に近く、丸形の持ち手にベルトタイプの紐を採用しています。モケットも山手線や埼京線205系などで標準的に使用されていたものが、引き続き採用されています。

205系500番台の白色LEDライト
前面ではヘッドライトは初期の白熱電球タイプから、白色LEDに変更されています。一方で、行先表示器は方向幕タイプで、列車番号表示器は7セグメント表示のデジタルタイプが引き続き採用されています。

205系500番台のJRマーク
先頭車両のJRマーク
側面の行先表示器は方向幕がそのまま採用されています。先頭車両のドア横には最近はあまり見られなくなった大型のJRマークのシールが貼りつけられています。

ドア横には半自動ドアボタンが設置されています。このスイッチは205系では珍しく登場当時から搭載されているのも特徴です。

走行機器は大半がそのまま

走行機器については間違いが無いよう調べたつもりですが、間違いがあった場合はご了承ください。

205系500番台の台車
台車
台車はボルスタレス台車で電動車にDT50Dを採用し、付随車にTR235D採用しています。モーターは120kWのMT61を採用しています。

205系500番台の主制御器と励磁装置
主制御器と励磁装置
主制御機器は登場時のまま界磁添加励磁制御で、主制御機器にCS57形・励磁装置にHS52A形を採用しています。

205系500番台の床下機器
コンプレッサーはレシプロ式でMH-3075A-C2000Mを採用していて、昔ながらのブロロロ!という音を聞くことが出来ます。発電機はDM106で、SIVへの改造は行われていません。

205系500番台の冷房装置のAU75G2M
ベンチレーターと
冷房装置AU75G2M
屋根上の冷房装置はAU75系列を使用していて、私が見た編成ではAU75GMとAU75G2Mを採用していました。そして空気取り入れようのベンチレーターもそのまま付いています。

このように多くの機器は登場時を維持していますが、いくつかの走行機器は更新されています。

更新された205系500番台のパンタグラフPS33E
ひし形パンタグラフPS21より更新された
シングルアームパンタグラフPS33E

パンタグラフは登場時はひし形パタングラフのPS21形を採用していましたが、雪に強くメンテナンスもしやすいシングルアームパンタグラフのPS33E形に変更されています。

モニター装置はPC-98シリーズの産業用版FC-9800をベースにしていたMON5型を採用していましたが、MON3型に更新されています。

さよなら205系500番台

そんな205系500番台ですが、2021年11月18日に新型車両のE131系500・580番台の運行が開始されました。

運行開始まで11月18日までに大半の編成が置き換え可能な9編成が完成しているものの、運用は1日1運用程度にとどまっています。今後順次運用が拡大していくと見られます。

今の置き換えペースであれば来年のダイヤ改正には全てが置き換え完了となりそうです。なので相模線での活躍を見たければ、マナーを守って今年度中をお勧めします。

このまま廃車?

元々郊外線区用に作られたので半自動ドアが付いていて地方私鉄向けにはぴったりな反面、需要の減っている地方では4両は持て余し気味な上に、車内も手を加えられていないので大きな改造が必要な場合多いと思われます。

一方でインドネシアのジャカルタでは4両の205系が走り始めて、需要はありそうです。ただ、インドネシア政府が中古車両の輸入を終了する方向で、205系の輸出は武蔵野線からの分でひとまず終了となっているようなので、そちらも微妙です。

このまま廃車になってしまう可能性は大きそうに思えますが、どうなっていくでしょうか。



2021年10月27日水曜日

山手線大規模運休渋谷駅拡幅工事の臨時列車を振り返る




 2021年10月23~24日の二日間にわたり山手線内回り「池袋~大崎」間を終日運休し、様々な臨時運転を活用し混乱を避けて行われた、山手線渋谷駅拡幅工事について臨時列車を中心に振り返ります。


渋谷駅大規模改修工事の一環で実施

拡幅工事中の山手線内回りホーム
拡幅工事中の山手線内回りホーム
渋谷駅は東急東横線が地下化されて以降、乗り入れ路線の大半を巻き込む大規模な改修工事が続けられています。銀座線・埼京線と湘南新宿ラインホームの移設などが既に行われており、その一環として山手線内回りホームを拡幅工事を行いました。

山手線渋谷駅ホームは内回りと外回りが別々で、二面二線の構造です。今回の工事ではその構造自体には手を加えず、山手線内回りの線路を埼京線・湘南新宿ライン側に数メートル移動し、内回りホームが拡幅されました。

今後は山手線外回り線路を山手線内回り・埼京線・湘南新宿ライン側から反対がに少し移動し、1面2線の島式ホームにする工事が行われる予定です。そのため今度は外回り線の運休を伴う工事が実施されると予想されます。

特別経路の列車などで内回り運休を他の路線で補う

臨時列車が表示される新宿駅の電光掲示板
臨時列車が表示される
新宿駅の電光掲示板
山手線内回りが部分運休したため、様々な方法でその穴を埋めることなったので、後で詳しく解説しますがまずは簡単に説明します。

山手線は外回りは「品川~大崎」間の本数を3分の2に減らして通常通りの環状運転、内回りはだいぶ本数を減らして10分間隔で池袋と大崎駅で折り返し運転を実施しました。

埼京線は本来池袋駅まで行かないりんかい線や相鉄線からの直通列車を折り返しの設備のある、池袋・赤羽・武蔵浦和駅まで延長運転しました。そのため「大崎~池袋」間で、倍近くに本数を増やして運転となりました。

湘南新宿ラインは成田エクスプレスを同じ経路を使った「新宿~品川」間で、30分間隔のピストン列車が運行されました。大崎駅の線路配線上、大崎駅は通過での運転でした。

山手線は外回りも送り込みの関係で減便変則ダイヤ

山手線は内回り線は「大崎~池袋」間が運休で、大崎駅と池袋駅で10分間隔の折り返し運転となりました。一方外回り自体は運休しなかったのですが、内回りの送り込みの関係で「池袋~大崎」間を3分の2に減便の変則ダイヤとなっていました。

今回の運休は内回りと外回り両方を運休させたわけではありません。そのため内回りの折り返し列車を外回りを使って営業列車として、池袋から大崎まで送り込む必要があります。そのため外回り線の運行本数の限界が、山手線全体の運行本数の限界となったのです。

池袋駅では3線を使って折り返し

池袋駅山手線内回り7番線から 発車を待つE235系
池袋駅山手線内回り7番線から
発車を待つE235系
内回り線の列車は通常の列車同様に、まず池袋6番線に入ります。その後列車は池袋駅新宿側にある引き上げ線まで回送されます。そこで折り返して、外回り線へ転線し折り返します。

転線した列車は、新宿方面からの営業列車も到着する7番線と、始発・終着列車専用の東上線横にある8番線ホームから交互に折り返し列車が発車しました。

大崎駅でも3線を使って折り返し

山手線外回り大崎駅4番線に 到着するE235系
山手線外回り大崎駅4番線に
到着するE235系
品川方面から到着した外回り列車は、折り返し列車とそうでない列車で別のホームに入ります。営業列車は通常通り3番線ホームに到着し、そのまま池袋方面へ向かいます。一方ここで折り返す列車は、始発・終着列車用の4番線に到着します。そこから大崎駅品川側にある引き上げ線に回送し転線します。その後1・2番線に交互に列車を振り分け、そこから折り返します。

埼京線は大幅増便

新宿駅停車中の埼京線直通池袋行きの相鉄12000系
新宿駅停車中の
埼京線直通池袋行きの相鉄12000系
山手線の減便列車を補うため埼京線「池袋~大崎」間で、大幅増便されました。埼京線・川越線内で運行する列車はダイヤをあまり弄らず、りんかい線と相鉄線からの超通列車の延長で対応されました。

山手線の横にある山手貨物線には、埼京線と湘南新宿ラインが運行しています。湘南新宿ラインは東海道線・横須賀線・高崎線・宇都宮線と長距離路線通しの直通のためダイヤを弄るのは難しく、ダイヤの弄りやすい埼京線を中心に増便したと想像できます。

りんかい線からの直通列車は大崎止まりの列車を延長するだけでなく、運行本数自体を1時間あたり数本増便し、赤羽駅と武蔵浦和駅行きの列車としました。

相鉄線からの直通列車は通常ダイヤでは新宿駅を折り返しを基本としていますが、池袋駅まで延長運転が行われました。そのため相鉄車の池袋折り返しも見ることが出来ました。

湘南新宿ラインは臨時ピストン列車

品川駅で横須賀線E235系と並ぶ臨時列車のE233系
品川駅で横須賀線E235系と並ぶ
臨時列車のE233系
長距離列車が多くダイヤを弄るのが難しい湘南新宿ラインですが、大崎駅を通過の「品川~新宿」間で30分間隔で折り返し運転が行われました。

新宿駅では普段埼京線の折り返し用ホームとなっている2番線ホームが、臨時列車の折り返しホームとなりました。埼京線は延長運転を行っているため折り返し列車が少なくなっているため、日中の2番線ホームは折り返し臨時列車だけが長々止まる、普段では考えられない贅沢な使い方です。

品川方面へ向かうため大崎駅を通過する臨時列車のE233系
品川方面へ向かうため大崎駅を通過する
臨時列車のE233系
「新宿~品川」間で列車は、「渋谷・恵比寿」のみの停車となっています。新宿と品川を行き来する列車は、新宿側大崎駅手前にある分岐線(厳密にはこっちが本線)を利用し山手貨物線と横須賀線を経由する必要があります。この大崎駅の真ん中を通る分岐線には、ホームが無いため、大崎駅は通過するしかないので通過となりました。

新宿行き臨時が表示される品川駅横須賀線の電光掲示板
新宿行き臨時が表示される
品川駅横須賀線の電光掲示板
臨時列車は横須賀線を経由するので、品川駅では横須賀線のホームを使うとスムーズに折り返せます。そのため横須賀線14番線ホームを使っての折り返しが行われました。ピストン列車はE233系やE231系が使われたため、横須賀線ホームでは普段見られないE217系やE235系とのツーショットが見ること出来ました。

このように様々な臨時列車とダイヤを駆使することで、混乱を抑えて工事を実施することが出来たのは見事だったと思います。また、私も含め珍しい光景に非常に多くの鉄道ファンが集まりました。今回は鉄道ファンによる大きな混乱が無かったのは良かったと思います。ただ、写真よりも録音するための棒を狭いところで使う人が多かったのはどうかと思いました。JRを見習い鉄道ファンも気を引きしめて、鉄道を楽しみたいものです。

また先に触れたように外回り線の工事が今後実施されると思われます。JRがどのような工夫で工事に挑み、どんな臨時列車が走るかも楽しみです。


2021年8月10日火曜日

2022年度から磐越西線一部再非電化へ - ゆくゆくは磐越西線全線非電化へ?




 2022年度より磐越西線「喜多方~会津若松」間が非電化工事を開始予定と報道されたことから、なぜ非電化するかや今後の磐越西線について考えてみたいと思います。


予定されているのは「喜多方~会津若松」間16.6km

会津若松駅に停車するJR東日本E721系とキハ40系
左が磐越線電化区間を走るE721系
右が磐越線非電化区間を走る今は引退したキハ40系
JR東日本が非電化化を検討しているのは磐越西線の「喜多方~会津若松」間で、営業キロにすると16.6kmで6駅が対象となっています。

福島民友新聞の8月4日の記事によると、8月3日に喜多方市はコスト削減を理由にJR東日本より2022年度から「喜多方~会津若松」間の再非電化化の予定を説明されました。これに対し市側は観光や直通列車への影響を懸念したと報道されました。

役目を終えつつある電化

磐越西線は福島県郡山駅~新潟県新津駅を結ぶ、全線営業キロ換算で175.6kmの路線です。そのうち約半分にあたる福島県内郡山駅~喜多方駅間の81.2kmが交流電化されています。

E721系指定席車両
快速列車に連結される指定席車両
この交流電化は1967年により一度に全線で行われ、上野駅から会津若松・喜多方へ直通する特急や急行が運行されるようになりました。その後東北新幹線が開業し、特急列車は「郡山~会津若松」へ縮小されていきました。高速道路の磐越道の延伸などもあり、現在では特急も廃止され快速列車に指定席が連結されるのみとなっています。

磐越西線は会津若松駅を起点とし運行系統が二分されています。「郡山~会津若松」間が電車列車、「会津若松~新津」間が非電化列車という住み分けになっていて、全線直通する列車はありません。その中で郡山方面への列車2本・喜多方方面1本が電化区間全線を走る列車となっています。

優等列車がほぼ廃止され電化区間の全線直通列車が減った今、市側の懸念はもっともなものですが、電化区間が縮小されてたとしても影響はかなり小さいのは事実です。

JR東日本は地上設備を減らしたい

鉄道は車両だけでなく架線・信号・踏切など地上にも設備が必要です。

JR東日本は将来の乗客や働き手の減少を見越して、地上設備のメンテナンスやコスト削減ののための投資を進めています。例えば海外でも進み始めている信号の無線化技術の開発や、踏切制御の無線化も進めています。それに加えてかなり以前から電車の架線を無くす、架線レス技術にも注目していました。そのため鶴見線では燃料電池車の実験などもする予定です。

その点架線を取っ払ってディーゼル列車など走らせるのは、ハイテクではありませんがシンプルな方法です。

交流車両は高価・電気式でディーゼルも高性能化
磐越西線全体の非電化化も現実的?

磐越西線は交流電化されているのですが、そこを走る交流用電車を簡単に言うと、直流用電車に交流を直流にする変換機を追加で載せた車両です。なので、その分通常の車両より少し高価になっています。

路線単体で見ると電化コストが高くても、周辺路線との車両の融通やメンテナンスコストに貨物列車との兼ね合いで電化が必要な場合があります。しかし、磐越西線の電化区間の場合、既に半分は非電化区間であり郡山側にも非電化路線の磐越東線があり、そちらと車両を融通しあえるようになります。そして郡山には非電化列車の車両の点検の出来る車両工場もあり、メンテナンス面でも問題ありません。

そして最近登場した電気式ディーゼル列車はエンジンで発電した電力で走る列車なのですが、加速性能は普通の電車並みに進化していてディーゼル列車より上です。正確な値段は不明ですが、ディーゼル列車よりはコストが高いものの、メンテナンスコストで有利になると考えられるます。

それらを踏まえると電気式ディーゼル列車のような新しい車両でを導入することで、利便性を落とさず非電化化も不可能ではありません。そして車両コストはあまり変わらないものの、地上の電化設備の分でコストを減らすことは可能かもしれません。

部分的な非電化化工事の結果や、701系の廃車に合わせた今走っている車両の転用計画など次第では、全線の非電化化の検討も決して不思議なことでは無いと思います。


2021年2月21日日曜日

東京メトロ17000系の東武東上線内試運転を振り返る




 2021年より本格的に実施された東武東上線での東京メトロ17000系の試運転を、乗務員訓練を中心に振り返ります。

2020年12月から本格スタート

東京メトロ17000系は有楽町線や副都心線で運行している7000系の置き換え用として導入された新型車両です。

東京メトロ17000系東上線内深夜試運転
東上線内深夜試運転
2020年1月に17000系の第一編成が製造されましたが、東上線では年末までは志木駅近辺での小規模な試運転に留まっていました。12月20日にやっと東上線の和光市から小川町まで入線し、技術者も添乗し誘導試験やPQ輪軸試験など東上線内での走行が問題無いかの最初の技術的な検査が行われました。その後は同様の目的で池袋まで入線しました。

深夜に最低限の技術的な確認が終わった後は、日中に小規模な入線試験が実施されました。

2021年1月23日からは乗務員訓練

技術的な確認が終わった後は、実際に列車を動かす運転手さんや車掌さんの訓練が始まります。17000系は東京メトロの車両ですが様々な路線に乗り入れます。そのため東上線へ車両を貸し出しての訓練となります。

東京メトロ17000系の東上線乗務員訓練初日
東上線乗務員訓練初日
年も変わり第1編成の製造から約1年の経った2021年1月23日からは、あいにくの雨でしたが東上線川越市駅~森林公園駅間で営業列車の合間を縫って乗務員訓練が開始されました。同区間を各駅に停車して往復しました。

訓練初日の様子


川越市駅に停車する17000系試運転列車
川越市駅に停車する
乗務員訓練の試運転列車
暫くは1編成が貸し出されて川越市駅~森林公園駅間で、ほぼ毎日乗務員訓練が行われました。

志木駅の電留線へ入線する東京メトロ17000系
志木駅の電留線に入る17000系
2月8日からは更にもう1編成が貸し出され2編成体制となりました。1編成は相変わらず川越市駅~森林公園駅間で乗務員訓練が続けられ、もう1編成は高坂~志木間で乗務員訓練が行われました。

川越市駅での17000系の並び
2編成になったため乗務員訓練列車同士のすれ違いも見られるようになりました。川越市駅では電留線で発車待ちの訓練列車の横を志木からの訓練列車が追い抜く一幕も見ることができました。

8000系とすれ違う17000系訓練列車
8000系とすれ違う訓練列車
次の週からは2編成とも川越市駅~森林公園駅間での乗務員訓練となりました。平日の上り訓練列車の1本は森林公園検修区から越生線への回送列車の一本前を臨時ダイヤで先行して走っていたため、後続の回送列車は坂戸駅手前で信号待ちが発生しました。上の写真はその信号待ちの列車とすれ違う下り訓練列車です。


東上線への17000系回送列車
東上線への回送列車
訓練列車は1ヵ月間行われましたが、その間に何度か列車は東京メトロの車両基地へ帰るために回送列車が設定されていました。おそらく簡単な検査が理由だと思われます。

様々な乗務員訓練の様子

2月21日営業運転開始へ

東上線での訓練は2021年2月20日まで行われました。そして翌日の21日の朝1本だけ有楽町線の新木場から和光市まで営業運転が行われました。

この時点で製造が完了しているのは17000系の10両3編成のみです。今後10両編成の車両も引き続き増備されるだけでなく、8両編成の車両増備されます。

そして全ての車両が揃ったのちに7000系は引退する予定です。

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