2017年7月29日土曜日

ハイパーループは未来の交通の主役になれない?




PayPal、スペースX、テスラモーターズなど今ホットな企業の多数に関与するイーロンマスク氏が推進する次世代交通ハイパーループに、鉄道ファンの目線から迫ります。

未来の交通の主役になれない

結論から言うと一定の成功は収めることは出来るかもしれませんが、大成功と言えるようなあちらこちらにハイパーループの路線が造られるのは難しいと思います。その大きな要因は、既存の鉄道の延長にしか過ぎないからです。

そもそもハイパーループとは?

ハイパーループはアメリカの起業家イーロン・マスク氏が進める次世代交通システムのことです。減圧したチューブ内を列車が浮遊しながら高速運行し、人や物を短時間で各地で結ぶことが出来るようにするというものです。

この構想を発表した当初はイーロン・マスク氏は、大都市間からそうでないところまでと世界中どこにでも低コストで人と物を高速で輸送できる交通としていました。

今のところ実現しそうなのはリニア方式

減圧チューブ内を走るというのは最初から決まっていましたが、車両をどうやって動かすかは厳密には決まっていませんでした。

ジェット機のエンジンのようなファンが車両先端についていて、そのジェット推進で進むというイメージ図を覚えていらっしゃる方も多いと思います。現在はリニアモーター方式で開発が進んでいます。

ハイパーループ構想はコンペ方式となっており、イーロン・マスク氏が直接作っているわけではありません。現在ハイパーループ・トランスポーテーション・テクノロジー社とハイパーループ・ワン社の二社が中心に開発競争を行っています。

メリットとデメリット

ここでは減圧チューブ式リニアで技術的に一定の目途がつくという前提に、ハイパーループのメリットとデメリットを考えていきます。


メリット

リニアのメリットとして駆動部や接触部が少ないというのがあります。そのことにより消耗する部品が減り、メンテナンスが低減できます。急こう配や急カーブにも対応しやすいのも大きなメリットです。更にハイパーループではインダクトラックという方式のリニアを採用すると可能性があります。この方式は日本や中国にあるようなリニアより、低コストを可能とします。

更に減圧チューブを走ることで、騒音問題の防止や超高速走行を可能とします。新幹線が320km/hにとどまるのは騒音が問題です。チューブ型のトンネルにすることで騒音が大幅に抑えられます。また、高速走行時に問題になるのは空気抵抗で、その点でも有利に働きます。

デメリット

減圧チューブ式リニアというまったく新しい方式のため、既存の鉄道などと接続できないのがまず大きな問題です。二本のレールというシンプルな構造の鉄道と比べても、建設費が高価になるのは容易に分かります。そして一番のデメリットとしては、交通としての基本は鉄道と変わらないということです。

鉄道の延長という大きなデメリット

基本的には鉄道と変わらないという問題は、高速鉄道網が限定的にしか整備されないのと、同じ問題に行き着きます。

飛行機であれば拠点の空港の整備で済みます。しかし、ハイパーループや高速鉄道は高規格な線路を拠点と拠点の間全てに、敷設する必要が生じます。なので一定の輸送密度が無いと、採算性に問題が生じます。

当初のただ土管のようなチューブに浮上する列車を走行させるであれば、かなりの低コストで運行できたかもしれません。しかし、リニア方式になった以上は普通の鉄道以上の建設コストが発生するのは避けられません。なので当初のどこにでも安価に路線を引くのは難しく、すでに高速鉄道が走っているような輸送密度が確保できる場所にしか建設は難しくなります。

ただし、最初に挙げたリニアのメリットから、今ある高速鉄道よりは建設コストの他にメンテナンスコストまで含めると、安くできる可能性はあると思います。

既存鉄道との互換性の問題も

日本の場合は在来線と新幹線では線路の幅が違うので接続できませんが、海外では線路の幅が一緒なのでその問題はありません。最近は技術の進歩で高速鉄道車両が様々な電源方式に対応したり、ディーゼル発電機を搭載することもできるので、スピードは遅くなりますが二本のレールさえあればどこへでも乗り入れることが出来ます。

そのメリットを考えるとどこでもハイパーループにしよう!と思う人は減ると思います。安価な二本のレールを敷設するだけでどこにでも行けるというのは、とても大きな魅力だからです。

また、貨物輸送の高速輸送はまだないので、その点をどこまで伸ばせるかでも変わってくると思います。

既存高速鉄道との折衷案もありか?

以上を考えると当初イーロン・マスク氏がぶち上げたような、どこにでも建設できるようなものは難しいでしょう。技術的にめどがついたとしても、大都市間を中心とした高速鉄道に似た路線網になると思います。

私個人としては既存高速鉄道との折衷案も場面によってはありなのではと思います。高速鉄道がスピードを上げる上での大きな問題は空気抵抗です。高速鉄道の世界最速記録は600km/hを超えていることや、新幹線の試験車両も400km/h台までは出せているので、もし空気抵抗の問題が解決されれば400km/hを超える程度までの速度引き上げは見えてくると思います。

なのでハイパーループの開発過程で減圧チューブを安く作れるようになれば、減圧チューブ内を高速鉄道を走るようなのも良いと思います。そうすれば既存の鉄道との接続問題も解決できるので、今ある鉄道網も生かすことが出来ます。ただし、この方式は高速鉄道とハイパーループよりも建設費が高くなる可能性も高いです。実現しても多くの場所で適用できるようなものではないとも思います。

スペースXにテスラモーターズと、イーロン・マスク氏の会社は夢を見させてくれます。ハイパーループも減圧チューブを走る未来の交通として、大きな夢のあるものだと思います。そのまま大きな夢とならないことを願いたいです。

2017年7月4日火曜日

東武鉄道20000系4両・ワンマン化へ




2017年6月23日に東武鉄道より発表された有価証券報告書により、20000系列がワンマン4両化されることがほぼ確定したので、解説・分析・予想していきたいと思います。

日比谷線より引退する20000系

日比谷線六本木駅停車中の20050系
日比谷線内を走る20050系
東武鉄道20000系列は1992年より運行を開始したグループです。日比谷線直通車両として20000系置き換え用に製造された車両です。東武鉄道では唯一の車体長が18mのグループで、全ての系列が6M2Tの8両編成です。

20000系はチョッパ制御の3扉車、20050系がVVVF制御で先頭車が5扉車、20070系がVVVVF制御にシングルアームパンタグラフの3扉車というのが主な違いです。

日比谷線をホームドア化するのにあたり70000系が導入開始されたため、日比谷線より引退することが決定しました。そして、その後が注目されていました。

4両化でローカル線へ?

東武鉄道が2017年6月23日に発表した有価証券報告書に20000系4両・ワンマン化工事の記載があったため、詳細は不明ですが順次ワンマン化されるのは間違いないようです。20050系・20070系も順次改造されるのではないかという予想の下で、話を進めていきたいと思います。

20000系列の先代にあたる2000系は野田線に投入されましたが、現在の野田線はホームドアが設置されているために18m車は投入できない上に6両編成であることを考えると、ローカル線への投入となりそうです。

東武のローカル線では、8000系をワンマン化改造した車両が運用についていてます。編成は2・3・4両編成の3パターンで、置き換え対象となるのは3・4両編成のどちらかとなりそうです。8000系ワンマン車の3両編成の場合は定員が460名・4両編成が630名で、20000系をワンマン化した場合は約520名となります。定員差を考慮すると3両編成が置き換え対象になりそうですが、ワンマン路線は基本的に乗客が減っているので、4両編成も置き換え対象になる可能性は否定できないところです。

どのような改造が行われるか?

東武20000系列は中間車全てM車で先頭車両がT車という構成です。なので中間車2両と先頭車2両を組み込むと、2M2Tの4両編成とバランスの良い形となります。ただし、SIVやコンプレッサーなどの配置は均等ではないため、調整が必要となります。なので電装系の一部移設やワンマン運転対応化に、車内のリニューアルという形になると思います。

20050系の先頭車は5扉車となっているため、そのままローカル線には投入するのが難しい状況です。しかし、中間車に対し先頭車が少ないのは言うまでもありません。そこで中間車の電装解除を行いT車とした上で、運転台機器の移設を行うなどの可能性も考えられます。

20000系列の登場時期を考えると、ここで主制御機器の更新を行っても良い頃合いですが、近年の東武鉄道の様子を見るとそれはなさそうです。そのため車両をフルに使って8000系を置き換えるのではなく、一部中間車を廃車にして予備部品として活用し更新を先延ばしにする可能性も高そうです。

2017年6月20日火曜日

117系改造車 格安長距離列車へ投入




2017年6月20日にJR西日本は117系をベースとしたリーズブナルな値段から乗車できる夜行列車を、2020年夏ごろまでに「京阪神~山陰・山陽」間での運行を目指すと発表しました。

まさかの国鉄型長距離列車の復活へ

京都駅停車中の117系
ベースとなる117系
JR西日本は117系を改造した長距離列車を、2020年夏ごろまでに「京阪神~山陰・山陽」間へ投入を目指すと発表しました。コンセプトは「多様性・カジュアル・くつろぎ」としています。

『料金については、「一つの物差し」として大阪―出雲市駅間(約7千~約2万3千円)を例に挙げた。』 
 『』: 朝日新聞デジタル 2017.06.20 「JR西、料金安めの長距離列車導入へ 20年夏までに」よりの引用

コンセプトに「カジュアル」があるように価格もいままでのような高価なものでなく、リーズナブルなものを目指すとしています。計画はかなり具体的な部分まで進んでいるようで、上の引用にあるように最安運賃が7千円程度と具体的な想定価格まで出ています。また、運行は昼だけでなく、夜行列車としての運行を検討しているのも驚きです。

117系長距離列車編成イメージ図
編成イメージ図
6両編成中に「グリーン車・普通車・フリースペース・ノビノビ座席」を組み込んだ多様なものとなります。座席も「椅子・コンパートメント・ノビノビ座席・個室」と、多種多様になっています。このような編成は、急行「はまなす」を彷彿させます。

上の図は現在の6両編成の機器配置図と、JR西日本が発表した編成イメージ図を合わせたものです。グリーン車は車両端に配置しM車を避けることで、快適性を高める配置としたようです。

料金サンライズ出雲より安く?

サンライズ出雲
ノビノビ座席: 9390円
シングルデラックス: 22800円
ソロ: 15550円

高速バス: 4600円~
普通列車乗り継ぎ: 6480円

117系長距離列車は「7000~23000円」程度を想定してるとの話ですが、寝台特急サンライズ出雲との比較である程度内訳が見えてきます。

最低料金の7000円は、普通運賃と指定席券520円を足した金額です。それに対し23000円は、サンライズ出雲の一人用最上位グレードのシングルデラックスと同じ金額なので、グリーン車の個室の値段だと思われます。

また、高速バスとは比較しても値段差は2500円程度なので、車内をぶらぶら動ける快適性を考えると、そこは大きなメリットで勝機が少し見えてきます。あとはコンセントがあるか、前後のシートピッチや座席の質がどのようなレベルかによりそうです。

117系電車って?

今回長距離列車に改造される117系電車ですが、国鉄時代に製造された車両です。今でこそ普通列車として運行されていますが、新快速として東海道・山陽本線を駆け抜けていた車両です。

そのため6両編成の場合4両がモーター車である4M2T構成の上、JR東日本の185系特急電車と同じモーターや台車を装備し、高速走行に対応したものとなっています。

国鉄のノスタルジーはあるが…

国鉄型を使用した長距離特急は臨時夜行列車ぐらいで非常に少なくなっているため、高齢の方にはノスタルジーを感じさせ、若い方には新鮮さを感じさせると思います。もともとが高速走行を前提とした設計の車両なので、乗り心地はそれほど悪くないと思います。

しかし、弱点もあります。最新の車両と比べると五月蠅いのです。この頃の車両でも防音対策はされているのですが、最新型の特急などと比べるとかなり劣ります。古い車両で安く運行するので、そこは許容するしか無いところだと思います。このデメリットを他でどれだけカバー出来るかも、鍵となりそうです。

久々に庶民の足と言った列車の登場です。正直なところ「四季島・瑞風」などよりワクワクしています。今後どうなっていくか、新しい情報が出次第追記していきたいと思います。

2017年6月16日金曜日

JR貨物DD200形登場 液体式ディーゼルは今後消滅か?




JR貨物は2017年6月15日にDE10形ディーゼル機関車置き換え用の電気式ディーゼル機関車DD200形を製作したと発表しました。

本線走行・DE10形用車両

小牛田駅停車中のDE10形
置き換え対象のDE10形
写真の石巻線では入れ換えから本線運行まで
幅広く運用をこなす
HD300形はローカル線や貨物駅などの構内入れ替え用に使用されている、DE10形ディーゼル機関車の置き換え用として投入されます。

構内入れ替え用としてはハイブリッドディーゼル機関車のHD300形がすでに投入されていますが、機関車のみの単機回送では最高時速110km/hで走行可能なものの、貨車連結時は最高時速45km/hに制限されるため、本線を走行するのは難しいものでした。

DE10形との違いは大きい

置き換え対象のDE10形との大きな違いは電気式という点です。DE10形やDD51形など国鉄時代に製造されたディーゼル機関車は、液体式という自動車と同じトルクコンバーターを利用して動力を車輪に伝達します。それに対しJR化後に製造されたDF200形はディーゼルエンジンは発電機としてのみ使用し、モーターで車輪を駆動させます。DD200形は後者の電気式を採用しました。

その他の違いとしてDE10形は車輪が5軸なのに対し、4軸となります。車輪の数は減るものの車体自体は大型化されており、2m近く大きい15.9mの車体長となります。


性能面ではDE10形準拠

動輪出力はDE10と同様の600kWとなっており、エンジンも環境規制の基準などに対応すると思われますが、DE10同様の水冷4サイクルV型12気筒としています。最高速度はDE10形が85km/hなのでだいぶ向上していますが、運行する場所を考慮すると実質的には大きく違はないのではないかと予想します。

EF210形の技術を投入

電気式となり電気機関車に近い構造となったわけですが、そのためEF210形電気機関車の技術を応用し取り入れたとしています。台車も空気バネかつヨーダンパーを装備しDF200形やEF210形に似た、FD形の台車を採用しているようです。軸バネ方式でヨーダンパーも搭載しておらず、同じDE10形置き換え用のHD300形とはだいぶ異なります。

HD300形の投入は今後限定的になるか?

HD300形は蓄電池を搭載し停車時のアイドリングが不要などのメリットもありますが、高価な車両となっているといわれています。さらにDD200形とりも1tほど車体重量が大きいです。

それらを考えると住宅地の近い場所は引き続きHD300形が投入され、本線走行が必要な路線や住宅地から距離のある貨物駅などではDD200形の投入が中心となり、HD300形の投入は限定的になっていく可能性があると考えられます。

2017年6月7日水曜日

JR東海ハイブリッド特急投入 キハ85系置き換えへ




JR東海は2017年6月7日にキハ85系置き換え用に国内最速のハイブリッド気道車タイプの新型特急車両を導入すると発表しました。試作編成を作ったのちに、量産編成を生産する予定です。

国内ハイブリッド車最速の120km/hを予定

新大阪駅停車中のJR東海キハ85系特急ひだ
置き換え対象
キハ85系特急気道車

・モーター中心
・ハイブリッド車では国内最速
・快適性やメンテナンス性の向上
・燃費が15%向上

新型特急車の一番の特徴はハイブリッド方式であることです。ハイブリッドの方式としてはディーゼルエンジンで発電を行い必要に応じて蓄電し、モーターを駆動させて走行します。なので、基本的な構造はJR東日本が採用しているタイプのハイブリッド車と同じです。

一つ違うのは高速走行に対応することで、国内最速の120km/hに対応することです。JR東日本のハイブリッド車は、設計最高速度は100km/hとしています。それに対し20km/hも上回る120km/hとなります。また、海外だと日立製のClass 800が160km/h運転を行っているのを考えると、これで少し海外に追いつけたことになります。

ハイブリッド方式にすることで部品を電車と共通化することや、ディーゼルエンジンの数を減らすことでメンテナンス性を向上させることが出来るとしています。また、ギアチェンジが不要になるのことで快適性が向上するとしています。また、蓄電池により電気を効率的に利用することで、燃費が15%向上するとしています。

2018年に試作車1編成4両が完成し、一年間技術や耐久性の試験を行います。それを元に2022年から量産を開始し、キハ85系を置き換えていく予定です。

特急車としての設備は一般的か

防音床にし、セミアクティブダンパーなどを装備するなどその他は一般的な車体設備となそうです。

車内で特筆することと言えば、ハイブリッド方式でありながら全席にコンセントが配備されることではないでしょうか。設計時から電源容量に余裕を持ち、しっかり対応するようです。

その他ではオストメイト対応のトイレや電動車椅子対応のスペースに、防犯カメラやLED照明などとなります。

2017年6月3日土曜日

2017年春E235系量産車投入開始 E231系500番台中央・総武緩行線へ




2016年6月8日にJR東日本は山手線向けE235系量産車を2017年春より投入すると発表しました。これに合わせて現在山手線でE231系500番台は中央・総武緩行線へ転属します。
記事作成日: 2016.06.08/記事更新日: 2017.06.03

先行量産車との大きな違いは無し?

渋谷駅付近を走るE235系量産先行車
2015年11月より運行を開始した
E235系量産先行車

池袋駅停車中のE235系トウ03編成
量産車トウ03編成
外観上の違いはほぼ分からない
試作や運用テストを兼ねて導入されたE235系量産先行車が、2015年11月より運行を開始しています。これに続き2017年春から2020年春頃までに、E235系量産車49編成が投入されます。現在山手線では50編成のE231系500番台と、1編成のE235系の計51編成が運行しています。なので、2020年春以降は、1編成減った50編成での運行となるようです。

外観上は仕様変更として、11両のうち1両が山手線E231系4600番台を改造して組み込む予定としていましたが、一部編成については組み込まず11両全て新製となります。そして屋根上の地上設備の観測装置は省略されています。

E235系車椅子・ベビーカー用スペース
E235系車椅子・ベビーカー用スペース
カラーリングに変更が加えられている

E235系量産車の座席
座席
手すりの加工が変更されている

内装の変更としては、車椅子・ベビーカースペースの塗装が変更されていること、座席の手すりがザラザラした加工に変更されています。そのほかに異常時の自動放送の日英2言語化と、一部液晶表示が日英中韓の4カ国語になりました。

2017年5月22日より運行開始

トウ02~04の営業時の映像

量産車の第一編成にあたるトウ02編成は、2017年5月22日より運行を開始しました。運行開始日にブレーキ部に異常があったようで、数日運行をとりやめたのちに復帰しました。トウ02の運行開始からすぐにトウ03編成が運行開始し、翌週にはトウ04編成も運行を開始しました。2017年度は最終的に、15編成が投入される予定です。

E231系500番台は中央総武・緩行線へ

現在プレスで発表されている内容によると車両の改造は、ホームドア対応の保安装置の改造のみです。今は中央総武・緩行線にホームドアを設置している駅はありませんが、オリンピック会場に近い千駄ヶ谷駅にホームドアが設置される予定です。その他駅については順次ホームドア対応となるようで、これに合わせたもののようです。

山手線で運行しているE231系500番台は、順次中央・総武緩行線への転属となります。中央・総武緩行線では、E231系45編成と209系500番台13編成が運行しています。なので、山手線から全ての車両が転属してきても、一部の編成は置き換えることが出来ません。

ここで一つ気になるのは6扉の対応です。山手線転属車より中央・総武緩行線の車両のほうが多いわけですが、209系500番台を優先的に置き換えるとE231系0番台置き換え用が足りなくなり6扉車置き換え用の車両が必要になります。逆にE231系0番台を優先すると209系500番台が残ってしまいます。このあたりをどう解消するかが気になるところです。

中央・総武緩行線車両はどこへ?

皆さんも予想されていると思いますが、E231系500番台投入で行き場を失った車両は順当に行けば武蔵野線あたりに転属だと思います。非VVVF車であるメルヘン顔の205系4編成と、南武線からの転属車2編成あたりが真っ先に置き換えられてしまいそうです。

そして2017年度中に山手線の3割がE235系となります。翌年度からは他線への転出も始まると思うので、山手線に限らず記録しておきたいものがあったら、記録しておいたほうがよさそうです。

このあたりの情報で新しい情報が入り次第、順次更新していきたいと思います。

2017年5月31日水曜日

京急 車内を改良した新1000形16次車登場




京浜急行は2016年10月11日に車内を中心にマイナーチェンジを行った、新1000形16次車を2016年11月から運行すると発表しました。
記事作成日: 2016.10.11/記事更新日: 2017.05.31

マイナーチェンジは車内が中心

金沢文庫駅停車中の京急1000形16次車
1000形16次車
外観上の変化はラッピング以外分かりづらい

京浜急行新1000形 ステンレス車
ベースとなった
新1000形ステンレス車となる

導入予定

導入は今のところ計28両の予定で、6両×2編成と8両×2編成が導入予定です。6両編成が普通やエアポート急行用に2016年11月から運行開始し、エアポート急行や他社線乗り入れも含めた快特運用用に8両編成が2017年2月から運行開始しています。

2018年度も16次車が導入される可能性が高そうです。

変更点

・LEDヘッドライト化
・側面デザインが1800番台に準拠
・ロングシート部端の袖仕切りの大型化
・客室ドアに化粧板を設置
・車端部片側にボックスシート・コンセント設置
・LCDの大幅増設

今回は外観には大きな変化はありません。車体は新1000形ステンレス車ベースで、側面デザインは2016年3月にデビューした1000形1800番台と同じになっています。ヘッドライト(前照灯)がLED化されていますが、今までのものと見た目上はあまり違いが分かりません。

京急線では乗り入れてくる他社線を含めて、行き先表示器横の上部ヘッドライトは昔ながらのシールドビームを採用していました。今回の変更が他社を含めて、どう広がっていくか注目です。側面デザインが1800番台準拠ということで、シールによるフルラッピングとなります。今後の新車は京急カラーが復活していきそうな兆しです。

京急1000形16次車車両端の座席
車両端の座席

車内は比較的大きな変化が見られます。その中でも比較的小さな変化としては、ロングシート部端の袖仕切りの大型化と客室ドアの化粧板設置です。袖仕切りの大型化はドアからの吹込みやドア前のお客さんとの干渉防止を理由にしており、最近の鉄道各社の流行りを反映したものとなります。今まではドアを車内側からみたとき、化粧板の貼っていないステンレスむき出しものもを使用していましたが、これに化粧板が貼られます。また、最近はドアを目立たせるために黄色いテープが貼ってあったりしますが、化粧板そのものに印刷され耐久性やメンテナンス性が向上しそうです。

大きな変化としては、二つあります。一つ目はボックスシートとコンセントの設置です。京急にはボックスシートの車両がありますが、最後にボックスシートが設置された新製車は京急2100形なので、新製車では16年ぶりの登場です。配置が特徴的で、車端部にボックスシートとロングシートが両方設置されます。さらにボックスシート部にコンセントが、2口設置されます。特急車両では標準的になってきたコンセントですが、通勤車両で搭載した車両は首都圏には走っていたなかったと思います。元々鉄道車両には通勤・特急車両問わずに掃除用にAC/100Vのコンセントが設置されていましたが、あくまで停車時の業務用で解放されていませんでした。既存車両含めてコンセント自体はあるので、走行時の電源品質を高めて通勤車でも解放する流れになるかは興味深いです。

二つ目としてはLCDの大幅増設です。一両あたり日英に対応した案内用のLCDを、ドア上6カ所に、中韓に対応したLCDを千鳥配置でドア上に3カ所設置します。海外旅行者の増加で多言語表示の重要性は高まるばかりですが、日本語表示のスペース・時間などが短くなり一番利用者の多い日本語使用者が割りを食う状況になってきました。かと言って国際標準の英語、日本への旅行者の多い中国・韓国語を外すわけにもいきません。そんな現状に対しての対応だと思うのですが、他社線でも液晶モニタの拡大や今回のような液晶の増設で表示スペースの見直しは増えていくと思います。

金沢文庫駅を発着する動画

京急については知識が曖昧な部分もあるので、ご指摘がある場合はコメント欄からお手柔らかにお願いします。

2017年5月20日土曜日

JR東日本 夏の臨時を勝手にピックアップ2017




2017年5月19日にJR東日本が夏の臨時列車を発表したので、私が気になった列車をピックアップして紹介します。

ムーンライト信州
ムーンライト信州

夏の定番ムーンライト

快速ムーンライトながら

使用車両: 185系
東京発23:10→大垣着5:50 7/22~8/20
大垣発22:49→東京着5:05 7/23~8/21

快速ムーンライト信州81号

使用車両: 189系
新宿発23:54→白馬着5:40
7/15.16.22.23.29.30、8/1-6.10.12.19.20.26、9/2.9

今年のムーンライトながらも概ね去年と同じような日数で、時刻も同じです。ムーンライト信州は時刻は同じものの、8月の運行が一日減っていて二年連続の運転日減少です。

185系臨時からピックアップ

快速 谷川岳山開き: 185系
7/1上野23:35→土合3:10 7/2土合14:30→上野17:03

快速 山の日谷川岳号: 185系
8/11 上野7:03→土合9:35/土合14:23→上野17:03

ブルーオーシャン外房
大宮7:37→安房鴨川10:38
安房鴨川16:00→大宮19:06
7/22.23.29.30

昨年と同じダイヤでの運行です。冬は草津の臨時に185系が入りましたが、夏は昨年のと同じく入りません。なので高崎線・上越線での185系はこの二日のみとなります。

昨年は485系「なのはな」で運行されていたブルーオーシャン外房は185系での運転です。鉄道ファン的にはまあまあ楽しめると思いますが、車両的にはちょっと微妙かもしれません。

あずさ・しなの相互乗り入れ

特急 木曽あずさ: 189系
新宿9:24→南木曾13:48 7/1、8/26、9/9
南木曾16:02→新宿20:42 7/2、8/27、9/10

特急 諏訪しなの: 383系
名古屋8:28→茅野11:21
茅野18:48→名古屋18:48
7/8.9、9/23.24

快速 いろどり木曽路: 485系いろどり
長野8:35→中津川12:15
中津川14:36→長野18:18
7/29.30

信州DCのため「あずさ・しなの」が延長運転されます。JR東日本所属の189系を使用した「木曽あずさ」がJR東海線区の南木曾まで、JR東海所属の383系を使用した「諏訪しなの」がJR東日本線区の茅野まで乗り入れます。また、485いろどりは昨年は中津川まで夏に乗り入れましたが、今年は南木曾までとなります。

HIGH RAIL 1375運行開始

快速 HIGH RAIL: キハ100系+110系
小淵沢10:30→小諸12:31
小諸14:22→小淵沢16:54
小淵沢18:20→小諸21:51
運転日多数のため割愛

小海線のリゾート列車「HIGH RAIL 1375」が7/1日から運転開始します。小海線の主力車両であるキハ100系と110系を改造し、リゾート列車にしたものです。運転日はかなりの数設定されていて暫くの間は土日祝日は全て運転で、8月中は火曜日以外は運転です。注意として指定席料金大人820円・子供410円で他の快速列車より高めです。詳しくは専用HPがあるのでそちらを参照ください。

中央線・大糸線旧型客車

車両: EF64+旧型客車+EF64

快速 レトロ大糸線 9/23
松本10:09→南小谷12:06
南小谷12:49→松本15:51

快速 レトロ中央線 9/24
松本10:12→富士見 12:26
富士見15:31→松本17:59

今年も中央線と大糸線でEF64によるプッシュプル擬きの編成で旧型客車の運行が行われます。昨年夏は旧型客車が様々なところで運行されましたが、今夏は定番の「SLレトロみなかみ・碓氷」以外ではこの二列車だけになります。

とこんな感じでピックアップしてみました。今年の夏も良い旅を満喫してきてください。

2017年5月14日日曜日

2017年度事業計画 関東大手私鉄ピックアップ




関東の大手私鉄が発表した事業計画書から、私が気になったものをピックアップしていきたいと思います。
記事作成日: 2017年4月28日/記事更新日: 2017年5月14日

東武鉄道

東武動物公園駅で停車中の東武鉄道70000系
最新車両の東武70000系
東武鉄道は2017年4月28日に事業計画を発表しました。

・軌道検測車更新
・運行アプリ導入

一つ目のとして「軌道検測車更新」です。東武鉄道ではプラッサー&トイラー (Plasser & Theurer)社製のEM80-40という総合軌道検測車が運用されていますが、これが今年度で更新されます。この車両は夜中にしか走らず、日中は車両基地や駅の側線に停車してる縁の下の力持ちです。また、これに合わせてトラックにパンタグラフを載せたタイプの電気検測車も更新されます。

二つ目として「運行アプリ」が導入されます。JR東日本や東急・東京メトロなどが導入していますが、東武鉄道でも導入されます。最近数が増えてきたので、そろそろ統合して欲しいですよね…

小田急電鉄

小田急電鉄は2017年4月28日に事業計画を発表しました。

・3000形8連の10両化
・ホーム固定柵の設置

1つ目は「3000形8連の10両化」です。小田急は3000形の6両編成の車両の10両編成化を以前から実施していましたが、今年度は中間車2両を新造し8両編成の車両を10両化します。2017年4月現在で8両編成は15編成あるのですぐ全てが10両になるとは思えませんが、1~2年中には全て10両化が完了してしまいそうです。

2つ目は「ホーム固定柵の設置」です。これは東急電鉄が設置を進めているタイプのようなものではなく、ホーム先端の車両が止まらない位置に設置されるものです。今年度中に「新宿・小田原・藤沢・片瀬江ノ島・唐木田」の5駅に設置されるので、記録したい方はお早めに。

京成電鉄

京成電鉄は2017年5月9日に事業計画を発表しました。

・日暮里駅ホームドア設置
・C-ATS非常ボタン連動化改修
・3000形8両×3編成=24両増備

一つ目は「日暮里駅ホームドア設置」です。日暮里駅は山手線との接続駅で、実質的なターミナル駅としての機能を果たしています。なので乗り換え客や外国人旅行客の多い駅へ、ホームドアの設置が開始されます。

二つ目は「C-ATS非常ボタン連動化改修」です。近年では緊急時のためにホーム上の誰でも押せる列車非常停止ボタンが設置されていますが、これの機能が2019年度までに順次改修されます。今までは目視用の非常信号が点灯するのみでしたが、改修が終わるとボタン押したと同時に列車へ停止信号が送られることで安全性が増します。

3つ目は「3000形8両×3編成=24両増備」です。ながらく増備の続いている3000形ですが、今年度も引き続き増備されます。

京浜急行

京浜急行は2017年5月10日に事業計画を発表しました。

・新1000形36両の増備
・新1000形8両の更新

一つ目は「新1000形36両の増備」です。具体的な編成数などの記載はありませんが、プレスの新造車の写真が昨年から製造の始まった1000形16次車のものとなっているので、今年も16次車が製造される可能性が高そうです。

二つ目は「新1000形8両の更新」です。昨年までは2100形の更新が暫く続いていましたが、今年から新1000形が本格的に更新されるようです。1000形の運行開始は2002年からなので、電装系を含めた更新が必要になって来る頃合いです。初期の編成は発車時にドレミファの音階を奏でることでドレミファインバータのニックネームで有名な、シーメンス製VVVFを採用しています。このVVVFも更新されることで順次減っていくと予想されるので、記録される方は注意です。

西武鉄道

西武鉄道は2017年5月11日に事業計画を発表しました。

・40000系4編成の増備
・スマホ向けアプリの導入
・池袋駅ホームドア設置

1つ目は「40000系の増備」です。40000系はロングシート・クロスシートの転換機能を備え、朝夕は有料のライナーであるSトレインとして使用されている車両です。転換機能の無い車両の増備も計画はされていますが、今年は昨年と同じ転換機能のある車両のみ4編成が増備されます。

2つ目は「スマホ向けアプリ」の導入で、他の大手私鉄同様に西武鉄道でも導入がされます。
3つ目は「池袋駅のホームドア設置」です。以前から池袋駅ではホームドアの設置は行われおり、年度ごとに分けてそれぞれの番線へ設置されています。今年は4~6番線に設置されます。

2017年4月24日月曜日

万能特急東武500系リバティ 縦横を駆ける




2017年の4月21日より運行を開始した東武鉄道500系特急リバティの運用や料金面を中心に解説します。車両については別記事の「東武鉄道新型特急500系リバティ 半蔵門線には直通しない?」のほうをご覧ください。

下今市駅で停車中の500系特急リバティ

4月21日ダイヤ改正より運行開始

運行開始は東武野田線(アーバンパークライン)・伊勢崎線(スカイツリーライン)・日光線のダイヤ改正に合わせて、2017年4月21日からの運行開始となりました。

このダイヤ改正は久々の大きな変更を伴うものとなりました。500系リバティを利用した分割・併合のある特急列車の運行開始、快速・区間快速を廃止し「南栗橋~東武日光」間の急行・区間急行への以降、更に特急の土日ダイヤ採用などです。

車両愛称は「Revaty(リバティ)」

東武500系リバティのロゴ
車両側面のロゴ
東武鉄道では特急車両100系には「SPACIA(スペーシア)」、200系・250系には「Ryomo(りょうもう)」と愛称を付けてきましたが、500系には「Revaty(リバティ)」という愛称が付けられました。

由来は様々な線区を走ることから連想される「Variety」と、東武線を縦横無尽に走り回ることらら連想される「Liberty」の二つを組み合わせて、「Revaty(リバティ)」としました。

特急運行区間の新列車・新線区設定へ

下今市駅で停車中の東武500系リバティ
分割を待つ500系
貫通扉を設けたことからも分かるように、殆どの種別で分割併合前提の運用となります。既存の特急と同じ区間を走る列車については、既存の列車名にリバティが付きます。さらに、実質ライナー運用の近距離特急も設定されました。

分割併合あり

・リバティけごん+リバティきぬorリバティ会津
・リバティけごん+リバティりょうもう
・アーバンパークライナー

リバティけごん+リバティきぬorリバティあいづ

「リバティけごん+リバティきぬorリバティ会津」は「浅草~下今市」間を6両、「下今市~東武日光・会津田島」間を3両で運行します。「リバティけごん」に、「リバティきぬ」か「リバティ会津」のどちらかが連結されます。ただし、一部列車については分割併合無しの3両編成で運行されます。

「リバティ会津」は野岩鉄道沿線の温泉街や会津鉄道沿線の観光地へのアクセス向上を理由に、2016年4月21日に発表された野岩鉄道・会津鉄道へ乗り入れて会津田島駅まで運行する、今回新しく設定された列車です。

原則として併合時は「リバティ会津o r きぬ」が先に下今市駅へ入線し、その後「リバティけごん」が入線し連結します。分割時はその逆の順番となります。

リバティけごん+リバティりょうもう

「リバティけごん+リバティりょうもう」は「浅草~東武動物公園」間を6両、「東武動物公園~東武日光・館林」間を3両で運行します。今のところ1日片道一本のみの運行となっています。伊勢崎線と日光線の分岐駅である東武動物公園駅で、分割作業を行います。

アーバンパークライナー

「アーバンパークライナー」は新しく設定された近距離特急で、4タイプの運行が設定されています。夜の運行しかありません。

「浅草~大宮」間を6両で運行する列車、「浅草~春日部」間を6両で運行し「春日部~大宮・野田市」を3両で運行する列車、野田線内のみの運行で「大宮~運河」間を3両で運行する列車の4タイプが運行されます。

上で紹介したもののうち、「春日部~大宮・野田市」は春日部駅で分割を行います。このうち野田市行きの列車は、春日部駅で進行方向が逆になります。また、大宮に向かった3両が、折り返し野田線内のみを走る「大宮~運河」間の列車となります。「浅草~大宮」間を6両で走る列車は、大宮駅到着後にすぐ回送列車として車庫へ戻ります。

「浅草~運河」間に以前設定された臨時特急は、やはり今回の布石だったようです。野田線沿線は東武本線系統より、大宮からJRを使うお客さんも多く、2016年のダイヤ改正でお客さんの利便性重視の「大宮~春日部」間急行の列車が設定されまし。なので今回の野田線内のみの特急は、その姿勢をより鮮明にしたのだと思いますが、それでも驚きです。

分割併合なし

スカイツリーライナー

「スカイツリーライナー」も、今回初めて設定された近距離特急です。運行区間は「浅草~春日部」間です。一部列車については100系スペーシアでの運行です。

朝方は浅草行きのみの運行で、1号は5:36発・3号は6:08発と非常に朝早い時間帯の運行です。この後から「けごん」や「りょうもう」など北部からの特急列車が来るので、朝方の「春日部~浅草」間の特急が無い時間帯を補完するために運行開始されました。

夜は春日部行きのみの3本が運行されます。17:30から1時間ごとの運行で、スカイツリーライナーの運行終了後に、アーバンパークライナーが運行される形となります。

車内サービスはビジネス向け

東武500系リバティの座席
座席

東武500系リバティのサービス用コンセント
サービス用コンセント
座席の形状はスペーシア100系に似たものが採用されています。ただ、こちらのほうが若干硬い印象を受けました。東武500系にしかない物として、PC用のAC100V/2AのコンセントとFree Wi-Fiがあります。逆に100系にしかない物として、座席のフットレストや車内の売店に車内販売があります。

3両編成で運行することを考えると売店が置くのが難しいことや、貫通部を車内販売のワゴンが通るのが難しいといった事情もあるのだと思います。また、車両コンセプトとしても500系のほうがビジネス向けなのではないでしょうか。その他にトイレが大型化されいて、障害がある方は500系のほうが利用しやすいかもしれません。

貫通扉上のLED

案内用に貫通扉上にフルカラーLEDが表示されています。日本語だけでなく、英語・中国語・韓国語などにも対応しています。

料金は一部値上げ

りょうもう・けごん・きぬ・会津

東武リバティ特急運賃
特急運賃より
「けごん・きぬ」に関しては、スペーシアもリバティも同じ計算です。「リバティ会津」についても新藤原まではスペーシアと同じ計算方法ですが、野岩鉄道・会津鉄道線内はそれぞれ一律で特急料金が加算されます。浅草から乗り通す場合を例にすると、野岩鉄道線内は東武線内の特急料金に一律370円追加で1810円、会津鉄道線内は東武・野岩鉄道線内の特急料金に一律300円追加で2110円となります。

また、スペーシアで設定されている夜割りと午後割りの設定がありません。なので、500系にしか搭載されていないコンセントやWi-Fiが使いたいなどがなければ、それらが設定されている時間帯はスペーシアのほうがお得となります。

「りょうもう」との比較では特急料金の計算がスペーシアと同じ割合になるため、値上げとなります。浅草から乗り通す場合は初乗りで同額、「リバティりょうもう」の終点である館林で200円値上げの1230円です。もっとも、今のところ下り一本のみの設定予定なので、「りょうもう」を頻繁に利用する方でもほとんど影響は無いと思われます。

スカイツリライナー・アーバンパークライナー

東武鉄道リバティ ライナー運賃より
ライナー運賃より
浅草発のスカイツリーライナー・アーバンパークライナーは、浅草~北千住間から乗車する場合は一律410円で、せんげん台以降は運賃のみで乗車出来ます。

大宮発のアーバンアパークライナーは大宮駅から乗車するときのみ310円の追加料金が必要で、春日部以降は運賃のみで乗車できます。

春日部発のスカイツリーライナーは、段階性のライナー運賃となります。春日部から乗る場合ですと、次の北千住までが420円、とうきょうスカイツリー~浅草間で510円となります。

走行から分割シーンまで撮影しました

今までの特急車両と違い分割併合を可能とすることで、運用面での柔軟性を持たせるようになっています。まだ走り始めたばかりの列車なので、柔軟性を生かした新しいサービスが今後も出ることを期待したいものです。

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東武鉄道新型特急500系リバティ 半蔵門線には直通しない?




2015年4月22日に東武鉄道が発表した新型特急500系「リバティ」について、車両の仕様などを中心に解説します。そして半蔵門線に直通出来るにも触れていきます。運用に就いては「万能特急東武500系リバティ 縦横を駆ける」をご覧ください。
記事作成日: 2015.04.22/記事更新日: 2017.04.24


500系特急電車スペック

東武日光線を走る500系特急リバティ
東武日光線を走る500系特急リバティ

編成概要

東武500系編成表
500系編成イメージ

車両形式: 500系
導入車両数: 3両×8編成=計24両
導入路線: 東武本線
運行開始日: 2017年4月21日
製作会社: 川崎重工
デザイナー: 奥山 清行

今回導入されたのは3両×8編成=24車両の特急車両です。2016年度に導入され、2017年4月21日から運行を開始しました。基本的には2編成を連結した6両で運行します。500系の導入により1800系の改造車である300系が2編成廃車となりましたが、350系については今後も特急「しもつけ」・臨時特急「きりふり」で運行を続けます。

運行路線は東武スカイツリーライン(伊勢崎線)・日光線・鬼怒川線・アーバンパークライン(野田線)・野岩鉄道線・会津鉄道線と、本線系統であればどこでも走れるようになっています。

6両の編成のスペーシアは東武と野岩鉄道の境界駅である新藤原駅まで乗り入れていますが、そこから先は変電所容量の関係で乗り入れが難しいという話を聞いたことがあります。3両編成の小回りのよさが早速生かされることになりそうです。


車両外観

製造は川崎重工です。東武鉄道での採用は1946年に戦後の輸送力不足改善のため国鉄から割り当てられた63系以来となります。(川崎重工に吸収合併された汽車製造が8000系を作っているので、これを含めると変ります。)

春日部駅に入線する東武100系
特急スペーシアとして活躍する
東武100系特急電車

下今市駅で停車中の東武500系リバティ
下今市駅での分割作業

デザイナーは北陸新幹線E7系や山手線E235系、中央線特急E353系などを手がけた奥山 清行氏です。前面は貫通型で分割・併結が可能な形状で、今までの東武特急が非貫通型であるのと対照的です。旧成田エクスプレスの253系に似た形状ですが、253系が車掌しか通行できないのに対し、旅客も通行可能なタイプとなっています。

連結作業中の東武鉄道500系リバティ
連結作業中

分割作業の動画

分割や併結時には貫通幌のロックは駅員が行い、貫通幌の収納や外側の扉の開閉は自動的に行う、半自動方式となっています。そして、車内の運転台側の扉のロックなども手作業で行います。連結時には連結部がオレンジに点灯し、注意喚起の音が流れます。一部自動化されていると言っても作業量は特段減ったわけではないので、6050系と比べて作業時間が短縮されているなどの印象はありませんでした。

東武鉄道500系リバティ 上部前照灯
上部前照灯

東武500系ヘッドライト・テールライト
下部ヘッドライト・テールライト
ヘッドライ専用のライトが貫通扉上、ヘッドライト・テールライトを兼ねたものが前面下部についています。LEDタイプのもので非常に指向性が高く、写真の通り横からだと点灯しているのが殆ど分かりません。また、下部の前照灯は日中では3分の1程点灯し、夜間は全て点灯するようになっています。

東武鉄道500系側面LED行先表示器
側面LED行先表示器

東武鉄道500系リバティのロゴ
側面ロゴ

側面の行先表示器はスタンダードなフルカラーLED表示器を採用しています。側面にはリバティのロゴが貼られています。

電装部品など

SS182M(TRS-16M)

東武鉄道500系リバティ搭載東芝製VVVFインバータ
東芝製VVVFインバータ
足回りはには東武30000系で試験を行っていた永久磁石同期モーター(PMSM)が採用されるほか、東武鉄道では初めてアクティブサスペンションダンパーが採用されます。モーターはPMSMです。2017年4月21日に東芝がモーターを納入したと発表しました。

実際に乗ってきましたが、発車時のモーターやインバーター音などはスペーシア100系と比べると、非常に静かに感じました。揺れについてもアクティブサスペンションダンパーがある分、少なく感じました。

東武鉄道500系リバティのパンタグラフとクーラー
パンタグラフとクーラー
パンタグラフは先頭車と最後尾に一つづつ搭載されています。クーラーは屋根上に集中式の物が、一両につき一つづつ搭載されています。最近は屋根まで塗装されている車両もありますが、そういった特徴はありません。

車内サービスとしてWi-Fiや2Aまで対応のPC用電源も用意されます。車内サービスについては「万能特急東武500系リバティ 縦横を駆ける」に記載しているので、そちらもご覧ください。

走行から分割シーンまで撮影しました

気になる地下鉄直通

今のところ地下鉄直通の発表のない500形ですが、実際可能なのか考えてみます。地下鉄の乗り入れの障害になるものとして、前面貫通扉と車体幅の制約があります。500系は前面貫通扉は問題なさそうですが、車体幅やカーブの制約で怪しいところがあります。

地下鉄はトンネルの大きさの関係で車体幅が大きい車両は入れない場合があります。今回発表された500系の車体幅は2870mmです。これに対し半蔵門線直通対応車50050系が2770mm、日比谷線直通対応車20000系列が2874mmとなっています。

なので、半蔵門線に関しては車体幅的に難しそうです。日比谷線は車体幅だけで見れば問題ありませんが、まもなく登場予定の新型東京メトロ13000系や70000系が舵操舵台車を装備して20m車の乗り入れに対応したのを見ると、カーブの問題で難しそうです。やはり500系の地下鉄乗り入れは、無いのではないでしょうか。

スペーシアの後継ではない

発表時のプレスリリースで「特急スペーシア、特急りょうもう等に加えて、特急列車のさらなる利便性を向上を目的に」とあるように、新しい選択肢としての導入で既存特急車両の後継ではありません。

車両数で考えてみても全24両では足りませんし、スペーシアが6両を基本としていることからも後継ではないとすると納得できます。東武300系が6両×2編成=計12両・350系が4両×3編成=計12両であることを考えると、こちらのほうが全て置き換えられることも予想されましたが、300系の置き換えのみとなりました。

また、半蔵門線などの地下鉄直通にはスペーシア後継で対応を考えているため、今回の車両では対応しない考えなのかもしれません。車体の構造的にはATS-Pさえ搭載すればJRへの乗り入れることも可能だと思いますが、同様の理由で今後も行われないことが考えられます。

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東武鉄道 野田線運河行き臨時特急運行

2017年4月20日木曜日

「平凡」と「早すぎた」2つの東武快速




今回は東武鉄道が東上線で運行している快速と、「浅草~日光・鬼怒川」間で運行していた本線系統の快速という、対照的な2つの快速について紹介したいと思います。
記事作成日: 2015.05.12/記事更新日: 2017.04.20

2つの快速

東武鉄道で運行している快速は現在東上線だけですが、以前は二つの快速が運行されていました。一つ目は「池袋~小川町」間を結ぶ東上線系統の快速と、「浅草~日光・鬼怒川」間を結ぶ本線系統の快速がありました。

この二つの快速は違ったコンセプトのもと同一種別を名乗っています。その特徴や違いが対照的かつ面白いので、今回紹介してみようと思います。

平凡な東上快速

東武東上線を走る東武9000系
快速運用に就く9000系9101F

東上線は10両編成の列車が運行する「池袋~小川町」間と、4両ワンマン列車の運行する「小川町~寄居」間に分かれています。その中で快速が運行するのは「池袋~小川町」間で日中に1時間あたり2本運行されています。車両は10両編成の通勤電車が使われており、特定の形式での運行は行われていません。

東上線では停車駅の少ない順に「TJライナー(有料)・快速急行・快速・急行・準急・普通」の7種類の種別が運行されていますが、真ん中ぐらいの数でちょっと中間的なポジションです。

平日ダイヤでの比較ですが、ラッシュ時に運行される「TJライナー・快速急行」が「池袋~小川町」間を約65分で結ぶのに対し、日中の空いているダイヤを生かした「快速」は約70分で結び、中々の走りです。しかし、「急行」も日中は70分弱で結ぶので、「快速」を走らせるなら「急行」のほうが通過駅の利便性を考えると、トータルでは便利なのではと思ったりもします・・・駄目ではないけど特別凄くもない、そんな平凡さを持つのが東上線快速だと思います。

ちょっとだけ快速らしくなった?

2016年の東上線大改正で、快速列車にも大きな変化がおきました。池袋行きの急行を減らし地下鉄副都心線直通のFライナーが運行開始したほか、川越市以北でも日中に準急が運行を開始しました。今まで池袋行きの急行は4本だったのですが、この2本を副都心線直通のFライナーとし、池袋行きが減った分を2本の準急と2本快速で補うことになったのです。

以前のダイヤではで快速列車は、緩急接続を使った速達列車としての役割は小さいものでした。それが川越市以北へ向かう・から来る準急列車と川越市駅で接続することで、池袋行き急行を補う列車として重要性が高まりました。今までぱっとしなかった快速ですが、少しだけらしくなってきたのではないでしょうか。

早すぎた本線の快速

東武伊勢崎線を走る東武6050系
快速専用車両の東武6050系
浅草を基点とする本線系統を走る快速は「浅草~東武日光・会津田島」間の運行で、途中下今市駅で列車の分割・併合を行う長距離列車です。車両は快速専用の6050系が使用されています。快速専用というだけあって、2扉・ボックスシート・トイレ付きと、他の通勤電車とは別の装備になっています。

停車駅数も少なく「浅草~鬼怒川」間を約2時間20分、「浅草~東武日光」間を約2時間10分ほどで結びます。これは特急が「浅草~鬼怒川」間を約2時間、「浅草~東武日光」間を約1時間45弱で結ぶのを考えるとなかなかの早さです。しかし、この早さが仇となりました。

元々もは1日を通してのダイヤが設定されていましたが、新大平以北が各停の区間快速の登場で朝方の下りだけの運行になってしまいました。これは誰が見ても特急への誘導です。速くて設備も凝っている快速ですが、この速さのせいで大幅に本数を減らされてしまった列車なのです。

さよなら快速電車

廃止間際の映像

縮小傾向の続く快速列車でしたが、2017年4月21日のダイヤ改正で廃止が発表されました。快速廃止後は「南栗橋~東武日光」間で運行を開始する急行と区間急行、さらに特急「リバティけごん・会津」が代わりを果たします。ただ、急行は午前中の下りのみの運行、区間急行は下りが夕方で上りが朝方と夕方頃の運行のみとなり、快速・区間快速時代よりさらに運行本数が少なくなります。

観光が好調な反面で沿線人口自体が縮小し、特急列車の比重を高めたいという意図は分かります。ただ利用者としては、お手軽かつ快適な専用車両を使った快速がなくなるというのは、やはり不便なものです。特に日中は代替となる急行・区間急行がまったく運行されないのは、特に不便です。時代ということなのでしょうが、いろいろな意味で残念という他ありません。

あとがき

同じ鉄道会社が運行する同一種別でも、違った顔を持った列車が走っているがお分かりいただけたでしょうか?今後も東武鉄道に関するこういった記事を、不定期に書けたらなどと思っています。

※関連記事
東武鉄道の対照的だった2つの急行・地下鉄戦略

2017年4月18日火曜日

さよなら東武634系特急スカイツイリートレイン




2017年4月16日をもって引退した観光特急スカイツイリートレインを紹介します。

6050系の改造車

東武634系野田線回送回列車
野田線を回送で走る634系
スカイツリートレインは名前の通りスカイツイリーをテーマとした車両です。2012年より東武鉄道が運行していた臨時特急列車です。2017年4月21日のダイヤ改正に先駆けて、4月16日に運行を終了しました。

日光線を走る東武6050系快速
東武6050系
車両は634系という専用車両で、4両1編成が製造されました。この車両は新造車両ではなく、快速・区間快速を中心に使用されている東武6050系を2両2編成を改造したものです。東武鉄道は大手私鉄ということもあり、簡単な車内更新や電装部品の更新であれば自社の工場で行うことも可能です。もう少し手の込んだものは館林にあり、実質東武鉄道の車両改造工場として機能している津覇車両で行っています。後で詳しく車内を解説しますが、かなり大掛かりな改造を行ったために、横浜の総合車両製作所で改造を行いました。

東武鉄道では634型と呼んでいますが、世間では634系という呼び方のほうがポピュラーなようなので、634系で表記は統一したいと思います。

特急として縦横無尽に

運行経路としては「浅草~東武日光・鬼怒川温泉・太田・大宮」の4系統で運行していました。いずれの経路での列車名は「スカイツリートレイン」で統一されていました。

観光列車というと所要時間を長めにする列車も多いですが、特急「りょうも・けごん・きぬ」などと比べてもほぼ同じか、少し長い程度の時間での運行でした。これは観光といっても、沿線各地からスカイツリーへのアクセスを目的としていることや、車両が1編成しかないため回転率を上げる目的もあったと思われます。回転率を上げる工夫として場合によっては客扱いをせず、浅草→東武日光のような回送列車が設定されることもありました。

2編成を連結して運行されていましたが、分割併合を行う運用に入ることはありませんでした。

東武日光から浅草へ

東武日光から浅草まで乗車したので、その時のレポートとあわせて車内を紹介します。

東武634系座席

東武634系座席
座席は主に二種類あります。スタンダードな進行方向と同じ向きの3列シートに、片側2列のシートが窓側に向くものがあります。編成のうちそれぞれ2両づつがそうなっていて、リクライニングも可能です。外が見やすいように、座席部の床は少し底上げされています。

東武634系のラウンジ席
運転席後ろはフリースペースがあり、ミニラウンジ風の座席や前面展望の出来る座席などもあります。

東武634系天窓
スカイツリートレインの特徴はなんと言っても大型窓です。天窓と言ったら大げさかもしれませんが、天井部付近近くまで窓が取り付けられています。自社や津覇車両で改造工事が出来なかったのは、この窓があったからだと思われます。

この他の設備として小さなグッズ販売所や、記念スタンプなども設置されています。また日光・鬼怒川で長期宿泊する方や外国から観光客へ配慮してだと思いますが、大型の荷物置き場もあります。

なかなか快適ではあるけども

列車が引退してしまうということで、引退一週間前に東武日光駅から浅草駅まで乗り通しました。乗車したのは東武日光17:36発のスカイツリートレイン8号だったのですが、展望も期待できない時間というのもあってか、乗車率は半分いかないぐらいという感じです。

元々高速走行を前提とした6050系をベースとしているので、揺れなどは特別多いと感じませんでした。5年前から運行しただけあって、座席も未だ清潔感を感じます。ただ、車両端などはなかなかの爆音でした。直流モーターが唸りを上げてるのを良く聞くことが出来て我々鉄道ファンには嬉しいですが、普通の人はあまり喜ばないでしょう。また、座席の形状も特急スペーシアのほうが座り心地は良い感じです。

元々眺望を重視した車両なので仕方ない面はありますが、やっぱり本職の特急列車に比べると乗り心地などは劣ります。ただ、ダイヤによっては特急と所要時間が変わらないものもあったので、6050系の本気の走りが見れるという点で鉄道ファンには面白い列車だったのではないでしょうか。

さよなら特急スカイツリートレイン


ダイヤ改正は2017年4月21日ですが、元々スカイツリートレインは土日などを中心に運行していた列車なので、最終運行列車は4月16日の浅草発新栃木行きの「スカイツリートレイン3号」となりました。東武300系特急電車は同じ日に引退イベントを行ったことを考えると、特別なイベントもなくかなり地味な引退となりました。

引退一週間前から引退日までを撮影

「スカイツリートレイン」運行終了後の車両については特に発表はありませんが、廃車になる可能性が高いかもしれません。ベースになった車両は6050系でも新しい1988年製の車両ですが、大型窓化という改造には無理がある気がします。今後は車両の動向にも注目したいものです。

2017年4月16日日曜日

影の功労者 東武鉄道300系・350系特急電車




東武鉄道で活躍をつづけ2017年4月21日のダイヤ改正で引退が決まった特急型車両「300系」と、今後も活躍を続ける「350系」について解説します。
記事作成日: 2017.04.14/記事更新日: 2017.04.16

スペーシア・りょうもうの影で活躍

特急しもつけの運用につく東武350系
350系・特急しもつけ
東武鉄道の特急車両と言うと浅草~両毛地方を結ぶ特急「りょうもう」に使われる200系、新宿・浅草~日光・鬼怒川を結ぶ特急「スペーシア日光・きぬ・けごん」などで使われる100系スペーシアが有名だと思います。これら特急はビジネス・観光特急として毎時一本以上の高頻度で運行する、東武鉄道の顔と言える列車です。

それに対し今回紹介する300系・350系は、一日一往復浅草~東武宇都宮を結ぶ特急「しもつけ」、夜ラッシュに実質ライナーとしてや土日や繁忙期に臨時列車として運行する特急「きりふり」、今では珍しい私鉄の夜行列車「尾瀬夜行」や「スノーパル」に使われています。これら列車は運行本数も少なく、りょうもうなどを補助する役目で運行されています。

元はりょうもうとして活躍

300系・350系新造車両ではなく、特急「りょうもう」用として使用されていた1800系を改造したものです。1800系は1969年に6編成・1973年に2編成・1987年に1編成が製造されました。このうち1987年に製造された1編成が現在も臨時用として使用され、残りの編成のうち新しい車両を中心に300・350系へ改造されました。改造の内容としては発電ブレーキと抑速ブレーキと、勾配の多い日光・鬼怒川線向けの装備の追加です。6両編成の300系が2編成、4両編成の350系が3編成が製造されました。

元の車両がかなり古いので、率直に言って車内設備は現代に合わないものとなっています。そのため特急料金も浅草~東武日光の場合特急「けごん」が1340円に対し、特急「きりふり」は1030円と安く設定されています。

ダイヤ改正後は活躍の幅をさらに縮める

2017年4月21日のダイヤ改正で300系・350系は活躍の幅を大きく縮めます。

300系についてはこのダイヤ改正で引退となります。350系については今後も活躍を続けます。ただし、特急列車向けの土日ダイヤが導入されること、平日夜の特急「きりふり」が500系リバティを使った「スカイツリーライナー」になるため、定期運用は浅草~東武宇都宮間を1日1往復運行する特急「しもつけ」のみとなります。

350系で日光へ

2017年のダイヤ改正前に浅草から東武日光まで350系の臨時列車に乗車してきました。

浅草駅に進入する東武350系回送
折り返し「きりふり」となる回送
この日乗車したのは浅草駅8:30発「きりふり273号」です。この列車では春日部の車庫から出庫してたものが運用に就きます。春日部から直接回送されるのではなく、一旦とうきょうスカイツリー駅の近くにある留置線で時間調整をします。臨時列車であるため浅草駅の入線はギリギリで、5分前程度となります。

東武鉄道350系の座席
座席
座席は2列ずつの、4四列のスタンダードな構成です。座り心地は良いもののリクライニングが出来ないもので、アームレストも真ん中にはついていません。リクライニング出来ないために、大型のテーブルが展開出来るよう窓下に据え付けられています。

東武鉄道350系のクーラー
クーラー
300系・350系は沢山の分散型クーラーを搭載しています。分散型クーラーを搭載している車両は今でも多いですが、吹き出し口が個別なのは少なくなってきていると思います。この日はあいにくの雨だったため、窓は固定式の一枚窓なので曇っていました。

車内は決して五月蠅くはありませんが、JRの185系などを彷彿させる感じです。東武日光線は栃木も過ぎると上り勾配が続きます。デッキに出ると走行音が響き渡り、趣味的にはたまりません。また、最近の特急列車では省略されることの多い自動販売機がデッキにあります。稼働率が決して高い列車ではないのに搭載されているのは、ちょっと「おお!」っと思いました。

臨時列車なので停車駅は同じ経路を走る特急「けごん」と同じものの、ダイヤには余裕がかなりあります。特急「けごん」が1時間50分に対し2時間10分と、20分ほど多く設定されています。東武100系はかなりスペックに余裕を持たせた設計であることや臨時列車であるとことを考えると、これくらい差がついてしまうのは仕方ないのかもしれません。

浅草駅出発時はかなり低い乗車率でした。北千住駅でそれなりに人は乗ってきましたが、それでも半分も埋まらないぐらいでした。天気が悪い上に桜のシーズンには早かったので、こんなものなのでしょうか。

下今市駅停車中の東武350系
下今市駅停車中
「きりふり273号」に使われた車両は、お昼過ぎに上りの特急「きりふり292号」として使用されるのですが、一旦新栃木駅まで回送されます。鉄道ファン的には見れる回数が増えるので、ありがたい限りです。一方「きりふり275号」で使われた車両はそのまま東武日光駅に留置され、上りの「きりふり294号」として使用されます。

さよなら300系

東武日光駅で展示中の300系
東武日光駅で展示中の300系
ダイヤ改正を控えた2017年4月16日に300系のさよならイベントが行われました。300系が「きりふり275号」と「きりふり294号」の一往復の運用に就きました。「きりふり275号」では車内で乗車証明書の配布が行われ、東武日光駅では300系の展示が行われました。展示中は時間ごとに様々な種別が表示され、賑わせていました。

ダイヤ改正までは平日の夜の「きりふり」の運用に入ると思われますが、東武日光までの長距離運用はこれが最後となりそうです。

今後は新型車両の500系リバティが300系・350系が行っていたような運用に入ります。これにより300系は撤退となります。古い車両が消える時は寂しいものですが、500系導入で大幅サービスアップが期待できます。そちらにも期待していきたいものです。

2017年4月13日木曜日

JR北海道 新型軌道検測車マヤ35形導入




JR北海道は2017年4月12日に新型在来線用軌道検測車のマヤ35形の導入すると発表しました。

積雪時も検測可能に

車両形式: マヤ35形
最高時速: 110km/h

今回導入されるのはマヤ35形1両です。車両の完成は2017年度の五月を予定し、そこから2018年3月まで各種試験を行います。そして2018年4月に正式に運行を開始する予定です。

軌道検測は機関車・キハ40が牽引して行います。キハ40牽引時は二両のキハ40がマヤ35形を挟み込む形で、最高時速は95km/hに制限されます。マヤ34形は紺に黄帯の塗装ですが、マヤ35形は北海道新幹線のH5系同色のグリーンで塗装されます。

車両の機能の一番の特徴としては、今まで出来たかった積雪時の軌道検測が可能になることがあります。他には画像処理装置による線路状況による撮影、光波による構造物との距離の測定が可能になります。

唯一のマヤ34形の後継車

鉄道は読んで字のごとく二本の線路の上を走りますが、その上しか走れないが故に線路の幅や左右の高さが狂っていたりすると脱線してしまいます。そのため軌道の状態を定期的に検測し、修正しています。その軌道の状態を調べるのが軌道検測車です。

JRも各社ともに当初は国鉄時代につくられたマヤ34形という客車タイプの車両を使用していました。しかし、JR東日本・JR東海・JR西日本の三社は、軌道検測も含む様々な検査が行える新型の在来線用検測車両をそれぞれ製造しました。新型の軌道検測車を持っていないJR北海道とJR九州はマヤ34形を使用しつつも、JR北海道はJR東日本・JR九州はJR西日本からも検測車をレンタルしながら各種検査を行っている状態でした。

JR3社は気道車タイプを一編成、JR東日本は電車タイプもさらに1編成製造しています。そのためJR発足後の客車タイプの検測車は、今回が初めてとなります。

二台車方式を採用

キサヤ94形軌道検測車
3台車方式の軌道検測車
キサヤ94形
東海道・山陽新幹線を測定するドクターイエローやJR東日本の新幹線各線を測定する「East-i」は二台車方式を採用しています。それに対しJR各社が製造した在来線用新型軌道検測車のうち、JR西日本のキクヤ141形とJR東海のキサヤ94形は3台車方式で、マヤ34形と同じ従来通りの方式で軌道の歪みを測定しています。JR東日本のキクヤE193形とクヤE190形はレーザーを使用する二台車方式となっています。今回JR北海道が採用するのはJR東日本と同じ二台車方式となります。

JR東日本の新幹線軌道検測車「East-i」ではレーザーの軌道検測を基本としますが、積雪時には雪の反射で測定が難しくなるため磁気方式の検測装置も搭載しています。台車の仕様の詳細は不明ですが、これと同じ仕組みで積雪時の観測を可能にしていると思われます。

2017年3月31日金曜日

SLみなかみ号 列車乗車紀 No.1




上越線「高崎~水上」間を週末など中心に運行される「SLみなかみ号」について、見どころとなど乗車レポートします。

手軽に長く乗れるのが魅力

渋川駅停車中のSLレトロみなかみ号
SLレトロみなかみ号
SLみなかみ号は上越線の「高崎~水上」間で運行する臨時列車です。約2時間の所要時間で、週末などの休日を中心に一日一往復の運行です。蒸気機関車はD51とC61のどちらかで、客車は急行用に国鉄末期に活躍した12系が使用されています。また、一部時期は戦後すぐに作られた古い客車、通称「旧型客車」を引っ張る時があります。この時はSLみなかみでなく、SLレトロみなかみという列車名になります。こちらのほうが、本来の運行に近い形となります。そして、「上尾~高崎」間を電気機関車が引っ張り延長運転する時は、「SL&ELみなかみ」となります。

乗車に乗車券と指定席券(520円)が必要です。更に列車種別が快速であるため、青春18きっぷと指定席券の組み合わせで乗ることが出来ます。高崎駅まで遠い方は、18きっぷのほうを利用すると、お得に乗車できるかもしれません。

見どころは高崎駅から

高崎駅で連結作業中のD51
高崎駅での連結作業
SLの見どころは発車する前から始まります。9時過ぎには高崎駅では駅のホームから少し離れたところで客車とSLの連結作業を行います。そして列車の発車20分前には、出発ホームに入線してきます。

入線から発車まで時間があります。その間に食べ物や飲み物を購入しておくのも良いと思いますが、車内販売があるので無理して買っておく必要はありません。

渋川駅では追い抜きも

SLみなかみ号を追い越す115系
SLみなかみ号を追い越す115系
SLみなかみ号は非常にゆっくりな速度で運行します。そのため上り・下りともに渋川駅で時間調整をします。上りでは25分の停車中に後続の特急草津が追いつき吾妻線方面へ出発し、その後さらに水上行きの普通列車が追い越していきます。上りは停車時間が長いので、ちょっとしたものが駅のホームで販売されていたりします。

下りは15分停車で、上りと同じパターンです。最初に吾妻線から来た特急草津が追い越し、後から水上から来て普通高崎行きが追い越します。

水上駅ではSLが回転

SL広場で方向転換するD51
転車台に乗るD51
水上駅に到着すると、SLはすぐに車両から切り離されます。切り離されたSLは駅からすぐそばの、SL広場で方向転換します。転車台という回転することで車両の向きを変える装置が設置されていて、それをまじかで見ることが出来るように広場が整備されています。広場は駅の外にあるので入場に特に制限はなく、普通の公園に入るようにだれでも気軽に見ることが出来ます。

SL広場で整備を受けるD51
整備を受けるD51
方向転換が終わった後は整備作業に入ります。SLの後ろ側についている炭水車の上に作業員の方が乗り石炭の山をならします。給水塔はないので、大型ホースで水を給水します。更に古い車両ということもあるので、現役で時であれば一日の運行終了後に行うような可動部にグリスを流し込む作業が行われます。

水上駅に到着するD51
水上駅に入線する
水上駅発車の30分前には、高崎駅へ向けて出発する準備が始まります。SL広場から出発すると、水上駅を高崎よりに少し行ったところまで一旦SLが移動し、バックして客車へ連結します。

最後の見どころも高崎駅

高崎駅を発車するSLみなかみ号の回送
高崎駅を発車する回送
列車が到着して15分ほどするとSLが回送として発車していきます。発車時も大きな警笛を鳴らし豪快に出発していくので、この発車シーンまで見るのがお勧めです。


動画でも見どころをまとめました。お時間のある方はどうぞ。

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・解説
4月21日のダイヤ改正より特急リバティが運行を開始しました。走行映像から分割シーンまで、様々な場面を撮影してきました。