2016年3月30日水曜日

東武鉄道 野田線・東上線16年春ダイヤ改正内容を発表




東武鉄道は2016年春の野田線急行運転やTJライナーの朝ラッシュ運行に地下鉄直通の急行・快速急行など、東上線と野田線のダイヤ詳細について発表しました。ダイヤ改正日はJRと同じ3月26日となります。
記事作成日: 2015.11.05/記事更新日: 2016.03.30

野田線急行は「大宮~春日部」間

野田線春日部駅に停車中の東武60000系
東武野田線60000系

急行運転概要

野田線(東武アーバンパークライン)の急行列車の運行区間としては「大宮~柏」間を予定していてます。駅を通過する急行運転については「大宮~春日部」間のみで、「春日部~柏」間は急行列車も今まで通り各駅停車での運行となります。「大宮~春日部」間の停車駅は途中「岩槻」駅のみで、同区間の所要時間は各停が21分に対し急行が15分で6分の短縮となります。

運行本数は平日が9~16時代に上下で毎時2本づつの運転です。休日は7~8時台が片方向の大宮方面のみの運行で、9~20時代は平日同じ上下で毎時2本づつの運転です。一日一往復だけ船橋発着の急行列車が運行されます。途中急行の追い抜きは基本的に行いません。

一部時間帯の増発や運転区間延長のほか、大宮発→柏行きの最終電車が15分繰り下げの大宮23:40発、柏→七光台行きの列車が11分繰り下げで0:37発となり、JR線からの最終接続列車を今までより繰り下げることできます。

解説

今回の停車駅数は中々思い切ったものとなりました。急行運転は「大宮~春日部」間となりますが、同区間では岩槻駅を除く全ての駅を通過します。更に休日はJRへの乗り継ぎが便利になる「7~8時台の大宮方面急行2本」が設定されています。プレスにもあるように「大宮への利便性」を第一にしたダイヤになっていると思います。

普通列車についても「大宮~春日部」間は毎時6本が維持され、通過駅についても利便性を損なわないダイヤです。「大宮~春日部」では一時間当たりでは従来通りの「柏方面~大宮」の普通列車が4本、「柏方面~大宮」の急行列車が2本、急行通過駅分を補完する「春日部~大宮」の普通列車2本が運行されます。急行の途中追い抜きがありませんが、旅客の流れを考えると一番利便性の高いダイヤに思えます。

以前東上線の川越市以北で快速列車が運行開始された際は、通過駅は毎時1本の減便で不便になりました。今回のダイヤ改正を見る限り、単純に数あわせをして通過駅を不便にするような考えは改めてきたようです。あとは毎時10間隔で分かりやいパターンだったのが、どういった形になるかというところでしょうか。

TJライナー朝ラッシュの運行は2本

池袋駅を発着するTJライナー

TJライナー概要

TJライナーは朝ラッシュの新規設定で、「森林公園6:11発→池袋7:05着」「森林公園8:18発→池袋9:11着」の2本が運行されます。停車駅は「森林公園・東松山・坂戸・川越・ふじみ野・池袋」と、下りと違い川越市を通過するダイヤです。

料金が「森林公園~川越」間から乗車する場合は410円、「ふじみ野」から乗車する場合は310円と料金設定が二段階となります。発券は「池袋、ふじみ野~森林公園間各駅、小川町の駅券売機」と、ウェブ上の「チケットレスサービス」で可能となっています。

また、これに合わせて下りTJライナーも増発されます。平日は2本の増発と2本の時刻変更により、18:00~0:00まで30分ヘッドでの運行となります。23:30発と0:00発の列車のみ、行き先は小川町でなく森林公園行きとなります。休日も3本増発で、17:00~21:00まで30分ヘッドでの運行となります。下りの料金に関しては平日も休日も、今まで通り310円で据え置きとなります。

解説

運行開始以来増発を重ねてきたTJライナーですが、とうとう完全な30分ヘッドでの運行となりました。素人目に見ても週末などはかなり乗車率が良いのが分かります。副都心線開業による収益減と利便性向上を図っての運行開始でしたが、かなり良い結果になりました。

朝ラッシュのTJライナーで東上線では、現在設定されていない川越市駅通過の列車が設定されました。川越市駅は乗務員交代の関係で全ての列車が停車していますが、乗務員交代せず通過します。乗車については駅ごとに乗車扉が指定され、その扉の前で駅員が検札をして乗車する形となります。

発券に関しては今までは池袋発の下りのみの運行でふじみ野以北は自由に乗降出来る為、ウェブを除くと池袋駅のみでの発券となっていました。朝ラッシュに関しては池袋駅以外の発券が可能になったので、今後は下りの発券も可能になるかも注目です。

優等列車の地下鉄乗り入れで大幅変更

東上線を走る東武鉄道50070系51073F
地下鉄直通の列車
現在は普通しかない

地下鉄直通急行Fライナー運行開始

東武鉄道・西武鉄道・東京メトロ・東急電鉄・横浜高速鉄道の5社は、2016年3月26日より「Fライナー」の運行を開始すると発表しました。

東武東上線からは「東上線・急行~副都心線・急行~東横線・特急~みなとみらい線・特急」の列車を30分ヘッドで毎時2本。西武池袋線からは「池袋線・快速急行~副都心線・急行~東横線・特急~みなとみらい線・特急」の列車をを30分ヘッドで毎時2本運行します。

更にこれら列車を、「Fライナー」と名づけると発表しました。由来としては速達性の「Fast」・五社直通の「Five」・副都心線のイニシャル「F」からだそうです。

快速急行も地下鉄乗り入れへ

ハイキングやゴルフ客向けに土休日の朝に下り3本、夕方に上り2本の森林公園発着の快速急行が、地下鉄副都心線へ直通します。

準急増発と延長運転

日中毎時2本へ減らされていた準急が4本へ戻ります。池袋発25分・55分の列車は和光市駅でFライナーと接続します。さらに2本が川越市から先の森林公園まで延長運転となり、川越市駅で快速と接続するダイヤとなります。

解説

現在東横線・みなとみらい線方面から毎時15分間隔で、4本の特急が副都心線へ乗り入れています。このうち2本が西武線内快速急行の列車、もう2本が東上線内普通列車としてそれぞれに乗り入れています。なので、Fライナーという名称は付きますが、東上線以外はほぼ現状維持です。

東上線発着のFライナーの始発・終点は森林公園となります。東上線内「森林公園~和光市」間の停車駅については、現行の急行と同じです。所要時間は池袋行きの急行から副都心線内急行・東横線とみなとみらい線内特急の電車へ、和光市駅で待ち時間無しでの乗り継いだのと同じぐらいになりそうです。

東上線内優等列車については、現在日中は快速2本・急行4本・準急2本を基本としていますが、今回の改正で大きく変更されました。改正後は快速2本・Fライナー2本・準急4本・急行2本となります。快速急行の地下鉄乗り入れはサプライズでした。朝と夕方に片方向づつの設定ですが、横浜方面から帰ってくる需要もあると思うので、好評であれば両方向での運転に期待したいところです。

優等列車同士の接続ですが、上りは森林公園でFライナーと快速が、川越市で森林公園始発準急と快速が、ふじみ野で川越始発準急と快速・森林公園始発準急とFライナーが接続そ、下りは和光市で川越市行き準急とFライナーが、ふじみ野で川越市行き準急と快速・森林公園行き準急とFライナーが、川越市で森林公園行き準急と快速、森林公園でFライナーと快速といった具合に接続もかなり変更されているので注意が必要です。

通勤急行廃止と終電・始発変更

廃止予定の通勤急行

朝霞・朝霞台利用者の利便性向上のため朝ラッシュに運転されている通勤急行6本が、全て準急となります。

越生線を含めた各方面の終電の発車時刻が繰り下げられます。中でも一番大きく繰り下げられるのが、池袋発準急森林公園行きです。現在は池袋23:48→森林公園0:52ですが、改正後は、池袋0:02→森林公園1:06となります。

さらに始発もいくつか繰り上がります。とくに大きいのは川越市始発で、現在の普通4:57発から準急4:50発に変更されます。

解説

通勤急行は「志木~和光市間・成増~池袋間」の途中駅を通過し、準急は「成増~池袋間」の途中駅だけを通過する列車です。以前は平日朝に急行は運行されていませんでした。しかし、朝ラッシュに急行運転が行われようになり、停車駅も準急と大差のない通勤急行の意義は小さくなっていました。なので、これは良い変更だと思います。

森林公園発の準急繰り下げや始発の繰上げも以外でした。下りTJライナーの最終が0:00なので、森林公園行き最終電車はその後すぐの発車となります。川越市始発の準急は池袋に05:30到着なので、東海道新幹線初電の東京6:00発のぞみに乗ることが出来るようになりそうです。

和光市駅ホームドア使用開始

東上線和光市駅に到着する東武50000系51001F
ホームドアの設置が進む
和光市駅ではホームドアの設置工事が進められています。このホームドアもダイヤ改正に合わせて使用が開始されます。別記事で詳しく解説しているので、お時間のある方は関連記事からどうぞ。

※関連記事
東武鉄道2015年度業計画発表 新規急行運転は2016年春から
東武鉄道 野田線運河行き臨時特急運行
東武東上線和光市駅 ホームドアダイヤ改正から使用開始
東武鉄道の対照的だった2つの急行・地下鉄戦略
東武東上線・野田線ダイヤ改正レポート

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