記事作成日: 2015.07.17/最終更新日: 2015.09.16
年末の試験内容は運行管理システムが中心
蟹田駅にて 津軽海峡線を走るEH500形 |
・貨物列車が共用走行区間と在来線を直通できるか
・新幹線と貨物両方を走行させた状態で24時間安定稼動できるか
北海道新幹線開業を見据えて現在の在来線用管理システムとは別に、新幹線用管理システムの「CYGNUS」と新在来線用運行管理システムが開発されました。新幹線開業後は二つのシステムが連携して制御を行うことになっていて、年末の行うのはその試験です。
現在「青森~青函トンネル~五稜郭」間を通過する貨物列車は、在来線用の運行管理システムが制御を行っています。
それに対し、北海道新幹線開業後は「青森~新中小国」と「木古内駅手前~五稜郭駅」は新在来線用運行管理システム、共用走行区間や青函トンネルを含む在来線の「新中小国~青函トンネル~木古内駅手前」と、北海道新幹線全線にあたる「新青森~青函トンネル~新函館北斗間」は「CYGNUS」が制御を行うことになります。
分かりにくいと思うので、列車ごとにも説明します。「青森~五稜郭」間を走行する貨物列車の場合、「青森~新中小国」間は新在来線用運行管理システム、「新小国~青函トンネル~木古内駅手前」間は「CYGNUS」、「木古内駅手前~五稜郭」間は新在来線運行管理用システムが制御します。対して新幹線は「新青森~青函トンネル~新函館北斗」間全てを「CYGNUS」が制御します。
現在の「青森~新中小国」と「木古内駅手前~五稜郭駅」では、新幹線開業後用の新運行管理システムが稼動していません。そして現在稼動している運行管理システムは「CYGNUS」と連携することができません。
そのためEH800形電気機関車を使った試験では、木古内や新中小国で一旦停止した後に、現在のシステムから新システムへの切り替えを行って試験を行っています。なので目的の一つとしては、線路を新システムへ切り替えた状態で「青森~青函トンネル~五稜郭」間をEH800形が走行し、北海道新幹線開業後と同じようスムーズに運行管理システムの切り替えが出来ているか確認することです。
現在青函トンネルの架線電圧や信号システムは試験を行う深夜の時間帯だけ北海道新幹線開業後の状態に変更し、その他の時間帯では通常の特急や機関車が走れるよう元に戻しています。二つ目の目的として、北海道新幹線開業後と同じように架線電圧と信号システムを変更し、24時間稼動させても問題ないか確認することがあります。
また、北海道新幹線の列車はJR東日本の東北新幹線と直通するわけですが、そのために「CYGNUS」はJR東日本の新幹線運行管理システム「COSMOS」とも連携する機能を備えています。
また、北海道新幹線の列車はJR東日本の東北新幹線と直通するわけですが、そのために「CYGNUS」はJR東日本の新幹線運行管理システム「COSMOS」とも連携する機能を備えています。
青函トンネルを通過する全ての列車を運休
この試験を行っている間は、現在運行している車両は通過することが出来ません。そのため、特急「スーパー白鳥・白鳥」、急行「はまなす」、貨物列車の全てが運休になります。関連して江差線や津軽線の一部列車も運休予定です。
なぜこの日程になったかと言いますと、物流量が減る時期を狙ったからだそうです。現在も夜行列車が度々運休していますが、夜行列車の運転日程からこの時も旅客需要より物流が減るかを優先してして運休していることが分かります。
なぜこの日程になったかと言いますと、物流量が減る時期を狙ったからだそうです。現在も夜行列車が度々運休していますが、夜行列車の運転日程からこの時も旅客需要より物流が減るかを優先してして運休していることが分かります。
元旦と3月に実施
11月1日に行われる試験では、青函トンネルを通過する12月31日・1月1日始発の急行はまなすと、1月1日運転のスーパー白鳥・白鳥を全面運休します。青函トンネルを通過しない江差線列車も12月31日の函館出発9時以降から1月2日の始発列車などが運休します。
さらに3月22日~25日にも行われます。こちらは試験ではなく、地上設備の切り替えを行うために運休が発生します。
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